どうもこんにちは。
先日ようやくブロンコのフラックワーゲン君の可動式履帯の組み立てが終わり、次のステップに進むことが出来たのですが、次に作るOVM(車載工具)でもまた悪戦苦闘していました(更新が遅れたのはそのため)。
何をそんなに苦戦しているのかと言われると、とにかくパーツが細かすぎるのです。
ブロンコのフラックワーゲンは、このOVMにゴマ粒よりも小さいエッチングパーツを取り付けなければなりません。しかもただ取り付けるだけでなく折り曲げたりするのです。あんなクソ小さいパーツを!!
これがとにかくしんどい!
仕事帰りのヘロヘロになってる精神状態で挑んでみた結果、「あ、もう無理だわ。明日やろ」と、ジャッキ1つ作るのに2日かかったほどしんどかったのです。
そんなわけで、今回は可動式履帯以上に苦労したOVM(車載工具)の組み立てを紹介します。
↑今までのフラックワーゲン製作日記はこちらのカテゴリーでまとめました。
フラックワーゲンのOVM(車載工具)を組み立てよう
足回り、車体、履帯と続いて今回はジャッキや牽引シャックルといった、いわゆるOVM(車載工具)を組み立てていきます。
ブロンコのフラックワーゲンのOVMはとにかくパーツが細かく、並々ならぬこだわりを感じます。細部まで忠実に再現するために、プラパーツだけでなく、エッチングパーツもたくさん使われています。
特にこのエッチングパーツは薄い・小さい・細かいという、プラパーツじゃまず再現できない(成形できない)モールドを再現してくれると同時に、持ちにくい・接着しにくい・紛失しやすいというモデラー泣かせの三拍子でもあります。
それではこの究極に細かいOVMの製作を始めていきましょう。
説明書は6番目をやっていきます。
ページの上半分がOVM本体の組み立てで、下半分が組み立てたOVMやそれ以外のパーツをフラックワーゲン本体に取り付けていくといった流れとなります。
ここで組み立てるOVMは主に以下の3つ。
- ジャッキ
- 牽引シャックル
- ジャッキ台
プラパーツはもとより、エッチングパーツ(しかも小さすぎる!!)を使うので、とにかく指先に全神経を使う作業となりました。
それでは順番に組み立てをご紹介します。
ジャッキの組み立て
まずは戦車の足回りがトラブった際に車体を持ち上げる時につかう「ジャッキ」を組み立てていきます。
タミヤとかドラゴンだとせいぜい3~5点程度のパーツ数ですが、フラックワーゲンだと上の図を見てわかるように、とにかく細分化されています。
特にジャッキを車体に固定するための留め具にはエッチングパーツが使われており、留め具の上部は2箇所を折り曲げろとあります。
しかもその留め具には更に蝶ネジというゴマ粒くらいの小さなパーツを上に乗せます。
それではジャッキ本体を組み立てていきます。
ドラゴンやタミヤのジャッキの中心部は1つのパーツで出来ていますが、フラックワーゲンの場合だとここが左右2つに分かれるモナカ形状になっており、中にアーム部分のパーツを挟んで2つのパーツを貼り合わせます。
このアーム部分はジャッキを組み立てると隠れてしまう部分ですが、こういった組み立てながら内部の構造を知ることが出来るパーツは「おお、こうなってたのか!」と、作っていて新鮮な気分になります。
また、ジャッキの側面には作業時に兵士や整備士が持ち運ぶ際に握るための「持ち手」も再現されています。
今まで作ったタミヤやドラゴンのドイツ戦車を眺めてみても、この部分はデフォルメされているものがほとんどで、あったとしてもハンドルのようなものではなく、ボコッと突起になっているだけ。
なので、このジャッキを組み立てるまで、こんな持ち手が付いていることに気付きませんでした。
ジャッキをキリキリとアップさせる時に動かすレバーの上にはハンドルを取り付けます。
このハンドルは折りたたみ式になっていて、使用しないときは上の写真のようにパタンと倒せるようになってます。
今まで作ってきた戦車模型のジャッキにもこのハンドルはついていましたが、今回のフラックワーゲンではレバーとは別のパーツとして再現されていました。
出来上がったジャッキを説明書の指示に従ってフラックワーゲン本体へ取り付けます。
…んが、上の写真ではジャッキの下部が少しせり上がっています。これはジャッキ下部の出っ張り(=ゲート)をジャッキのモールドと勘違いして残したせいで嵩(かさ)が上がっているだけです。
取り付けたあとにようやく出っ張りがゲートだと気付いたので、慌ててひっぺがしてゲートを処理して再度取り付け直しました。
さて、ここからが本当の地獄の始まりだ。
ジャッキ本体の組み立てが終わったので、次はそのジャッキを車体に固定するための留め具を組み立てます。
先述の通り、この留め具はエッチングパーツで再現されており、薄っぺらい真鍮製の板を3つ組み合わせて作り、更にその上に極小の蝶ネジを取り付けるといったモデラーのHPをゴリゴリ削っていく作業となります。
まずエッチングパーツを「コ」の字に組み合わせる前に、上面のパーツをクニッと2箇所曲げるのですが、エッチングパーツには1箇所分のスリットしか入っておらず、もう1箇所は自力でやれと仰る。
で、定規などを駆使して直角に曲げようと試みたら、ポキッとエッチングパーツが折れてしまったので、上の写真のように歪(いびつ)な形状になってしまいました。
…まぁ遠くから見たら全くわかんないレベルなので気にしないことにします。
ちなみに金属のエッチングパーツは通常のプラモ用接着剤では接着出来ないので、「瞬間接着剤」が必要となります。
これまで色んな瞬間接着剤を使ってみましたが、今回はScotchの3Mを使ってみました。
耐衝撃とあるように、無茶なことをしない限り接着したエッチングパーツが取れることが無く、作業中に指や工具(主にピンセット)が触れたせいでポロッと取れて発狂してた私にとって心強いアイテムでした。
主にホームセンターなどで売ってますが、ドンキでも見つけたので、エッチングパーツで苦労してる人は試しに使ってみると良いかもしれません。
さてさて、組み立てた留め具は車体のモールド(突起)に合わせて接着します。
留め具の上部には極小サイズの蝶ネジを取り付けます。こいつもまたとにかく小さいので、ピンセットでつまむ際に弾いて紛失しないように注意します。
今回のパーツの大半が紛失するとまず見つからないので、最初から最後まで気が抜けませんでした。
同じようにもう片側の留め具も作っていきます。
金属の定規や板などを駆使して折り目を作ってやったら今度はうまいこと曲がってくれました。
あとはこれを一つ目と同じように組み立てて、留め具の脚の部分を車体の突起に合わせて接着し、頭に蝶ネジを接着。
留め具の上部をカクカクと2箇所曲げるのは、ジャッキの形状に合わせているからなんですね。組み立てながら理解しましたよ。
ひとまずこれでジャッキの組み立て・取り付けが完了しました。…信じられるかい?こんな小さいパーツ組み立てるのに2日もかかったんだぜ?
牽引シャックルの組み立て・取り付け
嗚呼、やっとこさ細かい作業から解放されると思っていたら、次の牽引シャックルでもまた細かい作業です。
シャックル本体は1つのパーツで再現されていますが、それを車体へ固定するラックでエッチングパーツが使われているので、そちらを組み立てていきます。
上の図を見ると、比較的大きなエッチングパーツをベースに、シャックルを乗せて上からフタをするように細長いエッチングパーツを取り付けるような感じですね。
見た感じ、ジャッキの留め具よりかは楽だと思います。多分。
まずこちらがシャックルを固定するラックのベースパーツです。
なんだかプラモデルのパーツというより電子回路のトランジスタみたいですね。
このベースパーツの左右にある脚を直角に曲げて、上の写真のようにします。
こういったエッチングパーツを曲げるときは、フリーハンドではなくそこそこ硬い金属やプラスチックの板などを使うとキレイに曲がってくれます。
また、何度も曲げたり戻したりを繰り返すと折れてしまうので、なるべく一発で決まるように確実に折り曲げます。
…まぁ仮に折れても瞬間接着剤でなんとかくっついてくれますけどね。さっきのジャッキの留め具のように。
そしてベースパーツの両端には上の写真のようにまた別のエッチングパーツを2つ取り付けます。
このエッチングパーツも片側は直角に曲げろと指示があるのでそれに従ってクニッとヒン曲げてやりました。
そして牽引シャックル2つをラックに乗っけます。
そのあとはジャッキの時と同じように、橋を架けるようにエッチングパーツを取り付け、丸い穴の部分に蝶ネジを接着します。
これで牽引シャックルの組み立ては完了です。やっぱりジャッキと比べると幾分か楽でした。
そして出来上がった牽引シャックルとラックを車体のフェンダー部分に取り付けて牽引シャックルの作業は終了です。
ジャッキ台の組み立て・取り付け
今度こそ細かい作業から解放されると思っていたのですが、次のジャッキ台もまたエッチングパーツを多用するようです。
しかも上の組立図を見るとジャッキ台の固定ベルトのバックル部分で今までにないくらい小さいエッチングパーツが使われており、ジャッキや牽引シャックルよりもやばいんじゃないの?…と、作る前から暗雲が漂っています。
ボヤいていても作らなければ先に進めないので疲れた脳と指先に鞭を打って作業に取り掛かります。
まず上の写真がジャッキ台本体のパーツ。タミヤとかドラゴンならこの1パーツを車体へ取り付けるだけで終わるものをブロンコはやたら拘ってくれるようで、ここに5つもエッチングパーツを取り付けろという。
また、単にパーツ数が多いだけでなく、ジャッキ台本体パーツにも持ち手部分のモールドが入っているなど、相変わらず細かい所までしっかり作り込まれています。
さて、組み立てなのですが、まずはジャッキ台の両脇に細長いエッチングパーツを巻きつけるように接着します。
この手の形状のエッチングパーツは一度に全部取り付けようとせず、まず一辺だけ貼り付け、1分ほど経過したら、ピンセットなりプラ板なりで上からギュッと押し付けてしっかり密着させます。
そしてエッチングパーツを折り曲げて接着する…といった感じで取り付けてみました。
プラスチックと金属ということで、プラパーツ同士と比べると接着しづらいものなので、慌てず焦らず一箇所ずつ確実に接着していきます。
続いて、持ち手のモールドが入っている部分にも折り曲げたエッチングパーツを取り付けます。
説明図によるとこのエッチングパーツは完全にペタッと貼るのではなく、少し浮かせるようです。…ただ、浮かせすぎると今度は車体のリブに引っかかるので”適度に”浮かせます。
その上にはジャッキ台を固定するベルトのバックル部分を模したエッチングパーツを取り付けます。
小さいパーツではありますが、特に曲げたりするわけでもなく、ただ上に接着するだけなので、わりと楽でした。
さて、こちらが本日の最凶パーツです。
今まで作ってきたどの戦車模型のどのパーツよりも小さい超極小エッチングパーツです。あまりに小さいのでもはや削りカスかと思うほど。
この薄くて小さい鬼畜パーツを先程のバックル部分に重ねるように乗せろというのですが、あまりに小さいのでピンセットで掴むのも大変だし、掴んだ後にポロッと落下して紛失しかけるし、乗せたあとにピンセットにくっつく。
兎にも角にも苦労した。
それでも極小パーツとの死闘を経てようやく取り付けが完了しました。カメラさんも「これ以上近づけないよ!」と悲鳴あげるくらい小さいパーツですハイ。
…というかどこに取り付けたかわかんないくらい小さいし、こんなに小さいとあっても無くても変わらないんじゃない?というレベル。
そんなジャッキ以上に苦しめられたジャッキ台もなんとか完成したので、フラックワーゲンのフェンダーに乗っけます。
ただ、上の写真を見てわかるように、ジャッキ台のエッチングパーツを浮かせすぎると、フェンダーのリブに引っかかってしまうので角度は微調整します。
そして散々苦労して取り付けたエッチングパーツもリブで隠れて目立たなくなってしまうという…。オラなんだか切ないゾ…。
なんというか、ディテールアップというよりは純粋に高難易度(細かい作業)の組み立てを楽しむという側面が強いOVMでした。
ボッシュライトの組み立て・取り付け
やたらめったら細かい作業を要求するOVMはジャッキ台が最後で、残る作業はこれら鬼畜OVMと比べると楽なものばかりなので、このまま組み立てていきます。
説明書は同じく6番目の下半分をやっていきます。まずはボッシュライトの組み立てからスタート。
こちらがボッシュライト本体。
正面にある光を絞るカバーと、ライト本体部分の前後2つのパーツで構成されているので、それらをペタンと貼り付けるだけでOK。あぁ楽だ。ものすごく楽だ。
なお、よーく見るとライトの正面上部に「Bosch」と、ロバート・ボッシュ社のロゴが入っています。相変わらず細かいなぁ~。
ボッシュライト後部には細長いエッチングパーツを上の写真のように取り付けます。最初このパーツは持ち運ぶときに握るハンドルかと思っていました。
ところが実物のボッシュライトを見ると、どうやらこれは光を絞るためのカバーをライト本体に固定するためのレバー(カム)のようです。
このレバーを上の写真のように倒すことで、カバーの取付具が締まるようになっているみたいです。外すときはクイッと起こせば多分外れます。
そんなボッシュライトは左フェンダーに取り付けます。
今までは伸ばしランナーとか銅線でライトの配線を追加していましたが、フラックワーゲンには最初から配線のモールドが入っているので加工する手間が省けました。
というわけで「組み立て」を要するOVM類の組み立てはここまでです。
あと残っているのは、切り離したパーツを直接本体に取り付けるだけの簡単なものばかりなので、こちらはまとめてご紹介します。
その他のパーツの取り付け
説明書の6番の残りの工程は、切り離したパーツを本体に取り付けるだけの簡単なものなので、まとめて紹介します。
まずこちらは牽引シャックルの横に取り付けた手斧。留め金のホール部分もしっかり再現されています。
ちょっとわかりづらいですが、こちらはバールのようなもの。
このバールには先端に「く」の字に曲げたエッチングパーツを取り付けます。
説明書を見た段階では「なんのパーツだこれ??」となってましたが、実際に取り付けると「あぁ、バールの先端につける保護具なんだな」とわかりました。
説明書を見るだけじゃわからず、組み立てている時に理解することって結構ありますよね。
こちらはフェンダーのヒンジです。細長いパーツなので、切り離したり整形するときに折れないように注意しながら扱います。
そういったデリケートなパーツに限ってイヤな場所にゲートがついておる。
このままダイレクトにバツン!とランナーから切り離そうものなら切断時の歪みでパーツがヘシ折れてしまうので、ちょっと遠回りをしてランナーごと切り離しました。
手間はかかりますが、パーツを破損させるよりかはマシなのです。急がば回れというやつです。
そして最後に車体中央に ちゃぶ台 Flak41の砲架を取り付けるための基部パーツを接着します。
なお、噂によるとFlak41砲架の軸に対して、この基部パーツの穴の径が大きいため、Flak41が前傾になってしまうとのことです。
なので、もしも取り付ける際に穴がガバガバだったら、Flak41砲架側の突起にプラペーパーを巻いて軸の直径を増やしてみようかなと思います。
さてさて、これで説明書の6番目の工程も終了しました。くぅ~疲れました!
まとめ 史上最凶のOVMでした
今回は主に車体へ取り付けるためのOVM(車載工具)の組み立てと取り付けをメインに紹介しましたが、フラックワーゲンのOVMは間違いなく今までの戦車模型のなかで最凶です。
本来なら別途で購入するエッチングパーツですが、フラックワーゲンの場合、それら細かいパーツが最初からついているので、キットのパーツだけでディテールアップが出来るのが魅力です。
しかし、細かい場所まで忠実に再現するということは、細かいパーツを取り付ける精密作業が求められるので、そういった作業に慣れていない私にとっては「悪戦苦闘」でした。
それでも無事にパーツを取り付けることができたので、今は謎の達成感で一杯です。
おまけ。フラックワーゲンにサボリーマンを乗っけてみる。こういう幅広なプラットフォームには何かしらフィギュアを乗せたくなるものです。
ただ肝心のフラックワーゲンにはフィギュアは付属しないんですよね。物足りないと思った人は別途で購入して乗せてあげましょう