どうもこんにちは。ましゅーです。
相変わらず飽きもせず「フラックワーゲン」を作っているのですが、ここ最近はそっちの方に集中しすぎたせいで(というかそっちで気力を使い果たした)ブログの更新が滞っておりました。
え?一体何で気力をすり潰してたって?そりゃアレですよ。可動式履帯ですよ。
今までエッチングパーツだの細かいパーツだので悶絶してきましたが、そんなもんは可愛い方でした。甘く見てました。これからがほんとうの地獄だ…。
というわけで模型制作日記あらため履帯悶絶日記を書き綴っていきますのでご覧下さい。
前の記事 Flak41を乗せたいからフラックワーゲンの車台を組み立てるよ
最初から 対空トースターの異名を持つ「フラックワーゲン(Pz.Sfl. IVc)」を作ることにした
カテゴリー フラックワーゲン
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可動式履帯の組み立て方
モデルカステンの連結可動履帯シリーズを作ったことがある人なら「あぁ…あれやな……」ってなるかと思いますが、まさにアレです。
モデルカステン程ではありませんが、このフラックワーゲンにもそれに匹敵する苦行の道ともいえる連結式履帯が眠っており、そいつを組み立てて行きます。
非可動の連結式履帯ならば、指定枚数分の履板を1枚1枚接着して、接着剤が乾いたら曲げて本体へ取り付けます。
しかし、可動式履帯の場合、組み立て方が根本的に異なり、履板同士を接着するのではなく、履板と履板にピンを通して固定するという、本物の履帯と同じ構造になるため、非可動の履帯では再現できない質感なども再現できちゃうのです。
フラックワーゲンのキットでは上の写真にある
- 履板
- 左右に通すピン
- 履帯組み立て時に使う治具
といったパーツを使用します。具体的な組み立て手順は以下の通り。
- 履板、ピンをランナーから切り離す
- 履板を治具の上に並べる(10枚)
- ピンの根本に接着剤を塗り、履板に差し込む
- 乾燥したらピンの余分な部分をカットする
フラックワーゲンでは説明書によると片側109枚の履帯が必要とあります。なので左右で218枚分の履帯の組み立てを行うのです(実際はもっと少なめす)。
極めて細かい作業の繰り返しとなり、仕事帰りのヘロヘロ状態でやる作業でないことは確かですが、やらんことには先に進まないので体に鞭打って履帯を組み立てます。
ということで、実際に可動式履帯を組み立てて行くので、読みながら精神を削られていってください。
履板を並べる
まずは従来のパーツのようにランナーから履板から切り離します。正直これだけでもかなりダルい。
ただ注意したいのは、切り離し方を誤るとピンを通すための穴がお釈迦になってしまうので、十分注意して切り離します。
で、切り離した履板なのですが、当然ながらそのままではゲートが残っているので、紙やすりで優しく撫でるように処理します。この時も無理しすぎるとピン穴が潰れて再起不能になるので丁寧に。
モデルカステンとちがって、フラックワーゲンの履帯は最初からピン穴が一部割れてたりして使い物にならない履板がちらほらありました。そういうのは諦めて非可動連結式履帯として使います。
そのあと付属の治具に切り離した履板を乗っけます。
この治具では1度に10枚の履帯が作れるので、10枚ずつ作って最後に合体させれば「あれ?何枚作ったっけ???」とならずに済みます。
…が、実際にこの治具を使って履帯を組み立てると、(履帯は治具の上にただ乗ってるだけなので)ピンを通す際に履帯が動いてなかなかやりづらかった。
こんなところで可動式すなっ!と言いたくなるほどで、最初の10枚だけこの治具使って、以降はマジックトラックなど連結式履帯でおなじみの『両面テープのついた板』で作りました。
履板にピンを通して結合させる
続いて、並べた履板の両側面にピンを通して履帯を結合させます。
本物のドイツ戦車の連結用ピンは一本で、履板を貫通するように通っているのですが、模型の場合だと左右から2本通して1本モノっぽくします。
で、このピンのパーツは左右で形状が異なり、ピンのお尻と、丸くなった頭の部分が再現されています。
なお、モデルカステンの連結可動履帯では、履板の穴とピンのランナーの間隔が一致しており、一度に複数のピンをランナーに差し込めるような工夫がなされておりますが、フラックワーゲンの場合だと上の写真のようになります畜生。
仕方ないのでピンも1つ1つ切り離して差し込みます。
なお、履帯のセンターガイドは履板と一体なので、ここはモデルカステンのものよりは楽でした。
それで、上の写真のように履帯にプスップスッとピンを差し込んでいきます。
接着剤は粘度の高い通常のタミヤセメントを使用し、ピンの根本にだけ接着剤をチョンと塗って差し込みます。つけすぎると奥の履帯にまで引っ付いて可動式じゃなくなってしまうので注意。
なお、たまーにピンが上手く通らない場合があったので、少しだけ垂直に力を入れるとブツッという気持の良い手応えと共に通ってくれます。あくまで垂直に。角度がつくと折れ曲がるので注意。
接着剤が乾燥したら、軽くピンの部分を引っ張って(本当に軽くですよ?)ちゃんと接着されているか確認します。正しく接着されてない場合、この時点でスッポ抜けるので、そうなったらもう一度接着し直します。
問題がなければピンの余分な部分をカットして、ピンの頭や履板の側面にも薄く接着剤を塗って補強。これを必要枚数分だけ繰り返します。
まずは最初の10枚が完成
というわけで10年分のやる気使い果たして履帯10枚分が完成しました。疲れた死ぬ。
なんだかラーメンに入ってるメンマみたいに見えてきます。きっと疲れてるからでしょうね。
生まれて初めて手にする可動式履帯で遊んでいるの図。
接着剤が変なところに入っていったのか知りませんが、最初のうちは動きが鈍かったけれど、グニグニと遊んでるうちに少しずつ動きがなめらかになっていきました(…後でピン外れんよな?)
こんな感じでブリッジも出来ます。
その後も可動式履帯との死闘は続く
ただ、10枚ちょっとじゃ連結式履帯の良さってのはあまり伝わらないので、このまま仕事帰りに1日30枚というノルマ設定して、仕事でもノルマ、家でもノルマというノルマ地獄に陥りながら組み立てることにしました。
…そして、一週間ほどが経過して
全然進んでねーじゃん!!!
…という具合に、サボりまくったせいで全然進まず、つい最近になって慌てて作るといういつものパターン。まるで成長していない。
結局いつもの連結式履帯用の板を使う
ばばーん!
…ということで、今までの「連結式履帯」でお世話になってるただの板です。
連結式履帯と可動式履帯じゃ組み立ては違いますが、こやつに両面テープを貼って動かなくすれば可動式履帯も幾分か組み立てやすくなります。
まずは板に両面テープを貼ってフィルムをベロンチョと剥がします。
そして、履帯を乗せる側にはタオルなどを当てて剥がしてを2~3回ほど繰り返して粘着力を落としておきます。これを怠ると完成時に剥がそうとしてなかなか剥がれず、履帯がバラバラと崩壊する恐れがあります。
あとは同じように履板を並べていって左右にピンをブスリと挿していきます。
やっぱり治具より粘着テープのほうが作業中に履帯が動かないから楽チン。
なお、ピンはランナーごとぶった切ることで、ランナーが持ち手になってくれるので、履板にピンを通す時に重宝します。
ランナーの根本にニッパーの刃を入れ込んでをバツン!とぶった切ることで一度に複数のピンを切り離せます。ただし刃の弱いホビー用ニッパーだと刃が砕け散るので、工具店に置いてあるような頑丈なモノを使います。
そしてまた10枚作って剥がして、余分なランナーを切るという作業を繰り返します。
そして何とか片側分の履帯が出来上がりました。片側分だけですよ?一週間もかかって片側分だけですよ?
可動式履帯を取り付けてみた
組み立てにメチャクチャ時間がかかる可動式履帯ですが、その苦労に見合った働きをしてくれます。
なんと言っても構造がホンモノの履帯と同じなので、本物のような動きのあるフォルムに仕上がってくれました。
ちなみに履帯の枚数ですが、説明書は109枚とありますが、実際に109枚にすると多すぎるので、微調整をしてみたところ、106枚が丁度いいようです。
ということで、フラックワーゲンに可動式履帯を取り付けてみると以下のようになりました。
これ。これですよ~。この流れるような自然な履帯のたるみ。たまんないですねぇ~(仲田師匠風)。
後の塗装を考慮して、この時点ではまだ組み立てていませんが、履帯の両端をマスキングテープで貼り付けてフラックワーゲンに仮組みするとこんな感じに、履帯の「たるみ」も表現できます。
しかもフラックワーゲンの転輪は回転するので、転輪は回るわ履帯は動くわでウッハウハ状態です。さすが可動式履帯。苦労に見合った対価を払ってくれる。
また、サスペンションも可動式なので、障害物を置いてその上をまたぐと上の写真のように履帯と転輪がボコッと盛り上がったような感じになります。こりゃすごい。
過去に可動式サスペンションの戦車と出会ったことはありますが、それらは履帯が非可動の連結式履帯だったため、イマイチその良さを発揮できませんでした。
しかし、履帯も可動式で、足回りがほぼフル可動のフラックワーゲンはここまで完成度の高い動的なフォルムを再現出来るのですね。ちょっと感動しました。
まとめ
ということで、片側だけ履帯が完成しました。引き続き履帯の組み立てを行っていきます。
ここ最近ブログを全然更新していなかったのも、言ってみればこやつのせいでして、可動式履帯が30秒で完成したらきっと3日前にはブログが更新されてたはずです。
…ということで、また可動式履帯と戦ってきます。