ようやく4号戦車 J型が完成したから、残りの作業を紹介するんだ。内容としては、迷彩塗装後の残った作業を一気にやって完成させるというものです。
- デカールの貼り付け
- OVMの塗装
- ウェザリング
- 完成
- 戦車長フィギュアの追加
- 過去の完成品と並べてみた
といった内容。
当ブログではやたら写真や画像を多用する関係で、やたら縦長になってしまうので、2~3ページに分割しています。ご了承ください。
なお、今までの4号戦車 J型の製作については以下から読むことが出来ます。
デカールを貼り付ける
まずはデカール貼りから行いました。
人によってはデカール貼りはウェザリング後にやる場合もありますが、私はウェザリング後だとデカールだけ真新しくなって不自然と思うので先に行います。
デカールの内容について
こちらが今回のキットに付属するデカール。
ドイツの国籍マーク「ヴァルケンクロイツ」に加え、1、2、3、7といった砲塔番号、砲身の防盾側面に描かれた「Lustmolch」を再現したものまであります。
また、「ILE DE FRANCE」という文字や、フランスの国籍マークのデカールもあり、こちらは大戦後期にフランス軍によって鹵獲された4号戦車を再現したい人向け。
あとは白くて細長い帯状のデカールがあり、これは砲身に描くキルマーク。歴戦の車輌に貼ってあげましょう。
また、「vB」というのは、第111戦車旅団の第2111戦車大隊の旅団長フォン・ブロンザード大佐のイニシャルとのこと。今回のJ型でも再現できます(説明書の塗装例の上から2番目がそれ)。
まずは国籍マーク
ということで、まずはどの車輌を再現する場合でもたいてい貼っつける国籍マークを砲塔に貼り付けます。
デカールをカッターで台紙ごと切り離し、水の上に浮かべて30秒ほど放置します。
その間にデカールを貼り付ける砲塔シュルツェン側面には「マークセッター」を塗っておきます。こいつがあればデカールが剥がれる心配はナシ。
初期~中期の4号では国籍マークは車体上部の側面に描かれてましたが、G型後期以降になるとシュルツェンが装着されて隠れるので、砲塔シュルツェン側面に変更されました。
さて、水揚げしたデカールは一度ティッシュペーパーの上にワンバウンドさせて水気をとり、ピンセットなどで優しくデカールを台紙からずらします。
うまくいかない場合は再度沈めます。
そしたらペタンと特定の位置に貼り付け、ピンセットで優しくポジション調整。無理に動かそうとすると破れるので水気を与えてゆっくり動かします。
位置調整が上手く行ったら綿棒で上から優しくトントンと押してデカールを密着&水気を取り除きます。
国籍マークは砲塔シュルツェン後部にも貼り付けます。
ただし砲塔シュルツェン後部にはボルトのモールドがあるため、普通に貼り付けただけでは浮いてしまって立体感がありません。
なので、デカールを貼った後に「マークソフター」を上から塗り、デカールを柔らかくして、綿棒で押し付けてモールドやスリットに馴染むようにします。
キルマークも入れてみた
特定の車種だと国籍マークのほかに砲塔番号やら部隊マーク、特定車種のみに見られるマーキングなどがあります。しかし不特定の車輌を再現するとなると国籍マークだけとなりなんだか寂しく感じます。
なので、敵車輌を撃破した数をあらわす「キルマーク」のデカールを砲身に貼り付けます。貼り付けの流れは国籍マークのときと同じ。
キルマークはぺたんと一辺を貼り付けると勝手にクルリと巻き付いてくれます。ただ、向きを注意しないと両端がズレて変なキルマークになるので注意。
「Lustmolch」も貼り付けてやった
箱絵に描かれた迷彩とは違いますが、箱絵のJ型の砲身スリーブに描かれた「Lustmolch」のデカールも貼り付けることにしました。
この「Lustmolch」が描かれた車輌はマウケ戦闘団の第115戦車大隊・第3中隊の所属とのこと。実物の写真もあり、車体上部の正面から側面にかけて追加装甲として予備の履帯が装着されているのが特徴でした。
また、この個体は砲身には1本キルマークが入っており、上述のキルマークを追加したのもこのため。
だけど特定の単語や女性の名前を書いた4号戦車は散見されるので、「不特定車輌にも書いてた」ってことにすればOK。
余談ですがドイツのジンスハイム自動車・技術博物館にも砲身に「Lustmolch」が描かれたヘッツァーが展示されてたりします。
なによりLustmolchだぜ? 助平なんだぜ?
OVMの塗装
続いて、車体に乗っているOVM(車載工具)の塗り分けを行います。
OVMの塗装とはハンマーとかスコップといった「鉄」と「木」で出来たモノの塗り分けとなり、つかう塗料(色)も人それぞれですが、私は「戦車装備品[OVM]の仕組み」を参考に選んでます。
「鉄」はアクリル塗料で
で、その「OVMの仕組み」はどういった塗装なのかというと、まず「鉄」の塗装にはアクリル塗料の
- フラットブラック
- フラットアース
- レッドブラウン
これら3色(黒は多め)を混ぜ合わせて作ったズングリと鈍く重量感のある「黒茶色」を塗ります。
この「黒茶色」というのは非常に汎用性が高く、OVMの金属部分だけでなく履帯の塗装にも使えるため、あれこれ塗料を買い揃える手間が省けて助かってます。
まず車体側面の予備履帯を塗装。先述の通り、3色を混ぜて作った「黒茶色」はOVMだけでなく履帯でも使えます。
ただ、ラックに引っ掛けてある上にシュルツェン架があるので、車体前面にある予備履帯と違ってかなり塗装しづらいです。また塗り残しが無いよう様々な角度から要チェック。
同じようにスコップのブレードや手斧、各種工具の金属部分も塗り分けます。
面相筆を使ってゆっくり、毛細管現象をうまく利用して、境界までキレイかつハミ出ないように。
「木」は下地にアクリル塗料・仕上げにエナメル塗料を使う
一通り「鉄」を塗り終わったら、今度は「柄」となる木の部分の塗装をします。上の写真でいうエンジン始動クランクや手斧の「柄」がそれ。
鉄と違って木はアクリル塗料とエナメル塗料を使う2段階の塗装をし、まずはアクリル塗料の「バフ」でベースとなる色を塗ります。
それ以外は基本的に鉄の時と同じですみっこまではみ出さずに塗るわけですが、いかんせんシュルツェン架のせいで塗りづらいことこの上なし…。
ジャッキ台も同じようにバフで下地を。
…なのですが、このジャッキ台は台である木とそれを留める金属のバンドが交互に来る構造なのでめちゃくちゃ塗りづらい。その上シュルツェン架もあって最凶クラスの塗りづらさ。
こんな状況でハミ出さずに塗るの無理っしょ!ってなるのが人の理ですが、通常よりも薄くして流動性が増した塗料で「毛細管現象」を利用して、スーッと流し込むように塗ることで上手いことハミ出さず端っこまで塗装ができちゃうのです。
ただし、流動性が増しているので筆に含んだ塗料が多いとコースアウトしてエラいことになるので注意。面相筆など細い筆を使って少しずつ塗りす。
下地を塗ったら次は仕上げ塗装をします。
この仕上げ塗装で使うのはエナメル塗料の「レッドブラウン」と「クリアーオレンジ」を混ぜたもの。これを薄くしたもので木目やニスを再現します。
これも面相筆のようなほっそい筆で線を描くように塗ることで木目が描けてより「木」っぽくなるとのこと。ただ私は下地が透ける程度に薄くしたやつを全体に塗ってニスっぽくした方が映えそうな気がします。
…さて、長くなったので、一旦区切ります。次のページではウェザリングをご紹介します。