つい先日、ドラゴンの「4号対空戦車 オストヴィント」のプラモデルを購入しました。
今回からはこの「オストヴィント」の製作日記をヒーコラ言いながら書き綴っていきますので、引き続きよろしくおねがいします。
なお、他のオストヴィント製作日記は以下から読むことが出来ます。
足回りの組み立て
このブログで前置きが長いのはいつものことですが、あんまり長過ぎてもアレなのでそろそろ組み立てに着手します。
まずは転輪を始めとする「足回り」の組み立てからスタート。
説明書を見ながら大まかな組み立て手順を理解します。
前に作ったヴィルベルヴィントで「あー戦車って大体こんな感じなのね~」というのが分かりましたし、今回のオストヴィントも車体はヴィルベルヴィントとほぼ同じハズ。
なので、主砲以外はだいたい同じだろう…と思っていたのですが、いかんせん1/48に対して今回は1/35。パーツがより細かくなっているに違いない。
様々な思いを馳せながら説明書を読んでいたのですが……使わないパーツ(青色部分)多すぎやしませんかね?
サイバーホビーの説明書はタミヤの説明書と違って解説(補足)が少なく、淡々とした内容になっています。
なので「!」マーク(=注意してください)がアチコチにあっても「何に注意すればええんや!?」ってなります。まぁ注意って書いてあるんだから注意はしますけどね。
察するにこの「注意してください」というのは「反対側も同じだけどパーツの番号に注意してね」という意味のようです。多分。
制作する模型のサイズが大きくなるとパーツ数も多くなり、より細かい組み立てになるので、1ページ目を見るだけで思わず「うぉぉ…」ってなるほど。
だけどメゲずに、前回のヴィルベルヴィント同様にまずは車体下部から組み立てていきます。
遊動輪の組み立て
ということでまずは「遊動輪」という戦車のケツについている車輪を2つ作ります。
今回のオストヴィントは量産型ではなく「試作型」で、車体は4号戦車のG型を使っています。そのため遊動輪は従来型のパイプタイプのものとなっています。
量産型となるとJ型(あるいはJ型によく似た新規車台)をベースにするので、遊動輪は鋳造タイプが使われるようになります。
こちらがランナーから切り離したばかりの遊動輪の断片。
よく見てみると、ランナーから切り離した部分が少しボコッとなっております。これを「ゲート」と呼びますが、言わずもがな残すと不格好なので除去します。
ゲートはヤスリで処理しますが、この時の注意点として誘導輪の円形に沿うようにヤスリを動かします。そうすることで削ったことによる「へこみ」を防ぐことができます。
前回はパーツが小さかったし知識も無かったのでゲートの処理は大雑把でしたが、今回は2作目なので、可能な限りこだわろうと思います。
また、パーツをよーく見ると真ん中にスジが入っています。
これはパーティングラインと呼ばれるパーツを成形する「金型」の合わせ目に残った不要な部分のことです。
こいつもゲートと同じく残して良いことなんて無いので落としていきます。
そんなパーティングラインはパーツにカッターナイフを垂直に当ててカンナがけの要領でシャッシャッと削ぐことで綺麗に落とせます。
ある程度太さのあるパーツならいいですが、中には細くて折れやすいパーツもあるので、そういったパーツのゲートやラインを消す際には細心の注意を払います。
カッターには削りかすがビッシリ!
写真を忘れてしまいましたが、誘導輪は2つのパーツで構成されます。説明書に従ってペタン貼り合わせたものを2つ用意。
起動輪の組み立て
誘導輪が終わったので次は「起動輪」を組み立てます。
説明書を見ると4パーツになっております。1/48の時は2パーツだったので、早くも1/35スケールの洗礼を受けます。
こちらが起動輪のパーツたち。こうやって見ると時計かなにかの歯車のように見える。
この歯車のような起動輪はエンジンからの動力によって回転し、起動輪の歯と履帯の穴を噛み合わせて履帯を動かします。
部品数は増えましたが問題なく組み立て完了。
注意点としては、ゲートが起動輪の歯の部分にあるので、歯ごと除去してしまわないように丁寧に取り除きます。
また、付属の履帯を噛ませて左右の歯がズレていないかチェックも忘れずに。
転輪の組み立て
で、問題はコイツ。「転輪」という地面と面したところにある車輪。
こやつは左右16個に加えてスペア2個の合計18個作らないといけないので、前回のヴィルベルヴィント同様なかなか時間がかかります。
しかもヴィルベルヴィントの時はパーツは2点だったのに今回は3点という。こりゃぁ骨の折れる作業だぜェ……。
走行転輪にも当然のようにゲートやパーティングラインがついているので、一つ一つヤスリとカッターナイフで落としていきます。
パーツを貼り合わせるだけの前回とは違い、今回は作業が増えるので時間がかかります。
パーティングラインを落とすとこんな感じに。ひとつ前の写真と見比べるとその差は一目瞭然。
ということで走行転輪も完成。疲れた。
必要なのは18個なのに、黙々と作ってたので数えるの忘れて20個も作ってしまった。
18個のうち2つは車体側面に設置するスペアなんですが、そのスペアに加えて更に2つスペアを用意するというオチに。まぁドイツだし準備も抜かりないってことで。
上部支持転輪の組み立て
ヒーコラ言いながら走行転輪を完成させたら、次は履帯上部を支える「上部転輪」を作ります。
こいつも左右それぞれ4つの合計8個つくりますが、18個(実際は手違いで20個作った)必要な走行転輪と比べるとずっと楽(笑)
パーツ同士を貼り合わせるだけなので楽ちん。ロードホイールが鬼門すぎただけなのです。
ということで、戦車の足回りを作る転輪が一式完成しました。
参考までに今回作った起動輪と、ヴィルベルヴィント(1/48)の起動輪の大きさ比較。
大きさも違うが、よく見ると形も違う点に注目。
もう一つ、走行転輪も比較してみた。1/48スケールに対し1/35スケールがいかに大きいかがよくわかります。
これで転輪の組み立てはおしまい!
フロントパネル(車体前面装甲)の組み立て
引き続き車体下部の製作を行います。
車体下部の前後のパネルを組み立て、車体に接着するといった流れになります。ここではまずフロントパネル(車体前面装甲)を作っていきます。
1/48スケールと比較してやっぱりパーツが細かくなっていて、工程数が増えていて時間はかかりますが、じっくり製作をたのしみます。
前回「1」を終わらせましたので、今回は次の「2」をやっていきます。
転輪だけだった前回に比べると一気に難度が増したような気がしますが、焦らずビビらず説明書に従って一つ一つやっていけば何とかなります。多分。
パーツに穴を開ける
ということで、まずは車体の前面につけるフロントパネル(車体前面装甲)を組み立てます。
んが、よく見るとさっそく「!」マーク(=注意しろ)があり、更に「穴を開けろ」という指示まである。
説明書によると4ヶ所穴を開けるとのこと。前作ヴィルベルヴィント作った時にゃこんな指示無かったゾ……。
もう一つ先を見てみると、どうやらパーツに穴を開けて、そこに別のパーツの突起部分を合わせるように貼り付けろと仰るようです。
で、こやつが件の「別のパーツ」。説明書でいう「T3」というパーツ。
4号戦車 G型の車体前面装甲は50mmの装甲の上にさらに30mmの追加装甲を重ねた仕様になっており、追加装甲の表面にはツィンメリットコーティングを再現したモールドが入っています。
今回制作するサイバーホビー(ドラゴン)の「4号対空戦車 オストヴィント」はパーツに予めツィンメリットコーティングが施されているタイプでした。
オストヴィントに限らずサイバーホビー(ドラゴン)のドイツ戦車は、ツィンメリットコーティング有無で2パターンあるので、ツィンメリットコーティングが苦手な人はツィンメリットコーティング仕様を選ぶと楽です。
特に4号戦車系は平らな部分が少ない上に、車体にゴチャゴチャ工具類が乗っかかっているのでコーティングめっちゃ大変です。
ツィンメリットコーティングのモールドが入った追加装甲のパーツをひっくり返すと四隅にチョロンと突起があります。
穴を開けた場所にこの突起が来るようになっているわけですね。
こんな感じで貼り付けることで、前面装甲板にツィンメリットコーティングが施された追加装甲を取り付けたようになるわけです。
フロントパネルの裏側には、「ここに穴を開けるんやで(にっこり)」と言わんばかりに窪みがあります。なので、そこにピンバイスを当てて穴を開けてやればよいのです。
最初「どーやって穴の位置決めすりゃええんや……」と説明書見て呆然としていたのですが、ことは単純でパーツの裏側見れば良かったのです。
穴を開ける場所がわかればあとは掘るだけ。
ということで、エアガンの金属パーツを研磨する時にもお世話になったハンドリューターを使って穴を開けていきます。
なおプラモデルで使われるパーツの穴あけはリューターでなくても、手動のピンバイスで十分可能です。私はたまたまピンバイスが無かったのでリューター使っただけ。
ということで穴あけ完了。
そして追加装甲を前面装甲に貼り付けます。穴は多少大きくても最終的に接着剤でくっつけるので今回は問題なし。
なお、私はリューターを持っていたので問題なく穴あけが出来ましたが、リューターやピンバイスを持ってない人は、
- 追加装甲パーツの裏側の突起4箇所をニッパーでカット
- その部分をヤスリで平らに整える
- 車体前面装甲を粗めのサンドペーパーで擦って表面をザラザラにする
- そして接着剤で貼り付け
といった方法があります。
3のザラザラにする理由は表面をデコボコにすることで接着力を強化する目的でやりましたが、ここまで大袈裟にしなくてもくっついてくれるとは思います。
ただ、穴を開けて突起部分を噛ませたほうがズレにくいし手間がかからないので、やっぱり穴開けするのを推奨します。
牽引装置の取り付け
つぎは車体前面装甲の両端に「牽引装置」という、動かなくなった車体を牽引する際にワイヤーを固定するパーツを取り付けます。
似たようなパーツを取り付けるので向きに注意しろと書いてあります。
実際に取り付けるパーツはパッと見はほとんど同じで、どこで区別するかというと、受けパーツ(写真で言うA27)の穴に差し込む部分の大きさです。
差し込む部分が大きい方がA32で小さい方がA33。そしてパネルに取り付ける時もこの向きに注意。
ということでまずは説明書にしたがって組み合わせてました。
で、次に取り付ける牽引具を固定する「シャフト」に該当するパーツは2つのうちどちらかを選べというもの。
で、その選ぶパーツというのが写真の「30」と「31」のパーツ。見ての通り形状が異なります。
ヴィルベルヴィントやオストヴィントといった「4号戦車」の車体を流用する車両は、母体となる4号戦車のバリエーション(G型とかH型といったもの)や生産時期よって若干形状や仕様が異なったりします。
そういった4号戦車のバリエーション・生産時期による違いを、こういった細かいパーツを選ぶことで再現出来るみたいです。
そのため模型制作において、車両が配備された地域や年代などのシチュエーションや時代考証にこだわりたい人にとって幅広い再現が可能となります。
で、前に作ったヴィルベルヴィントは写真で言う「30」を使ったので、オストヴィントは「31」の方を使いました。
シャフトを通したら牽引ホールドをフロントパネルに取り付けます。
牽引ホールドは2つ作り、写真のように取り付けてやります。
ホールドのシャフト部分は牽引時に抜き差しするものなので、取っ手部分は内側・外側どちらでも良いのですが、取っ手を内側にすると「予備履帯」取り付けで苦労するので注意。
あとは車体下部に接着します。これで車体前面装甲は完了。
フロントパネルを取り付けたので、そのすぐ横にある起動輪の基部にパーツを取り付けます。
はい、取り付け完了。特に注意するところもなく単にパーツを接着するだけなので簡単。
ここには後に最終減速機カバーなどが取り付けられます。
リアパネルの組み立て
リアパネルは底面に取り付けるパーツ(E11)と、後方部分に取り付けるパーツ群(T1)の2つにわかれています。
G型車体を使ってるオストヴィントでは上の写真のように角度のついた車体底面後部となっていますが、4号戦車 H型になると簡略化が行われ、角度のないフラットな状態になります。
なお後方に取り付けるパーツはこのような3ピース構成になってます。
またまた「!」マークがあるので慎重に。
リアパネルを構成するパーツ3種類。上から(パーツナンバーでいう)T1、T4、T2。
特に「T1」はゲートなのかパーツなのか分かりにくい所があったので、説明書を参考にカットする場所を間違えないよう注意。
まずは「T4」を「T2」に貼り付けます。
この手のパーツに接着剤を塗りすぎるとハミ出るので、チョンチョンと乗せるように塗ります。
そのあと「T2」の上部にある穴と「T1」下部の突起を合わせて貼り付けたらリアパネルも完成。
完成したリアパネルを車体下部後方に取り付け。
リアパネルのあちこちにまだ「ここに取り付けますよ」と言わんばかりの穴がありますが、それはまた後ほどやっていきます。
ひとまず今回の作業はここまで。
まとめ
今回は足回りの転輪をはじめ、フロント・リアのパネルを組み立て、シャーシに取り付けていきました。
ツィンメリットコーティング仕様ということで、パネル部分にはしっかりコーティングが再現されていたり、車体の型に応じてパーツが選択できるなど、実物の特徴と照らし合わせながら作るのは楽しいです。
…パーツの違いが何を意味するかはまだよくわかりませんけどね(苦笑)。
特に戦車に興味が有るわけでもない私でも「このパーツは何のためにあるんだろ?」と調べたりするほどです。
ただ、今回作るオストヴィントは「試作型」ということで、量産型とは色々仕様が異なります。そういった説明もパーツを組み立てながら解説していきます。
おまけ:いつもの大きさ比較。
前回作ってたヴィルベルヴィント(1/48)は私が使っているスマホ(REGZA Phone IS11T)と同じくらいの大きさですが、オストヴィントはもっと大きい。
完成したらどれくらい大きくなるんだろうなぁとワクワクするのと同時に、置き場所を考えないといかんなぁ…と思いながら作っております。
長くなったので一旦ここでストップして、次の記事では引き続き車体下部を組み立てていきます。