どうもこんにちは。ましゅーです。
あまりに長いキングタイガー製作日記でしたが、それも今回で完成です。本当に長かった。
時間のかかった作業も無事に終わったので残りの作業である
- デカールの貼り付け
- ウェザリング
- 履帯汚し
といったところを一気に全部紹介します。
キングタイガーにデカールを貼ろう
まずは「デカール」を貼り付けます。
今回のドラゴンのキングタイガー(ヘンシェル砲塔/ツィメリットコーティング)のデカールの内容は、上の写真のようになってました。
0から9までの数字が並んでいるのではなく、特定の数字だけが用意されているので、砲塔番号を使う場合は特定の車種を再現したい人向けとなります。資料を参考にしっかり検証しましょう。
たとえば、「300」のデカールをつかえば、有名なプロパガンダ映像である「ドイツ週間ニュース 736号」に登場するキングタイガーを再現することが出来ます。
このキングタイガーは、パーダーボルンのゼンネラーガー訓練場で1944年10月ごろに撮影されたもので、第503重戦車大隊の第3中隊・中隊長のフライヘーヤ・フォン・ローゼン少尉の車輌です。
やや大きめのバルケンクロイツの前に300の砲塔番号が入ってるのと、起動輪を除く全ての転輪が暗い色(おそらくロートブラウン)で統一されているのが特徴です。
私も当初、このローゼン少尉の車輌を再現しようかと考えていましたが、出来上がった迷彩パターンが現物キンタと大きく乖離していたのでやめました。
その他のマーキングはキットの箱側面や組み立て説明書を参考にしましょう。
先述の通り、本当はローゼン少尉の300番のキングタイガーを再現しようと思ってましたが、迷彩パターンがぜんぜん違うため、架空戦車にします。
なので国籍マークの「バルケンクロイツ」だけ使います。そうすることで「あったかもしれない車輌」が出来ます。「あったかもしれない車輌」は検証のしようがないのを良いことに好き放題できるのです。
てなわけで、デカールを一つ一つ切り離して水に浮かべます。
デカールを水に浸している間、デカールの接着力を強化するために砲塔に「マークセッター」を塗っておきます。
デカールが台紙から動くようになったら、少しだけスライドさせ、砲塔に持っていってペタッと貼り付けます。
そしてピンセットなどを使ってポジション調整し、位置決めができたらデカールの真上から綿棒で優しく押して水気をとります。
つぎに「マークソフター」をデカールの上から塗り、デカールをフニャフニャにします。
そしてフニャフニャになったデカールを上から麺棒で押し付け、ツィメリットコーティングのモールドになじませます。これで「貼り付けた」デカールが「描いた」ような質感になります。
ただしマークソフター塗ったあとのデカールは破れやすいので取り扱いは丁寧に。
バルケンクロイツのデカールは砲塔の両側面に加え、砲塔後部の砲弾搬入ハッチにもつけてみました。
実際のキングタイガーでこのようなマーキングがあったかどうかは分かりませんが、そこは「あったかもしれない車輌」だからできる芸当なのです。
ウェザリングで使用感を出そう
さて、お楽しみ(?)のウェザリングです。
今回は履帯がなかなか取り付けられなかった関係で、足回り、特に転輪や履帯で隠れる奥まった部分だけ先にウェザリングしておいたので、あとは車体と砲塔だけやっていけばオッケー。
ウォッシング
最初は「ウォッシング」。
「Mr.ウェザリングカラー」のグランドブラウンを薄めたものを、全体に薄く伸ばすように塗りたくります。そしてしばらくしたら溶剤(専用うすめ液)を含んだティッシュで拭き取ります。
なお、ツィメリットコーティングが施されている車輌にウォッシングすると、モールドの隙間に塗料が入るため、通常より暗くなりやすいとのことです。
なので最初はウォッシングしようか迷いましたが、足回りをウォッシングしたので他もやらないと不自然だろうと思い、全体にウォッシングすることにしました。
そのかわりウェザリングカラーはかなり薄くしました。また、コーティングも拭き取れる場所は極力拭き取ります。
スミ入れ
同じウェザリングカラーを今度はやや濃い目にして、窪みや突起の根本などのモールドにちょん付けします。いわゆる「スミ入れ」です。
根本を暗くすることで表面との明暗差を強調してモールドを際だたせることで立体感が出るというもので、人によってはウォッシングで兼用する場合もありますが、私は分けてやってます。
砲塔上面のパネル溶接部分にも”スミ”を流し込んでおきます。各種モールドが浮かび上がってメリハリが出るようになりました。
はみ出した部分は溶剤(ウェザリングカラー専用うすめ液)をつかって拭き取りますが、砲塔上面やサイドスカートなどはボサボサの毛を使って流すことで「雨だれ」も一緒に再現しました。
ドライブラシ
モールドの根本や窪みを暗くしたので、今度は逆に表面を明るくします。
タミヤエナメルのデザートイエロー、ダークイエローを順番で使い、段階的にパーツの明度をあげます。
ドライブラシはその名の通り、一度筆にとった塗料をティッシュなどでギリギリまで拭き取り、わずかに残った塗料をパーツにこすり付けることで微細な変化を付与する技法です。
…知ってるって人がいたらスミマセントー巡航戦車。
パーツのエッジを中心にこすり付けるように塗るので、筆はやや固めでコシのあるタイプを使います。
…が、私が使う筆の大半はお好み焼きにソース塗る時に使うハケを小さくしたようなヤツばかりなので、そろそろドライブラシ用の筆も買っておかないとなーと思いつつ早3年。
まぁ専用の筆を買わないのは“お好み焼きのハケ”でも十分ドライブラシ出来てるからなんですけどね。
チッピング
次は「チッピング」で車体のいたるところに塗装の剥がれを再現します。
今まではサフ(オキサイドレッド)と離型剤のコンボで再現していましたが、今回は離型剤を塗るのを忘れてたので、チッピングだけで再現。
ほんで、使う塗料はファレフォモデルカラーの「ジャーマン カムフラージュ ブラックブラウン」。こいつをスポンジにつけて、チッピングしたい場所に押し付けます。
するとこんな感じに小枝が当たって塗装が剥がれたような質感を再現できちゃうのです。
スポンジは紙にテストしてから車体に押し付けるのが無難。塗料が多すぎると「粒」になってしまい、やたら立体感のある「剥がれ」になってしまうのです。
また、ハッチ周辺のようにスポンジだとコントロールが難しい場所は、面相筆でチョンチョンと描いておきました。
履帯や足回りを汚す
さてさて、これが最後の作業です。履帯を土や泥で汚します。
この履帯の汚しが戦車模型の醍醐味と言われております。戦車ですから普通の車が走らない場所を走らないといけない関係で汚れまくるわけですからね。
ただ、戦車プラモ作りの醍醐味は履帯以外にもありまして、私にとって戦車模型の醍醐味とは、キットを開けて中身を眺めてニマニマしてるときです。
…そんなだから戦車1つ作るのに9ヶ月もかかるんですよねハイ。
話を履帯汚しに戻して、使うのはMr.ウェザリングペーストのマッドブラウンとマッドホワイト。そしてペーストを薄めるMr.ウェザリングカラー専用うすめ液。
初期のころは100均のパステルとアクリル溶剤を使って汚してましたが、このウェザリングペーストを使った方が楽に履帯を汚せるので、今ではこちらがスタメン。
まず溶剤で薄めたマッドブラウンを履帯の窪みめがけてペタペタ塗っていきます。そして半乾きになったら今度はマッドホワイトという具合に色をつけました。
そんないい加減なやり方でも、上の写真のように良さげな汚れが再現できるのだから、Mr.ウェザリングペーストは偉大なのである。
合わせてサイドスカートやフェンダー、サイドスカートが装着されてない部分の側面板も汚します。
「履帯は汚れるもの」という先入観から、履帯や転輪はクッチャクチャに汚したくなるところですが、書籍などで戦車の写真を見てみると、意外に汚れていなかったりします。
冬の東部戦線となれば話は別かもしれませんが、今回のキングタイガーの投入時期が9~10月ぐらいなので、泥団子になるにはまだ早いかな? 読者の中にゲオルギー・ジューコフ君いたらイギリス経由で教えて下さい。
なお、履帯の出っ張っている部分は薄め液つけたティッシュで拭き取りました。
キングタイガー 完成!!
最初のキングタイガーのキットの紹介記事を投稿したのが2018年10月6日で、キングタイガーが完成したのは2019年7月16日なので、実に9ヶ月以上もかかった製作日記となりました。
確かにキングタイガーは大きな戦車ですから、生産に時間がかかるかもしれません。しかしTwitterでフォローしてるモデラーさん達は、9ヶ月の間に2輌3輌と重戦車をポコポコ生産されております。ソ連やアメリカなみの生産性。
ともなると我が兵器工場も生産体制を見直す必要があり、そもそも何にそんな時間がかかるのかと言うと、塗装が面倒という、工場ではなく人間に起因するものという。
グデーリアン(秋山殿の方)が聞いたらメソメソ泣き出すレベル。
キングタイガーのギャラリー
終わったことを悔やんでもしょうがないので、恒例通り完成したキングタイガーの写真をアップします。いっぱい眺めていってちょ。
ででん。こちらが9ヶ月以上かかったキングタイガーでございます。
砲身は金属砲身をつかいましたが、重量で垂れ下がるといった不具合が発生したので、砲塔内部に隠れる部分にオモリを貼り付けて対処。
車体側面に取り付けられるOVMの受け具はエッチングパーツ or プラパーツを選べますが、クランプ部分の製作がムリゲーだったので、プラとエッチングを使い分けました。
これをそつなく組める人は尊敬します。
フィギュアも乗せてみる
キングタイガー用に作った戦車兵のフィギュアを乗せてみるとこんな感じになりました。
今回のドラゴンのキングタイガーにはフィギュアは付属しないので、以前買ったタミヤの『ドイツ国防軍 戦車兵セット』から起用しました。
今までフィギュアを乗せる場合は車長だけでしたが、今回は通信手と操縦手も参戦。
左斜め前から撮影。
車長とタケベ通信手は単体で乗せることができましたが、操縦手は形状の関係で車体内側から頭を通し、両肩を車体内側に接着してホールドさせました。
今まで作った戦車と一緒に撮影してみた
こちらも恒例の今まで作った戦車模型との集合写真。
ただ今回は趣向を変えて、整列させた戦車の前を横切るようにキングタイガーを置いてみました。
分かる人には分かる構図ですが、今回のキングタイガーを製作する上で参考にした「ドイツ週間ニュース 736号」のワンシーンをイメージした図です。
こうやって並べてみると色々作ってきたなーって感慨深いものがあります。
最初の頃は「対空戦車」ばかり作っていました。
…”作ってきたなー”は良いですが、重戦車クラスのデカいやつばかり作ったせいで買った戸棚が満員御礼になってしまいました。キングタイガーはみ出とる…。
また、左側に置いてある灰色の物体は、キンタを塗装するまでに「つなぎ」で作ってた「パンターD型 V2」です。次はこやつの製作を再開するわけですが、完成する前に置き場所どうにかしないと…。
というわけで、オチは無い(キンタは落ちそう)キングタイガー製作日記でした。次回からはパンターの製作を再開しますので、合わせてお読み下さい。