先日「オストヴィント」が無事に完成したので、今回からはタミヤの「メーベルワーゲン」を製作していこうと思います。
今回はメーベルワーゲンの制作日記の第1回目ということで、まずは足回りから順番に組み立てていきます。
具体的には転輪やサスペンションを車体シャーシに取り付けたり、ツィメリットコーティングをしたりといった内容です。
なお今までのメーベルワーゲン製作日記は以下のリンクから読むことが出来ます。
メーベルワーゲン製作のスタートは車体下部から!
前作のオストヴィントで時間が掛かったせいでメーベルワーゲンも購入から製作まで1ヶ月ほど期間が空いてしまいましたが、そのオストヴィントも完成したので心置きなくメーベルワーゲン出来ます。
1作目のヴィルベルヴィント、前作のオストヴィント、そして今回のメーベルワーゲンはいずれも「4号戦車」の車体をベースにした対空自走砲(戦車)です。
なので、砲塔を除いて車体はほとんど似たような構造になっているため、3度目ともなればあっという間に製作できるのではと予想。
ということでまずは説明書に従い車体のシャーシ部分から組み上げていきます。
車体下部に上部支持転輪やサスペンションのダンパー、フロントパネルを取り付けるところからスタート。
こちらが土台となる車体下部のシャーシ部分。
同じタミヤのヴィルベルヴィント(1/48スケール)はダイカスト製でしたが、メーベルワーゲンはプラパーツでした。
フロントパネルの組み立て・取り付け
さて、前置きはこれくらいにしておいて製作に入ります。
まずはフロントパネルを作っていきます。
これがフロントパネル。
この両サイドにある穴に牽引装置を取り付けますが、思い返すと1作目の『ヴィルベルヴィント』ではこのホールドパーツの取り付けで苦戦していました。
今では別段苦労することもなくホイホイと取り付けられるので、腕が上がったんだなぁとシミジミしております。
そんなフロントパネルを組み立てたら車体下部の前面に接着します。
しっかり貼り付けるために400番の紙ヤスリで接着面をザラザラにしてから接着してやります。
あとはペタンと貼り付けて隙間に流し込み接着剤をつければOK。
接着面積の広いパーツを接着する場合は通常のタミヤセメントを使っていますが、それ以外はほとんど流し込み接着剤を使用しています。
毛管現象によって隙間に薄く広く浸透していくので、パーツを片手で抑えた状態でもう片方の手で塗るという手法も利用できます。
通常の接着剤と金属用の瞬間接着剤と合わせて揃えておくと作業効率が確実にアップします。
上部支持輪の組み立て・取り付け
続いて上部支持輪(リターンローラー)を8個つくります。上部支持輪自体は2つのパーツを貼り合わせるだけ。
そして車体下部に取り付けます。
なお、このメーベルワーゲンは「4号戦車 J型」をベースにしていますが、上の写真を見てわかるように上部支持輪は4つあるので、おそらく1944年12月以前のJ型の車体と思われます。
それ以降のJ型は簡略化のため、上部転輪が片側4つから3つに減らされたとのことです。
上部支持輪の次は走行転輪の「ダンパー」も取り付けておきます。1番目の工程はここまで。
リアパネルの組み立て・取り付け
続いて2番目の工程に入ります。こちらではリアパネルの組み立てについて記載されているので順番に組み立てていきます。
まず2ピース構造になっているマフラー(排気管)の基部となるパーツを組み立てます。
次に直径が1円玉の半分ほどのパーツ(恐ろしいことにこんな小さいパーツでも2ピース構造)を組み立てます。
……このパーツは一体何なのだろう。
そして説明書に従いパーツを貼り付ければリアパネルの完成です。
2番目の工程はこれで完了。
ここから3番目の工程に入ります。
まずは2番目で完成させたリアパネルを車体シャーシに貼り付けます。
次に車体側面にリーフサスペンションを左右それぞれ4つ取り付けて、起動輪の基部となる最終減速機カバー(写真左側)をつけます。
これで3番目の工程も完了。タミヤはサイバーホビーとは異なり、1セクションで行う工程が少ないので楽です。
車体にツィメリットコーティングを施します
待 っ て ま し た!!
みんな大好き「ツィメリットコーティング」を車体に施していきます。
ヴィルベルヴィント以来のツィメリットコーティングなので、かなりワクテカしております。やっぱりドイツ戦車といえばツィメリットコーティング!
この作業はすごく楽しいのでドイツ戦車作るなら可能な限りやりたい作業と思うほど。ドイツ以外の戦車や戦闘機とかにも入れたいくらい楽しい(もうムチャクチャ…)。
ツィメリットコーティングとは、ドイツ軍が開発した磁力で車体に吸着する地雷(爆雷)が連合軍に模倣された場合に備えて対抗策として考案されたもの。
戦車装甲の表面に非磁性体(硫酸バリウム・ポリ酢酸ビニルなど)のコーティングを施すことで、磁石による吸着を無効化するというものです。
……ただ、後に吸着地雷が連合軍に模倣される事は無いと判明し廃止(1944年9月)になりました。
用意するものと下準備
そんなロマンあふれるツィメリットコーティングをキットに再現していきます。
用意するものはポリエステルパテとコーティングブレード。
あと、今回は使いませんでしたが、パテの粘度を落としたり、ブレードの洗浄用にラッカー溶剤もあった方が楽です。
コーティングする箇所にパテの食いつきを良くするための下準備をします。
まず180番くらいの紙ヤスリで表面をこすってザラザラにします。
続いて接着剤(タミヤセメントでOK)を塗って表面を溶かして更にザラザラにします。
これで下準備が完了。
ポリエステルパテを塗りたくれ
次にポリエステルパテを作ります。タミヤのポリエステルパテは主剤と硬化剤の2つによって構成されております。
説明書には「主剤と硬化剤を同じくらいの長さだけ出します」とありますが、チューブの大きさを見ればわかるように、同じくらいの長さを出したら硬化剤が真っ先になくなります。
なので説明書の指示に惑わされることなく、主剤と硬化剤が7:3くらいの比率になるように配合します。
そして主剤と硬化剤をしっかり混ぜ合わせます。
説明書いわく、「主剤のキャップの同じような色になれば適正」とのことですが、主剤が白色に対して硬化剤がオレンジなので、やはり硬化剤に対して主剤は多めに出します。
ちなみに混ぜ合わせると納豆についてくるカラシみたいな色になります。
混ぜ合せたパテをコーティングをする場所に盛りつけます。
パテは5~10分程度で硬化するので、一度に全部のせずに部分的に少しずつやっていきます。
パテを乗せたらタミヤのコーティングブレードを使ってパテの上に模様を刻んでいきます。
このコーティングブレードや専用のローラーとかが販売されるまでは、ツィメリットコーティングの再現は「鬼門」と言われていたそうです。
先人モデラーたちは熱したマイナスドライバーを使ったり、ビンのキャップを利用した自作のローラーを用意したりと、各人創意工夫を凝らしてコーティングを再現していたそうです。
コーティングを施しました。
ツィメリットコーティングは初期はただ塗るだけだったのですが、後に被弾時による剥離を最小限に抑えたり、磁気無効化のために厚みをとる一方で軽量化のために波状のパターンが刻まれるようになったそうです。
またコーティングのパターンも幾つか種類があって、写真のように横にラインを引いたようなものや、逆に縦にラインが入ったパターン、碁盤のような四角いパターンもあります。
もっというと、工場出荷時はコーティングされてなかったけど、現地でコーティング剤を雑に塗りたくった車輌なんてのもありました。
反対側も同様にコーティング。
コーティング表面にパターンを刻むための工程については判明していませんが、一説によると「ローラー」を用いて施工されたといわれております。
ただ、実際に使用したローラーや作業中の写真といった直接的な証拠はなく、あくまでコーティングの模様パターンの形状から推察したものです。
私も次ツィメリットコーティングするときはローラー自作してやってみようかな。
もちろん正面装甲にもしっかりコーティングします。
車体後面にもコーティングを施しますが、両側面と前面にコーティングすると持つ場所が無くなってしまうので、後面は乾燥後に行います。
まとめ
ということで、車体下部に一通りツィメリットコーティングを施したところで今回の作業はおしまい。パテがしっかり硬化する翌日以降に作業を再開させていきます。
流石に3回目のキットで、3つとも同じ「4号戦車」の車体を作っているので、どこに何があるか大体わかってくるようになり、作業スピードもグンと向上しました。