車には後方確認をするための「バックミラー」がついています。
バックミラーの利点は後ろを振り向かなくても後方確認が出来るので、走っている時に安全に確認することができます。
私は車ではなくロードバイク(自転車)に乗っていますが、車と違って自転車にはバックミラーがついていません(一部を除く)。
しかし、走行時に安全に後方確認するのは事故防止という観点から欠かせないものなので、このたびロードバイクに「バックミラー」を取り付けました。
この記事では
- ロードバイクにおけるバックミラーの必要性
- 購入したバックミラーのレビュー
- テスト走行で発生した問題点とその対処法
についてまとめてみました。
なお、バックミラーの装備は法的義務化されていないので、必ずしも必要というわけではありません。
でも、「安全」があってのサイクリングですから、ヘルメット同様に揃えておきたいアイテムの一つです。
なぜロードバイクにバックミラーが必要なのか
まずはバックミラーを紹介する前に、なぜロードバイク(自転車)にバックミラーが必要なのかについて持論を述べてみます。
理屈としては自動車とほぼ同じですが、車と自転車ではまた事情が違うため、その点も踏まえつつお話します。
走行中に後ろを振り向くのは危険
ロードバイクに限らず、自転車に乗ると後方の確認がしづらい状況となります。
通常なら身体(上半身)をひねって後ろを向いて後方確認をとりますが、この「走行中に後ろを向く」という行為は実際にやるとわかりますが、バランスが不安定になります。
またバランスが不安定になるだけでなく、一瞬でもよそ見をすることで前方の注意が疎かになり、以下のような危険があります
- 横断・対向する人(自転車)に気付かない
- 段差や障害物を見落とす
特にロードバイクのようにスピードが出るスポーツサイクルや、下り坂でスピードが出ている時にそのようなことが起きれば大事故に繋がります。
かといって、走行時に後方を確認しないわけにはいきません。車や自転車に追突される危険があるわけですからね。
そこでロードバイクを始め、各種自転車に車と同様にバックミラーを取り付けることで、少ない動作で素早く後方確認が可能となり、上述のようなリスクを低減することができます。
ただ、バックミラーだけで後方確認を済ませるのも危険
上記より、走行時にバランスを崩すことなく素早く後方確認が出来るバックミラーの必要性はおわかり頂けたと思います。
しかし、だからといって後方確認をバックミラーだけで済ませるのも危険です。
確かにバックミラーは「振り向く」という動作をせず後方確認ができますが、「小さな鏡」なので死角が出来たり、実際の車間距離が把握しづらいという欠点があります。
冒頭の説明と矛盾しますが、「直視」で確認することに勝るものはありません。そのため
- 走行中はバックミラーで随時後方確認
- 進路を変える時はバックミラー+直視
といったように、いずれか片方に依存するのではなく、双方の特徴を理解し、状況に応じて柔軟に使い分ける、あるいは併用することが安全な後方確認に繋がります。
Bazookaのバックミラーを入手した
では、今回購入したバックミラーについてご紹介します。
「Bazooka(バズーカ)」というメーカーのバックミラー(品番:B-387)で、ミラー本体と2種類のアダプターが付属して、税込価格で534円というお手頃価格。
余談ですがメーカーが「バズーカ」なので「ロードバイクにバズーカ装備してやった!」と書くとものすごく物騒に見えます。ことばってふしぎ。
パッケージ右下には「Made in Taiwan」と書かれています。この子は台湾で生まれたようです。
なお、BAZOOKAとは、スポーツサイクル向けパーツの輸入代理店であるTAK21 のオリジナルブランドとのこと。
TAK21はロードバイクやマウンテンバイクのペダルやサドルといった車体パーツから、六角レンチなどの工具など、様々なアイテムを取り扱っているようです。
それではバズーカのバックミラーについて詳しく紹介していきましょう。
セット内容
バズーカのバックミラーには以下のものが付属しています。
- バックミラー本体
- フラットハンドル用アダプター
- ドロップハンドル用アダプター
ロードバイクはもちろん、クロスバイクなどのフラットハンドルにも対応しています。
付属のアダプターでロード・クロスそれぞれ対応
アダプターは2種類あり、それぞれドロップハンドル用とフラットハンドル用とあります。
両者の違いを比べたところ、ドロップハンドル用のほうが若干アダプターの経が太くなっています。
実際にドロップハンドルよりもフラットハンドルのほうが太いので、それに対応してこの太さなのだと思われます。
アダプターの取り付けは上の写真のようにキュポンとはめ込む感じで行います。
ボールジョイントになっているので、角度を自由自在に変えられるのが特徴ですが、実際に使ってみると走行時の振動で角度が変わるという問題が発生しました(後述)。
バックミラーをロードバイクに取り付ける方法
バズーカのバックミラーについて大まかに紹介しましたので、今度はロードバイクへの取り付けについて解説していきます。
…といっても取り付けはバーテープのエンドキャップを外して、代わりに挿入するだけでOK。非常に簡単に装着できます。
バックミラーはハンドルの左右どちらでも装着できますが、自転車は原則左側通行なので、ハンドル右側に装着。
目線の角度から見てみるとこんな感じ。先にも述べましたが、取り付けに関しては非常に簡単です。
しかし、装着した状態でテスト走行して確認してみたところ、2つ問題が発生しました。
バックミラーの2つの問題とその対処法
安価で装着も簡単、視界も良好なバズーカのバックミラーですが、テスト走行をしたところ以下の2つ問題が発生しました。
- 振動でミラーの角度が変わってしまう
- 振動でバーエンドから抜け落ちそうになる
なので、これらの問題について、私なりに解決策を考えてみました。
バックミラーの角度が変わる
まず一つ目、振動でミラーの角度が変わる点。
バックミラーはそのままポン付けした状態の角度だと映るのは電線とか家の屋根といった高い位置にある場所で、後方の車が見えない状態。
そのため、ミラーの角度を自由自在に変えられるようになっており、上の写真のように目いっぱい押し下げてやるとちょうど良い角度になります。
しかし、角度を自由自在に変えられるというのは、逆に言うと振動でミラーがずれるということでもあり、実際に走行時に振動で何度もミラーの角度(向き)が変わってしまいました。
また、目いっぱいミラーを押し下げても走行時の振動や元の位置に戻ろうとする力がはたらくため、しばらく走っていると元通りの角度に戻ります。
そういったことから、ミラーの角度を固定するためにジョイントの隙間にスペーサーを噛ませる必要があります。
バックミラーとアダプターの間にスペーサーを噛ませる
…というのをテスト走行中に気付いたため、応急処置として道端に落ちてた小石をミラーとアダプターの間に挟んでみる。
これでミラーの角度は固定されますが、横方向の回転はドロップハンドルの穴との公差が原因なのでこれでは解決せず。
ミラーを若干内向きになるようにセットしてることや小石の重みも相まって、横の回転に拍車をかける皮肉な結果に。そして何より見栄えが悪すぎる。
そんなわけでサイクリングを終えて帰宅して何か良い方法は無いかと倉庫をガサゴソとまさぐってみると…
…お?
タイヤをパナレーサーに交換するまで使ってたSERFASのSECAが置いてありました(というか無造作に投げ捨てられてました)。
こやつは摩耗がひどくてあちこち剥げまくってたので交換したもので廃棄確定ですが、スペーサーとして使えそう。
ということで、ボロタイヤをニッパーやハサミを使ってバチンと切断し、上記写真のようにアダプターの隙間に噛ませてみる。
あとはスペーサーの形状と厚みだけを何とかすれば良さそう。なんだか行けそうな気がしてきたゾ!
ということで、先ほどのゴム片を半分にカットして2枚重ねにして接着剤でくっつけて厚みを出します。
こんな感じに。
スペーサーをバックミラーの隙間に噛ませ、走行時のアングルでミラーを見てみるとこんな感じに。これなら後方の車も確認できるポジションです。
ゴムなのでパーツを傷つけないので優秀なスペーサーとしていい仕事をしてくれます。
処分予定のSECAが素敵な置き土産をくれました。彼は「タイヤ」としての役目は終えたものの、形を変えて「スペーサー」としてロードバイクの一部となり、これからも私と共に走り続けるのです(美談)。
バーエンドから抜け落ちる問題とその対処法
次の問題ですが、バーエンドからバックミラーがすっぽ抜けるという点。
これはバックミラーのアダプターの直径とドロップハンドルの内径に差があるのが原因で、これはバックミラーだけでなくバーテープを固定するエンドキャップでも同じ様な現象が起きます。
バーテープを交換したことがある人ならわかると思いますが、エンドキャップとハンドル内径のギャップを埋めるために、バーテープの端をハンドルの内側に折り込んでスペーサーとして活用します。
なのでエンドキャップと同じ取り付け方法のバックミラーでもギャップを無くすためにバーテープ先端を活用します。
しかし、バーテープというスペーサーがあっても隙間ができているために、振動などですっぽ抜けて落下するという状態。
早い話、アダプターとドロップハンドルの穴の隙間をなくせばいい
「スッポ抜けるのはアダプターとドロップハンドルの間に隙間があるからや!!」
…ということで、アダプター径を太くすべく、新聞とかを縛るビニル紐を巻きつけようと。しかし、縛った後の結び目のせいで今度はバーエンドの穴に入らなくなる。
ダメなら次の手段! と紐を解こうにもビニル紐の特徴でもあり欠点でもある結び目が小さくなるおかげでハサミで切るのもひと苦労。
やってて惨めな気分になる。バックミラーより私の知能の低さがもはや問題。
アダプターにビニルテープを巻いて太くする
「ヒモなんて面倒なモン使わなくてもテープで良くね?」
…と、次に(スカスカの)脳に浮かんだのがビニルテープを巻いて直径を太くする方法。とりあえず一周巻いてみると良い感じにはまりました。
どれくらい効果があるかはもう一度走行しないとわかりませんが、少なくとも何もない時と比べると抜けにくくなりました。物事って案外簡単に解決するんですね。
まとめ
バックミラーを搭載して実際に走行して発生した問題点について私なりに対策をとってみました。今のところ特に問題はありませんでした。
ロードバイクや自転車におけるバックミラーの必要性については賛否わかれるかもしれませんし、法的義務もないので無くても罰せられることはありません。
しかし、「安全なサイクリングをするならあったほうが良い」と思ったので私は取り付けることにしました。ヘルメットと同じです。
また、先述の通り、バックミラーがあるから後方確認が100%安全というものではなく、バックミラーはあくまで補助です。最終的には乗る人の安全意識がモノを言います。安全運転を心がけましょう。