あれは2016年のクリスマスの日でした。
いつものように「ドイツ戦車の模型ないかなー」と探していたら、アマゾンにて戦車模型のキットを詰め合わせた福袋たるものが販売されていました。
この手のプラモ福袋はいくつか種類があったのですが、そのうちの一つにドラゴンのドイツ戦車のキットが3つ入った福袋を発見。
「こりゃ運試しに買ってみるか」となってポチったのが昨年12月の25日。年末年始は休業とのことなので、10日以降の配送になり、本日ようやくその福袋が届いたので開封してみました。
ホビコレの福袋とは
福袋の中身よりも先にこの福袋がどういったモノなのかを説明しないといけませんよね。
模型作ってる人なら聞いたことがある「ホビコレ(ホビーコレクティブ)」という、模型関連の通販サイトが販売する福袋のことです(運営会社:有限会社プラッツ)。
関連サイト プラモデル通販専門店【ホビコレ】
私はドイツ戦車が好きということもあり、ドイツの戦車模型のキットが3箱詰め合わせの福袋を購入しましたが、先述の通りホビコレの福袋にはいくつか種類があり、
- ドラゴン製の連合軍(国籍問わず)の戦車キット
- ドラゴン製のドイツ軍車両キット(戦車ではない)
- プラッツ製(ベースはドラゴン)のガルパン戦車キット
- ドラゴン、イタレリ(World of Tanks)、プラッツ(ガルパン)の戦車キットごちゃ混ぜ
- 各国の兵士フィギュアキットの詰め合わせ
などがありました。
もちろん「福袋」なので中身は開封するまでわかりません。文字通り「福袋」を引き当てる人もいれば、いわゆるハズレな「鬱袋」を引く人もいるかもしれません。
この「開けるまでわからない」が福袋を買う楽しみです。
なお、現状ではドラゴン(および同社ブランド『サイバーホビー』)の模型の多くは在庫なしのモノが多く、アマゾンなどで見かけてもプレミア価格(転売価格)がついているほどで、定価の2~3倍の価格だったりします。
なので、安く入手したい場合はヤフオクなどで流れてくるのを待つしかないという状態でした。
私は「ドラゴンのドイツ戦車なら何でもいいや」って思っている者です。なのでどんなマニアックな戦車でもバッチコーイです。…モチロン「コレだったら良いなー」って願望もありますけどね。
…さて、前置きはここらへんにして開封してみます。
福袋を開封します
ということでお待たせしました。福袋を開封して中身を確認してみます。
ただ開封するだけでなく、模型の元ネタとなる戦車がどういったものなのかという解説も簡単にまとめてみたので、購入の参考になれば幸いです。
余談ですが福袋とはいえ入ってるものは四角い模型のキットなので、袋ではなく段ボール箱に詰められていました。福袋というより福箱といったところです。
さすがにドラゴンのキットが3つ入っているだけあって、箱のサイズはなかなか大きい。もうこの時点でワクワク感がハンパないです。
ではでは、いざ開封!!
一つ目は『4号戦車 G型 LAH師団 ハリコフ 1943』
まず最初は『4号戦車 G型 LAH師団 ハリコフ 1943』というキット。
「4号戦車」は第二次世界大戦中のドイツで最も多く生産された戦車です。そのためあらゆる戦場に投入されたため、多彩なバリエーション、多彩な情景の再現が可能なドイツ戦車の一つで、モデラーの間でも人気の戦車です。
そして最近ではガルパンこと「ガールズ&パンツァー」でヒロインたちが乗っていた戦車ということもあり、モデラーだけでなく、ミリタリーマニアやガルパンおじさんの間でも知名度が向上しています。
また、ドラゴンのキットは1つの戦車だけで複数のバリエーションがあり、たとえばドイツ戦車の場合、
- 実物戦車そのもののバリエーション(A型とかH型とか)
- 「ツィンメリットコーティング」の有無
- 製造された時期(初期型、中期型、後期型などと呼ばれるもの)
- 配属された地域・部隊(アルデンヌ、バルジ、LHAなど)
- その他車体のバリエーション(コマンドバージョン、ポルシェ砲塔など、本来の車両と一部仕様が異なるなど)
…などなど、幅広くキットが存在するので、再現したい車体や作りたいジオラマに合わせてキットを選べます(そのせいで器用貧乏になって在庫が少ないのかもしれませんが)。
先述の通り4号戦車はドイツで最も多く生産された戦車ということで、バリエーションもA型からJ型まであります。そう考えると「4号戦車」のキットだけで相当な数になりますよね。
そしてこの4号戦車G型の特徴としては、キット名にもあるように、1943年のハリコフで活躍したLAH師団が使用した車両を再現しているところにあります。
ハリコフ(ハルキウ)とはウクライナ東部の地名で、キエフに次ぐ第2の大都市。このハリコフを巡ってドイツ軍とソ連軍は1941年~1943年の間に4度に及ぶ攻防戦を繰り広げました(ハリコフ攻防戦)。
キットには1943年とあり、箱絵の雪が描かれていることから察するに、第3次ハリコフ攻防戦(1943年1月~3月)の頃かと思います。
ともなれば、この戦車を再現するなら従来のような迷彩塗装に加え、白い冬季迷彩も施し、ウェザリングも従来の砂汚れから、雪が混じったドロドロの汚れにするなど、同じドイツ戦車でも今までとは塗装内容が変わってきそうです。
作る前からこれほどまでに想像が膨らむので作るのが楽しみです。
二つ目は『パンターD型 V2』
「5号戦車 パンター」の最初の量産型であるD型のキットです。
通常、バリエーションはアルファベットのAから始まるのですが、このパンターの場合はDから始まり、A型、G型、F型、そしてパンター2と続きます。
そんな最初の量産型のパンターD型の「原型」となったのが試作2号車を意味する「フェアズーフス・パンターV2(Versufs Panther V2)」というわけです。
パンター戦車の開発はダイムラー・ベンツ社をはじめ、クルップ社、MAN社などが参加しましたが、1941年11月末にダイムラー・ベンツ社とMAN社の2社に設計が発注されます。この設計の計画名称は「VK3002」と称されました
…というのがパンターの誕生経緯なのですが、このキットはパンター試作型である「VK3002(MAN)」を再現したものとなります。
なおパンター戦車シリーズもドイツ戦車特有の「ツィメリット・コーティング」が施された車両の1つですが、このパンターV2は時系列的にツィメリット・コーティングが制式化される前のものとなります。
ドラゴンの模型は細かいパーツが多く、しかもパンターのコーティングの模様は従来のギザギザ模様ではなく、碁盤のようなモールドなため、パテ盛ってモールド刻むのはなかなか難しいのです。それだけに少し安心した自分がいます(笑)
前項の4号戦車、過去に作った6号戦車(ティーガーI)、そして5号戦車パンターという具合に4、5、6と揃いました。やったぜ。
↑「パンターD型 V2」の製作日記はこちらから読むことができます
そして最後の一つはまさかの…
4号戦車、パンターと、メジャーな戦車を相次いで引くことが出来て、今回の福袋はアタリを引いたと思っています。
となれば、最後の1つもきっと良い戦車模型に違いない!
………と思ったのですが、
また貴様かオストヴィント!!
まさかのオストヴィントですよ。なんてこったい!!
前2つのキットでも「おおっ!」ってなりましたが、過去に作ったことのあるオストヴィントを引いた瞬間、前2つを遥かに上回るインパクトでした。
ドラゴン(サイバーホビー)の「4号対空戦車オストヴィント」は私の戦車プラモ人生において2作目の模型となります。
関連記事 サイバーホビー(ドラゴン)の 「4号対空戦車 オストヴィント」を買ってみた
余談ですが、戦車模型作る以前から「好きな戦車はなんですか?」と言われたら数ある有名な戦車たちを押しのけて「オストヴィントです」と答えるくらいオストヴィントが好きでした。
それだけに「いつかもう1個作りたいなぁ」と思っていたのですが、まさかここで2個目に出会えるとは思いもしなかった。
オストヴィントもドラゴンの場合、ツィメリットコーティングの有無(厳密に言うとG型の試作かJ型の量産型かの違い)でキットが2種類ありますが、今回もツィメリットコーティング版ということで、前に作ったものと全く同じ。
念のため中身を確認しても同じでした。ホント運命としか言いようがない。
なおこのオストヴィントは、ツィメリットコーティング仕様ということで、IV号戦車G型の車体を転用した「試作型」というわけです。つまり福袋にはG型が2つ入ってたわけです。
【完全な蛇足】オストヴィントが好きな理由
そもそも戦車模型に触れる前から「オストヴィント」というかなりマニアックな戦車(対空戦車)をどうして知ってるのか、読者にとっては正直どうでもいい話ですがお教えします。
当時私はニコニコ動画で『バトルフィールド1942』という第二次世界大戦をテーマにしたFPSのプレイ動画を見ていました。
古いMMOゲームですが、第二次世界大戦で登場した戦車、航空機、戦艦、砲、銃火器など、非常に多彩な兵器が登場し、非常に幅広い戦術が楽しめるゲームゆえに現在でも人が集まっています。
特に、計画だけで試作すら至らなかった、あるいは採用されたけど製造数が極めて少ないマニアックな兵器が登場する『FHSW』というMODの動画を見て「ワイもやってみたいんや!」ってなりました。
そこでまずバトルフィールド1942のデモ版をDLしてオフラインで遊んでみました。
デモ版のHELLENDOORN(ヘレンドーン)というマップで登場したのがオストヴィント…ではなくヴィルベルヴィントでした。
対空戦車という、敵の航空機を妨害したり撃墜するというロマン戦車なことや、独特な形状の砲塔、そしてドゥン!ドゥン!と重低音響かせながら放たれる砲弾の音は瞬く間に私を虜に。
そしてヴィルベルヴィントの後継種(厳密に言うとヴィルベルヴィントではなくメーベルワーゲン)に、このオストヴィントという対空戦車があるということを知りました。
ヴィルベルヴィントは4本の砲身なのに、オストヴィントは1本で航空機に挑むという男気あふれる仕様に、これまた「かっけええええ!!!」ってなったわけです。
案の定「しょーもな…」ってなる理由ですが、これが私達のオストヴィン道(某戦車が出るアニメっぽく言う)です。
その他入ってたもの
戦車模型の福袋なのですが、戦車のキット以外にもなんか入ってたので合わせてご紹介します。
まずこちら、ドラゴンことドラゴンモデルズのロゴマークのステッカー。ドラゴン製のキットの箱に記載されているものと同じです。いわゆる宣伝ですね。
気軽に貼れるように台紙には切れ込みが入っていました。親切ですね。…かといってどこに貼ればいいのか正直迷うけど。
こういう使い道に迷う会社ロゴのステッカーはやたら持ってるので、家の冷蔵庫にでも貼ろうかしらと思っています。
そしてもう1つはWoT(Worlds of Tanks)というオンラインゲームとコラボしたポスター(ビラ?)です。
このポスターに記載された戦車のプラモデル(いずれも6月発売予定とのこと)を購入すると、
- ゲームに登場する戦車の歴史や、プレイに関するヒントを紹介したガイドが付属
- WoTで登場する戦車に描かれているエンブレムやスローガンを再現したデカールが付属
- ゲーム(WoT)で使える招待コードとボーナスコード(Asiaサーバーのみ利用可。期限あり)が付属
…といった特典があるようです。
WoTといえば戦車が出るアニメこと『ガールズ&パンツァー』ともコラボしており、いろんな戦車に関連したものとコラボしておられる様子。
ただ個人的には対空戦車(もちろんオストヴィントも出ます)が登場するBF1942(FHSW)やWar Thunderとコラボして欲しかった。
まとめ ヤツに全部持っていかれた(笑)
ということで、届いた戦車模型の福袋を開封してみましたが、一番驚いたのはやっぱりオストヴィントです。まさかこんな形で再開するとは思わなかった。
あの頃はまだ模型は2作目ということで、組み立てに関する知識も腕も全然無かった頃だったので、完成はしたものの今に比べるとちょっと雑なクオリティでした。
今思い返しても、1/48スケールのヴィルベルヴィントを完成させただけで調子に乗ってドラゴンの1/35スケールに手を出したのはなかなかヤンチャだった。
あれから何作か手がけて経験を積んだ今、改めてオストヴィントを作ったらどうなるか、楽しみです。
なお、個々のキットの詳細は製作する時に記事で紹介するのでお楽しみに(このブログを購読すると忘れずチェック出来ます)。
…ちなみに福袋で入手した3個とは別にもう3つキットがあるので、積みプラが合計6つあります。はやくヘッツァー完成させなければ…。