どうもこんにちは。
9月5日から制作を開始したタミヤのタイガーI(ティーガーI)の後期生産型ですが、今回は最後の工程であるウェザリングを行いました。
過去の戦車プラモでやってきた内容と同じではありますが、この記事で紹介するウェザリングは、道具があれば誰でも簡単にできるレベルなので、「ウェザリングはやったことないよ…」って人は参考にしてみてください。
ウェザリングでティーガーIをよりリアルにする
これまで何度か私なりのウェザリング方法を解説してみましたが、当ブログで紹介するウェザリングについては主に以下の4項目となります。
- ウォッシング
- 墨入れ
- ドライブラシ
- パステルワーク
いずれも市販のツールがあれば簡単にできる内容ですが、いざやってみると本格的かつリアルな汚しを行うことができます。
ウォッシングで車体の彩度を落とそう
それではさっそくウェザリングをやっていこうと思います。
まずはいつも通り、「ウォッシング」で泥水みたいな色の塗料をつくり、車体全体に塗りたくって彩度を落とします。
ちなみにこちらはウェザリングを施す前のティーガーI。「今からリアルになるよ~」と言ってやったら嬉しそうな顔をしてウェザリングされるのを待っています。
さて、ウォッシングで使用するのはタミヤエナメルカラーの「XF-64 レッドブラウン」と「XF-1 フラットブラック」。
これらを2:1くらいの割合で調色し、溶剤で5倍くらいに薄めます。
今までこのウォッシングで調合した色は黒っぽい色になってますが、模型製作動画を見ると気持ち茶色っぽい色をしていました。
紙でテストするとこんな感じになりました。
あと、よく言われている話ですが、エナメル溶剤はパーツを脆くするとのことで、パーツが割れるなんてウワサもあります。
今まで7回ウォッシングをやってパーツが割れた!…ってことはありませんでしたが、接着したパーツがポロポロ取れることは何度かありました。
なので、対処法としては、
- GSIクレオスのMr.ウェザリングカラー(マルチブラック+グレイッシュブラウン)および専用溶剤を使う
- 油絵の具(バーントアンバー+ローアンバー)および専用溶剤(ターペンタイン)を使う
など、エナメル塗料以外の方法もあるので、試してみると良いかもしれません。
さて、それでは調色したエナメル塗料を車体に塗りたくっていきます。
上の写真は右半分だけウォッシングした状態です。左右で色の明暗が別れているのがわかるかと思います。
先述の通り、エナメル溶剤でパーツが取れてしまうのを極力避けたいので、ビシャビシャに塗るのではなく、薄く伸ばしていくように塗っています。
同じように車体の前面下部も半分だけ塗ります。コッチのほうが明暗差がクッキリでていますね。
一通りウォッシングした車体とまだウォッシングしていない砲塔を比較するとこんな感じです。
いい具合に風化しております。
同じように砲塔もウォッシングをします。
車体全体をウォッシングしたら今度はエナメル溶剤を含ませた綿棒(ある程度絞って下さい)を使って、ウォッシングで塗りまくった塗料を拭き取っていきます。
イメージとしては、汚れた車を洗剤含ませたウェス(ボロ布)でキレイに掃除する感じで、表面はエナメル塗料を拭き取り、隅っこに塗料が溜まるような感じにしていきます。
ひとまず車体を溶剤含ませた綿棒やティッシュなどで優しく拭き取ります。
先述の通り、表面はキレイにして、突起の根本は塗料が残るようにしておきます。
また、側面などは重力に従って上から下へ拭き取ることで雨だれを表現することも出来ます。
ウォッシングによって驚きの白さを誇ったデカールもいい具合に黄ばんできました。
さて、なんやかんやでウォッシングをしたティーガーIはこんな感じに1段階色が暗くなりました。
1枚目の写真と見比べてみると違いは一目瞭然。たった10分程度の作業で10日間酷使したような風化っぷりを発揮。
…ただ、やはりエナメル溶剤のせいで接着したパーツがポロっと取れてしまいました。
パーツが取れたならもう一度接着すれば良いだけの話なので、大したことは無いですが、気になる人は本項目の冒頭で紹介した別の方法を試してみてください。
ひとまず問題がなければこれでウォッシングは終了。
墨入れでパーツの根本を暗くしよう
次にやるのが「墨入れ」で、パーツの突起部分の根本にウォッシングで使った塗料よりも暗い塗料を垂らして暗くしてやります。
この作業はあとで行うドライブラシとセットで突起部分の根本と表面の明暗差をクッキリさせる事ができ、各モールドをハッキリ浮かび上がることによって立体感を強調させます。
使用したのは同じくタミヤエナメル塗料からXF-10 フラットブラウンとXF-1フラットブラックを混ぜたもの。こちらはウォッシングより色はやや濃くします。
まずは砲身のモールドに墨入れ。先端が細い筆にエナメル塗料を含ませ、モールドに触れるように筆を置けばスーッと塗料がモールドに浸透していきます。
もしもはみ出た場合は、エナメル溶剤を含ませたティッシュペーパーで優しく拭き取ればOK。
同じようにサイドフェンダーのボルト部分にも墨入れ。
特にこういった小さい突起部分は墨入れとドライブラシの相乗効果の見せ所でもあります。
ティーガーIは車体が大きいだけに突起も多いので、1個1個確実に墨入れしていきます。
また、突起だけでなく逆に凹んだ場所にも塗料を染み込ませてやりました。
ドライブラシでパーツの根本を明るくする
墨入れの次はドライブラシでパーツの突起部分の表面を明るくします。
まず使用するのは車体色よりもやや明るめの「XF-59 デザートイエロー」。
デザートイエロー単色でも十分効果を発揮できますが、こだわりたい人はここにフラットホワイトを混ぜて何段階かに分けて明るくしていくと良いかもですね。
塗料は薄めずそのまま筆に取り、ティッシュペーパーや布などで筆についた塗料を拭き取ります。
筆に僅かに残った塗料を何度も擦り付けるように塗ることでエッジ部分や突起の表面が少しずつ明るくなっていくというわけです。
ためしにツィメリットコーティングした場所にドライブラシしてみます。
コーティングの谷間になっている部分はウォッシングで暗くなっているので、コーティングに対し垂直にブラシを動かすことで頂点だけ明るくなり、立体感が強調されました。
こちらはゲペックカステン(用具箱)。フチのリベットにドライブラシをしたことによって突起が浮かび上がりました。
こんな感じでエッジ(角)部分や突起部分にドライブラシで微量の塗料を乗せていきます。
パステルで泥汚れ・錆・スス汚れを再現
さて、お次はパステルを粉にしたものを車体にまぶすことで履帯の泥汚れやワイヤーの錆、マフラーや砲身先端のスス汚れなどを再現します。
用意するものは100均で売ってるパステルカラー、パステルを粉末にするために使う「茶こし」、そしてアクリル溶剤。
今まではこのパステルを使った汚しではエナメル溶剤を使っていましたが、やはりパーツが取れるのが怖いのでアクリル溶剤に変えました。
まずは1段階目。こげ茶色と黒のパステルを粉末にして混ぜます。この時溶剤は使わずに塗料皿を軽く振って混ぜます。
溶剤を含んだ筆でパステルを取り、車体の底面や履帯、前後のパネルの泥がハネそうな場所に筆で叩くように塗っていきます。
一段回目なので履帯全体にパステルを乗せましたが、以降は接地面にはパステルを乗せず、見える部分だけ行いました。
もちろん履帯だけでなく転輪にも筆でトントンと叩くようにパステルを塗ります。
私は面積の広い平筆でやってましたが、今思うと逆に細めの筆で先端をボサボサにした状態でやったほうが泥の付着がランダムになるので良かったかもしれません。
転輪部分をズームするとこのようになってます。…ちと塗りすぎたか?
そのまま少しずつパステルの色を明るくして湿った泥から乾いた砂っぽくしていきます。
最初に行ったドロドロのパステルと違って、今度は乾いた砂を再現するので、溶剤は使用せず、履帯にそのままブラストします。
写真は黄土色と白のパステルを混ぜているところですが、黄土色はしょっちゅう使うので全パステル中もっとも消耗が早いです。
そんな黄土色をまぶすことで付着した泥が乾燥したような質感になりました。
普通はこうなる前に整備兵がキレイにしてくれるのですが、いかんせん戦場なので必ずしもメンテナンスする暇があるとは限らないのです。
その場合、車体はまだしも兵士は何日も風呂に入ってない可能性があり、密閉された戦車の中はヤバいことになってそうです。夏とか悪臭サウナだろうなと…。
100均に置いてあるパステルは履帯を汚すために販売してるわけではないので、泥や砂の色は各自で作る必要があります。
…が、そういうのが面倒(あるいは良い色が出せない)って人のための秘密兵器がタミヤウェザリングマスター(Aセット)。
こやつをハケにとってパサパサと履帯にまぶしていくことでいい感じに砂の質感が出せちゃうのです。正直オススメ。
一通りパステルをまぶしたら履帯はこのようになりました。
建設現場の重機とかを見てもわかるように、履帯の表面はもちろん、窪んだところに砂や土が付着します。
また、履帯だけでなく車体正面の下の方やフェンダーも泥跳ねで汚しておきました。
こちらはフロントパネル。やはり前面と同じように下の方は泥まみれにしてみました。
…実際の戦車が本当にこんな汚れ方するのかはわかりませんが、沼地でも走ってりゃ汚れるだろうということで。
そしてこちらが転輪。毎度の事ながら転輪だけはやり過ぎた感満載で、何日メンテサボったんだよって怒られそうなくらい汚しました。
まぁ仕方ないね。戦闘中だもん。泥よりも敵の拠点を落とさないといけないからね。
また、ワイヤーには赤色の粉末パステルを溶剤でやや薄めにしたものをワイヤーに軽く塗り、指で伸ばして錆の再現をしてみました。
この時注意したいのは、パステルは乾燥すると色がクッキリ出るため、やりすぎると「錆」じゃなく昭和の特撮モノの流血シーンみたいな胡散臭い色になってしまいます。
なので塗ったときに薄いなと思っても深追いせずに乾燥するまで待ち、それでも薄かったら重ね塗りしましょう。
一方こちらはマフラーのスス汚れを黒いパステルで再現しました。
マフラー周辺は熱や排気ガスによって劣化が進み、塗料は剥がれるわサビるわススまみれだわで踏んだり蹴ったりな場所で、履帯に次いで汚し甲斐のある場所です。
で、パステルが乾燥するとこうなります。
さらにマフラー周辺のデッキ部分にも薄めたパステルを付着させることでスス汚れを再現。
そのまま砲身の先端のマズルブレーキもスス汚れ。
……と、言いたいところですが、マズルブレーキのスス汚れについては、モデラーによって意見が分かれており、”マズルブレーキにススは付かない派”によると、
- 砲身がススで汚れるのは砲撃によるものではなく、被弾によって発生した内部火災が原因の煙やススによるもの
- 砲撃後は速やかに掃除するので真っ黒になることはまずない
- 砲弾は黒色火薬ではなく無煙火薬を使っているので黒くはならない
といった理由が挙げられます。
個人的には砲身がススまみれの方が「おっ、頑張っとるなー!」と思うのですが、それが実際とは異なる「演出」と思うと驚愕です。
こういう時にオットー・カリウスでもミハエル・ヴィットマンでも良いから生存してたら戦車の事情を聞けるのに残念である。彼らも70年後に考察で頭から湯気を出すモデラーたちの事を考えて戦闘をしていただきたいものだ。
………とりあえず申し訳程度に付けて、スス汚れじゃないけど何か汚れ溜まって拭いたけど完全には落ちなかった感を出してみました。怒らないで。ぶたないで。
…ひとまずウェザリングについては以上です。
OVM(車載工具)の木目を再現する
さて、本来ならウェザリングが終了すれば完成!
…となるのですが、先日の『ティーガーIの細部をアクリル塗料で塗り分けてみた』の記事で述べたように、OVM(車載工具)にエナメル塗料を塗り、より木の質感を再現します。
使用するのはエナメル塗料の「XF-64 レッドブラウン」。
少し前まではこのレッドブラウンを単色塗りして、ハンマーやジャッキ台などの「木」の部分を塗装していましたが、最近は下にフラットフレッシュを塗ったあとにこのレッドブラウンを重ねる事でより木っぽくなることがわかりました。
このレッドブラウンを溶剤で少し透けるくらいまで薄めて使用します。
まずこちらは砲身内部をホジホジしてキレイために使うクリーニングロッド。人間で言う綿棒みたいなモノです。
この上にフラットフレッシュが残るようにレッドブラウンを塗っていきます。
するとこのように単色単調だったクリーニングロッドに木目っぽいものがついて「あぁ、木だな」ってなるようになります。
…え? あんまり変わってない!?
同じように斧の柄もレッドブラウンを上に塗ります。
するとこんな感じに。
最初の頃は勝手が分からず「単色」の塗装が多かったですが、単色よりも複数の色を使って描くことで立体感とか質感が際立ちます。
なので色んな人の作例を参考に、色の濃淡・明暗などで複数色を用意して「お絵描き」をするみたいに塗り分けをしていくといい感じになります。
そしてこちらはお馴染みのジャッキ台。こちらは気持ち濃いめにレッドブラウンを塗ってみました。
さて、これでティーガーIにおける全ての制作が終了しました!
「ティーガーI」完成!!
ウェザリングと細部の塗り分けが終わり、ティーガーIの製作が無事に終わりました!
今まではヴィルベルヴィント、オストヴィント、メーベルワーゲンといった「対空戦車」ばかり作っており、純粋な戦車は今回が初でした。
“戦車”といえば長い砲身や密閉型の砲塔があるという点で対空戦車とは異なるので、新鮮な気持ちで製作を楽しむことができました。
ことタミヤのティーガーI(タミヤは”タイガーI型”と表記)は本格的ながらも非常に簡単に作ることができ、さすが戦車模型の草分け的存在だけあると思いました。
ティーガーI後期型 ギャラリー
さてさて、話はこの辺にしておいて、完成したティーガーIをお披露目します。
今回も特に大きなトラブル・アクシデントも無く、順調に制作することができました。
ティーガーIのキットの特徴の一つでもある「連結式履帯」は、初心者には少し難易度が高いかもしれませんが、ベルト式の履帯にはない「たるみ」表現が出来て、より重量感のある足回りを作ることができました。
車体の側面。
サイドフェンダーはキットのパーツでは一本物になっていますが、実際は4枚に分かれているので、カットして先端を薄く削って動きのあるフォルムにしてみました。
こちらは車体の後部。
マフラーのカバーは車体塗装の前に行った下地塗装にて、オキサイドレッド色のプライマーを塗った上に離型剤を塗り、塗装後に爪楊枝で引っ掻くことで、塗装の剥がれを再現。
またリアフェンダー左側やマフラーカバーには対戦車ライフルによる被弾痕をつけてみました。これらの「バトルダメージ」の再現は今回が初の試みです。
そして同じように車体や砲塔の右側面などにも複数のバトルダメージを施してみました。
ティーガーIは火力が高いだけでなく、重装甲でもあるので、バトルダメージの再現によってその屈強さを際立たせてみた次第です。
…ただ、砲弾食らってヘコんだ装甲板がどんな色・質感をしているかが良くわからなかったので、塗装はカンでやってます。
戦車の特徴でもある細長い砲身は2つのパーツを貼り合わせて作りました。
そのためパーツを貼り合わせた時に出来る合せ目を消すために砲身は入念に整形しました。
ティーガーIのキットには戦車長のフィギュアが1体付属していました。
組み立ては簡単ですが、問題はフィギュアの塗装。細い筆がないので、中くらいの筆の先端を細くして塗料を塗るという、神経を酷使する作業でした。
フィギュアの顔については、従来までは説明書で指定されているフラットフレッシュを単色で塗るだけでしたが、今回はフラットフレッシュをベースに色を調色して明暗を付けてみました。
やはり単色で済ますよりも複数の色を使用したほうが質感が出ますね。
車体の正面。実際ならこんな状態になったらもう諦めてくださいってくらいの絶望的な光景です。
ティーガーIの砲塔や車体には「ツィンメリットコーティング」を施しました。
ツィンメリットコーティングの再現については様々な方法がありますが、私はこれまでポリエステルパテとコーティングブレードによる方法をずっと使ってきました。
また、車体の迷彩塗装は、ティーガーIが活躍したとされるフランス・ノルマンディー地方の戦いで投入された車体をイメージして、細い曲線を描いたものにしました。
なお、塗装および組み立てについては、なかなか迷彩塗装が上手くいかないので勉強しようと思って買った『エアブラシの使い方 (仲田師匠のプラモデル道場)』を参考にしています。
おかげでエアブラシ塗装は今回が最も上手く出来たと自負しています。
恒例の新人歓迎会
ということで戦車が完成したら行う、先輩戦車たちと並べて写真撮影。
まずは左からケーリアン、ティーガーI、そしてオストヴィント。
車体についてはそれぞれ5号戦車(=パンター)、6号戦車(ティーガーI)、4号戦車をベースにしており、これで4・5・6号が揃いました。
なお、時系列としては5号のパンターよりも6号のティーガーが先に開発されたのですが、ソ連のT-34に対抗する新型車両という事情から、情報漏えい防止などの大人の事情があったからです。
そしてこうやって見るとティーガーIよりもパンターのほうが車体がデカく見えます…。
そして今まで作った戦車たちも無造作に置いてみる。
今回のティーガーIで7輌目となり、部屋の片隅が戦車倉庫のように賑やかになっている反面、そろそろ置き場所を考えないといけないという…。
まとめ
9月5日に最初の記事を投稿してから本日11月11日と、制作期間はおおよそ2ヶ月ほどでした。
ブログ用に写真撮影したり記事作成したり、途中でモチベが下がったりとダラダラやってましたが、集中して作れば10日もあれば出来るレベルの内容でした。
また、パーツ数が抑えられているので、連結式履帯を除けば比較的簡単に組み立てられ、ツィンメリットコーティングやウェザリングといった工程も楽しめるので、本当に初心者・上級者を選ばないキットでした。
さて、次は何を作ろうかな(実はもう決まってるけどあえて煙に巻く)