どうもこんにちは。
先日、最後の4号対空戦車である「クーゲルブリッツ」が完成し、4号対空戦車がすべて終わりました。
作りたかった戦車がすべて完成してしまい、達成感に満たされると同時にやることがなくなって生きる希望を失っていた私ですが、そんな私の元へ新たな対空戦車が届いたのでご紹介します。
5号対空戦車 ケーリアンをゲットした
対空戦車はなにも「4号対空戦車」だけではありません。4号戦車以前にも「38(t)対空戦車」とか「1号対空戦車」といった対空戦車が存在します。
また、4号戦車よりも大きい「5号戦車 “パンター”」の車体をベースにした対空戦車である「5号対空戦車 ケーリアン」の開発が進められていました。
そして今回はドラゴンの「ケーリアン」のキットを奇跡的に入手することができたのであります。
5号対空戦車 ケーリアンとは
ということで、まずは実車の「ケーリアン」がどんな戦車だったのかを簡単に説明していきます。
「パンター」こと5号戦車をベースにした対空戦車
ケーリアン対空戦車は、パンター戦車の車体に3.7cm連装対空機関砲を装備する全周旋回式砲塔を搭載する車両として計画されたもので、クーゲルブリッツ対空戦車と共に次期対空戦車の本命と期待されていた。
via : V号対空戦車ケーリアン – 戦車研究室
車体は4号戦車よりも更に大きい「パンター」こと5号戦車の車体を使用し、そこにメーベルワーゲンやオストヴィントに搭載されていた「Flak43 3.7cm対空機関砲」を2つ搭載した密閉型の砲塔を乗せる予定でした。
しかし、車体の大きいパンターに対して「3.7cm対空機関砲では威力不足」、「車体サイズに比べて武装が貧弱」などの指摘を受けました。
5.5cm高射砲(ゲラート58)を搭載するつもりだったが…
そのため、機関砲や高射砲などを製造しているドイツの「ラインメタル社」が開発していた5.5cm対空機関砲”ゲラート58″を2つ搭載した車輌へ計画を変更されました。
この5.5cm対空機関砲”ゲラート58″は大戦末期に試作されたもので、5cm Flak41高射砲の後継種という扱いでしたが、ゲラート58が実用化される前に終戦を迎えました。
元となった5cm Flak41は、アハトアハトこと8.8cm高射砲と3.7cm対空機関砲の有効射程のギャップをカバーするために開発され、メーベルワーゲンの搭載武装の候補の一つとしても挙げられてました(ただし不採用)。
ペーパープランのみに終わってしまった
ところが、このゲラート58を搭載するという計画の変更がケーリアンの製造を遅らせ、また連合軍の空襲によってベース車体の「パンター」の生産も間に合わなくなり、ケーリアンは試作車すら完成しなかった。
メーベルワーゲンやオストヴィントを経て、クーゲルブリッツと同じく密閉型の砲塔を搭載した本格的な対空戦車として計画されていたのですが、結局1輌も完成しなかったという不遇戦車です。
ちなみに車輌名の「ケーリアン(Coelian)」は天上を意味する「Coeli」に接続詞の「an」がついた形となり、翻訳すると「天上人」みたいな感じになるそうです。
サイバーホビー製 「5号対空戦車 ケーリアン」
さて、実車についての説明はこれくらいにして、キットを見ていこうと思います。
実車は生産されなかった幻の対空戦車でしたが、キットの方も現在ほとんど出回っていない幻のキットでした。
私が知るかぎり「ケーリアン」は、今回入手したサイバーホビーの1/35スケール、同社の1/72スケール、塗料などでお馴染みのGSIクレオスの1/35スケールがあります。
が、いずれもショップでは「売り切れ」状態で、仮に見つけてもプレミア価格(転売価格…)がついて定価の4倍以上の価格だったり。
さすがにキットに17,000円は出せぬ…(でも25,000円ほどのエアブラシはシッカリ買っています)。
そんな中Amazonでサイバーホビーの1/35スケールのケーリアンが5,980円で出品されているのを発見。
希望小売価格が3,700円ほどなので少し割高ではあるものの、他でこのキットが出品されてないことを考えると悪くはないと思い購入しました。
このキットには「ケーリアン」のキットだけでなく、「ボーナスパーツ」として戦車に乗ったドイツ兵士のフィギュア4体が付属しています。
このフィギュアは元は「ドイツ軍 戦車跨乗兵セット ロレーヌ 1944」という同社の商品だったのですが、それがケーリアンにプラスされたというもの。
履帯は「マジックトラック」という1枚1枚連結するタイプ。
前回のクーゲルブリッツでも似たような連結式だったのですが、こちらは予めランナーから切り離されたものが入っています。
1つ1つ連結するという点については同じですが、ランナーから切り離してバリを取るといった下処理の手間が省けるのは嬉しい。
開封の儀
パッケージの説明はこのへんにして、中身の確認をしていきます。
ドラゴン(サイバーホビー)のキットはオストヴィント、クーゲルブリッツに続いて3つ目になるのですが、オストヴィントの時はあまりのパーツの多さに唖然とした記憶があります。
果たして今回は…。
車体のパーツ、説明書、各種ランナー、デカールなど色々入っていますが、オストヴィントの時と比べるとそれほどパーツは多くはない印象です。
なお、タミヤのキットと比べると若干多いかな? というレベルなので、おそらく私の目が肥えてきたんだと思います。
言わずもがな初めてプラモをやる人がこのパーツ量を見ると「ぐぇぇ」ってなります。
車体パーツ
こちらはケーリアンの車体の上下のパーツ。
車体下部には転輪を取り付けるための「トーションバー」がモールドで再現されており、車体の上部も溶接跡やボルトなど細かいモールドが入っています。
今回は4号戦車ではなく、「5号戦車 パンター」の車体をベースにした対空戦車なので、砲塔はもちろん車体も「はじめまして」です。
果たして5号戦車の車体はどのようになっているのか楽しみです。
せっかくなので、先日完成したばかりの「クーゲルブリッツ」と車体の大きさを比べてみます。
5号戦車パンターは他の国で言う「重戦車」クラスなので、中戦車である4号と比べると大きい。
横から見てみるとこんな感じ。
車高は同じくらいに見えますが、まだ転輪や履帯を装着していないので車高は更に高くなると予想。
「メーベルワーゲン」に付属していたフィギュアを横においてみます。
このフィギュアも1/35スケールなので、リアルだとだいたい175~180cmくらい。結構大きいので車内泊も出来そう……なのかな?
履帯はマジックトラック
こちらがウワサの「マジックトラック」。
どれだけ入っているのかわかりませんが、説明書によると左右の履帯(片側86枚)で172枚使い、予備履帯で12枚使うので190枚くらい入ってたらいいなぁ。
デカール
デカールはドイツの国籍マークである鉄十字が3つ付属しています。車体の左右側面と後部に貼ります。
次回から組み立てに入ります
ということで奇跡的に購入できた「5号対空戦車 ケーリアン」を次回から作っていきます。
今まで作ってきた4号対空戦車とは異なる構造の対空戦車なので、どのように組み立てていくのかとても楽しみです。
↑次回は足回りの組み立てを行います。