ここ最近は暖かくなったり寒くなったりでよくわからない日が続いておりますが、そんなよくわからない日はあったかい部屋に引きこもってプラモデルを作るに限ります。
……ということで今日もドラゴンの「オストヴィント」の製作をやっていきます。
前回のあらすじ
前半は主に車体に取り付けるための装甲板を組み立てました。
そんでもって後半は今まで組み立ててきた転輪や装甲を車体に取り付ける。
少しずつ「車体に取り付ける」という工程が入ってきているので、だんだん戦車らしい形が見えてきています。
オストヴィントのフェンダーを組み立てる
今回は「7」番目の工程に入ります。7番目では車体下部に「フェンダー(泥除け)」や車体内部のパーツを取り付けます。
ドラゴンの説明書はパーツの取り付けに関する説明がほとんど無く、図を見ても全部同じ方向から見たもので「別アングル」というものがありませんでした。
なので「コレどーすりゃいいの…」ってなるような箇所がちらほら。
まずはフロントマッドガードから
グチっていても仕方がないので車体下部にマッドガード(泥除け)をとりつけます。
まずはフロントフェンダーの先端を組み立てます。
フェンダー前面は3つのパーツで構成されています。
注意したいのはフェンダーの内側にとりつける「フェンダースプリング」というバネを模した小さなパーツ。小さいので取り付けにくいし、紛失したらそのまま行方不明で死亡する可能性大。
小さいパーツに悪戦苦闘を強いられながらも、組み立てるとこのようになります。
ボッシュライトを取り付けるための穴をあける
なお、左側のフェンダーにはライトを取り付けるために穴開けが必要になります。
また取り付けるライトは「ボッシュライト」か「ノテックライト」のどちらかを選びます。
選んだライトによって穴の開ける位置が異なるので、取り付けたいライトに合わせて間違えないように開けていきます。
フェンダーをひっくり返すと「ここに穴を開けるんじゃよ」と言わんばかりのクボミが3箇所あります。
ノテックライト・ボッシュライトについて
ちなみに取り付けるライトである「ノテックライト」と「ボッシュライト」の違いは何かというと、
ノテックライトは「防空灯」とも呼ばれており、夜間にライトを使う際に上空に光が漏れるのを防ぐ構造になっているライトです。
対するボッシュライトは、専用のカバーで光源を絞ることで光が広がらないようにしたライト。世界的に有名なドイツの自動車メーカーであるロバート・ボッシュ社(日本法人名:ボッシュ株式会社)から。
ノテックライトは非走行車両や戦場に行かない車両に取り付けられており、一応4号戦車などにも取り付けられてましたが、耐久性を考慮して後にボッシュライトに交換されたそうです。
ということで穴を開けてやりました。
ノテックかボッシュか迷ったのですが、参考資料として見てた4号戦車の大半がボッシュライト使っているのと、私が「まっしゅ」なので名前に親近感を抱いたという理由でボッシュライトにしました。
なお前作のヴィルベルヴィントもボッシュライト仕様でした。
また、G型では左右のフェンダーにライトが取り付けられていたようですが、今回のオストヴィントではライトは左側だけ。
フロントマッドガードの組み立て
リアを組み立てたので今度は後ろのマッドガードも組み立てます。
まずはツィンメリットコーティングが入った”スカート”をペタッと貼り付けます。
「いいスカートだな…俺もほしい……。」と宣うはクルップ社のエンジニア。彼が変な性癖に目覚める前に次のパーツを組み立てます。
続いてフェンダースプリングを取り付けるのですが、こちらもフロントと同じく小さいので取り付けにくいし折れやすいパーツなので神経すり減らしながら取り付けました。
車体にフェンダーを取り付けよう
前後にスカートを取り付ければフェンダーは完成ですので、次は車体下部にフェンダーを取り付けていきます。
なお車体は小物入れになってる模様。
スマホは大きすぎて入りませんでしたが、ガラケーならちょうどいい大きさです。普段使う携帯電話のカバーがオストヴィントって何かカッコ良くないですか?
…なお、取り付ける前に車体の左右のフチに3ヶ所ずつある出っ張りをカットします。
まず最初は接着剤をつけずに仮組み。
車体後部の出っ張りとフェンダー後部にある切り欠き部分がうまく合わさるようにセットします。
次にフェンダーの真ん中辺りにあるコの字の溝を車体に引っ掛けるように取り付けます。
写真ではわかりづらいですが、車体側が肉厚で溝に入らないので削って調整しました。
大体の位置設定がわかったらフェンダーと車体の隙間を埋めるように接着剤を流し込みます。ここでも前回紹介した「流しこみタイプ」の接着剤が大活躍。
左右のフェンダーを取り付けるとこんな感じに。車体下部もますます戦車っぽくなりました。
まとめ
ということでフェンダーの取り付けが完了しました。
フェンダースプリングなど小さいパーツの扱いや車体側への取り付けなど、注意すべき点はありますが、それさえ何とかなれば問題ありません。
……なんですが、説明書をよく見るとわかるように、今回やった「7」番目の作業はまだ残っています。
フェンダーの他にも車体内側のエンジンルームとの仕切りなどの内装を作っていくみたいです。
車体内装の組み立て
戦車プラモの場合、操縦席とかの内部構造は見えなくなるので、あまり気にする必要はない場所です。
が、サイバーホビーのプラモデルはその辺りもこだわっているのか、(砲塔を外した時に見える範囲の)内装パーツが用意されています。
オストヴィントの場合、砲塔の上面がオープンで隙間から車体内部が見えるので、そういった細かい仕様があるとよりリアリティを感じます。
内装パーツを組み立てます
ということでまずは説明書に従ってパーツを作っていきます。
はいできました。
説明書通りに2つのパーツを組み合わせるだけなのでここは簡単です。
これは車体の中央に位置する「戦闘室」の機構の一部です。戦車で言う砲塔がかぶさる部分で、ここに砲塔旋回用の装置が色々ありますよね。
作った内装パーツを車体に取り付ける
再び説明書に目をやると、このパーツは車体の中にストンと落とすように組めと仰っております。
ただ、サイバーホビー(ドラゴン)の説明書の悪いところで、左斜め前から見たアングルの図しかないので、どの部分にどう噛み合わせて取り付けるのかわかりづらい。
車体内部を見てみると、仕切を立てるようなリブが2本入っています。
一方こちらは先ほど組み立てた内装パーツ。
ケツの部分を見てみるとカクンと切り欠きができています。
まずは仮組み
また、パーツの左側面にも「コ」の字の切り欠きがあり、車体内部の左側にあるリブに噛みあわせるようになっています。
ただ、これらのリブや切り欠きに合わせるように取り付けようとすると、パーツの一部が車体内部に干渉するので、その干渉する部分をカッターやヤスリで削って調整します。
干渉する場所を少しずつ削って微調整していくと、パーツの後端にあった切り欠きと車体の底にあるリブが噛み合うようになります。
内装パーツを取り付けたあと薄い板状のパーツ(戦闘室と機関室を区切る壁)をリブに差し込むようにして取り付けるわけですね。ややこしい。
位置関係が不明瞭だったり、パーツが干渉してうまく取り付けられないなど苦戦しましたが、パーツをジックリ観察して、「仮組み」で取り付け方を把握すれば何とかなるレベルでした。
取り付け位置を把握したら接着します
仮組みで取り付ける位置がわかったら接着剤で本組みします。
ここでも「流しこみタイプ」の接着剤が活躍しています。というか流しこみタイプ買ってから普通の接着剤を使っていない気がします。
その他パーツの取り付け
続いて写真の赤丸で囲ったパーツをフェンダーの上にチョンと乗っけるように取り付けます。
厚さ1ミリ程度のこのパーツを写真にようにフェンダー両側にあるリブ2点に接着するわけですが、あまりに接着面積小さすぎやしませんか?
普通、パーツ同士を接着する場合、「ここに接着するんやで」というように何かしら目印的なものがあったり、接着面積が大きかったり、リブなどがあります。
しかしこのパーツは「はぁ? 目印ぃ? 甘えんな」とでも言わんばかりに何もない。もう適当に付けた感満載で、「え、こんなんで良いの?」って疑うほど。
これではちょっと押しただけで倒れてしまうぞ。
……で、気になったので、(他の疑問も含めて)またドラゴン(サイバーホビー)の販売業者に電話で聞いてみると「これで合ってる」とのこと。マジか…。
車体正面に予備履帯を取り付ける
いろいろありましたが、車体内部のパーツの取り付けが完了したので、つぎは車体正面にも予備履帯を取り付けていきます。
この部分も予備履帯を取り付けるか取り付けないかを選択することができます。
4号戦車の写真を見てみると、前部上面装甲にはついているけど、正面にはついていない車両が結構ありました。
予備履帯はその名の通り破損した履帯と取り替えるのはもちろん、「追加装甲」としての役割もあります。
そんな予備履帯ですが、前作のヴィルベルヴィントにも取り付けており、あった方がカッコいいなーと思うので取り付けます。
履板は10枚つかった
ということでまずはバラバラの履帯を合体させます。
履帯が完成しました。
説明書には”履帯は9枚必要”と書いてあり、上の写真も9枚ですが、いざ車体正面のラックに置いてみると何だか中途半端な感じがしたので、後にもう1枚追加して10枚にしました。
……キミは8匹でしょ。
予備履帯ホルダーの組み立て
閑話休題。車体に予備履帯を取り付けていきます。
まずは予備履帯を車体にペタンと貼り付けて、履帯のセンターガイドの下に細長いラックを取り付けます。
で、そのあと写真の棒状のようなものを車体に取り付けるのですが、その前に棒の右先端に小さなパーツを取り付けます。
このパーツが小さくて思うように引っ付いてくれず神経をゴリゴリすり減らしてくれます…。
それでも無事装着できました。
このオストヴィントや4号戦車 G型の頃は履帯のセンターガイドを挟むように上下にホルダーがついてましたが、後に上の棒状のものがなくなります。
まとめ 車体が出来てきた
相変わらず小さいパーツに翻弄されたり、「どこに付けりゃええねん」と迷ったりはありますが、奇跡的にアクシデントもなく続いております。
7番目の工程が終了した時点でのオストヴィントはこんな感じ。
なお、履帯は塗装してから取り付けるのでこの時点ではまだ装着はしません。おそらく最後の方になるかと思います。
おまけ あの人もオストヴィントの完成が待ち遠しいようです
「ソ連人民最大の敵」の異名を持つルーデル閣下も、少しずつ出来上がって来ているオストヴィントを見てにっこり満面の笑み。
閣下は急降下爆撃機の「ユンカース Ju87 “スツーカ”」を愛用していたのは有名な話です(もちろん他にもいろんな航空機に乗ってます)。
そのスツーカに対して閣下は「何度も補給すんの面倒だから3.7cm機関砲をつけろ」と製造元のユンカース社に無茶を言ったとか。
そんな閣下の無茶によって出来た3.7cm機関砲搭載型のスツーカは「カノーネンフォーゲル(大砲鳥)」という愛称がつけられました。
なお、このカノーネンフォーゲルに搭載されている「BK 3.7」という機関砲は「3.7cm Flak18」をベースにしています。また、オストヴィントに搭載している「3.7cm Flak43」も同様に3.7cm Flak18から派生したバリエーションです。
なので「オストヴィントとルーデル関係ねーだろ!」と思ったかもしれませんが、オストヴィントの「3.7cm Flak43」とカノーネンフォーゲルの「BK3.7」は親戚のような関係なのです。
それゆえ、閣下はカノーネンフォーゲルと同じ弾を使うオストヴィントに親近感を抱いたに違いありません。[要出典]
そして閣下はこのオストヴィントが完成したら「何をノンビリしてる! 君は装填手だろう!早く来たまえ!!」と、病院のベッドで新聞を読んでたガーデルマンを無理やり引っ張り出して再び戦場へ赴くでしょう。
「オストヴィントに乗ったソ連人民最大の敵」という新たな異名がつき、ソ連全土を恐怖で震え上がらせることになるのはもう少し先のお話。
↑オストヴィントは いいぞ!
↑カノーネンフォーゲルも いいぞ!!
↑戦車模型の教科書も いいぞ!!!