タミヤの「ラング」の車体上部と主砲を組み立ててみた

タミヤ 4号駆逐戦車 ラング(V) 車体に主砲を取り付ける 4号駆逐戦車
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先日購入したタミヤの「4号駆逐戦車/70(V) ラング」の製作の続きやっていきます。前回で車体下部の組み立てが終わったので、今回は車体上部や主砲を作っていきます。

ラングを始めとする「駆逐戦車」は”砲塔”が無いので「戦車」と比べると全体の工数は減っています、その反面、車体上部の”戦闘室”を中心とした組み立てがなかなかボリューミーです。

同時に小さいパーツや砲身の可動ギミックもあり、車体下部よりも車体下部の方が組み立て難易度はやや高くなっています。

また、主砲に関してはタミヤのラング用のオプションパーツである「4号駆逐戦車/70(V)ラング メタル砲身セット」を使います。

そういった点を踏まえながら、4号駆逐戦車/70(V)ラングの車体上部の製作について書いていきます。

↑今までのラング製作日記はこちらにまとめています。

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4号駆逐戦車/70(V)ラングの車体上部の組み立て

さて、それでは車体上部の組み立てを開始します。

車体上部裏面の組み立て

タミヤ ラング 車体上部の組み立て 

車体上部は1つの大きなパーツで構成されており、エンジンデッキの各ハッチもモールドで再現されており、パーツ数は少なくなっています。

その反面、OVMやシュルツェン架、反射板など細々としたパーツが多く、手先の器用さが求めらます。

特に小さいパーツは紛失しやすく、ピンセットでつまんだ時に力の入れ方を誤って飛ばして行方不明…なんてこともあるので注意が必要です。

万が一紛失した場合、説明書記載のカスタマーサービスからスペアパーツを取り寄せることが出来ます。

でもお金がかかるのでなるべく「紛失しない」を心がけましょう。

この車体上部に装甲板やエンジン冷却用通気ルーバー、そして車体下部と結合する突起などを取り付けていきます。

タミヤ ラング 車体上部の組み立て2

こちらが諸々のパーツを取り付けた状態の車体上部。この段階ではまだ大きいパーツばかりなので楽でした。でもこの先どんどんパーツが小さくなっていく…。

また、車体後方に取り付けた2本の突起は、車体下部のポリキャップ部分に差し込むことで接着剤を使わずに上下車体を結合させることが出来ます。

もちろん「接着」による車体の結合に比べると強度は落ちますが、後々の塗装はもちろん、兵士フィギュアを乗せることを鑑みると「接着」はしないほうが良さそうです。

フェンダーの取り付け

タミヤ ラング サイドフェンダーの取り付け

お次はフェンダーを取り付けます。

タミヤ ラング サイドフェンダーの取り付け2

フェンダーはリア部分にシュルツェン架2つと内側に三角形のパーツを取り付けるだけ。

4号”戦車”だとこのフェンダー部分にジャッキやスパナといった「OVM」があれこれ乗っていますが、4号駆逐戦車だとフェンダーの上に固定式戦闘室が被さるので工具類はほぼありません。

その代わりエンジンデッキの上に所狭しとOVMが乗ります。カーチャンに「片付けなさい!」って叱られるレベル。

タミヤ ラング サイドフェンダーの取り付け3

そしてフェンダーを車体上部に取り付けます。

縦に長いフェンダーなので動かないようにマスキングテープで固定して、隙間に流し込み接着剤を浸透させて接着します。

車体前面装甲・トラベリングクランプの組み立て

タミヤ 4号駆逐戦車 ラング(V) 車体前面装甲の組み立て

お次は車体前面に各種パーツを取り付けていきます。

まず目に留まったのは、先端に取り付けられる長方形パーツ。これは車体前面・上部装甲板です。

4号戦車では、車体下部の正面装甲は80mmが1枚(H型、1943年6月生産車)でしたが、4号駆逐戦車/70(A)以外の4号駆逐戦車の場合、車体下部・正面装甲板は上部60mm、下部50mmのV字型の傾斜装甲となっています。

この車体下部・正面上部装甲板を中心に、牽引用アイプレートやフェンダーのマッドガード、ブレーキ点検ハッチ、トラベリングクランプ、クラッペ(視察窓)などを取り付けていきます。

タミヤ 4号駆逐戦車 ラング(V) 車体前面装甲の組み立て2

まずは先端に装甲板を取り付け、その両端に牽引用アイプレートを追加。

タミヤ 4号駆逐戦車 ラング(V) 車体前面装甲の組み立て3

そしてマッドガードやブレーキ点検ハッチ、操縦手用ペリスコープの装甲バイザー、通信種用の車載機銃の円錐形装甲ブロック、そしてトラベリングクランプなどを取り付けます。

若干ややこしいのは「トラベリングクランプ」の取り付けで、手順としては、

  1. 左右の基部パーツを車体に貼り付ける(流し込みではなく通常の接着剤を使う)
  2. 接着剤が半乾きの状態で基部パーツを横に広げる
  3. トラベリングクランプ下部の突起を基部パーツの穴に合わせる
  4. 広げた基部パーツを元の位置に戻してトラベリングクランプを挟み込む

といった方法で車体に取り付けます。

トラベリングクランプは可動式なので、基部パーツとトラベリングクランプを接着しないよう注意。

エンジンデッキ周りにOVMを取り付ける

次はエンジンデッキにOVM(車載工具)を取り付けていきます。

タミヤ 4号駆逐戦車 ラング(V) OVMの取り付け

先述の通り、「4号戦車」のOVMはフェンダーの上や側面装甲板に取り付けられていますが、「4号駆逐戦車」では密閉型戦闘室を搭載してスペースが無くなったため、これらOVMの大半が車体後部のエンジンデッキ上に移動しています。

この部分、エンジンとかを点検するハッチもあるんだけど、そこにOVM置きまくったらメンテでハッチ開ける時大変なんとちゃいますか…?

タミヤ 4号駆逐戦車 ラング(V) OVMの取り付け2

そんな事を考えながらOVMを組み立てたり、組み立てたOVMをエンジンデッキに取り付けたりを繰り返したらこんな感じになりました。

ちなみに、一部のOVMは4号駆逐戦車でも生産時期によって取り付け箇所の変更があり、当初「予備履帯」は従来の4号戦車のように車体前方にラックを設けてそこに装備されていましたが、車体前方の重量軽減のため、ラックごと車体後部に移動します。

なお車体後部には既に「予備転輪」が装着されていましたが、予備履帯の移動に伴い、予備転輪もエンジンデッキ左側のラジエーター点検用ハッチの上に移動しました(1944年2月生産車~)。

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主砲『7.5cm Pak42』の組み立て・取り付け

お次は主砲を組み立てます。

ラングの主砲「7.5cm Pak42」はパンターの主砲に匹敵する強力な砲で、連合軍の主力戦車を2,000m離れていても撃破出来ました。

また、威力だけでなく車体への”搭載方法”も従来の駆逐戦車や突撃砲とは異なる新発想によるもので、生産性、コスト、重量低減といった面で優れた「カルダン枠砲架」という搭載方式を採用。

この砲架の構造はタミヤのラングでもしっかり再現されていました。

砲身は別売の「メタル砲身セット」を使用

冒頭に書いた通り、タミヤのラングには専用のオプションパーツとして「メタル砲身セット」があります。

安価で入手しやすいタミヤ製の金属砲身ということもあり、4号駆逐戦車/70(V)または(A)をつくる人にはありがたいオプションである。

また安価ながら金属砲身だけでなく、装填部や操作ハンドル、平衡機などの”内部パーツ”もセットになっているので、戦闘室内部もしっかり作り込みたい人にもオススメ。

ただし、メタル砲身セット使用時の注意点として、以下のような注意書きがあります。

1/35 ドイツ IV号駆逐戦車 /70(V) ラング メタル砲身セット(Item12660)を組み込んで砲身を可動させる場合は、砲尾が干渉するのでP2と人形は取り付けません

このように、メタル砲身セットの内部パーツを使用する場合、砲身の可動と付属フィギュアの搭載がトレードオフとなるようです。

砲身を可動させずに固定するとか、フィギュア側の干渉部分を加工するなどの対策をすれば両立は出来るかもしれませんが未検証です。

これらはあくまで内部パーツを使う場合の話であり、金属砲身だけ使うなら問題ないので、今回は金属砲身のみ使用します。どっちみち戦闘室の天蓋を取り付けたら中見えなくなっちゃいますからね。

砲架の組み立て

まずは砲を支える「砲架」から作っていきます。

タミヤ 4号駆逐戦車 ラング(V) 主砲『7.5cm Pak42 L/70』の組み立て・取り付け

上の説明書に記載されている内容を言語化すると、

  1. 砲尾パーツ(C65・C65)の両側にポリキャップを埋め込み
  2. それをカルダン枠砲架パーツ(C50・C51)で挟み込むようにして固定
  3. その先端には内装式防盾パーツ(C48)を取り付け
  4. カルダン枠砲架の下部には円弧のパーツ(C66)をポリキャップを介して取り付ける
  5. そしてこれらを球形防盾(C63)に取り付ける

…といった形で砲架を組み立てていくわけです。

注意点としては砲身は上下左右に動くので接着場所を間違えないように。入念に仮組みをして位置関係を把握しましょう。

そしてラングの先進的な主砲の搭載方法である「カルダン枠砲架」の構造をじっくり楽しみながら作っていきましょう。

タミヤ 4号駆逐戦車 ラング(V) カルダン枠砲架の組み立て

長々と説明しましたが、これらを組み合わせるとこのような形となります。

写真の中央あたりにある四角い枠がいわゆる「カルダン枠」で、ここに主砲を固定します。そして防盾内側にある固定具にセットするという斬新な構造となっています。

このカルダン枠は左右2パーツ構成となっており、左側には照準器をマウントするアームがあります。このマウント(照準器)は砲身の左右の動きに連動して動くようになっています。

タミヤ 4号駆逐戦車 ラング(V) 防盾の取り付け

砲架を車内側から見るとこんな感じ。

内側の四角い枠(カルダン枠)で左右を支え、その外側の球形防盾でカルダン枠の上下を支える構造になっており、これらによって砲身が上下左右に動くという仕組みです。

金属砲身とザウコップ防盾

砲架が出来上がったので、次は砲身です。

タミヤ 4号駆逐戦車 ラング(V) 金属砲身とザウコップ防盾

先述の金属砲身を外付けの防盾に取り付けます。

もちろん”金属砲身”なので通常の接着剤ではなく金属用の瞬間接着剤を使って接着します。

なお、この外付けの防盾は豚の頭のような形をしていることから「ザウコップ防盾」と呼ばれていました。

タミヤ 4号駆逐戦車 ラング(V) 金属砲身のライフリング

砲の中を覗いてみるとライフリングっぽいものが見えますが、タミヤの金属砲身にはライフリングのモールドは無く、光の反射でそう見えるだけでした。

ライフリングが刻まれていたらリアルなのになー。ちょっと惜しい。

とりあえず塗装する時は砲身内側にシャドー吹いて誤魔化しておきます(小声)。

タミヤ 4号駆逐戦車 ラング(V) 砲身と防盾の結合

砲架と砲身を合体させるとこんな感じになり、見覚えのあるラングの主砲周りが出来上がりました。

実物ラングの防盾は鋳造製で表面がザラザラしておりますが、タミヤのキットでもしっかり鋳造の質感は再現されています。

ただ、若干モールドが控えめな気がしたので後ほどディテールアップをしようと思います。

砲架の車体への取り付けと注意点

タミヤ 4号駆逐戦車 ラング(V) 車体に主砲を取り付ける

そして砲架を車体に取り付けます。

主砲を横向きにして車体の開口部に通し、元の角度に戻して接着といった感じに取り付けます。

この時「トラベリングクランプ」は必ずフロント側に倒れた状態で砲架を接着してください。

トラベリングクランプが手前(戦闘室側)に倒れた状態で砲架を車体に固定するとクランプが防盾に引っかかって元の位置に戻せなくなります。

最初それに気付かず接着してしまい、慌てて引っぺがしました。

なお、この段階で砲架と車体を接着しましたが、後々の塗装を考えると取り外せるようにしたほうが良いかもしれません。

タミヤ 4号駆逐戦車 ラング(V) 車体に主砲を取り付ける 反対側

戦闘室側から見るとこんな感じ。砲身を動かすと連動して照準器を固定するアームも動きます。

砲身もしっかり支えられており、重い金属砲身を使っても重量で砲身が垂れ下がることはありませんでした。

タミヤ 4号駆逐戦車 ラング(V) 車体に主砲を取り付ける トラベリングクランプ使用時

トラベリングクランプを使用するとこのように砲身が固定されます。これで荒れ地を走っても振動で砲架や照準器が故障しにくくなります。

また、このトラベリングクランプは実物ではバネの張力によってフロント側に倒れるようになっていて、砲身を少し上げるだけでパタンとクランプが倒れてロックが解除されます。

これで乗員が車外に出なくてもロックを解除して戦闘態勢に入れます。考えた人頭いいなぁ。

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ここまでの進捗まとめ

タミヤ 4号駆逐戦車 ラング(V) 車体上部と主砲が完成

作った車体上部を車体下部とドッキングするとこのようになりました。

いずれも大きいパーツ群なので一気にラングの形が出来上がります。

製作時の注意点としては、小さいパーツと砲身やトラベリングクランプの可動ギミックで、前者は切り離しから整形、接着まで、ズレないよう紛失しないようにと神経を使いました。

砲身や砲架は可動する関係で接着する位置を間違えないように注意。

タミヤ 4号駆逐戦車 ラング(V) 車体上部と主砲が完成2

隣に兵士のフィギュアを置いてみる。いかにラングが低車高であるかがよくわかります。

ちなみにこのフィギュアは「メーベルワーゲン」付属のものですが、かれこれ8年以上この状態で放置してるので、今回のラング付属のフィギュアと一緒に塗装してあげようと思います。

ということで今回は車体上部と主砲を作りました。次回は戦闘室の天蓋を作ります。

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