タミヤの4号駆逐戦車 ラング(V)の製作の続きをやっていきます。
前回までに車体上部の組み立てが終わっており、今回は容量の関係で載せきれなかった戦闘室の「天蓋」部分の組み立てについてまとめました。
この天蓋は砲身と連動して動く照準や、開閉するハッチ、フィギュアの搭載などなど、タミヤのラングの魅力が詰まっています。
そういったところを解説しながら作っていこうと思います。
なお、今までのラング製作日記は上記リンクから読むことが出来ます。
ラングの戦闘室天蓋を組み立てよう
タイトル通り、今回はラングこと4号駆逐戦車 ラング(V)の”天井”を組み立てます。
現時点のラング君はこのように戦闘室がほぼ出来上がっています。
しかし、天蓋がないので手榴弾が飛んできたら大変なことになります。
そのためここに「天蓋」をかぶせて乗員を保護しようってのが今回の目的です。
戦闘室周辺の残ったパーツの取り付け
戦闘室天蓋の組み立てに入る前に、残った周辺パーツを取り付けておきます。
まずは主砲用の照準器を取り付けます。
こちらはアーム部分にインサートしておいたポリキャップに差し込むだけ。接着剤は使いません。
ちなみにこの照準器は「Selbstfahrlafette-Zielfernrohr 1a(SfL.ZF.1a)」という5倍率のスコープで、4号駆逐戦車だけでなく、ヘッツァーや3号突撃砲など様々な駆逐戦車や突撃砲に搭載されていました。
あわせて機関室後部側面にも装甲板を追加します。
これは「シュルツェン」のように対戦車ライフルから機関室を守るためのもので、5mm厚の装甲板を60度の角度で取り付けられました。
…ただ、プラモの場合だと対戦車ライフルだけでなく塗料からも守る(=塗装しづらい)ので、ここは影色の塗装で誤魔化そうと思います。
可動ギミックのあるパーツの組み立て
お待たせしました。それでは戦闘室天蓋を作っていきます。
組み立て説明図を見ると「接着しない」マークがあったり「接着に注意してください」といった旨の記載があります。
先述の通り、ラングの天蓋には主砲と照準器の連動や、ハッチの開閉といったギミックがあり、これらを再現するために注意しながら組み立てます。
こちらが戦闘室天蓋パーツ。
1枚の平ぺったいパーツにあれこれモールドが入ってますが、注意したいのは後端にあるU時の細長い部分が折れやすいので取り扱いに注意。
照準器カバーの取り付け
まずは天蓋パーツのモールドの上に円弧状のカバーを乗っけます。乗せるだけです。まだ接着はしません。
このカバーは実物同様に砲身・照準器の動きと連動してスライドするようになっており、砲弾の破片など異物の侵入を防いでくれます。
また写真では分かりづらいですが、車長・装填手の側面確認用のペリスコープもここで取り付けます。
天蓋をひっくり返し、先ほどの照準器カバーの裏側に”ストッパー”となるパーツを取り付けます。
接着するのはカバー裏側とストッパー部分のみで、天蓋には接着剤をつけません。
これでカバーがスライドするようになりました。
ハッチの取り付け
続いては車長と装填手用のハッチを作ります。
従来のハッチは開 or 閉のいずれかを選択して作るケースが多かったですが、今回のラングではハッチアームが可動式で、開閉両方を再現可能となっています。
で、組み立てですが、
- アーム基部を天蓋裏側に接着する
- 接着剤が完全に乾く前に基部を横に広げ、アームを挟む
- 基部を元の位置に戻し、アームが外れないようにする
- 同様の方法でハッチ側にも基部とアームを取り付ける
といった手順で作っていきます。
説明書では天蓋に先に取り付けますが、個人的にハッチにアームをつけてから天蓋側に取り付けた方が楽でした。
ということで照準器用カバーやハッチなどを取り付けるとこのような形になります。
車長用ハッチ(上記写真右側)の前には双眼式の潜望鏡用のクラッペがあります。こちらは開 or 閉選択式なので、開いた状態にして潜望鏡がニョキッと顔を出すようにしました。
ちなみにこの潜望鏡は『Sf14Z(Scherenfernrohr 14 Z)』という砲隊鏡で、直訳すると「ハサミ望遠鏡」で、名の通りハサミのように水平から垂直まで角度調整ができ、角度が大きくなるほど遠近感が強調される仕組みになっています。
また、カニの目みたいな形をしていることから「カニ眼鏡」とも呼ばれていました。
車長・装填手フィギュアの組み立て
タミヤの4号駆逐戦車 ラング(V)には装填手と車長の2体のフィギュアが付属するので、説明書の記載に従ってフィギュアの組み立てもここでやっちゃいます。
…なお個人的にフィギュアは”顔の塗装が大変”という理由で今まで逃げてましたが、ラング単体だけでは寂しいので今回はフィギュア製作も頑張ろうと思います。
戦闘室天蓋裏側にフィギュアを立たせるための台座を2つ取り付けます。
車長と装填手フィギュアを組み立てます。
説明書に従って胴体を中心に、顔、帽子、ヘッドセット、腕、銃のホルスターなどのパーツを取り付けるだけ。
ただし胴体や腕、顔などのパーツの側面には「パーティングライン」がシッカリ入っているので、ちゃんと削ぎ落としておきましょう。
そしてフィギュアを搭載するとこんな感じ。
ハッチから顔をのぞかせる装填手と天蓋に肘をついて前方の様子をうかがう車長。やっぱりフィギュアがあると雰囲気出ますね。
なお、車長のフィギュアは車体の外からストンと入れる事ができますが、装填手フィギュアは両腕が引っかかるため戦闘室内側からでないと設置できません。
そのため車体上下を接着すると装填手を設置出来なくなるので注意!
「4号駆逐戦車 /70 V ラング メタル砲身セット」とフィギュアが干渉する
ラング製作日記を通して何度か記載しましたが、純正オプションパーツの「4号駆逐戦車 /70 V ラング メタル砲身セット」に付属する砲尾パーツを組み込むとフィギュアやフィギュアと干渉します。
タミヤのラングの説明書にもその旨の注意書きがあり、フィギュアの搭載を諦めるか砲身の可動範囲を狭くするかのトレードオフとなります。
…と、文章だけで注意書きしてもいまいちピンと来ない(特に私が)ので、実際に砲尾パーツを取り付けてどう干渉するのか確認してみます。
メタル砲身セット付属の砲尾パーツを組み立てて、ピットマルチ(貼って剥がせるノリ)で仮組みするとこんな感じ。
砲身を最大まで左側に向けると砲尾の後ろにある後座ガードがフィギュアを立たせるパーツの位置まで来ます。
実際はここにフィギュアが乗るので、砲身はこの位置まで向けることができなくなります。
車長側も同じように後座ガードがフィギュアの位置とかぶるため、左右ともに可動範囲が少なくなってしまいます。
「砲身が全く動かなくなる」とまではいかないものの、砲尾パーツを組み込むことで「砲身の可動域がかなり狭くなる」といったところです。
残ったパーツを戦闘室天蓋に取り付ける
あらかた戦闘室天蓋のポイントとなる部分は組み立てましたが、まだ細かいパーツの取り付けが残っているので、そちらも手を抜かずシッカリ解説します。
近接防御兵器の装甲カバーは2種類から選ぶ
装填手ハッチと車長ハッチの間にある丸いパーツを取り付けます。
これは「近接防御兵器」を設置する穴を塞ぐ装甲板で、モールドが異なる2つのパーツから1つを選んで取り付けます。
「近接防御兵器」は自車輌に肉薄してきた敵兵を車内から攻撃する兵器で、大戦後期のドイツの戦車や駆逐戦車に装備されてましたが、肝心の兵器の生産が遅れたため未搭載の車両も多かったようです。
そういったことからこのパーツの違いは「近接防御兵器」搭載の有無を意味します。私は近接防御兵器ナシの装甲板を選びました。
SfL.ZF.1a照準器の遮光フード
SfL.ZF.1a照準器の先端に円筒状のパーツを取り付けます。
おそらくこれは「遮光フード」で、太陽光による視界不良を防ぐためのものだと思われます。
天気のいい日に望遠鏡やカメラのレンズを覗くと眩しかったりフレアやゴーストが発生して被写体が見えづらくなったりします。
カメラならまだいいですが、戦闘中の照準器でそんなトラブルが起きては死活問題なので、そうならないためのフードなのです。
とりあえずここまで作ったら戦闘室天蓋を接着して”フタ”をします。
ここまでの進捗まとめ
これで4号駆逐戦車 ラング(V)の車体の組み立てが完了しました。
やはり駆逐戦車ということで”砲塔”が無い分パーツ量も工程数も少なく、短時間で組み立てが終わりました。
にしてもラングのこのペッチャリとしたフォルム、すごく良いですよね。前々から作りたかった車輌だけに満足しています。これでパンターに匹敵する砲を搭載しているのだから凄い。
…なお、お気づきの人もいると思いますが、車体の一部にパテが盛ってあったり履帯が付いてなかったりと、車体は出来てもまだ「完成」ではありません。
こちらも「匂わせ」で終わらせることなく、ちゃんと後日記事にしてご紹介します。