どうもこんにちは。ましゅーです。
今現在進行形で製作している「5号対空戦車 ケーリアン 」という対空戦車ですが、組み立てが完了してあとは塗装だけ! というところでなかなか塗装が進まず作業が滞っています。
このまま何もしないのはつまらないので、ケーリアンの塗装再開までに「つなぎ」としてまたタミヤのメーベルワーゲンを作ろうと思います。
4号対空自走砲 メーベルワーゲンをまたつくる!
「…あれ? 前にもメーベルワーゲン作らなかった??」って思った方、正解です。
実を言うと3作目にもメーベルワーゲンを作りましたが、今回またメーベルワーゲンを作ってみようと思ってタミヤのキットを購入しました。
ちなみに最初のメーベルワーゲンは「Flak43搭載型」の方で、今回作るメーベルワーゲンは「2cm Flakvierling38」を搭載した初期・試作型です。同じメーベルワーゲンでも武装をはじめ細部の仕様が違ってきます。
天気が悪くて「ケーリアン」の塗装が全く進まない
冒頭でも書きましたが、メーベルワーゲンを作るキッカケは現在制作中の「V号対空戦車 ケーリアン」の製作が滞ったことにあります。
組み立てが一段落ついて次は塗装をするぞ! ってところで天候に恵まれず塗装が出来なくて時間だけが過ぎていくという。組み立てが一段落ついたのが6月16日で、あれからほぼ3週間作業がストップした状態。
塗装はエアブラシでやるので、機材の準備などで時間の余裕がある週末に行います。ところが、ここ最近の週末は狙ったように雨ばかり降るせいで満足に塗装ができない。
で、一応先週は天気が良かったので、暑いなかダラダラ汗を流しながらサーフェイサーを塗装していました。しかし、サーフェイサーが乾燥して次の塗装に行けるかなぁーというタイミングで雨が降ってきて中断。
実車のケーリアンは連合軍の空襲で完成しませんでしたが、私は雨のせいで完成してません。こんなところまで史実を再現しなくても結構ですよ。
…で、さすがに何週間も手を付けずに過ごすのは退屈極まりない。そこで
ケーリアンの”つなぎ”としての メーベルワーゲン
現行の「ケーリアン」の制作が滞るなら、他のプラモデルを組み立てて時間を埋めればいいのである。
ということでまた「4号対空自走砲 メーベルワーゲン」です。
メーベルワーゲンは後継種のオストヴィントやクーゲルブリッツ、そしてケーリアンといった本格的な対空戦車が出来るまでのつなぎ・数合わせという扱いですが、それは私の模型制作事情にも当てはまるようです。
……なお、箱絵にお母さんが写っていますが、これは後付けで貼り付けたものであって、コラボ商品とかではありません。
過去にも似たようなことなかった?
実を言うと、過去にも「オストヴィント 」の制作が滞ってしまったために、「つなぎ」として作ろうとメーベルワーゲンを買ってます。

で、メーカーからパーツを取り寄せている間に何もしないのは寂しいので、この「4号対空自走砲 メーベルワーゲン 」を買って作ろうと思ったのです。
……結局メーベルワーゲンが届いた翌日にパーツが届いたので製作はだいぶ後になりましたけどね。
なぜメーベルワーゲンなのか
本格的な対空戦車の「つなぎ」といえばメーベルワーゲンっしょ! (決してそんなことはない)
……というのもあるのですが、実は少し前にTwitterで下記のようなアンケートを行っていました。
— Matthew@たーびゅらんす (@mk12mod1) June 28, 2016
このアンケートは、ケーリアンの次に作ろうと思ってた戦車の候補3つですが、ドイツ戦車の中でも人気のあるティーガーやヘッツァーを押しのけてメーベルワーゲンが一番人気という結果に。
ということで、本来はケーリアンの制作が終わったら次作ろうと思っていたメーベルワーゲンですが、ケーリアンが終わらんので今その”次”を今やろうという話です。
…ということで、なぜ急に「メーベルワーゲン」を作ろうと思ったのかがお分かり頂けたかと思います。
4号対空自走砲 メーベルワーゲン(試作型)とは
さて、”なぜメーベルワーゲンなのか”が大体ご理解いただけたところで、続いては「4号対空自走砲 メーベルワーゲン」がどういった車両なのかを解説していきます。
4号戦車の車体を流用して作られた対空自走砲

4号対空自走砲 メーベルワーゲン
via : wehrmacht-history.com
メーベルワーゲンは第2次世界大戦の間にドイツで最も生産された戦車である「4号戦車」の車体をベースに作られた車両で、「対空自走砲」とあるように、上空を飛来する敵の航空機の進路を妨害したり撃墜するのが目的の自走砲です。
同じ4号戦車の車体を使用した対空戦車は他にも、
などがあります。なお、対空戦車以外にも4号戦車は駆逐戦車や自走砲など様々な車両のベースとなっていますが、それについては割愛します。
「つなぎ」としてのメーベルワーゲン
ただ、メーベルワーゲンは本来は主力対空戦車という扱いではなく、後に作られる予定だった「クーゲルブリッツ」や「ケーリアン」といった本格的な対空戦車が完成するまでのつなぎという扱いでした。
これはメーベルワーゲンの後継種である「オストヴィント」や、オストヴィントが出来るまでの対空戦車の不足を補うために暫定的に作られた「ヴィルベルヴィント」も当てはまります。
ところが、それらの本格的な対空戦車は量産および実戦配備に間に合わなかったため、結局メーベルワーゲンがドイツの主力対空戦車として扱われることになったとのこと。
今回のメーベルワーゲンは「試作型」
で、2つ目のメーベルワーゲンを作ることになりますが、最初に作ったメーベルワーゲンと同じものを作るわけではありません。
というのも以前に作った方のメーベルワーゲンは量産型で、今回作るメーベルワーゲンは試作型となります。
両者の違いは何かというと、まず第一に搭載している武装で、試作型は「2cm Flakvierling38」を搭載しています。

2cm flakvierling38 via : navweaps.com
この「2cm Flakvierling38」はヴィルベルヴィントの武装としても採用され、4つの砲による驚異的な弾幕から「魔の4連装」と恐れられ、8.8cm高射砲とともにドイツの対空兵器として重宝しました。
しかし、後に連合軍の航空機の性能が向上し、高高度の飛来が可能になったり機体が装甲化されることで「魔の4連装」も威力不足に苛まれます。

3.7cm Flak43 via : 3.7 cm Flak 43 Walk Around
そのため、量産型メーベルワーゲンではより威力の高い「3.7cm Flak43」を搭載しました。
4つの砲身を持つ「2cm Flakvierling38」に対し、「3.7cm Flak43」は砲身が1つなので連射速度は劣りますが、3.7cmという巨大な砲弾は1発あたりの威力・射程が格段に向上しました。
……というのがメーベルワーゲンの試作型と量産型における搭載兵器のおおまかな違いです。
もちろん搭載兵器のほかにも到るところで仕様が変わっていたりします。
タミヤ「ドイツ IV号対空戦車 メーベルワーゲン」レビュー
実物車輌のメーベルワーゲンについておおまかに説明したので、次はタミヤのプラモデル「ドイツ IV号対空戦車 メーベルワーゲン」を見ていきます。
以前に作ったメーベルワーゲン(Flak43搭載の量産型)は1999年発売なのに対し、今回作るメーベルワーゲン(試作型)は1977年発売です。
販売された時期が大幅に異なるので、キットの精度や構造なども異なってくるだろうと予想できます。
メーベルワーゲンの名称について
細かいことを言うと、タミヤのメーベルワーゲンは
- Flak43搭載型(1999年7月販売)→『IV号対空自走砲 メーベルワーゲン(3.7cm Flak43搭載型)』
- 2cm Flakvierling38搭載型(1977年12月)→『ドイツ IV号対空戦車 メーベルワーゲン』
…となっており、同じメーベルワーゲンでも混同しないよう製品名に配慮がなされています。
ただ、実車のメーベルワーゲンは正式名称がIV号対空戦車 メーベルワーゲンとなっているので、「”自走砲”は違うんとちゃうか?」となります。
あくまでタミヤのプラモデルの製品名として表記しているもので、「ヤークトティーガー」を「ハンティングタイガー」としたり、「ヤークトパンター」を「駆逐戦車ロンメル」とするようなものです。
…しかし、実際のドイツにおける対空戦車の定義としては、
制式名称に対空戦車(Flakpanzer)の名を持つのはヴィルベルヴィント以降で、それ以前の物は名称上自走式対空砲扱いとなっている。
via : 対空戦車 – Wikipedia
とありますので、「対空自走砲」でもあながち間違いではないということになります。
そういったことから当ブログでは「4号対空自走砲」と表記することもあります。…あまり細かいこと気にしすぎるとハゲるので大らかな気持ちでいましょう。
開封の儀
ではでは箱を開けて中身を見ていきましょう。
内容物はこんな感じ。
パーツランナーの入った袋が4つに履帯1セット、車体の上下シャーシ、デカール、そして説明書(2冊)といった内容。
元が初心者に優しいタミヤのプラモデルだし、いくつかプラモ作って経験値がたまってきたこともあり、パーツの数が少なく感じます。慣れというものは恐ろしい。
説明書
まずこちらは説見書。日本語版と英語版の2種類が入っています。
今回の試作型メーベルワーゲンもFlak43搭載型と同じように、走行時、対空射撃時、水平射撃時の3種類から1つを選んで組み立てます。
また、説明書には組み立て手順のほかにも塗装例や細かい解説が入っています。この辺りの丁寧さはさすがタミヤといったところですね。
車体パーツ
こちらは車体上部のパーツ。
メーベルワーゲンは4号戦車の車体を流用していますが、車体上部については新規に設計された横幅の広いプラットフォームを使用しています。
なお、ざっと見た感じ、通信手・運転手のハッチが別パーツではなく、モールドで再現されているなど、結構デフォルメされています。
続いてこちらは車体シャーシのパーツ。
「4号戦車」ベースの「4号対空戦車」は何度も作ってきましたが、今回の車体下部には今までの4号対空戦車シリーズにはないリブやモールドが入っていました。
その中でも特に気になったのが、この乾電池を搭載しろと言わんばかりのモールド。
当初、手に取った時にズッシリと重量感を出すために入れるのかと思いましたが、どうやら違うみたいで、昔の戦車プラモデルはユニットを組んで走行や砲塔旋回が可能だったようです。
で、この乾電池のモールドは当時の名残りというわけです。もしかしたらユニット組んだらメーベルワーゲン走らせる事できるのかな?
なお、この試作型メーベルワーゲンのキットが発売されたのが1977年とのことで、発売当時このキットを作ってた人たちは現在50代ぐらいの方々かと思います。
そう考えるとちょっと年代モノって感じがしますね。
履帯はベルト式
こちらは履帯です。
ベルト式の一体型履帯ですが、この頃の履帯はポリプロピレン製なので通常の接着剤では接着できず、「焼き止め」で溶着したそうです。
「焼き止め」というのは、ライターなどでアツアツに熱したマイナスドライバーなどを押し当て、パーツを溶かして溶着させる技法です。
また、話によると従来の履帯よりも塗料が剥がれやすいとのことで、気になる人はガイアノーツの「ガイアマルチプライマー」を履帯に塗ってから塗装しているそうです。
まとめ
オストヴィントの生産が遅れた時にメーベルワーゲンを作ろうとしたのと同じく、ケーリアンの生産が遅れた今回もメーベルワーゲンです。
なんかもうメーベルワーゲン = 現行の制作が滞った時に作る「つなぎ」みたいな扱いになってますが、史実でも似たような扱いだったのでまぁいいやと思ってます。
ということで、一応はケーリアンの塗装や組み立てを優先して行いますが、塗装が終わるまではこのメーベルワーゲンをチョビチョビ組み立てる予定です。
↑今回紹介したタミヤ 1/35スケールの「4号対空自走砲 メーベルワーゲン(試作型)」はこちら。かなり古いキットです。
↑過去に制作した量産型(Flak43搭載)のメーベルワーゲンはこちら。