私が住んでいるマンションの水道水はとにかくマズイ。
浄水処理はされているとは思いますが、飲んでみるととにかくマズイ。
あまりに水がマズイので、マズイマズイと言いながら水分補給をしなければならないと思うとゲンナリします。
…このように、水がマズいので、美味しい水が飲めるようにマンションでも設置できる蛇口直結型の浄水器、クリンスイ CSPX(三菱ケミカル)を取り付けました。
さて、この記事では
- 三菱ケミカル「クリンスイ CSPX」のレビュー
- クリンスイ CSPXを使えるようにする手順(取り付け方法)
- 実際にクリンスイ CSPXを使ってみた感想
といった内容について書き綴ってみました。
蛇口直結型の浄水器を選んだ理由
蛇口直結型とはその名の通り、蛇口先端に直接取り付けるタイプの浄水器です。
蛇口の形状は様々ですが、それらに対応する「アダプター」を介して浄水器を取り付け、あとは水を出せば中の”ろ材”が水をろ過して美味しくしてくれる仕組み。
なぜこの蛇口直結型の浄水器を選んだかと言うと、マンションに住んでいるからです。
つまり借家なので、退去時には原状回復(=入居前の状態に戻す)する必要があり、それを鑑みると大がかりな工事や設置作業を必要とするタイプの浄水器は相性が悪いのです。
一方で、蛇口直結型は蛇口の先端に取り付けるだけという簡単なもので、退去時もすぐに取り外すことができて、転居先でも同じように使うことが出来るのです。
三菱ケミカルの「クリンスイCSPX」を選んでみた
そんな蛇口直結型の浄水器で選んだのが三菱レイヨンの『クリンスイ CSPX』。
パッケージ左下に13+2とあるように、「家庭用品品質表示法」で定められた13種類の物質を除去するだけでなく、鉄やアルミニウムといった2種類の物質も除去してくれるようです。
また、クリンスイ CSPXは本体にディスプレイが内蔵されており、フィルターの使用残量を数字をカウント。フィルター交換時期が一目で分かります。
クリンスイ CSPXの除去能力
パッケージ裏側にある除去能力についての記載。
活性炭とセラミックに加え、独自の中空糸膜フィルターを採用しており、最高水準の除去能力を誇っているようです。
そして先述の通り、「家庭用品品質表示法」で定められた除去対象である以下の13物質を除去してくれます。
遊離残留塩素
濁り(雑菌・固形鉛など)
総トリハロメタン
クロロホルム
ブロモジクロロメタン
ジブロモクロロメタン
ブロモホルム
溶解性鉛
農薬(CAT)
カビ臭(2-MIB)
テトラクロロエチレン
トリクロロエチレン
1,1,1-トリクロロエチレン
上記13物質は家庭用浄水器試験方法(JIS S 3201)の試験結果によると、総ろ過水量900リットルで除去率80%とのことです。
また、浄水器協会で定められた規格基準(JWPAS B.100)で挙げられている除去対象物質である、以下の2つの物質も除去し、こちらも除去率80%。
鉄(微粒子状)
アルミニウム(中性)
ディスプレイでフィルターの交換時期がわかる
こちらも先述の通り、クリンスイ CSPX本体に内蔵されたディスプレイに数字が表示され、ろ過フィルターの使用残量をお知らせしてくれます。
カウントダウン形式になっており、浄水機能を使うにつれて数字が減るので、ある程度減ったら「そろそろフィルターを買おう」という目安になります。
取り付けられる水栓・取り付けられない水栓
「蛇口直結型」なので蛇口の先端に取り付ける浄水器ですが、水栓の形状によっては取り付けられない場合もあるので、必ず購入前に蛇口の形状を確認して下さい。
取り付けられる水栓形状
- 先の膨らんだ丸型蛇口(16~19mm)
- 泡沫蛇口(外ネジ・内ネジ)
- その他の蛇口(先端がストレートになっているもので、蛇口経13~24mm、ストレート部分が10mm以上のもの)
取り付けられない水栓
- 角型蛇口(洗面台などで使われる先端が角ばった形状のもの)
- シャワー蛇口
- センサー蛇口
- その他の蛇口(先端がストレートになっているもので、蛇口経13mm未満または24mm以上のもの、ストレート部分が10mm未満のもの)
セット内容
開封すると以下のものが入っていました。
- クリンスイ CSPX本体(カートリッジ1個つき)
- ボタン電池(CR2032)
- 取り付けアダプター
- 取扱説明書
- ご愛用者カード
- 保護シール
- 銘板シール
- カートリッジ交換日シール
それぞれ詳しく見ていきます。
クリンスイ CSPX本体と各シール
まずこちらはCSPX本体と銘板シールとカートリッジ交換日シール。そして本体ディスプレイ用のCR2032ボタン電池。
銘板シールには使用上の注意やお問い合わせ先の電話番号が記載されたクリアシール。「製品に貼ってご使用下さい」とありますが、CSPXの形状を鑑みるとどこに貼るの…? となりました。
また、カートリッジ交換日シールはカートリッジを交換した年月を記入出来るシールです。通常はディスプレイの数字を目安に交換しますが、長期間使用しない場合などはシールの年月で判断します。
本体についての詳細やボタン電池の装填方法については後述します。
ご愛用者カード・保護シール
こちらは「ご愛用者カード」と「保護シール」。
ご愛用者カードはいわゆるお客様アンケート的なもので、購入理由や製品を知ったきっかけなどを回答するハガキです。
また、ご愛用者カードには「クリンスイ・クラブ」という無料のクラブに入会するか否かという項目もあります。入会希望者は商品の箱(CSPXの場合、箱のベロ部分)にあるポイントマークを貼り付けて郵送します。
入会するとポイントに応じてプレゼントが貰えるので、長期間利用する場合はお得かも。
「保護シール」はハガキに記載した送付者情報を第三者に見られないように隠すためのシールです。
各種アダプター
蛇口直結型ということで蛇口の先端に浄水器を取り付けますが、蛇口先端の形状はメーカーによって異なるため、各種形状に対応したアダプターが付属します。
ただし、泡沫水栓(内ネジ)や先端がストレート形状(直径13~24mm、ストレート部の長さ10mm以上)に取り付ける場合はオプションパーツが必要となります(無料)。
このオプションパーツは、アダプターが入っている紙の下の方にCセット(Dセット)引換券というのがあるので、そちらをハガキに貼り付けて指定の住所まで送れば入手できます。
クリンスイ CSPXを使用するまでの手順(取り付け方法)
さて、それではクリンスイ CSPXを使うための初期設定を行います。
具体的な流れとしては、
- CSPXにボタン電池をセットする
- 蛇口の先端に取り付ける
- 水が流れるかチェックする
といった手順になるので、順番に解説していきます。
ボタン電池をセットする
まずはCSPX本体に電池をセットします。
本体左側面にあるカバーをコインなどを使い、反時計回りに回して外します。
そして外したカバーの内側にボタン電池(CR2032)をセットして本体に取り付けます。
電池をセットしたらCSPXをひっくり返し、裏側にある「リセットボタン」を押します(ペンなど尖ったものではなく、指で押して下さい)。
この時に液晶の表示が全点灯したら本体側の設定は完了です。
蛇口の先端に取り付ける
浄水器側の設定が完了したので、次は浄水器本体を蛇口先端に取り付けます。
なお、我が家の蛇口は上の写真のように外ネジの泡沫蛇口となっているので、この記事では泡沫蛇口(外ネジ)への取り付け方法を解説します。
先端のキャップを外す
泡沫水栓(外ネジ)の先端はこのような形状になっており、先端の銀色のキャップは回して外すことが出来ます。
こちらが外した状態。
ちょっと汚いので浄水器を取り付ける前にネジの溝を洗浄しておきます。
こちらは取り外したキャップ。
マンションに住んでる人は原状回復(=退去時に入居前の状態に戻す)する必要があるので、キャップは大切に保管しておきましょう。
アダプターはBセットを使用
泡沫水栓(外ネジ)タイプの蛇口の場合、付属のアダプターは「Bセット」を使用します。
ただし、Bセットのアダプターは2種類あり、以下のように区別されます
- W22(白色):TOTO、INAXなどの水栓
- M22(グレー):GROHE、MOEN、YANMARなどの水栓
恐らく大半の人がW22(白色)を使うと思いますが、説明書によると水栓メーカーがわからない場合は、白色のW22からお試し下さいとあります。
なので私はW22(白色)を使いました。
回転リング、アダプターの順に蛇口先端に取り付ける
CSPX本体についている回転リング(上記写真の手前にある歯車のような形のリング)を回して外し、蛇口の先端に通します。
回転リングを通した状態で先ほどのアダプターを蛇口先端のネジに合わせて固定します。
回転リングとアダプターを取り付けるとこのような状態になります。
アダプターは取り付けが甘いと水が漏れるので、蛇口先端のネジにしっかり締め込んでおきます。
アダプター裏側にコインを噛ませる溝があるので、500円玉などを使って締めましょう。
CSPX本体を取り付けて完了
最後にCSPX本体をアダプターに当てた状態で回転リングを締めれば取り付け完了です。お疲れさまでしたー。
水が流れるかチェックする
取り付けが終わったら水漏れがないか、ディスプレイが正常に作動するかをチェックするため、レバーを「清水」に合わせて水を流してみます。
実際に使ってみたところ、水漏れを起こす様子もなく、ディスプレイも正常に点灯しているので、しばらくはこれで様子を見ます。
なお、CSPXには通常モード・清水モードの他にシャワーモードもあります(これら2つには浄水機能はありません)。
汚れがこびりついた食器を洗い流すときに重宝するのでちょっと嬉しい。
クリンスイ CSPXの浄水機能を使ってみた感想
初期設定が終わったので、これでマズイ水ともおさらばできます。
ということで、クリンスイ CSPXを使ってみた感想について色々述べてみます。
水が美味しくなった
実際にクリンスイ CSPXの浄水機能でろ過された清水を飲んでみたところ、明らかに違いが実感できるほど美味しくなりました。
ろ過する前の水はなんというか、カルキのような不快な味がして、飲めないことは無いですが、積極的に飲みたいって気にはなりませんでした。
しかし、CSPXの浄水機能を通したことで、不快な味がなくなり、本当に飲みやすい水に変わりました。これなら飲料水としてはもちろん、料理の味も損ないません。
シャワー機能が追加された
先程ボソッと書きましたが、単に浄水器としての機能はもちろんですが、クリンスイ CSPXには「シャワー」モードもついています。
シャワーモード自体には浄水機能はありませんが、食器を洗い流すときにシャワーモードにすれば、こびりついた汚れが簡単に落ちるので嬉しい機能です。
でかいので場所をとる
流し台が狭いというのが一番の原因ですが、そのせいで装着したクリンスイ CSPXが大きく感じます。特に食器などを洗っている時は何度か手をゴンゴンぶつけてました。
もっとも邪魔な時は蛇口を奥側に向けておけば大丈夫ですが、水で洗剤を洗い流す時などでは先太りした先端部分がネックに感じます。
ディスプレイやろ過用のフィルターなどがついているので仕方ないといえば仕方ないですけどね。
CSPXの生産終了について
なお、今回私が購入したクリンスイのCSPXですが、クリンスイの製品ページによると残念ながら生産終了したようで、現在は在庫品のみ入手可能のようです。
交換用カートリッジは今後も生産される
そうなると、CSPXを使っている人にとっての懸念は「交換用カートリッジ」はどうなるかです。たとえ生産終了したとしても、浄水器なので今後も使っていくわけですからね。
CSPXに対応しているカートリッジは「HGC9S」および、2個セットの「HGC9SW」となります。
これらは後継のCSPシリーズでも使われるため、カートリッジが無くなることはありません。
後継機種の紹介(CSPシリーズ)
今回の記事は「CSPX」についてのレビューですが、肝心のCSPXが生産終了したため、同じようなマンションでも使える蛇口直結型の浄水器が欲しい人向けに、CSPシリーズの後継機種をさらっとご紹介します。
CSP601
2009年4月上旬に発売されたCSPシリーズ。
こちらもディスプレイが内蔵されており、ろ過可能残量や電池交換はもちろん、適正放水量(放水量が多いと「水量を絞って」と表示される)も通知してくれます。
CSP701
こちらは2013年4月上旬に発売されたモデル。
上述のCSP601との違いは、CSP701には「汚れ防止コート」という特殊コーティングが施されている点にあります。
この汚れ防止コートにより、洗剤や水アカなどの汚れが付着しにくく、また食器や器具をぶつけることによる「傷」にも強くなっており、浄水器を清潔に保てるようになっています。
また、吐水口の形状を見直し、食器洗い時によくつかう「シャワーモード」の水ハネを軽減されているようです。
CSP801
2015年2月20日に発売。Amazon価格は6,600円。
デザインを見直し、女性に優しくやわらかい印象を与えるデザイン・形状に改善したモデル。
従来のディスプレイも見直され、浄水機能を使うときの適正放水量の通知や、カートリッジ残量は数字とランプで表示。シンプルでわかりやすい表示となりました。
CSP801-i
こちらは2017年12月に発売されたモデル。
基本性能はCSP801と同等ですが、最大の特徴は浄水器に業界初となるIoT機能を取り入れている点にあります。「IoT」とはInternet of Things(モノのインターネット)の略です。
IoTを超簡単に説明すると、家具や家電、その他の製品をインターネットで端末(PCやスマホ)とリンクさせ、リアルタイムで状態を確認できたり、遠隔で操作ができるというもの。ハイテクです。
このIoTを取り入れたCSP801iは浄水器本体のパネルにスマホをタッチすることで、
- カートリッジ残量
- 利用開始日数
- 電池残量
- 節水量
- 使用量から交換予定日を算出
- カートリッジ交換情報をアラート通知
といった、従来まで本体ディスプレイで確認していた情報+αを、スマホからリアルタイムで確認が可能。ハイテクです。
ハイテクになった分CSP801より若干高いですが、他の家具家電もIoT仕様のもので統一することで、1つの端末で家中のモノを操作・管理出来るようになり、非常に効率的な家電環境を構築できます。
CSP901 / CSP501
CSP901およびCSP501は2020年2月に販売されたCSPシリーズの最新モデル。
CSP501はナンバリングは若いですが、上述の通り2020年に発売された最新版であり、ディスプレイは省略されているが、その分安価となっています。
CSP501およびCSP901の共通機能は、エッチング処理したSUS板を採用することできめ細かい水流を実現、シャワーモード使用時における水ハネを軽減。
そして浄水キャップ・シャワーキャップを脱着可能にし、掃除がしやすくなった点にあります。
また、ディスプレイがついた「CSP901」は従来のようにカートリッジ残量の表示に加え、「CC表示」という100CC単位で水量が計れるモードが追加。調理時で水の分量をはかるシーンを想定した新機能となります。
まとめ
冒頭にてマズイマズイと嘆いていた台所の水もクリンスイ CSPXを取り付けたおかげで常飲に差し支えないレベルにまで浄化されたので満足です。
取り付けも簡単で、浄水効果は十分。そして、もし退居することになった場合でもすぐに元の状態に戻せるので、借家に住んでいる私にとってはとてもありがたい浄水器です。