96%の人が知らない?! 夜間運転時における前照灯のルール

わかる身につく交通教本 気になる話題・ニュース

どうもこんにちは。ましゅーです。

車も自転車もバイクも夜間に走行するときは前照灯(ヘッドライト)をつけますが、そのライトに関して気になったニュースがあったので、ちょっとまとめてみました。

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夜間の死亡事故で96%の車がロービームだった

歩行者が夜間に道路を横断中、車にはねられた昨年1年間の全国の死亡事故625件のうち、96%の車のライトがロービームだったことが警察庁の調査でわかった。

同庁はハイビームを使っていれば防げた事故もあるとみており、21日から始まる秋の全国交通安全運動の重点項目としてハイビーム使用を呼びかける。

via : 「ハイビーム使用を」警察が呼びかけへ 死亡事故の96%がロービーム – ライブドアニュース 

上のニュースにて、警察庁の調査によると夜間に歩行者が道路を横断しているときに車にはねられ死亡した件数が625件とのことです。

で、このうちの96%である597件で車のライトがロービーム(すれ違い用前照灯 / 下向き / すれ違いビーム とも呼ぶ)だったという。

そのため警察庁は「夜間走行時はハイビーム使ってね」という呼びかけをしますよ。…というのがこのニュースの大まかな概要です。

最初このニュースを見たときに、「そりゃみんなロービーム使ってるから当たり前だろ」と、犯罪者の99%がカップ麺食べてるからカップ麺を規制しろみたいなトンチンカンな事言うなぁ…と思ったのです。

ハイビーム(走行用前照灯 / 上向き とも呼ぶ)は遠方まで光が届くから対向車にとって眩しいだろ。それじゃ余計事故起きるだろ。だからみんなロービーム使ってるだろう…と思ったのです。

道交法によると夜間運転時は原則「ハイビーム」でないといけない

ところが、道交法(道路交通法)の解釈によると、「夜間はハイビームが原則」とのことで、弁護士の方がその旨について解説して下さっているので引用します。

●「夜間はハイビームが原則」は本当か?

結論からいうと、これは本当です。

道交法の解釈上、夜間(日没から日出時まで)に道路を通行するときは、他の車両と行き違う場合や他の車両の後ろを走るとき以外、ハイビームを点けていなければならず、これに違反すると5万円以下の罰金となります。

逆に、他の車両と行き違う場合や他の車両の後ろを走るときはロービームへの切替え操作を行わなければならず、これも違反すれば5万円以下の罰金となります。

via : 実は違反者だらけ! ヘッドライトは「ハイビームが原則」と法律で決められている – シェアしたくなる法律相談所 

要約すると

  • 夜間は原則ハイビーム
  • 対向車と行き違う時・他の車両の後ろを走るときはロービームに切り替える
  • これらを違反すると5万円以下の罰金

とのことで、「ロービームがデフォちゃうの?!」とド肝を抜かされました。

「夜間は原則ハイビーム」と引用文に則って記載していますが、「原則」があれば「例外」もあり、その例外については後述します。

ってことは96%の人がこの事を知らんってことでは?!

ここで「知らんのお前くらいだろ。車乗ってるヤツはそれくらい皆知っとるわ」って反応がたくさん返ってきたら、「あぁオレ無知だったんだな」と私の無知が世間に広まるだけなので問題ないです(大アリです…)。

…が、最初に引用したニュース記事を見ると、

96%の車のライトがロービームだったことが警察庁の調査でわかった。

…とあります。

言い換えると死亡事故を起こしたドライバーの96%が「夜間は原則ハイビーム」というのを知らなかった可能性があるということになります。

死亡事故を起こしたドライバーだけ見ても96%の人が知らないのだから、事故を起こしていない普通のドライバーでも「夜間は原則ハイビーム」を知らない人がたくさんいるかもしれません。

違反したら5万円以下の罰金とのことで、「それを知らんのは危機管理の欠如だ!」と無知を責めるべきなのか、「そんな重要なことを何でもっと浸透させんのや!」と交通課の人を責めるべきなのかはわかりません。

でも、違反したら罰金になるようなことを96%の人が知らないのはマズいのでは? と思ったのは確かです。

ここで交通教本を見直してみる

この話題を書き綴っているときに、免許更新時に「交通教本」たるものを貰ったことをふと思い出す。

交通教本は道路交通法の改正点や安全運転のために守るべき事柄について図解でわかり易く解説した本で、『ダッシュボードに入れて、いつでもチェック! 』と書いてあるのにダッシュボードじゃなく本棚に挟まってる本です。

わかる身につく交通教本

こちらがその「運転教本」。免許証を更新するときの講習でもらいました。

余談ですが、(写真の運転教本は平生24年4月版ですが、)もうひとつ平成27年8月版も持ってます。

わかる身につく交通教本2

目次を見ると夜間の運転に関する内容は87ページのようです。

わかる身につく交通教本3

灯火に関することはその次の88ページに記載されてました。ここで気になったのは

(2)対向車と行き違うときは、前照灯を減光するか、下向きに切り替えなければなりません。ほかの車の直後を通行しているときも同じです。

(3)交通量の多い市街地の道路などでは、常に前照灯を下向きに切り替えて運転しましょう。また、対向車のライトがまぶしいときは、視点をやや左前方に移して、目がくらまないようにしましょう。

(2)の対向車と行き違う・他の車両の後ろを走るときは前照灯を減光or下向き(ロービーム)に切り替えるというのは引用した記事にもありました。

問題は(3)の交通量の多い市街地の道路などでは、常に前照灯を下向きしろという点。

「夜間は原則ハイビーム」じゃないとダメなのに対し、交通量の多い市街地では常に前照灯を下向き(ロービーム)にしろってどういうことなの? ってなりました。

この「どっちやねん!」ってなりそうな内容についは “オレたちのJAF” こと日本自動車連盟のページにて解説があるので引用してみます

道路交通法第52条第2項では、夜間に他車両と行き違うときや前走車の直後を走る場合には、ヘッドライトの消灯あるいは減光する等灯火を操作しなければならないと定めています。

この灯火の減光等の灯火操作に当たるものが『すれ違い用前照灯(ロービーム)』への切り替えとなります。

このようにロービームは市街地など交通量が多い道路において使用するほかにも、悪天候にも活用することができます。視界が悪化する雨天時には日中であっても点灯し、対向車に自車の存在を知らせましょう。

また霧では、ライトの光が霧の粒子に乱反射し、遠くまで届かないため、ハイビームではかえって視界が遮られてしまいます。このようなときには、ロービームで霧の粒子が薄い手前を照らし、センターラインや前走車のテールランプを目安に速度を抑えて走るとよいでしょう。

via : JAF|クルマ何でも質問箱:ドライブ運転テクニック|夜間走行時のヘッドライトはハイビームが基本?

…というように、交通量の多い市街地や、濃霧時など、ハイビーム使うと逆に視界を遮って危ないときはロービームに切り替えろということのようですね。

まとめ

「夜間は原則ハイビーム」で天気や場所、交通状況などで臨機応変にローに変えて視界と安全を確保せよ!

…ということですが、ロービームがデフォだろと思い込んでた私にとっては「ええマジで?!」な話題でした。

免許持っていながらほぼ全く車に乗ってない私ですが、足となってるロードバイク(自転車)  でも法改正によって従来の常識が覆されるという経験がありました。

こういう法律やルールって自ら「知ろう」としない限り、なかなか知識として入ってこない上に「知りませんでした」が通じないのが厄介ですね。

普段車に乗っている人ですら「えっ、そうなの!?」ってなりそうな話題なので、これ機に正しい知識を補完できたらなと思います。

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