今日も元気にドラゴンのキングタイガー(ヘンシェル砲塔)の組み立ての続きをやっていきます。
前回のキングタイガー製作日記で車体が組み上がりましたので、今回の組み立て内容は
- 車体の側面にOVMを追加する
- 車体上面後部のエンジンデッキにメッシュパーツを取り付ける
というものになります。この作業が終われば「車体はオシマイ、次は砲塔!」となります。
問題はOVMだ。
ことドラゴンのキットでは牽引ロープ用の金属ワイヤーが付属したり、各種OVMの留め具をエッチングパーツで作ることが出来ます。とてもリアルです。
ムチャクチャ神経使うけど。
OVMはともかく、OVMを固定する留め具はエッチングパーツかプラパーツかの選択式ですが、エッチングを選んだ時の難易度が尋常じゃないくらい高いのです。
発狂しかけました。
………というのが今回のキングタイガー製作日記もとい悶絶日記です。皆も読んで一緒に苦しもう。
なお、キングタイガー製作日記の過去記事は以下から読むことが出来ます。
OVMのエッチングパーツで苦戦する
「よーし、車体が完成したで次いくで次ぃ~!」
そう思いながら説明書の次の項目を見ていました。
なんかエッチングパーツだらけなんだけど………?
牽引ロープの先端を固定する留め具が4つ、ロープの途中を固定する金具が4つ、そしてOVMを固定するクランプ(留め具)に至っては7つも作れと仰せ。
しかもこの固定クランプ、よく見ると細長いハンドル(MA31)の穴に台座(MA14)と軽く曲げたカバー(MA15)を通せというムチャクチャ細かい作業を要求しよる。
んなもん7つも作れるかバカwwww
………となった。正直に言うと1つも作れる自信がない。
エッチング用のツールを揃えた
「物事の成否は事前の準備にかかっている」
…昔読んだ本にそんなようなことが書いてあったので、とりあえずエッチングパーツを組み立てるのに使えそうなツールを買い揃えました。
ちなみに買ったツールは以下の4点。
なんかもう、プラモ沼って感じがしますが、どちらかと言うとエッチング沼です。完全にドツボにハマってます。ジョージもペニーワイズにドン引きされるレベル。
とりあえず、三種の神器ならぬ四種の神器を使ってエッチングパーツをガチャガチャ組み立てることにします。各々ツールの解説も交えつつ。
「エッチングバサミ」で切り離しが楽ちん
まず最初に使うのは「エッチングバサミ」。鼻毛をカットするやつではありません。
今まではデザインナイフでバズンと切り離していましたが、エッチングバサミだと従来のパーツの切り離しと似たような感覚でエッチングパーツを切り出せます。
刃先が細いので、エッチングパーツ特有の狭いゲートにも刃が入ります。
ただ、挟んでランナーから切り離すという関係で、従来のプラパーツの切り離しと同じように、パーツに負荷がかかりやすい点に注意。
プラパーツと違いエッチングは薄いので、下手に力が加わると簡単にクニャッとヒン曲がります。特に網状のパーツはほぼ確実に折れ曲がる。
なのでそういうパーツは従来通りナイフで切り離すなど、臨機応変な使い方が求められます。
「ダイアモンドヤスリ」でパーツをへし折らずにバリ取り
切り離したエッチングのバリ(ゲート)の処理は「エッチングヤスリ」で行いました。
いわゆる「ダイヤモンドヤスリ」という粒子が細かく硬いヤスリなので、従来のヤスリのようにゲートが引っかかってパーツが引っ張られる(=パーツが曲がる)という惨劇を回避できます。
とはいえ、エッチングヤスリでも引っかかる時はあるので、力加減に注意するに越したことはありません。
「ピンセットベンダー」で小さなパーツもラクラク曲がる!
今回買ったエッチングパーツに特化したツールはいずれも使い勝手の良いものですが、その中でもこの「ピンセットベンダー」は特に作業がはかどりました。
これまでエッチングを曲げる時は金属の定規を使ってクニッとやってました。ある程度大きなパーツだと問題ないですが、極小パーツとなると定規が入りません。
一方、このピンセットベンダーは小さなパーツをつまむ「ピンセット」に、パーツを折り曲げる「ベンダー」要素を追加したもの。
なので今回のOVMやロープの留め具のような、ゴマ粒より小さいパーツを曲げろという鬼のような要望にも対応できる。
ピンセット先端が角ばってるので直角に曲げるのはお手の物。これホント楽。
細かい作業はスタンドルーペで
「そこはタミヤのヘッドルーペ じゃねーのかよ!」と突っ込まれそうですが、スタンドルーペです。
詳しいことはいつか別の記事で書こうと思いますが、レンズ径11cmで2.5倍と5倍に拡大できるスタンド式ルーペで、LEDライトもついている。
写真では分かりづらいですが、あのクソちっせぇエッチングどもが大きく見えるので、発狂しそうなくらい細かい作業もこれなら大丈夫………だと思う。
なにより拡大鏡なので、撮影時にデジカメの前に置くと2倍率のコンバーターとして使えます(画質落ちるけど)。マクロですら悲鳴を上げてたエッチングもこれなら撮影できるのです。
……………で、何でヘッドルーペにしなかったかと言うと、あいつ高いんだよ…。
ツールを駆使して出来たのがこちら
そんな具合にツールを駆使して牽引ロープを保持する留め具(受けの部分)が出来た。
通常、エッチングパーツは瞬間接着剤を使って固定(組み立て)ますが、こいつら留め具は接着剤を使わずに組み立てろというもの。
つまり、パーツの折り曲げ具合や突起を穴に通して上手いこと組めというものです。ルーペ使っても小さいパーツを相手に!!
留め具の受ける側のパーツは車体に接着して、牽引ロープを固定してからバンド部分を装着します。
ここまでは問題なく出来てます。
OVMのクランプは早々に諦めた
ツール買った意味ねーじゃん!!
…ってなるわけですが、他の留め具パーツはともかく、このOVMのクランプだけはどう足掻いても今の私の技術では作る事ができませんでした。
ただ、クランプ以外の部分でもエッチングパーツは使われているので、そういった場所にはエッチングを使っています。
でも一応挑戦はした
…とはいえ、やりもしないで終わるのはどうかと思うので、一応やってみるだけやってみました。
しかし、あまりの難易度に必要数である7つどころか1つも作ることが出来ず、エッチングが折れたり紛失したりで、パーツを浪費するだけとなり挫折。
ということから今は深追いはせず、余剰パーツとして眠らせておき、来るべき時に再度トライしようと思います。
折り曲げて「受け」パーツをつくる
まずこちらは車体側につく「受け」のパーツ。
片側は直角に折り曲げ、反対側は斜めに折り、その先端にあるクランプのバンドを保持する「ツノ」もカクンと折り曲げる。
先端のツノ部分を曲げるとき、一緒に手前の部分も曲がらないように、ピンセットなどで押さえて動かないようにします。エッチングは何度も曲げるとパキッと折れるので特に注意したい。
ここでピンセットベンダー選手が大活躍。アンタ一は生大事にするわヨ。
「バンド」部分は緩やかなカーブを描く
こちらはOVMを挟むバンドにあたるパーツ。
元々はまっすぐのパーツですが、これを緩やかなカーブを描くように曲げる必要があります。カクンと折り曲げるのと違って曲線を描くのは加減が難しいのです…。
テープで固定した真ちゅう線の上にパーツ乗せて、少しずつ力を加えて緩やかなカーブを描いていきます。
ハンドルは片側を少し開いておく
こちらは留め具をロック、およびロックの解除をするためのハンドル部分です。
このハンドルの両端には穴が2つあり、そこに受け具とバンドの突起を通して固定するというものです。
文章にするとアッサリですが、これがムチャクチャ難しい。
個人的な話ですが、今までのプラモライフにおける作業の中で一番難しいと自信もって言えます(組み立ては全然自信ないけど)。
…で、ハンドル内側の穴に突起を通す関係で、ハンドルの片側は直角ではなく少し開いた状態にとどめておきます。
ハンドルの穴に受けパーツの突起を通す
小さなパーツをコチョコチョ動かすので、受けパーツが動かないように、粘着力を落とした両面テープの上に置いて作業をします。
本来はハンドル部分を両面テープに固定して、そこに受け具とバンドの突起を通して、フタをするようにもう片側のハンドルの穴を通すというものです。
………が、何十回トライしても成功する様子がなかったので、先に受け具をくっつけて、その後バンドを取り付け。というように路線変更しました。
…で、最終的にはこんな感じにOVMを固定するクランプっぽくなり、各パーツが正しい状態で固定されると実際のクランプのようにロックしたり解除したり出来ます。
ですが、ただでさえ組み立てが難しく、ちゃんと固定されてるかどうかアヤフヤなこやつを動かすなんて恐しすぎて出来ません。
ちなみに上の写真では上手くいったように見えますが、接着剤でくっつけてるので可動しません。もっというとテープから剥がす時にパーツが分離して苦労が水の泡。むごすぎ。
キンタ君はすくすく育ってます。#模型戦車道 #プラモデル pic.twitter.com/npOrD05D0F
— Matthew@たーびゅらんす (@mk12mod1) October 15, 2018
その後もトライしましたが全く上手くいかず、本当にジョージの予想通り、キングタイガーが来年4月どころか夏になっても完成しなさそうなので、先述の通り諦めて先に進みます。
それでも世のモデラーさんはこんな小さいエッチングパーツを組み立てちゃうのだから凄いなと思います。
私もいつかこいつをすんなり組み立てられる日が来るといいなぁと思いつつ、エッチングパーツをキットの箱にしまうのでした。
残念ながらOVMの留め具をエッチングパーツで作ることは出来ませんでしたが、今までの模型製作で浮かれていた私を戒めるいい経験となりました。
今後もプラモ作りを続け、こういった細かい組み立ても出来るようになりたいなと思います。
プラモデルに出会えて本当に良かったと思います!
………という建前を↑こんな顔で書いてます。
何故ペニーワイズかというと、(私の中で)流行ってるのと、あれだけツール揃えたのに留め具が1つも作れない自分が道化師のように見えたから。
さすがのペニーワイズも長ったらしい記事はオススメしないので、一旦ここで区切り、次のページで引き続き車体に工具類の取り付けを行います。