どうもこんにちは。今日もヘロヘロになりながらブロンコのフラックワーゲンを組み立てます。
パーツか削りカスか見分けがつかないくらいの極小サイズのパーツがわんさかあるフラックワーゲンですが、何とか辛うじて組み立てが進んでおります(ただし超低スピード)。
前回までに車体(車台)部分の組み立てが一段落ついたので、説明書の順番通り今回からフラックワーゲンに搭載される主砲である「74口径 8.8cm Flak41」の組み立てに入っていきます。
このFlak41がまたパーツ数が多く、エッチングパーツはもちろん、極小パーツだらけの精巧な作りとなっており、今までの組み立てをおさらいするかのような内容になっています。
それだけに、ブログで紹介するには量が多すぎるので、何記事かに区切る必要がありました。
まず今回は砲架の組み立てまでを行ったのでご紹介します。
↑フラックワーゲン製作日記はこちらにまとめました
74口径 8.8cm Flak41とは
さーて、フラックワーゲンの主砲Flak41を組み立てっぞ!…の前に、もう一度このFlak41についておさらいしておきます。
「高射砲」というカテゴリーに属する「74口径 8.8cm Flak41」ですが、この高射砲はミリタリー系に詳しい人なら、「アハトアハト」とか「88ミリ砲」と言えばピンと来るあの「56口径 8.8cm Flak18/36/37」の後継機種です。
56口径の方の8.8cm Flak18/36/37は、4号戦車とか80cm列車砲で有名な「クルップ社」が製造していますが、今回作る74口径の8.8cm Flak41はパンターの主砲(7.5cm KwK42)やカール自走臼砲とか開発・製造した「ラインメタル社」の8.8cm高射砲となります。
クルップ社の56口径8.8cm高射砲も高射砲・そして対戦車砲として優秀なものでしたが、後にドイツ国防軍は「アハトアハトに代わる高射砲作れや」と、クルップ社とラインメタル社に後継種開発のための契約を交わしました。
そこでラインメタル社が開発したのが「74口径 8.8cm Flak41」というわけです。
このFlak41は、ドイツ最大の高射砲である「12.8cm Flak40」に匹敵する威力を持っており、また、56口径 8.8cmでの戦訓を活かし、対戦車戦闘用に全高が低めに設計されておりました。
しかし、このFlak41は初期不良や生産の遅延が発生したため、56口径の8.8cm高射砲(20,000門以上)と比べてごく少数の550門程度しか生産されませんでした。
…さて、いつもながら前置きが長くなってしまったので、ここらで区切ってプラモデルのFlak41についてお話しようと思います。
ブロンコのフラックワーゲンにおけるFlak41
とにかくパーツが多い
元となるFlak41自体が巨大かつ複雑な構造をした高射砲であり、プラモデルにおいてもパーツ数が多く組み立て甲斐のある内容です。
他のメーカーのキットはわかりませんが、今作ってるブロンコのフラックワーゲンに搭載されるこのFlak41は、同社の「ドイツ 8.8cm Flak41 高射砲 + 砲兵6体」からFlak41部分を流用したものです。
組み立てて思ったのは、兎にも角にもパーツ数が多く、しかもエッチングパーツや極小パーツを豊富に使い「そんなもんまで再現すんのか!!」ってなるくらい精巧な作りになってました。
8.8cm Flak41は71口径ではなく「74口径」では?
…ただ、気になったのは、ブロンコはこの8.8cm Flak41は71口径だと勘違いしている可能性があるという点。
この点についてもフラックワーゲンの一番最初の記事でボソッと書きましたが、ラインメタルの8.8cm Flak41は74口径で、71口径というのはクルップ社が開発してボツになったゲラート42(後の対戦車砲 “Pak43″)の方です。
こちらがフラックワーゲンに搭載される74口径 8.8cm Flak41のモデルとなったキット。よく見ると71口径を意味する「L71」とあります。
こちらもブロンコのもう一つの8.8cm Flak41で、こちらにはハーフトラックなどに接続して牽引するためのトレーラーも付属するタイプ。
ただやっぱり「L71」とありますね…。
こちらは今回「フラックワーゲン」付属のデカール。①のデカールを見ると対応する砲に「KwK43」とか「Pak43」といった71口径のやつが記載されています。
なお、74口径のFlak41の砲弾は「88×855R mm」で、71口径の8.8cmは「88x822R mm」を使用するため、両者に砲弾の互換性は無いはずです。
なので、Flak41搭載したフラックワーゲンに上記のラベルが貼られた弾持ってきたら、上官から「え?お前アホなん?」って叱られるレベル。
…まぁ当時はまだ資料が無かったからなのだと思いますし、ひょっとしたら私の心得違いで「71口径のFlak41もあったわハゲ!」と、より詳しい人からご指摘を受けるかもしれません。
まま、深く考えずに組み立てに入りましょう。
Flak41の砲架下部を組み立てます
お待たせしました。それではフラックワーゲンの武装 74口径 8.8cm Flak41(長いのでFlak41と略します)の組み立てに入ります。
先述の通りFlak41は高射”砲”なので、ズドーンと大きな弾を発射するんだなと大体イメージつくかと思います。
そんな大砲(野砲、対戦車砲、榴弾砲、高射砲…なんでもいい)も、火薬に火をつけ爆発させて弾飛ばして目標に当てるという性質上、様々なパーツによって構成されています。
一般的な砲には
- 砲弾が通過する長い筒状の「砲身」
- 砲弾を装填して射撃時に後ろから燃焼ガスが漏れないようにする「閉鎖機」
- 砲撃時のリコイル(反動)を軽減するための装置(揺架、駐退機、複座機)
- 砲そのものを支えて、向きや角度を変える「砲架」
といったもので構成されています。
これに加えて今回作るFlak41のような高射砲には更に「射撃指揮装置」という上空を高速で飛来する敵機に命中させるためのアナログコンピュータ計算機が内蔵されています。
また、航空機が飛んでいる高さで砲弾(榴弾)を炸裂させるための「時限信管」をセットする装置もあります。
そういった通常の大砲には無いような装置が高射砲にはあり、兎にも角にも複雑な構造となっているためパーツ数が多くなっております。根気よくじっくり作っていきませう。
…また前置きが長くなりましたが、まずはFlak41の砲一式を支える「砲架」の土台から組み立てていきます。
ということで、Flak41の最初の組み立ては、砲身を支える「砲架」の更に土台となるパーツから始めます。
説明書は7番目からスタート。説明図を見るに、箱状のものやそこに繋がる配線などを見て、早くも射撃制御装置の組み立てか!?と思いましたが、こちらは砲身を動かすための装置のようです。
まずは5つのパーツを組み合わせて箱状のパーツを作ります。
こちらがそのパーツ。なんだか対空機関砲の砲弾とかが入ってる弾薬箱みたいな形をしています。
これらを組み合わせるとこのようになりました。
組み合わせは最初に通常のタミヤセメントを点付けして貼り合わせた後に、接合部に流し込み接着剤を塗ってより強固に隙間なく組み上げます。
組み上げた箱状のパーツは、上の写真のようにポンと置きます(接着します)。
Flak41の組み立てはまだ始まったばかりなので、これらのパーツがどんな役割を果たすのかはわかりませんが、ある程度組み上がってきたら「ああ、なるほどね」といった発見があるかもしれません。わくてか。
若干前後しますが、砲を上下に動かす(と思われる)装置の組み立てを行います。
この装置は左右それぞれ異なる形状のものがあり、そこに箱状のパーツや配線パーツを取り付けていきます。
こちらは左側のパーツ。
こっちが右側のパーツ。
上に乗っている箱に配線が接続されているのがわかります。
この配線はモールドではなくしっかり別パーツとして再現されているので、よりクッキリと立体的な配線になっています。
繊細なパーツだけに高精度な再現が可能である反面、細くてデリケートなパーツなので、切り離しや整形、接着は慎重に。この先はこういった細かいパーツとのやり取りが中心となります。
ということで7番の組み立てが終わると上の写真のようなパーツが出来上がりました。
なんかもうこれだけで「ハイテクやなぁー」ってなっちゃうくらいです。まだまだこれからなのに(笑)。
さて、次は8番目に移行します。
このパーツは砲架含むFlak41すべてを支える「床」となるパーツで、このパーツとフラックワーゲンを接続することで、Flak41を車体に乗っけることができるのです。
大きな平ぺったいパーツ2枚を貼り合わせ、そこに細かいパーツをペタペタと取り付けていく流れになります。
ただ、説明図には「接着すんな」という箇所があったので、そこを注意しながら組み立てます。
さて、その「接着すんな」というパーツが上の写真のギアのような形状のパーツ。ギアな形だけに回転するので、接着しちゃうとそのギミックが失われてしまうのです。
ではこれはどうするのかというと、まず上の写真のようにポンと置いて、
もう一枚の板状のパーツで軸を挟んで固定します。これでギアが回転するようになるわけですよ奥さん。
ギアは接着しませんが、上下の板状のパーツは接着します。
そのあとギアの両サイドにあいてた空白を埋めるためにパーツを2つ取り付けます。
続いて、ここまで作ってきた大きなパーツ群を一つにまとめます。
こんな感じにね。
大きなパーツが合体すると一気にカタチが見えてきますね。まだまだ始まったばかりだけど。
両サイドにはドラムのようなパーツを取り付けます。
形状からして何かを書き取るリールのようなものでしょうか?
今回のセクションの組み立てで唯一のエッチングパーツは、配線を束ねるバンドを模したパーツです。
元は一枚の板状のパーツとなっているので、これをうまいこと曲げて配線の上に取り付けろというもの。
こんな小さいエッチングパーツをどう曲げろと言うのじゃと憤慨しそうになりますが、ひとまず家にあった真鍮線をカッティングマットの上にマスキングテープで固定し、その上にエッチングパーツを置いてグニッと曲げてみました。
すると大体ではありますが、配線を束ねるバンドのような感じになり、上の写真のように乗っけても「あぁバンドだな」ってなる程度にはなりました。
今後もこのような小さいエッチングパーツを曲げろという指示が何箇所かあったので、今のうちに慣れておく必要があります。
こんなに細かいパーツゴチャゴチャつけてたら完成する頃には1つか2つ無くなっても気付かなそう。…特にウェザリングの時にポロポロ剥がれ落ちそうである。
まとめ まずFlak41の土台ができました
まだまだ車体と接続する「床」が完成したに過ぎませんが、組み立てたものを見てみると「おお…やったぞ…」と、謎の達成感で一杯です。冒険はまだ始まったばかりなのに。
冒頭でも書きましたが、元となるFlak41自体が巨大かつ複雑な構造の高射砲であり、プラモデルにおいても、パーツ数が多く組み立て甲斐のある内容です。
チマチマとした作業の繰り返しとなるため、神経をすり減らしますが、それだけ完成時のクオリティも高くなるでしょうし、完成が楽しみです。