先日、人生初の戦車プラモであるタミヤのヴィルベルヴィントを完成させることができました。
そしてヴィルベルヴィントに飽き足らず、今度は「オストヴィント」という対空戦車のプラモデルを作ろうと思います。メーカーはドラゴン
さて、この記事では購入した4号対空戦車 オストヴィント(以下:オストヴィント)のプラモデルに関して、
- ドラゴンの戦車プラモデル「オストヴィント」のレビュー
- 元ネタとなった車輌である「4号対空戦車 オストヴィント」の解説
といった内容について書き綴りました。
ドラゴンの「オストヴィント」の特徴
今回買ったプラモデルは『ドラゴン(サイバーホビー) 1/35 WW.II ドイツ軍 IV号対空戦車 オストヴィント w/ツィメリットコーティング』。
メーカーは香港のドラゴン(ドラゴンモデルズ)というメーカー。
以前作ったヴィルベルヴィント(タミヤ)が1/48なのに対し、今回のオストヴィントは1/35。初めて手にする1/35スケールの箱は大きく感じます。
1/48の箱の大きさを比較するとその差は歴然。初めて見た瞬間「うわっ、でけぇ!」と思わず声が漏れるほどでした。
単純に完成時のサイズが大きくなるのはもちろん、細かいディテールも再現され、そしてパーツ数も格段に増えます。…作れるかしら。
ではでは、購入したドラゴンのオストヴィントについてについて特徴や内容といったものを書き綴っていきます。
オストバウ社で試験運用中の試作型が元ネタ
オストヴィントは4号戦車をベースにした「4号対空戦車」として、ヴィルベルヴィント、メーベルワーゲンに続く3つ目の対空戦車です。
今回のキットは戦場から戻ってきた4号戦車 G型の車体にオストヴィント砲塔を乗せた試作型を再現したものです。
上の写真はポーランドのオストバウ社の施設内で撮影されたオストヴィント。オストバウはヴィルベルヴィントやオストヴィントの最終組み立てを担当していました。
車体は4号戦車 G型(車体番号は83898)を使用した試作型で、既存車体の流用ということもあってツィメリットコーティングが施されています。
今回のオストヴィントもこのG型車体の試作型をモデルとしており、車体パーツにはツィメリットコーティングのモールドが入っているのが特徴。
恐ろしいほどのパーツ量
箱の大きさもさることながら、開封してパーツの多さにまた驚く。
そりゃ1/48よりも大きい1/35だからパーツもより細分化されているでしょうが、あまりの多さに「とんでもない物に手を出した…」と、改めて事の重大さを痛感。
ざっとパーツ群を並べてみる。多い。多すぎる。なんというか、1/48と1/35の間にまたがる見えない大きな壁を感じます。
ポケモンで例えるならば、最初の町のジムリーダーを倒して「オレは強い!」と図に乗った主人公が四天王に挑むくらい無謀な事をしている感があります。
薄く成型された砲塔
こちらは砲塔パーツ。
ヴィルベルヴィントおよびオストヴィントの特徴的な砲塔部分の大きさ比較。砲塔一つとっても1/35と1/48のサイズの違いがよくわかります。
また、ヴィルベルヴィントの砲塔が9角形なのに対し、オストヴィントは6角形になっている点も注目。
オストヴィントの砲塔パーツはかなり肉薄で、握っているうちにパキッといきそうで怖い。調べてみると「よくこんなの成形できたな」といった旨の記載を散見します。
そんな1/35の砲塔を1/48の車体に乗っけるとこんな感じ。明らかにアンバランスである。まるでIII号戦車にオストヴィント砲塔を搭載した「III号対空戦車」を見ている気分。
砲塔は前後2つのパーツに分かれており、パネルには溶接跡のモールドが入ってます。
車体シャーシ
こちらは車体下部パーツ。
1/48の車体は私が使ってるスマホ「REGZA Phone IS11T」とほぼ同じくらいの大きさですが、1/35だとそれよりも更に大きい。
これだけ大きいと完成品がどれほどになるのか実に興味深い。
なお先述の通り、このオストヴィントはツィメリットコーティング仕様なので、車体には既にツィメリットコーティングのモールドが入っています。
組み立て説明書
なんじゃこりゃ!?…ってなるほど情報量の多い説明書です。
タミヤの1/48がヒヨッコに思えるほどオストヴィントの説明書は記載量が多い。そりゃパーツの量が多ければ説明書も内容が濃くなりますが、見た瞬間「うげぇ!!」ってなるレベル。
なお、説明書によると複数種類あるパーツから1つを選ぶという選択が求められるようです。これは生産時期によって異なる仕様を再現するものですが、プラモ1つ作った程度の私の知識では違いが全くわかりません。
このへんの選択についての解説はもっと詳しくしてほしかった。タミヤの説明書を見習え!
履帯はベルト式
写真を撮影し忘れたので後付けになりますが、このオストヴィントに付属する履帯は1本モノのベルト式でした。
軟性樹脂で接着出来るタイプなので、奥まった部分を塗装した後に履帯を取り付けられ、連結式よりも楽に作れるという利点があります。
ただ、ゴムのようなフニャフニャの履帯なので履帯のたるみを再現するにはちょっとした工夫が必要です。
デカールは国籍マークのみ
こちらはデカール。今回は国籍マークが3つのみでした。
元ネタとなったオストヴィントが「試作型」なので、下手に部隊マークとか砲塔番号をつけると架空車輛になってしまいます。なのでこれで十分。
エッチングパーツも付属
車体前部の予備履帯のホルダーやフェンダーサポートなどは「エッチングパーツ」で再現されていました。
また、写真にはないですが、「3.7cm Flak43 対空機関砲」の薬莢受けもエッチングのメッシュで再現されています。
現行のドラゴンのキットではOVMの留め具などもエッチングパーツで再現されている場合がありますが、今回のキットではエッチングは最小限のようです。
ドラゴンの「オストヴィント」のキット内容は大体こんな感じです。
…が、そもそも数ある戦車プラモの中で何故「オストヴィント」を選んだのかについて、もう少し書き綴ってみます。
「オストヴィント」か「メーベルワーゲン」かで迷ってた
個人的な話ですが、先日完成した「ヴィルベルヴィント」の次に作ろうと思ったキットの候補は、「オストヴィント」か「メーベルワーゲン」でした。
オストヴィントはヴィルベルヴィントよりも作りたかった戦車ですが、「ヴィルベルヴィント作った後に形が似た戦車作るのもどうなんだろ…」という葛藤がありました。
そうなると同じ4号対空戦車である「メーベルワーゲン」の方が良いのかな? と思ったのですが、メーベルワーゲンの独特な迷彩模様はスプレーでも難しいかな…と、モンモン悩む(オストヴィントの迷彩もスプレーじゃ難しいけどね)。
オストヴィントにした理由は…
で、「悩みは一人で抱え込まないで誰かに相談するといいよ」という神のお告げにしたがって……
あ、XXXさん(戦車もプラモも全く知らない女性)、ちょっといいですか?
およ?
XXXさんは『オストヴィント』と『メーベルワーゲン』だったらどっちが良いと思います?
何の話wwww
写真を見たらオスト何とかの方がいいなぁと思った
……みたいなやり取りをニコ生の某放送のコメント欄で繰り広げていました。放送生主そっちのけで。
で、こんな経緯で次に組み立てるプラモデルを「オストヴィント」にしたわけです。
ありがとうございます。私の下らない質問に律儀に答えてくださったXXXさん。きっと脳内では「?」がいっぱい浮かんでたと思います。
ドラゴンというメーカーについて
そんな不純な動機で購入したドラゴンのオストヴィント。
ヴィルベルヴィントが1/48スケールだったので、今度はもうちょっと大きい1/35スケールに挑戦しようと思い、アマゾンを眺めて発見。
当初はヴィルベルヴィントと同じ「タミヤ」が良いなぁと考えてましたが、残念ながらタミヤからオストヴィントは出ておらず、ドラゴンのみ在庫を確認(2016年2月当時)。
ドラゴン? サイバーホビー?
そんなオストヴィントのプラモデルですが、製造しているのは「ドラゴン(ドラゴンモデルズ)」という香港のメーカーとのこと。
今は記事タイトルを変更していますが、当初はドラゴンとサイバーホビーの関連性がよくわからずに、サイバーホビー(ドラゴン)と表記していました。
ドラゴンとは一体どのようなメーカーなのでしょうかというと、説明している人がいらっしゃったので引用します。
サイバーホビーはドラゴンが製造するキットを販売する「ブランド」で、もとは少数生産の限定キットを香港よりネット通販するために立ち上がったのが始まり…だそうです。
現状はおおざっぱに申し上げるとアオシマが取り扱うとそのまま【ドラゴン】、プラッツが取り扱うと【サイバーホビー】になります。
via : プラモデルメーカーで。。。海外のメーカーなんですが、サイバーホビ… – Yahoo!知恵袋
ということで、箱を見てみると「プラッツ」という代理店名があったので、製造元は「ドラゴン」なんですが、「サイバーホビー」でもあながち間違いではないと思います。
上述の通り
- ドラゴン:香港のプラモメーカー
- サイバーホビー:ドラゴンが所有する販売ブランド
- プラッツ:サイバーホビーブランドなどを取り扱う日本の代理店
といった感じです。…が、あれこれ書いてもややこしいので、「ドラゴン」にしておきます。
ドラゴン製プラモデルの評価
前作ヴィルベルヴィントは超有名な「タミヤ」製でしたが、今回の「ドラゴン」はプラモ初心者の私にとってオストヴィントを買うまで知らなかったメーカーです。
それ故にどのようなメーカーなのか、評価とか組み立ての難易度が気になりますが、こちらも詳しく説明してくださる方がいたので引用します。
作り方の注意点に関してはドラゴンのキットは説明書のチョンボが多いので有名で、部品番号がでたらめだったり酷いときは存在しないパーツの取り付けの指示があったりと混乱させられることが多々あります。
via : ドラゴン製の戦車模型について質問です。評判とか、作り方の注意点や、この… – Yahoo!知恵袋
ごく最近のキットではかなり改善されているようですが、できればマスターモデラーズなどの模型誌の作例記事で説明書の誤りを指摘していることが多いので参考にするか実車資料と照らし合わせながら製作を進めた方が確実です。
この点に関してはタミヤのように何も考えず説明書通りに仮組みも無しに組みあがるというレベルには残念ながら到っていませんね。
via : ドラゴン製の戦車模型について質問です。評判とか、作り方の注意点や、この… – Yahoo!知恵袋
どうやら地獄の釜の蓋を開けてしまったようです。
…えぇ、タミヤのプラモ戦車1つ作っただけなのに調子に乗りすぎました。
この後実際にオストヴィントを製作するのですが、確かに説明書のパーツナンバーが違ったり、「は?こんなパーツないぞ?」ということがしばしばありました。
ですが、そういう時は箱に記載されている「プラッツ」というメーカーに問い合わせることでだいたい解決しました(本来は自己解決です)。
…といったところがドラゴンのオストヴィントについての内容です。
「4号対空戦車 オストヴィント」とは
では購入したプラモデルの元ネタである「4号対空戦車 オストヴィント」はどんな戦車なのかについても解説します。
「4号戦車」がベースの対空戦車
オストヴィントは「4号対空戦車」ということで、「4号戦車」の車体をベースにつくられた対空戦車です。
4号戦車はドイツで最も大量に生産された戦車で、主力戦車としての運用はもちろん、駆逐戦車、突撃砲、自走砲、対空戦車などの各種車両のベースとしても幅広く使用されました。
同じく4号戦車がベースで外観がよく似た対空戦車に「ヴィルベルヴィント」がありますが、ヴィルベルヴィントとの大きな違いは、搭載されている武装が変更されているという点にあります。
強力な対空機関砲「3.7cm Flak43」を搭載
先述の通り、ヴィルベルヴィントとオストヴィントの大きな違いは搭載されている武装(対空機関砲)の違いにあります。
ヴィルベルヴィントに搭載されている「2cm Flakvierling38」は、対空機関砲「2cm Flak38」を4連装にしたもので、連合軍から「魔の4連装」と恐れられました。
この2cm Flakvierling38はヴィルベルヴィントに限らず、前身の4号対空戦車である「メーベルワーゲン」の初期型や、ハーフトラック、貨車などに搭載されました。
しかし、徐々に各国の航空機が発達して機体の耐久性が向上したり、高高度を飛行出来るようになり、大戦後半では2cm Flakvierling38は射程不足・威力不足となりました。
そこでオストヴィントは、ヴィルベルヴィントの2cm Flakvierling38よりも射程・威力の高い37×263mm.B弾を使用する対空機関砲「3.7cm Flak43」を搭載しました。
この3.7cm Flak43は「3.7 cm Flak37(およびFlak36)」の改良型で、発射方式をガス圧作動方式に変更することで従来まで80~160発/分だった発射速度が、150~250発/分まで増加。
また、Flak36やFlak37の重量が1,544kgだったのに対し、Flak43では1,247kgとなり、軽量化にも成功しています。
有効射程(対空射撃) | 最大射程(対地攻撃) | 発射速度 | 砲口初速 | 装填方式 | |
---|---|---|---|---|---|
2cm Flakvierling38 | 2,200m | 5,783m | 800rpm (通常) 1,800rpm(最大) | 900m/s | 20連ボックスマガジン×4 |
3.7cm Flak43 | 4,200m | 7,995m | 150rpm (通常) 250 rpm (最大) | 770–820m/s | 8発入りクリップ |
4連装の「2cm Flakvierling38」と比較して、単装の「3.7cm Flak43」は連射速度は劣りますが、有効射程・破壊力において大きく上回っていました。
また、対空砲陣地では低空を飛ぶ戦闘機を2cm Flakvierling38、高高度を飛ぶ爆撃機をアハトアハト(8.8cm Flak)、これらの射程ギャップを埋める為に3.7cm Flak…といった使い分けもされたそうです。
オストヴィントは「メーベルワーゲン」の後継種
オストヴィントは外観がヴィルベルヴィントに酷似していることから、ヴィルベルヴィントの後継種と思われがちです。
しかし実際のところ、オストヴィントは「メーベルワーゲン」の後継種として開発が行われました。
メーベルワーゲンは4枚の装甲板がありますが、射撃体勢に入るとき、特に低空から侵入する戦闘機を迎撃するときは装甲板を展開するため、乗員の安全性に問題があります。
また、メーベルワーゲンは車体上部のプラットフォームが新規設計のため、生産性が低いという欠点もあります。
そういったメーベルワーゲンの課題を解決するためにヴィルベルヴィントおよびオストヴィント、さらにはクーゲルブリッツといった対空戦車が計画・開発されました。
ただ、このうち「ヴィルベルヴィント」はメーベルワーゲンからオストヴィントへ切り替わる際の対空戦車の不足を補うための「つなぎ」という説があります。
また、後継種のオストヴィント含め、それまでのオープントップな対空戦車はいずれも後に生産する予定だった本格的な対空戦車が出来るまでの「つなぎ」という扱いだったとのこと。
しかしながら、「クーゲルブリッツ」や「5号対空戦車 ケーリアン」といった本格的な対空戦車が量産される前にドイツは敗戦したので、これらの4号対空戦車(特にメーベルワーゲン)は結局終戦まで使われました。
オストヴィントも既存車体の流用が当初の目的だった
「ヴィルベルヴィント」は戦場から修理に戻ってきた4号戦車の砲塔を交換するだけという生産性に優れたものでした。
そして「オストヴィント」もヴィルベルヴィントと同様に砲塔だけ新規に作って、既存の4号戦車に乗せて運用…というのが当初の予定でした。
しかし、搭載する3.7cm Flak43が大きいため砲塔を拡大する必要があり、砲塔を拡大するとエンジン点検ハッチ等と干渉するため、車体側にも手を加えなければなりませんでした。
オストヴィントの車体は諸説あり
また、オストヴィントを語る上で議題にあがるのが「車体」です。
オストヴィントも「”4号”対空戦車」とあるように、4号戦車をベースとしているのですが、前述の通り砲塔が大きすぎるため、既存の車体をそのまま流用…というわけにはきませんでした。
そのため、量産型では、
- 砲塔リングを1,900mmに拡大した車体(=クーゲルブリッツ用車体)
- 砲塔リングを前方に移動させた車体
といった新規設計された複数の車体が使用された説がありました。
クーゲルブリッツ車体
新規設計車体のうちの一つが「クーゲルブリッツ用車体」。
砲塔リング径を1,900mm(ティーガーI用)に変更した新規設計の車体で、本来は「4号対空戦車 クーゲルブリッツ」のために開発された車体です。
また、砲塔リングの拡大に伴い、操縦手・通信手のハッチも干渉を避けるために前方に移動し、「ハ」の字に設置するといった変更がありました。
後にこの車体は部品(車体)共通化を図るためにオストヴィントにも転用され、クーゲルブリッツ車体のオストヴィントは7輌生産されたと言われています。
しかし残念なことに、クーゲルブリッツ車体だとわかるオストヴィントの写真は確認されていません。
砲塔リングを前方に移動させた車体
またクーゲルブリッツ車体とは別に、試作型と同じく従来の4号戦車の砲塔リング径を使用したオストヴィント用車体も開発され、こちらは36輌(40輌説もあり)が生産されたとのこと。
ただ、既存の車体とはいえ、砲塔が機関室のハッチと干渉するため、砲塔リングを前方に移動させた専用の上部構造をもつ車体です。
また、試作型とは異なり、砲塔がより大型化されたり、砲塔下部に跳弾(ショットトラップ)防止の張り出しが追加されるといった変更がなされていたそうです。
砲塔リング径の拡大はされなかった!?
上述の否定となりますが、各国の戦車について詳しく記載された雑誌「グランドパワー」の2010年11月号によると、砲塔リングの拡大は行われなかったとあります。
2010年の本なのであれから研究が進み「やっぱり拡大されてた」って答えが出ているかもしれませんが、少なくとも本誌では否定されてます。
その根拠として、オストヴィントの組み立てを担当した「シュターリン工業」が1945年8月に連合軍に提出した報告書によると、新規生産車体を使用したオストヴィントは22輌とのこと。
急いで砲塔を送って完成した22輌であることを鑑みると、砲塔リングの拡大をする余裕など無く、クーゲルブリッツ車体にオストヴィント砲塔を乗せた折衷型7輌も存在しないことになるとのこと。
この時期にもなると大戦も末期となり、機関室のハッチが開かないなんてのはどうでもいいぐらいに切迫していたと思われます。
先述の通り、前項を否定するような話で驚いていますが、オストヴィントは量産型の写真が極めて少なく、判断が難しいところもあります。
「オストヴィントII」というのも計画されていた
また、オストヴィントはヴィルベルヴィントと違って「単装」であるため、有効射程や威力は高いですが、火力に劣っています。
そこで「3.7cm Flak43」を縦に2つ並べた「3.7cm Flakzwilling43」を搭載する「オストヴィントII」も計画されていたようです。
機関砲が2つになるわけで単純にオストヴィントの2倍の火力を誇るわけですが、オストヴィント自体が少数生産だったこともあり、オストヴィントIIは計画で終わりました。
しかし、単装砲の「3.7cm Flak43」ですら砲塔の拡大やそれに伴う車体の再設計といった問題で難儀したことを鑑みると、連装砲の「3.7cm Flakzwilling43」の搭載はさらに困難と思われます。
4号よりパンターを母体にした方が良さそう(それだと”ケーリアン”になる)。
オストヴィントのプラモデル一覧
こちらはドラゴン(サイバーホビー)の1/35スケールのオストヴィント。今回製作するのがこちら。
同じくドラゴンのオストヴィントで、1/72スケールという小さいサイズ。小さいので場所を取らないし、ヴィネットやジオラマといった情景作品を作成したい人にもおすすめ。
母体である4号戦車は、排気管が2本、上部転輪が3つ、車体前後の牽引装置が装甲板を延長したタイプとなっており、J型の後期型の特徴を持っています。
車体はドラゴン製で、砲塔部分は「レクサモデル」のハイブリッド仕様とのこと。
↑トランペッターの1/35スケールのオストヴィント。
同じ1/35のサイバーホビー製オストヴィントとの差別化は、トランペッターの方は「フルインテリア」仕様となっており、車体の内部構造まで再現されているという点。
また、特徴的な砲塔は「エッチングパーツ」で再現されている点も見逃せない。
果たして作れるのだろうか…!
ということで、ドラゴンの「4号対空戦車 オストヴィント」のレビューや実物オストヴィントについてあれこれ書いてみました。
オストヴィントは大戦末期に少数だけ生産された車輛であることから情報が少なく、オストバウ社の施設内で撮影された試作車輛の写真くらいしか無いようです。
今回のキットはその試作型をモデルにしたものですが、量産化されたらどんな仕様になっていたのか、ちょっと気になります。
さて、次回からはオストヴィントの組み立てを開始します。まずは足回りから。
タミヤの1/48を作っただけの私にとってドラゴンのキットは正直な話、パーツが多すぎて組み立てられるのか不安ですが、焦らずじっくり組み立てようと思います。