絶賛カスタム中の「M16A2」はメタルフレームやレイルハンドガード(RAS)を組み込んで、無事に「M16A4」へと進化させることが出来ました。
今回はそのM16A4用のアクセサリーアイテムとして「M203 グレネードランチャー」を購入しましたので、詳細や取り付け方法について解説していきます。
具体的には、
- 「M203 グレネードランチャー」とは何か
- D-boysのM203のレビュー
- 電動ガン(M16A4)にM203を取り付ける方法
- M203のQDマウントがグラつく時の対処法
- M16A4やM4A1への装着写真
といった内容についてまとめてみました。M4やM16A4にM203を装着してみたいという人は是非参考にしてみてください。
はじめに M203 グレネードランチャーとは
まずは「M203 グレネードランチャー」について簡単に説明します。
M203 グレネードランチャー(以下:M203)とは、M16やM4などのアサルトライフル・カービンライフルに装着して使用する40mmグレネード弾の発射装置で、手榴弾のような爆発物(榴弾の場合)を遠方に飛ばすことが出来るアイテムです。
兵士が投げる手榴弾の場合だとせいぜい40~60mが限界ですが、M203では350m(最大有効射程)まで飛ばすことが可能です。
M203は主に上の写真のように、アサルトライフルのハンドガードを交換して取り付けます。
初期のM203(M16A1/A2/A3用)は、専用のハンドガードと一体となっているため、フロント(ハンドガード)をほぼ丸ごと取り替えます。
映画「プレデター」でシュワちゃんことアーノルド・シュワルツェネッガーも使っていた、穴の空いた四角いハンドガードが特徴的ですよね。
後にM16の発展形・派生型でもある「M16A4」や「M4A1」といった、レイルシステム(RIS / RAS)を搭載したモデルが登場します。これらのモデルにはハンドガード下部だけ取り外して装着するタイプのM203(M203 A1/A2)を使用します。
レイルハンドガード下部だけ取り外して装着するので、両サイドや上部のレイルは残り、M203とレイルシステムを併用することが出来ます。
…というのが実銃におけるM203の大まかな概要です。
電動ガン用のM203 グレネードランチャーを買ってみた
さて、ここからは今回購入したエアガン(電動ガン)用のM203についての解説となります。
サバゲーやエアガン愛好家にとってもM203は人気のオプションアイテムで、実用性はさておきM16、M4系のライフルに1度は装着してみたいロマン砲です。
箱を開けるとドドンとM203が構えておられます。価格は8,980円(送料別)。
M203のバレルサイズは主に2種類あり、ロング(12インチ=30.48cm)とショート(9インチ=22.86cm)とあります。
今回はM16A4に取り付けるのでロングバレル(12インチ)を選択。
ちなみに12インチバレルのM203はM16系だけでなく、M4系に装着している写真・動画も存在するので、「M16にもM4にも装着したい!」って人はロングサイズ(12インチ)を推奨。
大は小を兼ねるのです。
3種類のアダプターが付属
嬉しいことに、各種フロントに対応した取り付け用アダプターが付属します。
一言にM16(M4)といえど、フロントの形状は色々あり、本来の装着方法が出来ない場合や、1つのM203を複数の電動ガンに使い回したい場合など、柔軟に対応できるのでありがたい。
アダプターは3種類で、左から
- デルタリング用(最初から本体に装着済)。
- 20mmレイル用
- 東京マルイ電動ガン用アダプター
アダプターは2本の六角ネジで固定されており、簡単に交換が可能。金属製でそこそこ重量があり頑丈でした。くれぐれも足の指とかに落とさないように。
では取り付けアダプターを詳しく見ていきます。
デルタリング用アダプター
まずはデルタリング用アダプター。
フロント周りを強化するために実銃と同じような仕様にする「デルタリング」を使用したユーザー向けのアダプターです。
私はM16A4のフロントをG&PのM5 RASと交換しているので、こちらのアダプターを使用。
デルタリング用アダプターの下の方には、バレルナットのギザギザ部分に噛ませて固定するための丸い突起があります。
マルイ用アダプター
こちらは東京マルイ電動ガン用アダプター。
後端には左右にスリットが入っており、マルイのアウターバレル基部の2本のリブと噛み合う形になっています。
ただし、首周りが弱いマルイのM16やM4にM203を装着すると重量でフロントが垂れ下がるので注意。
20mmレイル用アダプター
非分割タイプハンドガード(フリーフロートRAS、Keymod、M-LOK)を装着したM4・M16系はもちろん、M16系以外の機種にM203を搭載するためのアダプター。
ただし、たとえハンドガードが20mmレイル仕様でも形状によっては取り付けられない場合もあります(後述)。
このアダプターをM203に取り付けることで20mmレイル対応のM203にチェンジすることができる。
ただ、先述のようにフロントやハンドガードの形状によっては取り付けられない場合があり、以下の場合は正しく装着できない可能性があります。
- レイルのスロット(横溝)数が7未満のハンドガード
- アダプター後端のクリアランス(余白)が3.5cm未満のもの
まず実際にこのアダプターをレイルに装着してみたところ、レイルは最低7スロット必要でした。
またM203はレシーバー後部が出っ張っており、ここが銃本体と干渉すると正しく装着できない場合があります。
20mmレイル用アダプタを装着したM203をMP5A4(東京マルイ)に装着するとこのようになります。レイルハンドガードはCYMA製を使用。
M203のレシーバー自体が長いので大きく突き出た外観となるので、サプレッサーを取り付けて見た目のバランスを整えます。
また、写真を見るとわかるように、M203のレシーバー後端が出っ張っています。アダプター後端 – M203レシーバーの後端までが3.5cmほどなので、ここもチェックしてください。
M203を素早く着脱できる「QDマウント」も付属
今まではM203を取り付ける場合、フロント側は工具が必要でしたが、この「QDマウント」によって工具なしで素早くM203の着脱が可能になります。
工具箱などの蓋を閉める留め金(パッチン錠やスナップ錠と呼ばれています)のようにバレルを挟んで固定する構造になっており、外すときもワンタッチで素早く行えます。すごい楽。
QDマウントを展開するとこんな感じ。これでアウターバレルを挟むようにして固定。
なお『20mmレイル用アダプター』を使う時はQDマウントがあると高さが合わなくなるので取り外します。
QDマウントは2本の六角ネジで固定されているので、それを外してマウントを取り除くと、内側にもう一つブロックがあり、そちらを取り外すと上の写真のようになります。
なお、QDマウントを固定するネジとアダプターを固定するネジはサイズが違うので、六角レンチも2種類必要。
刻印やライフリングも再現
今回購入したD-boysのM203は「リアルマーキングタイプ」とのことで、刻印やライフリングといった”モノホン”っぽい加工が施されていました。
サバゲーでは特にアドバンテージはありませんが、よりリアリティを追求したい人にとっては嬉しい再現です。
シルクプリントの刻印
M203のレシーバー左側面に刻印がプリントされています(ただし実物M203はシルクプリントではなく彫刻)。
また、中華製パーツあるあるな”1文字違い”のようなものはなく、実物M203と同様の表記でした。
バレル内部のライフリングの再現
アウターバレルの内部にはストレートライフリングのモールドが施されています。
ライフリングは弾丸に回転の力を与え命中精度のアップを目的に銃身の内側に刻まれていますが、エアガンにおいてはダミーのモールド。
でも銃口からチラリと見えるライフリングがリアリティを向上させ、眺めているだけで楽しくなります。
装填口周辺のディテール
次はグレネードカートリッジの装填口周辺を見てみます。ここはカートリッジを装填・保持する上で重要な役割を担います。
装填口の両端にはグレネード弾を保持するための金属の板バネが付いています。
試しにCAWのモスカート(168発)を装填してみたらスッポリと入りましたが、カートリッジによっては相性が悪い場合もあるので、レビューなどを参考にして選ぶと無難です。
また、カートを保持する板バネは結構柔らかく簡単にフニャッと曲がるので、神経質な人にとってちょっと気になるところ。
私は強度のあるサンプロ製M203の板バネと交換しましたが、他のレビューを見ると取り外してる方もいらっしゃるようです。
サンプロジェクト製M203(9インチ)との比較
参考までに、過去に購入したサンプロジェクト背M203グレネードランチャーRS(ショートバレル)と比較してみます。
上がサンプロジェクト、下がD-boys。
外観上の違いではバレルの長さが違う程度ですが、サンプロジェクトのM203はアウターバレルがプラスチックなのに対し、D-boysのM203のアウターバレルは金属製!
なので障害物にぶつけてもバレルが欠けることはないし、スライドさせるとジャキーン!と小気味いい金属音が響きます。
ハンドガードはD-boysもプラ。
M16A4(M4A1)へのM203取り付け手順
ここからはM203を電動ガンに取り付ける手順を解説します。
取り付ける銃は、マルイM16A2をベースにG&Pのフレームやフロントを組み込んだ「M16A4」で、M203側はQDマウントとデルタリング用アダプターをそれぞれ使用します。
なお先述の通り、M203の取り付け方法はメーカー関係なくだいたい同じなので、以降の説明は現行のメーカーのM203でも通用する内容となっております。
また、ハンドガードの構造がほぼ同じなので「M4A1」でも手順は一緒です。
こちらがM16A4。フロントはゴッソリG&PのM5 RASフロントセットと交換してあります。
非分割式のハンドガードを装着している方は、QDマウントを外し、20mmレイル用のアダプターを使用して直接レイルに固定してください。
ロアハンドガードを外す
実物と同じようにロアハンドガードを取り外して装着します。
まずハンドガードやアウターバレルを固定している「デルタリング」をレシーバー側へ引き、ロアハンドガードをレシーバー側からパカッと外します。
上の写真のようになったら今度はロアハンドガードをレシーバー側にスライドさせてハンドガードを引っこ抜きます。ゆっくり丁寧にね。
ロアハンドガードを外した状態。
M203装着時はロアハンドガードは使用しないので安全な場所に保管します。
特にM16A4のロアハンドガードはフロント側にプラパーツが使われているので、ずさんな管理をすると破損につながるので注意。
M203後端をデルタリング方向にスライドさせる
M203後端(アダプター)をアウターバレルの細くなっている部分から通し、レシーバー側へスライドさせます。
なお、この時QDマウントは展開した状態にしておきます。
そしてM203側アダプターの”突起”をデルタリング(バレルロックリング)のギザギザ部分に噛み合わせて固定します。
QDマウントでアウターバレルを挟み込む
そのあとQDマウントをアッパーハンドガードのスリットの位置に来るように合わせ、バレルを挟みます。
QDマウントを固定するレバーは、マウントを緩めるときに押したボタンを押しながらロックします。
以上で装着は完了で、外すときは逆の手順で行います。
M203がグラつく場合の対処法
M203の装着方法については以上で、ここでグラつきなどのトラブルがなければ終了となります。
…が、私のM16A4ではQDマウントとバレルの間に隙間があってグラつき、とても「装着」なんて言えないレベルでした。
握るとM203が前後にガタガタ動くので、このままでは全然使い物にならない。
なので、QDマウントのバレルを挟む部分にビニルテープで作った1mmほどのスペーサーを追加。見事にガタつきが解消!
スペーサーはQDマウント、アウター側どちらにつけてもOKですが、微調整で何度も貼ったり剥がしたりするので、マウント側につけることを推奨。
M203を装着すればスペーサーは見えなくなるので、外観を気にする人でも安心。
M16A4にM203を搭載するとこうなる
どどん。M203をM16A4に装着したらこのようになりました。
元々フロントが長いM16A4なので、フルサイズのM203を搭載しても(見た目の)バランスは良好。
20mmレイル用アダプターを使ってボトムレイルに固定する方が楽ですが、実銃と同じ装着方法がカッコ良いのです。
金属アウターのM203を搭載したので当然重量が増えるけどそこは気合でカバー。
M4A1にも装着してみた
記事のタイトルでは『M16A4』とありますが、せっかくなので「M4A1製作日記」で製作したM4A1にもM203を装着してみました。
先にも書いた通り、M16A4とM4A1のハンドガードは長さ以外はほぼ同じ構造なので、M203の取り付け方法もだいたい同じ。
反対側。
M203以外にもPEQ-15とかM203用の照準器「リーフサイト」なども付いていて、「SOPMOD」な感じになりました。
こうやってレイルを余すこと無くアクセサリーで埋め尽くされるのは良いですね。そのぶん重くなりますが(笑)
塗装ハゲがひどいM203を分解して塗装してみた
この記事のM203を見ると分かるように、バレル先端の塗装がかなり剥がれています。
これは長年サバゲーで使ってきたから…ではなく、映画『プレデター』でシュワちゃんが使ってた”塗装が剥げたM203″のようにしたくて、意図的に紙ヤスリで削ったものです。
バレル部分の拡大。
当時はこれで満足してましたが、時の流れとともに「やっぱオカシイわ…」と思うようになってきたので、M203のバレルを塗装して元に戻してみます。
塗装前の下処理
塗装するためにM203を分解します。
まずはレシーバー上部のレバーを押さえながらバレルを前方にスライドさせて外します。
次に、ハンドガードのネジを3本外して、ハンドガードとバレルを分離します。
ネジ3本とグレネードカートを保持するクリップの紛失に注意。
次に、塗料の食いつきを良くするために1000番の耐水ペーパーで磨いて表面を軽く荒らします。
一通り磨き終わったら中性洗剤で洗浄して表面の削りカスや皮脂などを洗い流します。
そのあと自然乾燥させます。
塗料はインディのダークパーカーとブラックパーカーを使用
下準備が終わったのでいよいよ塗装です。
今回使う塗料はインディのモデルガンカラーのダークパーカーとブラックパーカーの2色。これでM203のバレルとハンドガードを塗装します。
インディのモデルガンカラーシリーズは新潟県にある「ガンショップ・インディ」のオリジナル製品であり、トイガン愛好家の間では有名なスプレー塗料です。
乾燥が早くて液垂れしにくく、樹脂(ABS樹脂、HW樹脂)にも金属(亜鉛、アルミ、鉄)にも使える万能塗料で、多くのエアガンマニアが愛用しています。
私もサバゲーを初めた当初からインディの塗料については認知していましたが、エアガンを塗装する機会がほぼ無かったので購入するのは今回が初。
ということで塗装をしてみました。
10月なのでまだそれほど寒く無いですが、念のためスプレー缶をお湯で温め、1分ほど振って中の液剤をしっかり混ぜてから使用します。
スプレーの噴射はシューーーと長時間吹くのではなく、シュッ、シュッというように短いスパンで少しずつ色が乗るように吹き付けます。
表面がしっとりするくらいを目安に、何度かに分けて塗装しました。
塗装した結果
バレルをダークパーカー、ハンドガードをブラックパーカーでそれぞれ塗装した結果、上の写真のようになりました。
写真では分かりづらいですが、同じ黒系の塗装でもハンドガードとバレルで色の違いがシッカリ出ており、同時につや消し効果もあり重厚さが強調されました。
樹脂のハンドガードはもちろん、アルミ製のバレルにもしっかり塗料が食いついてくれたので、下地塗装は必要なさそうです。
改めて塗装したM203をM16A4に装着してみる。塗装前後の写真を見比べると違いは一目瞭然。しっかり黒く染まってくれて満足。
若気の至り(?)でバレルをハゲハゲにしてみましたが、こうやって見てみるとやっぱりオールブラックの方が統一感があって良いですね。
スプレーはまだまだ残っているので、気が向いた時に他のパーツも塗装してみようと思います。
まとめ
今回は電動ガン用のM203グレネードランチャーのレビューや取り付けについてまとめました。
最初「G&P」のM203を探してましたが、どこのショップも在庫切れで、それでも取り扱ってないだろうかと淡い期待を抱きながら探したら「D-boys」のM203を発見。
- 各種フロント(ハンドガード)に対応したアダプターが付属
- アウターバレルが金属製
- QDマウントが付属
- 刻印やライフリングが入っている
- G&P・サンプロジェクト・CAWよりも安価
…などなど、安価なのに超ハイスペックで初心者からベテランまでニッコリなラインナップ。
中華製品にありがちなトラブルについても先述の通り「QDマウント」がアウターバレルの径とマッチせずにグラつく点くらいですが、これも問題なく対処できるレベル。
良い買い物をしたと大満足です。
次回は「PEQ-15 レーザーサイト」を装着します。お楽しみに!