ドラゴンの「オストヴィント 」の製作日記の続きを書き綴っていきます。
今回は車体を汚して経年劣化を再現してよりリアルにする「ウェザリング」をします。これが実質オストヴィント制作日記最終回です。なんだか寂しいのぉ。
今までのオストヴィントの製作日記は上記のリンクから読むことができます
オストヴィントをウェザリングしてみた
というわけで非常に長かった「4号対空戦車 オストヴィント」の制作日記も今回がラストとなります。
今思うと2作目にして難易度の高いサイバーホビー(ドラゴン)のキットに無謀にも手を出したのが今年(2016年)の2月。
あれから2ヶ月、説明書がワケわかんなかったり、Flak43の組み立てで失敗したりと奔走していましたが、無事にここまでたどり着くことができました。
今思うと長いようで短い(だけど記事を編集することを考えるとやっぱり長い)製作日記でした。
さて、前置きが長くなりましたが、オストヴィント制作日記最後の作業である「ウェザリング」をやっていきます。
ウォッシング
車体の迷彩模様を落ち着かせたり、車体の凹凸を際だたせるために行う「ウォッシング」というものをやってみます。
使うのはエナメル塗料のフラットブラックとフラットブラウン。これらの塗料をエナメル溶剤で5倍くらいに薄めて泥水みたいな感じにします。
で、そのエナメル塗料を車体に大胆にベチャベチャと塗っていきます。
ウォッシングの名にふさわしいぐらい塗りつけて、あとは筆で伸ばしていきます。
こんな感じに車体全体の色を少し暗くすることで迷彩模様の色調を落ち着かせます。……ウォッシングとかよりも迷彩塗装もっと頑張らんとなorz
で、そのあと平面部分をエナメル溶剤を含んだ綿棒でこすって塗料を落としていきます。
そうすることで、奥まった部分にだけ塗料が残り、その明暗が凹凸の立体感をより強調してくれるというものです。
……ただ、迷彩塗装を施した時点で結構暗い感じだったので、ウォッシングによる凹凸の立体感強調の効果はあまり見られないかもしれません。
次にやる「エアブラシ」でうまいこと反映されたらいいなぁと一抹の期待を胸に抱きます。
ウォッシングをした直後のオストヴィントはこんな感じ。
泥水のような薄い色で全体をコーティングするように塗ることで、先述の立体感の強調に加え、車体の色調を統一させ、迷彩の色を落ち着かせるのがウォッシングの目的です。
ウォッシングで1段階暗くなることを考えると、車体塗装で用いる塗料は少し明るめにしておいた方が良いのかもしれません。
ドライブラシ
続きまして「ドライブラシ」という技法を使って車体を汚していきます。
ドライブラシは出っ張ったところに明るい塗料をうっすらと乗せてハイライト化し、ウォッシング(スミ入れ)と合わせて明暗差を強調することでより立体的にする効果があります。
使う塗料はエナメル塗料のダークイエロー。
まずはダークイエローを筆に取ります。
そしたらティッシュや布などで筆の塗料を拭き取ります。
筆に残った僅かな塗料を車体に塗りつけることで砂埃の乾燥した質感を表現できるわけです。
あとは車体にドライブラシをしていくのみ。
ポイントは「塗る」というよりもシャッシャッと、筆を回転させながらホコリを振り払うように塗ることで、法則性のない砂埃を車体に再現できます。
もちろんホイールも砂を被ってもらいます。
また、ドライブラシだけでなく、タミヤのウェザリングマスターも併用して砂ボコリから泥ハネが乾燥した感じを再現してみました。
履帯周辺に泥を乗せます
で、お次はタミヤのウェザリングスティックを使って履帯周辺の泥の付着を再現してみます。
前作のヴィルベルヴィントの時は「沼地にでもハマったの?」ってくらい厚塗りだったので、今回は控えめにチョビチョビと塗っていきます。
ぬかるんだ地面を走行した時に付着した泥が乾燥して固まったという質感をウェザリングスティックは再現してくれます。
ひとまず砂埃をまんべんなく吹きかけてみました。
搭乗員から「口の中がジャリジャリする」とか「目に入った!」と苦情が殺到していますが無視します。
マフラーのサビを再現してみた
金属を使用した製品は放置すると表面に錆が出てきます。
これが愛車とかだと「オーマイガッ!!」となってしまうので、そうならないよう錆止めを塗ったりして日々のメンテナンスを怠らないようにします。
んが、プラモデルの場合は逆で、錆があることで使用感とか経年劣化といった「リアリティ」を向上させるので、上手い人は車体のあちこちにキズをつけて錆つけて使用感を出します。
そんなわけでカーマニアが悲鳴を上げたくなる「鉄サビ」を再現するために100均でこのようなパステルを買ってきました。
で、赤茶色のパステルを同じく100均で買った「茶こし」でゴリゴリとやって粉末状にしていきます。
するとこのような一味唐辛子みたいな物ができます。もちろん食べられません。
そしたらそれをエナメル溶剤を含んだ筆に乗せて、マフラーの上にチョンチョンとやっていけばご覧のとおり。立体感のある錆びが乗ったマフラーが完成します。
戦車だからこそ、このようなサビサビな感じがいい雰囲気を出していますが、これがバイクだったらと思うと……。
なおキャタピラーとか工具にも同様に錆をつけることでエンジニアから叱られる管理の行き届いていない車体を再現できます。
といった具合にウェザリングを施して、ようやくオストヴィントが完成しました。
まとめ 4号対空戦車 オストヴィントついに完成!!
仕事帰りとか休日のわずかな時間を利用して制作すること約2ヶ月、無事に完成の日を迎えることができました。
タミヤと比べて説明書が複雑なのに解説が少なくて色々苦戦したドラゴンのキットでしたが、タミヤにはない再現度・クオリティがそこにはありました。
正直、タミヤのヨンパチしか作ったことが無いヤツがよくドラゴンに手を出したなと。
なんといっても苦戦したのが主砲のFlak43。
説明書の記載を鵜呑みにして接着してしまった為に、砲身が固定されてしまうという大ポカをやらかしてパーツを再度取り寄せました。
「対空戦車」なので砲身は上を向いていた方がソレっぽいので、ココだけはなんとしてでもこだわりたかった。
塗装はホビーショップでエアブラシを借りてやってみました。
初めてのエアブラシということで迷彩模様はなんかイマイチでしたが、ウェザリングで砂埃を上に吹っかけることで誤魔化しておきました。
……と言った具合に、オストヴィントが完成して仕事から帰宅してプラモ製作という優雅なひとときが終わってしまい、完成の喜びと同時に楽しみがなくなった虚無感に苛まれております。
……と、思ってたけれど、オストヴィントの主砲パーツを取り寄せている間に「つなぎ」として「4号対空自走砲 メーベルワーゲン」を買ったのを完全に忘れてました。
ということで、次回はメーベルワーゲンを作っていこうと思います。乞うご期待。
↑サイバーホビー『4号対空戦車 オストヴィント』は無事に完成しました。