どうもこんにちは。
長らく放置していた(ような気がする)サイバーホビー(ドラゴン)の超重戦車マウスの制作の続きを再開します。
具体的に行った作業は以下の3つです。
- 細部の塗り分け
- 通信用アンテナの制作
- ウェザリング
記事のタイトルにもあるように、これで超重戦車マウスが完成したので、完成までの流れをこの記事でご紹介します。
今までの超重戦車マウス製作日記は上記リンクから読むことができます。あわせてお読み下さい。
細部の塗り分け
まずはアクリル塗料を使って、マウスの細部を塗り分けていきます。
…と言っても、この超重戦車マウスにはOVM(車載工具)の類は一切なく、基本的に車体についているペリスコープのレンズ部分くらいしか塗り分ける場所がありません。
まずは車長および砲手のペリスコープのレンズ部分を塗装します。
ここにはメタリックグレイにフラットブラックを少し混ぜて暗くしたものを塗ってやりました。
モデラーさんによってはこのペリスコープはレンズ部分にクリアーグリーンやクリアーブルーを塗ってレンズの反射を再現されてる方もいらっしゃいます。
…ただ私はあいにく塗料を持ってないので、このようにしました。
こちらは砲手用の照準器を収めた小塔。本来ならこの中に照準器のレンズみたいなものが入っているはずですが、キットではデフォルメされているので、先程と同じ塗料を使って黒く塗りつぶし、陰りをつけてみました。
こちらは操縦手用の固定式ペリスコープ。ここも同じようにフラットブラックを混ぜたメタリックグレイで塗装します。
なお、写真では紹介し忘れましたが、車体後部にある車間表示灯のランプ部分も塗装しておきました。ここは上段の4つはクリアーグリーン、下段の2つのランプはクリアオレンジで塗装。
ただ本当は下段は左側が反射板、右側がブレーキランプとなるので、左側はクリアレッドで塗った方が良いのかなと思います。クリアレッドが無かったのでクリアオレンジにしましたが…。
通信用アンテナの制作
続きまして、通信用アンテナを作成します。用意するものはランナーとライターとカッターナイフ。
パーツランナーをライターで炙って溶かし、「伸ばしランナー」を作ったら、上の写真のようにカットします。
実物のアンテナの長さがが2mとのことなので、だいたい57ミリくらいにカット。これを2つ用意します。
ちなみに1番下のアンテナはPassion Modelsの2mアンテナセットのもの。
作ったアンテナはフラットブラックで塗装します。まだ作業が残っているのでこの時点でアンテナは車体には装着せず、最後に取り付けます。
伸ばしランナーで作ったアンテナは
- キットのパーツよりも折れにくい
- お金がかからない
- ランナーがある限りいくらでも作れる
といった利点があります。
この通信用アンテナはパーツ化されているのですが、細長いプラパーツなので、ちょっとニッパーや指が当たるだけでボキッと折れてしまいます。
それに対して、伸ばしランナーで作ったアンテナは弾力があるので、砲身を旋回させた時に接触しても折れにくいのが特徴。
また、仮にへし折れたとしても元がパーツランナーという「ゴミ」から作るものなので、いくらでも複製ができるのが魅力的。
こういった利点があるので、最近ではアンテナは伸ばしランナーで自作して取り付けています。これがまたええんや。
ウェザリング
戦車模型製作のラストはウェザリングを行います。この作業は何度かやってきたので細かく解説しすぎるとちょっとくどいかなぁと思ったので、やや端折ってまとめました。
ウォッシング
まずはウォッシングから。エナメル塗料のレッドブラウンとフラットブラックを混ぜた薄い泥水みたいな塗料を作り、それを車体全体に伸ばしていきます。
ただ、エナメル塗料(溶剤)はパーツの接着を剥がすという副作用があるので、「ウォッシング」とはいえビチャビチャ塗りたくるのは非推奨。薄く伸ばしていく感じでやっていきます。
こちらは側面装甲板。ウォッシングした部分としていない部分の色の違いに注目。
参考までにウォッシングした車体と、まだウォッシングしていない砲塔の色の違いの比較。
ちょっと塗料が濃すぎたのでかなり色あせた感じになりました。もちろんこれでは汚しすぎなので、塗料を落としていきます。
エナメル溶剤を含ませた綿棒でゴシゴシと表面を拭き取っていきます。整備兵が車体を洗浄するのをイメージしながら。
ただ、綿棒やティッシュペーパーを使うと細かいカスが出てしまうので、もうすこし硬めのキッチンペーパーやホームセンター等で売っている専用の拭き取り紙を使った方がやりやすいかもしれません。
右半分が溶剤で拭き取った部分です。どす黒かった装甲板が幾らか明るくなったのがわかると思います。
また、溶剤で拭き取っていると擦れるので、側面装甲板の下の方に塗った離型剤のおかげで塗装も剥がれてきました。
マウスの下地塗装をした時に「シリコーンバリアー」という離型剤を塗っておいたので、本塗装後にその部分を爪楊枝などで引っ掻いてやると、ちょうど上の写真のような塗装のハゲが再現できます。
ただ、爪楊枝で意図的に塗装を剥がすよりも、ウォッシングでの拭き取りの摩擦の方が、自然な剥がれ方をしてくれますね…。
同じように予備燃料タンクもゴシゴシしている間にこんなふうに剥がれてきました。
こちらは砲塔側面の拡大図。
砲塔をはじめ、各装甲板には圧延均質装甲板の「荒れ」を再現してみましたが、ウォッシングをすることでその荒れた部分にスミ入れのように塗料が入り込んで、明暗差が出来て立体感が出てきました。
スミ入れ
今度はフラットブラックとフラットブラウンを混ぜた塗料をパーツの凹んだ部分や根元部分を中心に塗っていきます。
いわゆる「スミ入れ」というやつですが、これを行うことで各種モールドが際立って立体感(奥行き感)を強調してくれます。
特にエンジンデッキやハッチの溝にこの塗料を浸透させることで、その部分だけが暗くなり、メリハリが出ます。
スミ入れだけでも効果はありますが、表面を明るくするドライブラシをセットで行うことでより明暗差をクッキリ出し、模型を立体的に魅せてくれます。
こんな感じにエンジングリルの溝の部分や凹んだモールド部分に塗料を塗る(と言うよりは垂らす)と、毛管現象でスーッと浸透していきます。
上の写真を見てわかるように、溝の部分が周りよりも暗くなり、パーツに奥行きを感じさせます。
もちろんハミ出た部分はエナメル溶剤を含ませた綿棒などで拭き取ります。
車体や砲塔のあちこちにある「溶接跡」にもスミ入れします。ただ、溶接跡はそれほど深いものではないので、スミ入れもやや抑え気味に。
また、この墨入れに使う塗料ですが、乾燥するとオイルやガソリンといった液体が滲み出たような感じになります。
なので、エンジンの周辺などはあえて拭き取らずに、オイル汚れっぽくするのもアリかもしれません。
ドライブラシ
スミ入れによってモールドの根本を暗くしたので、今度は逆に表面を明るくします。
こちらはいわゆる「ドライブラシ」というやつで、やや硬めの筆にエナメル塗料を取り、ティッシュペーパーで拭き取ります。
筆に残った僅かな塗料をモールドの表面やエッジ部分にこすり付けるように塗ることで、その部分だけをほんの僅かに明るくなります。
塗料はエナメル塗料の「デザートイエロー」を使いました。
また、エッジ部分だけでなく、車体の「面」となっているところにも軽くドライブラシをして砂汚れで白くなった感じも出してみました。
こちらはデザートイエローだけでなく、ダークイエロー(こちらもエナメル塗料)も使っています。
ただ、やりすぎると迷彩塗装や車体の立体感を出すための下地処理の効果が薄れていまうので、ほどほどに。
履帯や足回りの汚し
続いて、履帯や転輪、足回りの砂・泥汚れを再現します。
今回も100均に売っているパステルを茶こしで粉末にしたものを使用します。
粉末にしたパステルはアクリル溶剤を含んだ筆でピタピタと無造作に履帯や足回りへ塗っていきます。
最初は暗めのパステルを溶かすようにシャビシャビにして塗りたくっていき「泥」の質感を出していき、次に明るめのパステルをその上からまぶすようにして泥が乾燥して固まったような質感をイメージ。
…ただ、今まで愛用してきた黄土色のパステルが無くなったので、他の色を使って調色を試みたところ、泥や砂とは程遠い、青汁みたいな色になったりと奮闘したせいでやや時間がかかりました。
また、3本程度しか使わないパステルのために何色もセットになったやつを買うのはどうかなと思うので、今度は試しにタミヤやGSIクレオスのウェザリング用のものを買う予定。
履帯の外側ばかりを汚して履帯の内側や転輪、車体の下部などを忘れてしまうのは私の悪い癖。使っていたパステルが無くなる頃に「あ!転輪やっとらんやんけ!」となるのがお決まり。
…ということで、履帯の内側、転輪、そして側面装甲板の下の方にも泥跳ねをつけてやりました。実際こんな風に汚れるのかどうかはさておいて。
以上でウェザリングは完了です。あとは先ほど作成したアンテナを取り付ければ超重戦車マウスの完成です。お疲れ様でした。
超重戦車マウス 完成!
キットを入手したのが2月8日なので、かれこれ2ヶ月以上かかった超重戦車マウスですが、無事に完成しました。
何をそんなに時間がかかったのかというと、組み立てが終わってから急激に忙しくなったりモチベーションが下がったりでなかなか次の作業が進まなかったわけです。
で、ドロドロやってたら4月になったということで慌てて作業を進めたわけです。まだ積みプラ6つもあるのに…。
超重戦車マウスのギャラリー
マウスの左側面。
国籍マークのデカールだけでなく、砲塔番号やキルマークなども貼ったのでなかなか華やかになっています。ただし架空戦車ですが。
左斜め前から。12.8cmというぶっとい砲身にもシマシマのキルマークがついています。
キルマークは「オレこんだけ倒したんやで!」というアピールのためにつけるもので、本来実戦投入されることがなかったマウスではありえないマーキングですが、模型では迷彩塗装との色のギャップが出て好きです。
ちなみに伸ばしランナーで作った2本のアンテナは弾力性があるので、砲塔を旋回して砲身で強引に押しても折れることはありません。
右側から。ちょっと車体のウォッシングを残しすぎたかな…?
後ろから。
だいたいこの距離から撮影すると溶接跡のモールドとかは隠れちゃうのですが、スミ入れをすると上の写真のようにしっかり浮き出てくれます。
真正面から。
戦車が出るFPSとかでよくある光景ですが、マウス相手にこうなったらまず勝てないので素直に諦めましょう。
こちらは上から。こうやってみるとコンパクトな形状に見えます。
おまけ 他の戦車も並べてみる
まぁ、某・戦車がでるアニメの1シーンの再現。
マウスがデカイので、ただでさえ小さい「軽駆逐戦車ヘッツァー」がカメムシのように見える。
なんとなくマウスの砲塔の上に乗せてみた。
マウスは砲塔だけで55トンという超重量なので、15.75トンのヘッツァーの3倍以上の重さとなります。
なので変な言い方をすると、マウスの砲塔取っ払ってその上にヘッツァー乗せても大丈夫という(多分)。
その隣にみんな大好きティーガーIを並べます。虎は猫科の動物ですが、こんな巨大なネズミ相手にはさすがに「ふぇぇ…無理だよぉ…」となるに違いありません。
まとめ
さて、やたら時間のかかったマウスも無事に完成したので、次の模型に着手することができます。
ただ、「模型制作日記」として、いくつか戦車プラモデルを作っていて思ったのは、組み立てはスムーズに進むのに、塗装から作業が滞っていく感じがします。
車体塗装はエアブラシを使うため準備なども含め時間がかかり、どうしても週末にしかできず、また細部の塗り分けやウェザリングも仕事帰りだと「あー面倒だなぁ」となってしまいます(これが一番の原因。あかん)
趣味とはいえ、モチベーションが沸かない時だってあるので、無理せずにやりたい時にやるのが一番です。
↑超重戦車マウスの次につくるキットについてはこちら。