どうもこんにちは。
ドラゴンの戦車プラモ「軽駆逐戦車ヘッツァー」の塗装がようやく完了し、あとは細部の塗り分けとウェザリングだけになりました。
悪天候続きで塗装ができず時間がかかりぎており、次に作りたい模型たちが「はよしろハゲ」とイチャモンをつけてくるので、急ピッチでヘッツァー制作の続きを行います。
ということで残った工程を一気に解説し、完成まで持っていきましょう!
↑ヘッツァー製作日記はこちらにまとめています
ヘッツァー完成まで一気に解説!!
先述の通り、この記事ではヘッツァーの完成までを一気にまとめました。
具体的には、
- OVMなどの細部の塗り分け
- ウェザリング
- 残ったパーツの取り付け
といった作業を行いました。
で、ここで模型に詳しい人は「あれ?デカールは?」と思うかもしれませんが、今回は後述する諸事情により、デカールは無しで作業を進めました。
さて、それでは残った工程を順番にやっていきます。
アクリル塗料で細部を塗り分ける
車体全体の迷彩塗装が終わったら、今度は細かいところを塗り分けていきます。
戦車の場合、主に「OVM」という車載工具や機銃、車内から外を見るために使う「ペリスコープ」といったものを塗り分けます。
ここで使う塗料も人によって異なりますが、私は基本的に、
- 車体の基本塗装・迷彩塗装:ラッカー塗料
- 細部の塗り分け:アクリル塗料+エナメル塗料
といった使い分けをしています。
もちろん塗膜が強いラッカー塗料の筆塗りでも出来ないことは無いですが、ラッカー塗料は溶剤のニオイが強烈なのと、塗膜の乾燥が早く「筆ムラ」が出来やすいのが悩みどころ。
なので私はニオイが控えめで塗料のノビが良い「アクリル塗料」を使っております。
また余談ですが、今更になって「カッティングマット」なるものをダイソーで買ってきました。1枚300円。
今までは机の上にシートを敷いたり、あるいは何も敷かずに作業をしていましたが、こういったマットがあったほうが作業や写真撮影が捗りそうです。
今までどうしてカッティングマットを用意せずプラモを作っていたのか、甚だ疑問である。
金属の塗装
エッチングパーツとかではなく、車載工具とか機銃といった「鉄の部分」の塗装です。
この手の車載工具は金属と木と分かれていて、有刺鉄線などをカットする「ワイヤーカッター」の場合、刃先は金属、人が持つ部分は木製といったような色分けをします。
ワイヤーカッターの刃先、車載機銃の銃身、ジャッキといった金属を再現するために、タミヤのアクリル塗料の「XF-1 フラットブラック」と「X-10 ガンメタル」を混ぜてたものを使っています。
特に「ガンメタル」は対空戦車の機関砲砲身の塗装から、今回のような車載工具の塗装まで非常に幅広く使っています。
ただ、ガンメタル単色だと明るいので、フラットブラックを落として色を暗くしています。
まずは車載工具…ではなく、車載機銃であるMG34から塗ります。
銃身や機関部は金属ですが、ストック(肩に当てる部分)は木だったりベークライト樹脂だったりするので、実物を参考にしながら塗り分けます。
なお、機銃には防盾がついていましたが、塗装中にポロッと取れてしまった。…塗装するとき邪魔なのでちょうどいいです(強がり)。
で、塗装するとこのようになりました。
ガンメタルにフラットブラックを混ぜることで、金属だけど光沢を抑えた金属な質感を再現できました。…少しテカってるのは乾いてないからです。
お次は後部フェンダーにくっついているワイヤーカッターの先端部分を塗っていきます。
組み立ての段階でも散々グチってましたが、このワイヤーカッター、車体上部(戦闘室)に半分隠れて非常に塗装しづらい。
刃先はまだ良いですが、戦闘室の下に隠れた柄の部分は完全にお手上げ。とりあえず見えてる部分だけなんとかなれば良いやと思い、手先に神経集中させまくって塗りました。
ヘッツァーちゃんは小さいのにやたら手こずらせる子です。
お次はジャッキ。
こちらもフェンダーや固定具に塗料が付着しないよう注意つつ塗りますが、ワイヤーカッターと比べると全体的に露出してるので楽でした。
その次はアンテナ基部。
こちらは基部だけで肝心のアンテナのパーツが見当たりませんでした。私の探し方が悪かっただけ??
なので、伸ばしランナーでアンテナを自作し、同じようにフラットブラック+ガンメタルで塗装してやります。
タミヤだとパーツ化されていませんが、ドラゴンとかのキットではアンテナ部分もパーツ化されています。
ただ、ものすごく折れやすいので、根本のモールドさえ気にならないのであれば、こういった伸ばしランナーで作るか、オプションで金属アンテナパーツを別途購入した方がいいかも。
…ただ、金属アンテナは接着してもポロリとすぐ取れてしまうので、よくひっつく&折れたらすぐ作れる伸ばしランナーアンテナのが色々楽だったり。
そして、「コマンドバージョン」の特徴でもある先端が枝分かれした「スターアンテナ」もここで組み立てて塗装します。
最初から一貫して主張していますが、この手のアンテナパーツは非常に折れやすく、順当に組み立てて取り付けては塗装やウェザリング作業中にポキッと折れます。もう「折って下さい」と言わんばかりの脆さ。
なので最後の最後で組み立て&取り付けることにしています。
特に上の写真のように1本の棒ではなく、そこから更に枝分かれしたようなスターアンテナでは尚のこと。
そんなわけでスターアンテナも塗装が完了。
あとはヘッツァー本体が完成した時まで(完成した後も)折れないように超厳重に保管しておきます。
木の部分の塗装
金属部に続いて今度はジャッキ台や各種工具の柄の「木」を再現します。
この木製部品の色については1作目から今日まで「何を使えばええんやろなァ…」と試行錯誤中で、最初はレッドブラウン単色、次はフラットフレッシュとレッドブラウンの重ね塗りといった具合に迷走中。
ひとまず今回は下地をフラットフレッシュにして、その上にレッドブラウンを軽く塗る方法を試してみます。
その結果、ジャッキ台はこのようになりました。
このヘッツァーのキットのジャッキ台はどういうことか、バンド部分が凹んでいて木の部分が盛り上がっているという奇妙なモールドになっておりました。
なので組み立て時に一度ヤスリで真っ平らにしたあと、木の部分をさらに平たいヤスリで削って段差をつけてやりました。
当初エッチングパーツの余ったところを使って固定バンドを作ろうと試したところ、エッチングのランナーをカットしたらニッパーが砕けるというトラブルが発生して断念。
エッチングパーツはニッパーではなく専用の工具でカットしましょう。
同じように車載機銃のストック部分も塗っていきます。
超極細の面相筆を持っている人はこの上からエナメル塗料のフラットブラックを使って、木目を描いてみるとさらに木の質感がアップします。
これで車載機銃の塗装が終わったので、ヘッツァーに取り付けます。この取り付ける時も防盾をふっ飛ばさないように力の入れる場所には注意。
ということで、細部の塗り分けは以上でおしまいっ!
デカールはありません(泣)
細部の塗り分けが終わった段階で「デカール」を貼る作業に入りますが、先述の通り今回のヘッツァーはデカールを貼らずに先に進むことになりました。
というのも、デカール自体はあるけど長く放置されたせいで水に浸しても全然剥離せず、ボロボロ崩壊していくという…。
今まで作ったキットの余剰パーツで国籍マークのデカールの在庫もなく、しぶしぶデカール無しで次の作業にすすみます。
皆さんもデカール管理は十分注意して保管してください。
ウェザリング
無い袖は振れぬということで次にやることは「ウェザリング」。
当ブログはこの「ウェザリング」に関する記事がやたら人気のようで、少ないアイテムでそこそこ本格的なウェザリングが出来るのをウリに 手抜き 低コストな方法で行っています。
ざっくりした内容は以下の通り。
- ウォッシング
- 墨入れ
- ドライブラシ
- 砂汚し
ウォッシング
では最初に「ウォッシング」して彩度を落として、ヘッツァーに中古車感を与えていきます。
カーモデルならツヤツヤのテカテカの方がカッコイイのですが、戦車の場合は逆で、使い古した感や掃除せず放置した感がある方がリアルなので、適度に汚しましょう。適度に。
ということでウォッシング用の塗料を作ります。
タミヤエナメル塗料の「XF-1 フラットブラック」と「XF-64 レッドブラウン」を同じ位の比率にして、溶剤で5倍くらいに薄めて「泥水」みたいな色の塗料を作ります。
そしたらそれを薄く伸ばすように車体に塗っていきます。
早くも彩度が落ちて車だったら下取り価格ヤバいことになりそうな感じになっています。
なお、ウォッシングで使うエナメル塗料の溶剤はプラスチックを侵食するという短所があります。パーツが破損したり溶けるまでには至りませんでしたが、接着したパーツがポロポロ取れることが何度もありました。
今回はあちこちパーツが外れまくり、シュルツェンや後部フェンダー、連結式の履帯など、ポロポロ外れてくれるおかげで作業が捗らず。
特に連結式履帯は外れるとメチャクチャ面倒なのでウォッシングは非推奨。普通に地獄見ました。
拡大するとこんな感じ。彩度が落ちるだけでなく、なんか泥水のような汚い色になっています。これが車ならすぐに洗車したい。
また、表面をよく見ると小さなゴミみたいなのも付着しています。これは拭き取るときに一緒に取っ払いましょう。
ウォッシングして5分ほど経過したら今度はエナメル溶剤を含ませた綿棒やティッシュで表面を拭き取ります。汚れた戦車を洗車する感じです。
この時も上から下に向かって拭き取っていって雨水が流れたり、汚れを拭きっ取った感じを再現。
墨入れ
ウォッシングで車体全体をいい具合に汚したら、次は「墨入れ」でモールドの根元部分やパネルラインを暗くしていきます。
後述のドライブラシと合わせて突起の根本と表面の明暗のギャップを大きくし、より突起部分がクッキリ見えるようになり、車体の立体感を強調していくわけです。
使う塗料は同じくエナメル塗料で、「XF-1 フラットブラック」と「XF-10 フラットブラウン」。
こちらも溶剤で薄めていきますが、ウォッシングの時よりかは溶剤は少なめにします。ホコリやゴミが溜まってるような感じの色になっていればOK。
塗る場所は車体の至る所にある「突起」の根本部分。ボルトとか、ハッチのハンドルの付け根とかハッチと装甲板の隙間のラインとかとか。
そこに塗料を含んだ筆先をチョンと当てれば、流し込み接着剤のようにジワーッと突起のラインにそって浸透していきます。
上の写真はボルト部分に墨入れした状態。ややはみ出していますが、その場合はウォッシングの時と同じようにエナメル溶剤を含んだ綿棒で拭き取ればOK。
突起だけでなく凹んだ部分にもエナメル塗料を流し込んでいきます。
上の写真はハッチと装甲板の境目に出来た隙間に流し込んでいるところです。暗い塗料を流し込むので境界線がハッキリ出来て、車体のモールドがより可視化されます。
転輪のボルトや凹んだ部分にも同じように流し込みます。
転輪や履帯は砂や泥で汚れる場所なのでウェザリングの効果を最大限に発揮できる場所ですが、今回はそこまでド派手に汚さないので、墨入れ・ドライブラシも入念に。
ドライブラシ
墨入れで突起の根本を暗くしたので今度はドライブラシで突起の表面を明るくします。
使う塗料は同じくエナメル塗料の「XF-59 デザートイエロー」。
こちらは溶剤は使用せず、瓶からダイレクトに筆にとり、その後ティッシュペーパーなどで筆についた塗料を拭き取り、ほんの少しだけ残った塗料だけを使ってモールドを明るくします。
使用する筆はやや硬めのものを使い、接着したパーツを飛ばさないようにシャカシャカと掃き掃除をするかのようにエッジ部分や突起部分に塗料を乗せます。
すると上の写真のように突起の表面に色が乗り、墨入れで暗くした根本とのギャップが大きくなりモールドがクッキリと浮かび上がります。
車体の大きさに対してボルトとかのモールドは小さいので、何もしないと目立たなくなります。それを墨入れとドライブラシによって復活させるのが最大の目的なのです。
ドライブラシは車体だけでなく、履帯にも行います。
こちらはシルバー系の色を使って履帯の表面や側面、センターガイドなどに行うことで、擦れて研磨された質感を履帯に与えてくれます。
ここはシルバー系の塗料、とくにタミヤペイントマーカーのクロームシルバーを使用する人が多いですが、あいにく私は持っていないため、シルバー系の塗料でやっています。
今回は試しにアクリル塗料の「XF-56 メタリックグレイ」を使ってみることにしました。
やり方は車体のドライブラシと全く同じ。
まずは地面と擦れる部分に筆をシャカシャカと走らせます。
すると接地面である履帯の表面やそのエッジ部分に塗料が乗り、履帯が磨かれていった質感を与えてくれます。どこからどう見ても金属だ。まさかコレがプラスチックだとは誰も思うまい。
履帯の側面は履帯を連結するピンがあるところを中心にドライブラシ。
また、履帯のセンターガイドにもドライブラシをして転輪との摩擦した感じを与えます。
足回りの砂汚れ
さて、最後は履帯や転輪、車体下部の砂汚れを行います。
今まではパステルとかを使って派手にドロドロと汚しまくっていましたが、今回は少し路線を変更して、砂汚れだけの控えめな感じにします。
ということで今回使うのはパステルではなく、「タミヤウェザリングマスター(Aセット)」これがあれば手っ取り早くサラサラの砂を各所に付着させることができます。
ウェザリングマスターの使い方ですが、砂汚れを再現したい場所に応じて付属のブラシを使い分けます。
履帯などに砂を「まぶす」場合はブラシの方を使って掃き掃除をするかのように砂を吹き付けて、逆に車体下部や転輪の正面などの「面」の場合はスポンジの方を使って塗るようにつけていきます。
非常にシンプルで簡単な方法で手軽に砂汚れを再現できるので、パステルの調色が苦手って人はこちらをオススメします。暗い色から順に明るくしていくのがコツ。
残ったパーツの取り付け
最後は組み立ての順番の関係で残ったパーツを取り付けていきます。
…と言っても残ったのは折れやすいアンテナだけ。
今回のヘッツァーは「コマンドバージョン」ということで、通常の戦車についている2mアンテナだけでなく、先端が枝分かれした「スターアンテナ」というものが付属します。
このスターアンテナがまたクセモノで、通常のアンテナですら折れやすいのに、先っちょが枝分かれしているので更に折れやすい。当初から「折れて当たり前」と思って、最後の最後までずっと封印していました。
なので、ほぼすべての工程が終了した今、ようやく取り付けられるというものです。
取り付けは他のパーツのように接着剤でくっつけるだけなのですが、兎にも角にも折れないように超慎重に取り扱う必要があります。
軽駆逐戦車 ヘッツァー 完成!
アンテナを取り付けたら全ての工程が無事終了しました。
これにてドラゴンの軽駆逐戦車 ヘッツァー(コマンドバージョン)の完成です。
ギャラリー
もとはヤフオクで「クーゲルブリッツ」を落札したときに、商品にセットでついていたのがこの「軽駆逐戦車ヘッツァー(コマンドバージョン)」。
ちっちゃくて丸くて可愛らしいフォルムで、さらにガルパンにも登場するおかげでそこそこ人気のある駆逐戦車…らしいです。
車体塗装はダークイエローをベースにしたものではなく、ダークグリーンを基調として、その上にいくつもの丸い円を描く独特な迷彩模様を作ってみました。
正直この迷彩パターンが実在するのかどうかと言われるとちょっと自信無いですが、ヘッツァーや他の駆逐戦車に見られるような「光と影の迷彩」の斑点は円を組み合わせた時に出来るものという説があり。
…ただ、もう少し円を小さくして、複数サイズにすればよかったかなぁとは思います。
ヘッツァーは「駆逐戦車」というカテゴリーに含まれるので、戦車と違い旋回式の砲塔が存在せず、主砲の可動範囲はかなり限定されます。
模型制作においては砲塔が無く、固定式の戦闘室という形状から車体上部の工程数が少なく、あっという間に組み立てが終わりました。
悪天候のせいで車体塗装に3週間もかかったけれど…。
今回は特にこれといったディテールアップ等はしておらず、初期の頃のように
- 組み立て
- 塗装
- ウェザリング
というシンプルな製作内容となりました。ちょっと手抜き感ががががが。
他の戦車も並べてみた
せっかくなので「ティーガー」や「ケーリアン」と並べて大きさ比べをしてみます。
こうやって重戦車に挟まれるとヘッツァーが小さいかがよくわかります。こんな中にオッサンが4人もすし詰めになるのだから車内はむさ苦しいことでしょう。
別アングルから。
横にフィギュアを置いてみるとスケール感がなんとなーく伝わってきます。
まとめ
普段だったら細部の塗り分け、デカール貼り、ウェザリングで3記事にしているところ、今回は1記事にして解説。
塗装に時間かかりまくって次の作業ができずモンモンしてたがゆえに、塗装が終わったあとは急ピッチで残りの作業を進めました。
まだまだ戦車のキットはたーーくさん残ってるし、これらを早く手がけたいという心の声から手抜き急いで作って記事にした次第です。
…で、次は何を作るのかというと、今回小さい戦車作ったので、今度はおっきいやつを作りたいなぁと思っています。乞うご期待。