どうもこんにちは。
先日購入したサイバーホビー(ドラゴン)の「超重戦車 マウス」を今回から作っていきます。
史上最大の戦車ということで、今まで作ってきた戦車(ティーガーとかケーリアンとか)を横に置いて大きさ比較をしましたが、車体となるパーツだけ見てもデカい!
しかし、パーツランナーや説明書を見てみると1つ1つのパーツが大きい反面、そこまで細かい作業は少なく、比較的組み立てやすいのではと思いました。
…これが私の「勘違い」でないことを祈りつつ、まずはセオリー通りに足回りから組み立てて行きます。
まずは「転輪」を組み立てよう
戦車模型を組み立てる順番は人それぞれかもしれませんが、私は説明書に従い足回り、つまり転輪の組み立てから取り掛かっています。マニュアル人間なのです。
基本的に難しい作業ではありませんが、いかんせん数が多く同じ作業の繰り返しとなり、地味にメンタルHPを削られていきます。序盤の関門です。
また、難しい作業ではないのですが、中には転輪を支える「サスペンション」が可動式のものもあります。今回のマウスの転輪やサスペンションがそれでした。
そういった可動式サスペンションを組み立てる時は接着するときに注意する必要があります。
ということで説明書の1番目からスタートしていきます。よく見ると「×12」という物騒な表記がありますが、目を逸らして先に起動輪と遊動輪を組み立てていきます。
なお、「超重戦車マウス」の箱絵を見るとわかるように、マウスの側面は巨大な装甲板が取り付けられており、転輪や履帯のほとんどが隠れる構造になっています。
なので、ゲートやパーティングラインの処理はそこまで大げさにやる必要はないかとは思います(私は念のため処理していますけど)。
遊動輪・起動輪の組み立て
まずは数が少ない遊動輪と起動輪から組み立てます。
こちらがマウスの遊動輪。
今までのドイツ戦車の遊動輪とだいたい同じように、2つのパーツを組み合わせるだけですが、巨大な戦車だけあって遊動輪もまたデカい。
そして何というか浄水器のアダプターみたいな形をしています。
こちらは起動輪。
やることは遊動輪と同じように2つのパーツをくっつけるだけですが、遊動輪と比べるとゲートなど処理する箇所がやや多め。
起動輪の歯の先端にゲートは付いているので、歯の形を損なわないように丁寧に処理します。
だいたいの起動輪のゲートは歯車の山頂についていますが、前作のヘッツァーは歯車の谷の部分にあったので処理するのに苦労した記憶があります。
起動輪も2つのパーツを貼り合わせるのですが、肝心の貼り合わせる面に十字型のランナーがあるので処理します。
ニッパーを挟んでパチンとカットすれば良いのですが、力の入れ方を誤るとパーツが変形するおそれがあるので慎重に。…まぁ貼り付ける面だし最終的に装甲板で隠れるのでそこまで心配はいりませんけど念のため。
で、カットするとこんな感じに”残骸”が残るので、カッターナイフや丸めた紙ヤスリでキレイに整えておきます。
繰り返しますが最終的に隠れる場所なので、そこまで気を使う必要はありません。じゃぁ何で整えてるのかと言われると単にどうでも良い所に神経使って肝心な所で大雑把という私の性分ゆえです。ははは…。
その数48個!ひたすら転輪を組み立てろ!!
問題はここからだ。
戦車の転輪の中でも最も数が多い「転輪」を組み立てていきます。
マウスの転輪はティーガーとかパンターのような直径の大きい転輪をトーションバー式サスペンションに固定するタイプではなく、小さい転輪をボギー式サスペンションに並列で搭載するタイプです。
…文章じゃ何言ってるかサッパリかと思いますが、早い話、転輪を48個作れということである。その転輪を算盤(そろばん)のようにビッシリと並べていくわけです。
説明書の図を見ると、サスペンションに2つの転輪を取り付けたものを12個作れとあります。
しかし、よく見るとパーツナンバーの横にカッコで同じパーツナンバーが記載されています。これは「反対側はこのナンバーのものを使いますよ」という意味であり、つまり説明書には12個とあるけど、実際は24個作れという意味。
一つのサスペンションには転輪が2つ、それを24個なので転輪の数は48個という。…マウスより転輪が多い戦車ってあるんですかね?(汗)
ひとまずサスペンションに転輪を取り付けていきます。
まずは切り離したパーツのゲートやパーティングライン、押し出しピンの跡の処理といった整形から始めます。これらは今まで作った戦車模型でもやって来た事ですが、いかんせんマウスはパーツが多すぎる!!
まずこちらは転輪側面のパーティングライン。これをカッターナイフでカンナがけして除去します。この作業を48回繰り返します。
ちなみにマウスの転輪の直径は550mmとのことで、試しにノギスで測ってみたら16mmでした。16×35=560(mm)なので大体合ってる。
また、マウスの転輪はゴム内蔵式のいわゆる「鋼製転輪」となっています。つまり転輪の縁を黒(タイヤ色)で塗らなくて済むということ。
こちらはサスペンション。
よく見るとボコッと丸い押し出しピンの跡のようなものが2つ付いております。2つとも撤去するとなるとものすごい時間がかかりますが、幸い上のピン跡は装甲板で隠れるので、下のピン跡だけを処理します。
もう一つ幸いなことに、押し出しピン跡は突起なのでパテ埋めではなく、カッターナイフで削ってヤスリがけするだけで消せました。
その他ゲートの跡やパーティングラインも装甲板で隠れますが、念のため処理しておきました。
あとはサスペンションに転輪を2つ取り付けるだけですが、(何度でも言います)パーツ数が多いのでひたすた延々と同じ作業の繰り返しとなります。
なので最初に転輪やサスペンションを一気に整形して、そのあと組み立てて行く方式を採用しました(パーツの紛失には注意)。
ひとまずこのサスペンションに転輪を2個取り付けたパーツを24個つくります。
ということで、起動輪、遊動輪、そして走行転輪(サスペンション)が出来上がりました。
起動輪や遊動輪はこれで終わりですが、24個の転輪は次に支持架に取り付けます。
上の説明書のように、支持架によって転輪を2組にします。これを12個用意します。
ポケモンで例えるなら「ダンバル」を2匹合体させて「メタング」にするような感じ。
作った転輪・サスペンションのパーツ2つを支持架パーツ(写真中央)で挟み込むように取り付けます。
この時注意するのは、支持架にサスペンションを取り付ける際、接着剤は使わないという点。
支持架はサスペンションの穴にパチンとはめ込むように取り付けることで、サスペンションが前後にブラブラ動く可動式になるわけです。
支持架の拡大写真。サスペンションを挟むところはよく見ると突起があるので、ここにサスペンションの穴を合わせます。
また、サスペンション支持架の両側面には車体に固定するためのパーツを取り付けます。
このパーツはサスペンションの両側に取り付けるわけで、車体だけでなく側面装甲板の内側にも転輪・サスペンションを固定するためのモールドが入っています。
これらがうまく噛み合うように仮組みの段階でセットしておきます。
サスペンション支持架の上にもパーツを取り付けます。これはいわゆる上部支持輪。
ということで2日かけてようやく転輪が全部出来ました。ホント疲れた…。
プラモデルですらこれだけの労力を要するのだから、実物はさぞ技術者泣かせなシロモノだったに違いない。クルップ社やポルシェ社のエンジニアたちが涙目になりながら組み立てる姿が脳裏に浮かぶ。
ひとまずこの転輪の完成をもって1番の工程が終了しました。
車体下部にパーツを取り付ける
さて、ヒーコラ言いながら組み立てた転輪やパーツ類を、車体シャーシに取り付けます。
本来なら履帯が連結式の場合、車体に転輪を接着する前に、後々の塗装を考慮して「ロコ組み」にするかどうかを検討するのですが、今回は文句ナシで車体へ取り付けます。
転輪の組み立ての段階でメチャクチャ時間かかったので、ロコ組みなんて面倒臭いことやってられっか!!という倦怠感はもとより、このサスペンションの形状でのロコ組みはなかなか難しそうに見えたのが主な理由。
もっともマウスについては、車体下部の大半を側面装甲板が覆うようになっており、転輪や履帯の大半が隠れるようになっています。なので塗装もそこまで神経質になる必要はないと思っています。
ここからは説明書の2番目に入ります。
主にたくさんある転輪を車体へ取り付けるのがメインですが、その他にも車体にいくつかパーツを取り付けるので、そちらも合わせて解説します。
転輪の取り付け
ということでまずは散々苦労して作った転輪を車体に取り付けていきます。
転輪はサスペンションにあるパーツのツメを車体シャーシの切り欠き部分に合わせて接着します。
この切り欠きは車体だけでなく、反対の側面装甲板の内側にもあるので、車体に取り付けると同時に側面装甲板とも噛み合うように位置決めをしておきます。
あとは1つ1つ取り付けていくだけ。
転輪は可動式なのでブラブラと左右に動きます。履帯が可動式ではないので転輪のギミックが活かせないのが残念ですが、手を当てるとモゾモゾと動くので謎の快感があります。
ということで片側6個、合計12個取り付けました。
こうやって見ると算盤(そろばん)だったり、女の子が小顔にするために顔に使う「美顔ローラー」に見えます。試しに顔の上でコロコロ動かしてみたら転輪で唇を挟んでくっそ痛かった。二度とやるもんか。
続いて起動輪や遊動輪も車体にくっつけます。
こちらは車体にある円形状の突起に合わせて接着するだけでOK。
その他のパーツの取り付け
車体の底面にはマウスがひっくり返った時のための脱出用ハッチを取り付けます。こちらは従来の戦車のハッチと同じように普通に接着するだけ。
総重量188トンの超重戦車がひっくり返ることなんてあるんだろかと思ったけど、転落することはあり得るので、マウスもひっくり返る時はひっくり返るという結論に至りました。読者の皆さんにとっては物凄くどうでもいい話です。
車体の前面には牽引用のリングを2つ取り付けます。
57トンの「ティーガーI」ですら牽引するのに18トンの牽引車が3台も必要だったというのだから、188トンのマウスを牽引するのにはどれだけの人や車輌が必要なのだろうかと思う時があります。
「そうか!だからもっと大きいラーテを計画したんだ!」
…とりあえず、これで2番目の工程も完了し、車体下部はあとは履帯を取り付れば完成という段階までたどり着きました。
なんとなくマウスのシャーシにティーガーIを載せてみるの図。まるで運搬車みたいだ。
ティーガーの車体が57トンなのに対し、マウスは砲塔部分だけで55トンというのだから、砲塔の代わりにティーガーを載せて動かすことは可能…なのかもしれない。多分、いやおそらく、うーん…。
車体シャーシ上面を黒く塗りつぶす
車体シャーシがある程度完成したので、ここで一旦車体シャーシを塗装します。…と言ってもシャーシの上面だけを黒で塗りつぶすだけです。
上にかぶせる車体上部パーツのエンジングリル部分から内部が見えてしまうため、デフォルトの灰色だと見栄えが悪いという理由で黒く塗るわけです。
間違ってもガルパンおじさん蝶野正洋氏のマイカーである「超重戦車級王者マウス」を作りたくなったなんてことはありません。私はまだ正気です。
話を戻して車体シャーシの上面をひたすら黒く塗りつぶします。
ちなみにこの塗装については実際に説明書にも記載されており、4番目の工程でMr.カラーのつや消しブラックで塗れと指示されています。
ただ、Mr.カラーはラッカー系塗料なので、室内で使うとニオイと有害物質で死ねるので、代わりにタミヤのアクリル塗料「フラットブラック」を使って塗っていきます。
一応念のため、車体上下を接着する部分だけは塗装せず、それ以外の部分はひたすら真っ黒にしていきます。これほどの広範囲を塗っていくのは爽快です。
とはいえ一度の塗装でキレイに真っ黒になるわけではないので、
- 薄く塗る
- 乾燥させる
- また薄く塗る
…を繰り返して少しずつ色を濃くしていきます。
そして最終的にタブレット端末の画面みたいに真っ黒になりました。車体上部パーツを載せてみて、エンジングリルを覗いて問題がなければOK。
Ferdinand Porsche:ご要望どおり、車体上部を真っ黒に染めてみました。如何でしょう閣下。
Adolf Hitler:素晴らしい…!さすがだよ博士、見事なまでの仕上がりだ。この巨大な壁はもはや芸術作品と言っても良いほどだ!
Ferdinand Porsche:光栄です。この芸術とも呼べる黒塗りの壁に相応しい”名前”もご用意致しました。
Adolf Hitler:どのような名前かな?
Ferdinand Porsche:『ベルリンの壁』でございます。
Adolf Hitler:ベルリンの壁…。ふむ、まさに私の理想とする第三帝国を絶対的なものとする屈強な城壁のようだ。これこそ我がナチス・ドイツの勝利の象徴となるに違いない!素晴らしい…実に素晴らしい!
総統閣下が大変満足したので今回はここまで。
まとめ
なんといっても転輪の多さにジリジリと精神を削られていきました。さすがに48個は多すぎるぜポルシェ博士…。
そして転輪だけでなく、転輪を支えるサスペンションや支持架といったパーツも整形してから組み上げるので転輪だけで3日ほど費やしました。
…ただ、説明書を見た感じ、この転輪が終わってしまえば後はそこまで面倒な作業は無さそうなので、気楽にやっていこうと思います。
というわけで次回はマウスの連結式履帯を作っていきます。乞うご期待。