どうもこんにちは。
2週間あれば完成できると豪語していたタミヤの「4号対空自走砲 メーベルワーゲン 」ですが、作るのサボってたりしたせいで何だかんだ言って一ヶ月程かかりました。いつものことですねハイ。
組み立て、車体の塗装という大きな山場をこえたので、残すところは細かい塗り分けやウェザリングといった作業になります。
あとは完成までまっしぐらに進むだけということで、この記事ではメーベルワーゲンの完成までを解説していきます。
プラモ作ってブログ書くだけで毎月50万円くらい貰えれば良いのになぁと思いつつ、メーベルワーゲン最後の制作日記を書き綴ります。
↑今までのメーベルワーゲン製作日記はこちらから読むことができます。
装甲板のフックを自作する
装甲板のフックが折れた!
完成までもう少しという段階でまさかのトラブル発生! メーベルワーゲンの装甲板を固定する細いフックが折れてしまいました…。
やってしまった……。
塗装したあとにFlak43を車体に取り付けようとして少し力を入れた時に、手で持ってた場所が悪くポキッと……。
細いパーツなので説明書読んでる段階で「絶対折れるだろうなぁ」と思っていたのですが、いざへし折れるとなかなかダメージがでかい。
仕方がないのでクリップを上手いこと曲げて針金アートでもつくるようにフックの代用パーツを作ってみます。太さがほぼ同じなので助かった。
タミヤさん、多少高くなっても良いのでこういう細長いパーツは金属パーツに変えて欲しいです。おねがいします。
ひとまず置き換え完了。
いっその事全てのフックをコイツに変えてやろうとも思ったのですが、クリップ曲げるのが想像以上にしんどいのでやめました。
次やるときはもっと曲げやすい真鍮線を用意しようと思います。
迷彩が気に入らなかったから再塗装した
前回、エアブラシで迷彩塗装をしたのですが、メーベルワーゲンを眺めれば眺めるほど「なんか違うな…」と思うようになりました。
正直なところ、このまま悔いが残ったまま次の作業へ進むのもどうかと思ったので、ダメ元でもういちど迷彩を描くことにしました。
これでダメだったら大人しく諦めます。
塗装した結果
で、再塗装した結果がこちら。1回目よりも格段に良くなっています。
一回目が微妙だった理由を考えてみたのですが、狭い範囲に細く吹く時でもエアブラシを離して吹いた方が上手くいくというのがまず一つ。
もう一つは迷彩(ウニョーンってなってるやつ)は長い線を描くのではなく、あちこちにチビチビ描いていったほうが見栄えがいいという点。
この2つを意識してやった結果が上の写真の迷彩模様でした。これならいつおヨメに出しても良いレベル。いや、誰にも渡さんけど。
オストヴィントと並べてみた
ひとつ前に作った「オストヴィント」と並べて記念撮影。
史実だとメーベルワーゲンが先に作られて、その上位機種としてオストヴィントがあるのですが、私の場合オストヴィントを先に作りました。
オストヴィントの制作途中で痛恨のミスをやらかして制作が滞った為、その間に何か作ろうと思い「メーベルワーゲン」を買ったわけです。
オストヴィントの生産が遅れるから「つなぎ」として作ろうとしたという意味では史実とよく似ています。結果的にオストヴィントが完成してから制作開始しましたけど(笑)
履帯の塗装・取り付け
次は履帯の塗装と取り付けをやっていきます。
組み立ての段階で履帯を車体に付ける方法もありましたが、奥まった部分の塗装が出来なくなるのを避けたいので、私は組み立てが完成した後に履帯の塗装や取り付けをしています。
履帯の塗装
というわけでまずは履帯を塗装します。
Mr.ホビーの「ジャーマングレー」に少し「フラットブラック」を混ぜて調色したものをエアブラシで散布するとこのような色になりました。
実物戦車の履帯を見たことはありませんが、この後に錆や土汚れなどを付着していきますので、多少色が大げさになっても問題はありません。
車体に巻きつける履帯も同様にエアブラシで塗装。
履帯の取り付け
予備履帯はブレーキ点検ハッチとその下にあるフロントパネルのラックに取り付けます。
予備履帯は破損した時に交換するために置いてあるだけでなく、追加装甲としての役割を果たしています。中にはビッシリ履帯を搭載している戦車の写真もありました。
車体の方にも履帯を取り付けます。
上部転輪と履帯を接着する時に、写真のように丸めたティッシュを差し込んでやるとシッカリ接着できるのと同時に、履帯の重量感を出す「たるみ」も出してみようと試みます。
3.7cm砲弾を塗装する
続いてはメーベルワーゲンに搭載してるFlak43の3.7cm砲弾の塗装を行います。
やることはほぼほぼOVMなどの細部の塗り分けと同じですが、薬莢や砲弾の先端でメタリック系の塗料を使いました。
そのため、メタリック系塗料に使う溶剤としてガイアカラーの「メタリックマスター」を試しに使ってみました。
メタリック系塗料は塗ると金属のような光沢が出ますが、これは塗料の中に含まれる金属(アルミ)の粒子によるもので、メタリックマスターはその粒子を極力重ならなくすることで、メタリック系塗料の性能を最大限発揮するとのこと。
まずはガイアノーツの「スターブライト・ブラス」で薬莢部分をサッと筆塗り。
エアブラシにせよ筆にせよ、小さいパーツを塗装するときは粘着力を落とした両面テープの上に乗せて塗装すると楽です。
そのあと弾頭を「フラットブラック」、先端をガイアノーツの「スターブライトシルバー」で塗装して徹甲弾が完成。
なお、弾丸を保持するクリップ部分はフラットブラックで塗装しておきました。
ということで徹甲弾が完成。
Flak43の給弾トレーとその上にある砲弾置き場(仮称)に置いてみるとこんな感じになりました。
なおメーベルワーゲンのキットに付属する砲弾クリップは3つですが、私はオストヴィントの時に取り寄せたランナーの分をこちらで流用したので6つ置いてます。
細部の塗り分け
さて、次は転輪や車載工具(OVM)といった細かい部分を塗り分けていきます。
転輪の塗装
転輪(予備含む)はアクリル塗料の「フラットブラック」で塗装します。
塗料が若干はみ出ていますが、この後のウェザリングなどで隠れてしまいますので基本的に気にする必要がありません。
また、先述の履帯を上部支持輪に接着する際にティッシュを詰めた結果、ほんの少しですが履帯の重量感を出す「たるみ」が実現しました。
一般的に履帯の重量感を出すには、履帯の内側に真鍮の棒を曲げた「ガイド」を貼ってクニャっと曲げたり、「モデルカステン」の実物の履帯と同じ履帯をピンで固定するアフターパーツを使ったりします。
しかし、こういう「クセ」をつけて接着することでも重量感は出せるみたいなので、色々工夫してみると面白そうですね。
車載工具(OVM)の塗り分け
続いてスパナとかピッケルとかの車載工具を塗っていきます。
タミヤの説明書だと工具の金属部分は「メタリックグレー」で塗るように指示されています。しかし実際にメタリックグレーで塗ってみると明るすぎる気がしました。もう少し黒を入れて色を暗くした方がいいかも。
なので私は今のところ金属部分は「ガンメタル」で塗装し、ピッケルや斧などの「木」の部分は説明書通り「レッドブラウン」と塗り分けています。
もちろん木目の再現や金属の質感など追求するともっと良い方法はいくらでもあるので、今後も調べながら「質の向上」にこだわりたい。
また、写真はありませんが、左右の装甲板の内側についていた工具や予備の砲身もガンメタルで塗装しました。
履帯を装着して転輪や車載工具を取り付けた時点でのメーベルワーゲンはこんな感じ。もう少しで完成です。
デカール貼り
次にデカールを車体にペタンと貼り付けます。用意するものはデカールとマークセッターと水の入った容器。
写真にはマークソフターも写ってますが、今回は平面にはるので使いませんでした。
こちらがタミヤのメーベルワーゲン(量産型)についてるデカール。
シンプルに国籍マークである「ヴァルケンクロイツ(鉄十字)」が2つ。車両の両側面につけるのはわかるんですが、後方には付けないのかしら?
また、しばしば「鉤十字」と混同されがちですが、戦後に法律で使用を禁じられたナチス・ドイツの国旗は「ハーケンクロイツ(鉤十字)」の方。
現在のドイツ連邦軍の戦車とかでも鉄十字っぽいものを見かけますが、厳密に言うと鉄十字のような綺麗な十字型ではなく、先端が広がった「黒十字(タッツェンクロイツ)」を使用しているようです。
そんなデカールを小さめにカットして10~20秒ほど水に浸します。
十分に浸したら水揚げしてピンセット等で台紙からずらすように剥離します。上手く剥離できない場合はもういちど水に浸します。
そして予めマークセッターを塗った部分に丁寧にデカールを貼り付けて、慎重に動かして位置決めをします。
なお、デカールがフニャフニャになっている場合は、湿らせた綿棒でトントンと叩くように定着させた後に、優しく内側に溜まった水分を外に追い出します。
今回は平面に貼ったので「マークソフター」は使用しませんでしたが、凹凸面、特にツィンメリット・コーティングの上などに貼る場合はマークソフターを使うことでモールドに馴染むようになります。
こんな風に左右の装甲板にデカールを貼り付けました。
車体にウェザリングを施します
さて、ここからは車体に使用感を出すためにウェザリング(汚し塗装)の塗装を行っていきます。
ウォッシング
まずは濁ったような色で全体を塗って迷彩塗装の色調を統一させたり、凹凸の立体感を出すために「ウォッシング」を行います。
用意するのはエナメル塗料のレッドブラウンとフラットブラック、そしてエナメル塗料の溶剤です。
エナメル塗料を溶剤で5倍くらいに希釈します。
すると写真のような泥水のような塗料が出来上がるので、それを車体のあちこちにピチャピチャと塗っていきます。
右半分がウォッシングした部分。
ウォッシングは重力に従って上から下へ塗っていくことで雨水による汚れも一緒に再現できます。
もちろん内部もウォッシング。
ウォッシングして20分くらい放置した後に、エナメル溶剤を含ませた綿棒で「面」の部分のエナメル塗料を拭き取ります。
そうすることで、車体の凹凸の根本にだけ塗料が残って立体感が出てきます。
ウォッシングをしたことで車体の色が一段階暗くなりました。この中古感を出すことがウェザリングの醍醐味です。
雨ざらしにした質感が出てきます。
メーベルワーゲンは(オストヴィントやヴィルベルヴィントもだけど)オープントップなので、雨の日に放置するとヤバイ事になりそうですよね。掃除する人が。
ドライブラシ
ウォッシングで突起部分の根元を暗くしましたので、今度は逆に「ドライブラシ」で明るくしていきます。
使うのはエナメル塗料のダークイエロー。
塗料を筆とったら、ティッシュペーパーなどで筆についた塗料を拭い取ります。
塗料を拭き取って乾燥した状態の筆で、エッジ部分をシャカシャカと掃き取るように筆に残った塗料を塗っていきます。
このとき筆全体を使うように筆を回しながら塗っていくのがポイントとのことです。ただし、激しく回して取り付けたパーツをふっ飛ばさないように注意。
ドライブラシをしたあとの砲塔内部。このなんとなく汚い感じがいい。
根元部分はウォッシングによって暗くし、エッジ部分をドライブラシで明るくすることで色の明暗がハッキリ出ます。これによってより立体感を際立たせます。
履帯や転輪の摩耗表現
その次は履帯や転輪の摩擦によって露出した金属の下地を再現してみます。。
まずは駆動輪の歯車の先端部分ににガイアノーツの「スターブライトシルバー」をチョンチョンと塗っていきます。
駆動輪はエンジンの動力によって動いて履帯を動かすパーツなので摩耗が激しい場所です。摩擦によって塗装が剥がれて摩耗した金属の下地が見えることで「あー頑張ってるなー感」が出ます。
履帯のセンターガイドの先端にも同じようにシルバーを塗っていきます。
出っ張っている部分というのはは色んなものと接触するので摩耗や劣化が早くなってしまいます。出る杭は打たれるってやつですかね。世知辛い。
錆(さび)を出します
なんかちょっとグロい写真ですが、決してスプラッタ的なものではありません。
100均で購入したパステルの赤色を茶こしで粉末状にしたものです。
これをエナメル溶剤を含ませた筆でとってペタペタと塗る(乗せる)ことで「錆(サビ)」を表現することが可能になります。
まずは履帯部分にペタペタ。
地面と面しているので、砂利とかで摩擦して下地が剥き出しになったあと、そこから錆びていった感じを出します。
もちろん側面にもペッタペタ。
いい感じに錆が浮いてきました。
予備履帯にもペタペタ。
パステルは溶剤が乾くまではいい感じに「錆色」を出してくれますが、溶剤が乾燥するとクッキリ色が出ます。
なので塗り過ぎないよう少しずつ塗っては乾燥させて様子見というように、微調整しながら塗っていきます。
マフラーにもペタペタ。
先述の通り、溶剤が乾くと色がはっきり出ます。上の写真はまさにその典型例。塗りすぎたと思ったらエナメル溶剤含ませた筆で拭きとってやればOK。
ちょっとマフラーには塗りすぎたのでこの後拭きました。メーベルワーゲンを製造するクルップ社のエンジニアが「拭くだけでサビが取れるのか?!」とたいそう驚いていました。ちょろい。
砂埃や泥を付着させます
お次は砂埃や泥の付着を表現していきます。
使うのは毎度おなじみ「タミヤ ウェザリングマスター Aセット」。今季3度目の登板です。
このように付属のハケ(ハゲではない。フサフサである)を使って汚したいところにフサフサとパウダーをふりかけて差し上げます。
履帯周辺ならまだしも、比較的高い位置にあるFlak43にこんな泥汚れが付くのかはわかりませんが、搭載する際に手を滑らせて沼地に落としたと言い訳すればきっと何とかなります。
なお、写真はありませんが、履帯や転輪、フェンダーにも同様にウェザリングマスターで砂汚れ土汚れを付着させております。
さて、これで一通りの作業が終わり、「4号対空自走砲 メーベルワーゲン」の完成です
「4号対空自走砲 メーベルワーゲン」完成!
ということでおよそ1ヶ月ほどの期間を経て「4号対空自走砲 メーベルワーゲン」が完成が完成しました。
今作は3作目の4号系列なので、車体下部は極めてすんなり作業が進み、車体上部の装甲板もシンプルな構造でした。
なので、一作目のヴィルベルヴィントや二作目のオストヴィントと比べて簡単に組むことが出来、製作期間もサボりさえしなければ2週間程度で終わりそうです。
塗装に関しては買ったばかりの「リニアコンプレッサー L5」を使ってトライしてみました。
1回目は微妙な感じでしたが、その後やり直したことによってメーベルワーゲンらしい独特な迷彩模様に近づけることが出来ました。
ただ、ウォッシングをしたあとに迷彩模様が薄くなっているので、もう少し濃く塗ってもいいかなと思いました。
武装のFlak43はオストヴィント(サイバーホビー)のものに負けず劣らずなクオリティでしたが、簡単に組み立てることができました。
また、砲身の上下に照準器が連動して動くギミックもしっかり健在。オストヴィントの時はココで痛い目にあいましたが、タミヤではすんなり行けました。
というわけで、タミヤの「メーベルワーゲン」の制作日記はこれにておしまい。次回の制作日記をお楽しみに!(なお、次作るキットは既に決まっております)