【ケーリアン】戦車をウェザリングで汚しまくる方法

5号対空戦車 ケーリアン8 ケーリアン

どうもこんにちは。

チビチビと制作を進めているドラゴンの戦車プラモデル「ケーリアン」ですが、今回は最後の仕上げである「ウェザリング」を行います。

ウェザリングとは「風化」という意味ですが、文字通り車体の彩度を落として経年劣化を再現したり、泥や砂で汚したりなど、戦車に「使用感」を出すための技法です。

…というわけで戦車をよりリアルにするための「ウェザリング」をやっていきます。

↑今までのケーリアンの製作についてはこちらから読むことができます。

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初心者でも簡単に出来るやり方でウェザリング

さて、今回は予告通り「戦車」を「ウェザリング」で「汚し」ていきます。

経年劣化による色褪せや泥汚れなどありますが、汚すといっても闇雲に汚せばいいというわけではありません。

実際に戦車が走り、攻撃をして、ときには被弾する…といった場面をイメージして、どこが汚れるかを脳裏に浮かべながらやっていきます。

この記事では初心者でもわかりやすく、材料さえあれば簡単に出来る方法でウェザリングを解説します。

ウォッシングで全体の彩度を落とそう

ケーリアン ウォッシング1

それではまずは「ウォッシング」という技法を行います。ウォッシングでは泥水のような色の塗料を全体に塗って彩度を落とすことが目的です。

使用するのはタミヤエナメル塗料の「XF-1 フラットブラック」と「XF-64 レッドブラウン」。これら塗料を1:1の比率で混ぜ、エナメル溶剤で5倍くらいに薄めます。

すると泥水のようなドス黒い液体が出来上がりますので、それを薄く全体に伸ばすように塗っていきます。

なお、車体全体の彩度を落とす=車体全体が暗くなるので、そこまで暗くしたくないという人はもう少し薄めると良いかもしれません。

ケーリアン ウォッシング2

まずは車体から塗っていきます。

平たい筆に塗料を取って全体に薄く伸ばしながら塗っていきます。

ウォッシングに関しては塗料の薄め具合から塗り方まで人それぞれで、薄く伸ばす人から文字通りビチャビチャに塗りたくる人まで。

でも今回は(も)薄く伸ばす塗り方でやってみることにしました。

エナメル溶剤はパーツを溶かすと言われています。

実際にパーツが溶けたり変形したことはありませんが、接着したパーツがポロッと取れることは何度かあったので、極端なベタ塗りは避けた方が良いかもしれません。

ケーリアン ウォッシング3

車体を一通りウォッシングしてみました。

写真ではわかりづらいですが、まだウォッシングしてない砲塔と比較すると1段階(2段階くらい?)彩度が落ちて煤けた感じになってます。

雨の汚れや射撃後の噴煙など、戦車は色んな物を被るのでどんどん彩度が落ちていきます。それをウォッシングで再現することができるのです。

ケーリアン ウォッシング4

車体底面もウォッシング。

地面に接する車体底面は普通なら見えない部分なので、塗装やウェザリングはまずここでテストします。

…が、塗装にしろウェザリングにしろいきなり目立つ車体側面から始めるのは私の悪いクセです(汗)

ケーリアン ウォッシング4

という具合に車体にウォッシングしてみたらこんな感じになりました。

このあと、綿棒やティッシュペーパーにエナメル溶剤を含ませて、余分な塗料を拭き取っていきます。

実際に整備兵が戦車を掃除しているところをイメージして、各部分の平面は拭き取り、隅っこに塗料が残るように拭き取ればOK。

ケーリアン ウォッシング7

ウォッシング後のケーリアンはこんな感じ。

半乾きの時はちょっと塗りすぎたかなと思いましたが、乾いたら良い感じになりました。

ただ、迷彩塗装時に緑や茶色を塗りすぎてイエローが少ないのがウォッシングで顕著になったので、次回の迷彩塗装時はもう少し迷彩模様を少なめにしようと反省。

スミ入れ

ウォッシングの次は「スミ入れ」を行います。

スミ入れではウォッシングよりも更に色の濃い泥水を、面相筆のような細い筆を使って、凹んだ部などに塗っていき、モールドの立体感を際立たせるための技法です。

このスミ入れは後に行う「ドライブラシ」とセットで行うことで真価を発揮します。

というのも、スミ入れで突起の根本を暗くし、ドライブラシで表面を明るくして明暗差を際立たせることで車体がより立体的に見えるようになります。

ケーリアン 墨入れ

使用するのはタミヤエナメル塗料の「XF-10 フラットブラウン」と「XF-1フラットブラック」。

これを溶剤で薄めて使用します。

ケーリアン 墨入れ2

スミ入れではパーツのくぼみや突起の根本など、「あ、ここ暗くなりそうだな」ってところに垂らすように塗ります。

突起の根本に塗るときは、流し込み接着剤を塗るように、スーッと浸透させることで全体に行き渡らせます。ハミ出た部分はエナメル塗料を含ませた綿棒などで拭き取る。

ケーリアン 墨入れ3

転輪のボルト部分にも塗っていきます。

ボルト部分は少しジワッと塗料を塗ることで、オイルが染みだした感じも出すことができます。

…まぁ転輪周辺は泥や砂をまぶすので隠れちゃいますけどね。

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ドライブラシ

スミ入れでパーツの窪みや根本を暗くしたので、今度は「ドライブラシ」でパーツの表面を明るくします。

スミ入れのところで書きましたが、スミ入れとドライブラシを併用して明暗差をハッキリ出すことによって、模型がより立体的に見えるようになります。

ケーリアン ドライブラシ

使用するのはタミヤエナメル塗料の「XF-59 デザートイエロー」。このデザートイエローを筆に取ったあと、ティッシュ等で筆についた塗料を拭い取ります。

「これでもか!」というくらい拭き取って、筆にほんの僅かに残った塗料を擦りつけるように突起部分の表面や車体のエッジ部分に塗りつけます。

筆は硬めでコシのあるものを選ぶと良いでしょう。

ケーリアン ドライブラシ2

上の写真のようにボルトやリブといった突起の表面だけ色が乗って明るくなり、墨入れとの相乗効果で車体の凹凸をより際立たせます。

ドライブラシは何度かやってますが、コツとしては少し固めの筆を使い、3~4回くらい筆で擦ってようやく色が変わる程度が適量です。

拭き取りが甘いと塗料が多く乗ってしまい、明るくなり過ぎて不自然になってしまうのです。

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パステルを使った履帯・転輪の汚し

ケーリアン 履帯・転輪の泥汚れ再現

車体や砲塔のウェザリングが一通り終わったので、今度は戦車で最も汚し甲斐がある履帯や転輪を泥まみれ砂まみれにします。

使用するのは100均で売ってる「パステル」。この中の焦げ茶色のパステルを茶こし(こちらも100均で入手)でゴリゴリと削って粉末にします。

ケーリアン 履帯・転輪の泥汚れ再現2

粉末にしたパステルをアクリル溶剤を含ませた筆で取り、転輪や履帯にビチャビチャと塗りつけていきます。

最初は暗い色からはじめ、少しずつ明るい色を塗っていくようにします。

ジャリジャリのパステルをグチャグチャと塗るので、筆は使い古しのものを使ってください。間違っても面相筆のようなデリケートなやつでやらないこと。

ケーリアン 履帯・転輪の泥汚れ再現3

転輪部分を拡大。まだ1段階目ですが、ドロドロな地面を走ったような泥汚れが再現できました。

この上に更に明るい色を塗っていきますが、100均のパステルは戦車の泥汚れを再現するために販売されてるわけではないので、砂汚れを再現するのに丁度いい色がありません。

なので、「これが近いかな?」という色のパステルを粉末にしたら、そこに砂や土の色に近い塗料を混ぜてやるといい感じの色になります。あるいは複数のパステルを混ぜて色を作るもよし。

ケーリアン 履帯・転輪の泥汚れ再現4

その後も色を微調整しながらパステルを重ねていくと上の写真のような黄土色に変化しました。これこそ戦車の履帯って感じの色になっていますね。

ケーリアン 履帯・転輪の泥汚れ再現5

転輪部分を拡大してみるとこんな感じ。付着した泥が乾燥したような質感になっているのがわかります。

ケーリアン 履帯・転輪の泥汚れ再現4

転輪や履帯はもちろんのこと、車体底面やフェンダー、車体前後の下の方にも泥が跳ねるので同じように汚します。

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5号対空戦車 ケーリアン 完成!

5号対空戦車 ケーリアン

一通りウェザリングを行い、5号対空戦車 ケーリアンの完成です!!

ケーリアンのキットを入手したのが5月31日で、ケーリアンが完成した本日が8月1日ということで、製作期間はおおよそ2ヶ月ほどでした。

5号対空戦車 ケーリアン2

今回は組み立てに関して特に大きなトラブルは無かったので、スンナリと作ることができました(塗装がなかなか出来なかった点を除く)。

今まで作ってきた「4号対空戦車」と違い、今回はパンターをベースにした対空戦車なので、未知なる領域でしたが、車体や砲塔は4号(対空)戦車よりもパーツ量が少ないので、こちらの方が簡単でした。

5号対空戦車 ケーリアンのギャラリー

5号対空戦車 ケーリアン3

せっかくなので完成したケーリアンを色んな角度から写真撮影。

転輪および履帯については、組み立てたあとでは塗装が困難という理由で「ロコ組み」をしました。

クーゲルブリッツ」の時がロコ組み初挑戦だっただけに、転輪の数が多いケーリアンで上手くいくか心配でしたが、やってみたらなんとか行けました。

5号対空戦車 ケーリアン4

キットには付属していませんでしたが、ホームセンターで直径1ミリのステンレスワイヤーを購入して牽引用のワイヤーロープを自作してみました。

ワイヤーをワイヤーで再現するので質感は文句ナシですが、ステンレスワイヤーは硬いので接着に苦労しました。

なので次回からはナイロン糸(建築用の水糸)を使用してみようと思います。

5号対空戦車 ケーリアン5

ケーリアンの武装である「3.7cm Flakzwilling341」の砲身はRBモデルの金属砲身を使用。

金属パーツによるヒンヤリとした質感や強度はもちろん、マズルブレーキのホールなど、細かい部分までしっかりモールドが再現されています。

5号対空戦車 ケーリアン6

車体後部。

普段ならマフラーは排ガスによる黒ずみや錆といったものを再現しますが、今回は泥まみれにしたので省略しました。

5号対空戦車 ケーリアン8

車体後部についているゲベックカステン(用具箱)は、泥汚れだけでなく塗料の剥がれも再現。

迷彩塗装をする前にGSIクレオスの「Mr.シリコーンバリアー」という剥離剤を塗ることで、塗装後に爪楊枝などで軽く引っ掻くだけで剥がれるようになります。

5号対空戦車 ケーリアン9

今回のキットには「ボーナスパーツ」としてドイツ兵フィギュアが同梱されていたので、ケーリアンだけでなくフィギュアも作成。

5号対空戦車 ケーリアン11

戦闘服は単色で、装備品や武器に関しても手持ちの塗料で代用できるレベルだったので楽に作ることができました。

5号対空戦車 ケーリアン10

戦車だけでもカッコ良いですが、そこにフィギュアを添えることでより雰囲気を出すことができます。

問題はフィギュアの塗装が難しいところですね…。これもまた練習せねば。

対空戦車歓迎会

いつものように完成したばかりの新人を歓迎する先輩対空戦車たち。

対空戦車歓迎会2

そして横一列に並べてみる。4号戦車と5号戦車(パンター)の大きさの違いがよくわかります。

なおドイツはパンターよりも更に大きいティーガー、ティーガーよりもでかいマウス、戦車というより戦艦と呼ぶべきサイズのラーテ(これは実現せず)まであります。

それらも機会があったら作ってみたいですね。

ということで「ケーリアン」の制作が終わったのでケーリアン制作日記もこれでおしまい。めでたしめでたし。

次に作る戦車模型のごあんない

なお、ケーリアンの塗装が遅れてた時に「つなぎ」として作ろうとしていた「メーベルワーゲン」がまだ未完成ですので、次以降はそちらの制作を再開します。

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