どうもこんにちは。
現在製作中のドラゴンの戦車プラモ「超重戦車マウス」ですが、つい先日やたら数の多い転輪をヒーコラ言いながら組み立て、車体に取り付け終わりました。本当に疲れた。
で、この転輪さえ終わればあとは楽だろうと思っていたのですが、次に行うのが戦車の足の要である「履帯」になります。
今回はその履帯を組み立てますが、こやつもまたクセモノで、転輪と同じようにヒーコラ言いながら組み立てました。誰だよ転輪さえ終わればあとは楽なんて言ったヤツは…。
↑今までの「超重戦車 マウス」の製作日記はこちらから読むことができます。
超重戦車マウスの連結式履帯を組み立てる
マウスはその巨体と188トンもの超重量を支えるために48個もの転輪がありますが、その転輪を覆うように取り付けられる「履帯」もたくさん必要になってきます。
実車のマウスの履帯は幅が1,100mmもあり、車体幅の1/3を占めていたといいます。
参考までにティーガーIの履帯の幅が725mmで、重量が30kgほどなので、マウスは更に重たいものと予想されます。走行中に履帯が切れたらと思うと腰を痛めながら修理する搭乗員に同情したくなります。
説明書は手順を1つ飛ばして4番をやっていきます。
一つ前の3番では車体の上面にパーツを色々取り付けるのですが、先に履帯をやっておきたかったので後回しにしました。
マウスの連結式履帯
先述の通り、ドラゴン(サイバーホビー)の超重戦車マウスの履帯は「連結式履帯」で再現されています。
ただ連結式とはいえ、1コマ1コマ接着するものとは若干異なり、それぞれ形が異なる3種類のパーツを組み合わせて接着します。
遊動輪・起動輪の周辺、つまり曲面は形状は同じではないものの、従来のような1コマずつ接着するタイプになっています。
一方で地面と面する部分と転輪の上部支持輪を通る部分は、履帯数コマ分が1つのパーツになっています。そのため実際に加工・取り付ける履帯パーツの数を抑えられています。
このようなタイプの分割式履帯は、初めて作ったプラモデル戦車である「4号対空戦車 ヴィルベルヴィント(タミヤ 1/48)」の時以来です。
あの時は初戦車プラモで知識・技術不足ゆえに遊動輪や起動輪周辺がカクンとなった不自然な形状になったというホロ苦い思い出があります。なので今回はそうならないようにしたいところ。
形状は違えど基本的な組み立て方法は、1コマ1コマつなげていく従来の連結式履帯とそれほど変わりはありません。
ただ、大小のパーツの境目となる部分の「形」をどうやって作っていくかがポイントとなります。この”境目となる部分”とは、いわゆる履帯の「たるみ」を表現する部分のことで、ここを上手くセッティング出来ないと不自然な履帯になってしまうわけです。
マウスに限っては足回りの大半が側面装甲板によって隠れてしまうので、そこまで神経質になる必要はないと思いますが油断は禁物。果たして上手くいくのでしょうか…!
履帯パーツの切り出し・整形
上手くいくかどうか不安はありますが、やらないことには始まらない。
なので、まずは履帯(履板)のパーツをランナーから切り離して、ゲートなどをきれいに整形するところからスタートしていきます。
3種類の履板パーツ
上の写真がマウスの履帯パーツ3種類。接地面と上部には左の履板パーツが使われます。
対して、上の写真の中央と右の履板パーツを互い違いに組み合わせることで起動輪や遊動輪周辺の曲面や履帯の「たるみ」を表現します。いわゆる履板と副履板です。
大きいパーツは履板6枚分に相当し、片側に14個必要なので履板84枚分に相当します。そこにさらに履板を28枚使うので片側の履帯は合計112枚。これを1枚1枚やってくとなるとかなりしんどい。
隣にドイツ兵士フィギュア(175cm相当)を置いて大きさを比較してみました。履板の幅は兵士の足から腰骨ほどまであり、いかにマウスの履板が大きいかがわかります。本当交換するの大変だろうなぁ…。
パーツを切り離すときの注意点
こちらは履板と履板の間に挟む小さい履板パーツ。このパーツがなかなかクセモノで、何も考えずにランナーから切り離そうとすると、細くなっている部分が折れてしまいます。
ランナーからパーツを切り離す際に切断面がグニャっと歪んでしまうため、細くて折れやすい箇所がその負荷に耐えきれず折れてしまうわけです。
なので切り離す方法や手順としては、上の写真で言うと
- 中央寄りにあるゲートを最初にカットする
- 左右のゲートをそれぞれカットする
といった流れで行います。また、切り離す時はパーツの肉厚の部分を指で押さえて切断時の歪みや振動を抑えるようにします。
…そこまで努力しても折れるときは容赦なく折れます。
ただ、折れたといって嘆くことは無く、接着剤で接着してしばらく放置すれば問題なく使えるようになるのでご安心を。
履帯の中央部分には1つないし2つ押し出しピン跡があります。
カッターナイフでピンの跡を削ってヤスリで整形すれば問題なく消えますが、この部分は転輪や側面装甲板で隠れて一切見えなくなる部分なので、今回は処理せずにそのままにしました。
でっかい側面装甲板がついているマウスだからこそ許される手抜きです。ティーガーとか4号戦車ではこうも行くまい。
ひとまず片側分の整形が終わりました。
必要な履帯の枚数は
- 大きいやつ(パーツナンバー:D1):14枚
- 小さいやつ(パーツナンバーD2とD3):それぞれ14枚
連結式履帯の接着
履帯(履板)の整形が終わったので、この履板を1枚1枚接着して履帯にしていきます。
履帯の接着については従来のタミヤセメントでもOKなのですが、今回はリモネン系セメントという柑橘系の香りがする接着剤を使ってみました。
この接着剤の特徴としては、単にオレンジのようないい香りがするだけでなく、硬化するまでの時間が遅い反面、非常に強い接着力をもつといった特徴があります。
この特徴から連結式履帯の接着に適している接着剤とのことなので試しに使ってみることにしました。
まずは接地面につかう大きい履板パーツを8つくっつけていきます。
先述の通りリモネンセメントを使ってみたのですが、こやつは「流し込み接着剤」なみにサラッサラなヤツで、接着までに時間がかかるためにパーツを保持する必要がありました。
上の写真のように大きい履板パーツならパタンと倒れる心配が無いのでそのままでも大丈夫ですが、小さい履板パーツだと重力にそって倒れるので、上手いこと支えてやらないといけません。
あと、キャップについているハケは通常のタミヤセメントのような幅広のやつですが、リモネンセメントは流し込み接着剤の細いやつの方が使いやすい気がします。
なので、もし流し込み接着剤のキャップがあったら流用するといいかもしれません。
大きいパーツの先には2種類の履板パーツを交互に置いていきます。
先述の通り、リモネンセメントは硬化までに時間がかかるので、端っこに割り箸とかを置かないとポロッと剥がれてコトンと倒れます。
小さい履板パーツ2種類をそれぞれ7枚ずつ並べたら最後に大きい履板を3枚くっつけます。
この一連の作業を左右にやっていったのですが、この方法だと履帯の両端を上部支持輪の位置、つまり車体の奥まった部分で履帯を接続することになるので非常にやりにくい。
なので、反対側の履帯は別の方法で組み立てました(後述)。
また、接着剤の乾燥は普通のタミヤセメントの時は10~15分ほどでしたが、今回はリモネンセメントということもあって長めに時間をとって40分ほど放置しました。
その結果、接着したところが「板ガム」のような感じになり、しっかり接着できている反面よく曲がるという極めて理想的な状態が出来上がりました。
履帯の取り付け
履帯が出来たら車体に取り付けます。
本来、連結式履帯は片側を起動輪の歯の部分に合わせてカチッとはめ込むように固定して、もう片側を遊動輪側へ持っていき、転輪と車体の隙間を通していき、起動輪の歯と履帯の先端と合わさるようにセットするのが理想です。
ただ、今回の場合、履帯の両端は起動輪ではなく上部支持輪のところで結合するような接着方法を選んでしまったため、両端の履帯の結合はおろか、起動輪・遊動輪への巻きつけや「たるみ」の再現などで非常に苦戦。
そうしているうちに接着が甘かった部分が外れてしまって、接着しては外れてまた接着の繰り返しとなり、今までの連結式履帯ではないくらい悪戦苦闘っぷりでした。
マウスの履帯や車体の構造が悪いのではなく、単に私の履帯の繋げ方が悪かっただけなので、もう片側はちゃんと従来のようにスタートとゴールが起動輪になるようにします。ハイ。
それでもなんとか接地面以外はくっついてくれたので、ティッシュを挟んで遊動輪や起動輪、上部支持輪と履帯を接着します。
上の写真では遊動輪・起動輪の上下部分である「たるみ」が出る部分が不自然になっていますが、これは後ほど直しておきました。
片側が(一応)取り付け終わったので、反対側もやっていきます。
ただ先述の通り、最初の履帯の組み立て(接着)方法が横着なせいで本来する必要のない苦労をしてしまったので、今度は履帯の組み立てを少し変更しました。
変更と言ってもただ単に、履帯のスタートとゴールがそれぞれ起動輪に来るように履帯の両端のパーツを大きい履板パーツではなく、小さい履板パーツとなるようにしただけです。
こうすることで結合する場所が車体の中央ではなく、起動輪側になるので従来のようにスルスルと履帯を一周回すだけでOKです。
本来なら「最初からそうしろよ」と怒られるレベルのポカ話なのですが、説明書通りにやったがために手痛いミスをしてしまったのです。典型的なマニュアル人間なのですよトホホ。
で、同じように起動輪からスタートして転輪の下を通り、遊動輪で折り返し、上部支持輪を通ってまた起動輪へ持っていく。
今度は先程よりもしっかり接着剤をつけ、しっかり乾燥させたことが功を奏し、履帯は最後まで切れることなく取り付けられました。
あとは履帯内側と接する部分(起動輪・遊動輪の外周、転輪・上部支持輪の接点)にも接着剤をつけてより密着させます。もちろん車体との間にはティッシュを詰めてしっかり型をつるのも忘れずに。
履帯の取り付け完了!
なんとか無事に両側の履帯を組むことが出来たので今はホッとしています。
連結式履帯におけるリモネンセメントですが、接着剤をつけてすぐは接着力がないので苦労しましたが、接着力の強さはかなりのもので、しっかり乾燥させれば履帯が切れることは無いと思います。
一方で硬化後も冷蔵庫に入れて固くなった板ガムのような感じになっているので、ゆっくり曲げればこちらも外れることなくクセを付けることが出来そうです。
今回がリモネンセメントデビュー回なので、今後もいくつか作って性能を確認していきたいですが、確かに言えるのは、
ブラシは細いほうがいい。…ハイ、それだけです。
流し込み接着剤のようにサラサラなので、太いハケみたいなのだと変なところに流れてしまいます。なので流し込み接着剤の細いハケを流用するか、面相筆をつかって塗ることをオススメします。
ちなみに側面装甲板を仮組みするとこんな感じになり、履帯の大半が隠れるようになります。
今まで必死こいて作ってきたところが見えなくなってしまうのはちょっと残念ですが、同時に低クオリティな組み立てを誤魔せるのでひとまず良しとします。
まとめ
転輪につづき履帯という関門をなんとか突破することができました。
あとは車体上部とか砲塔といった、今度こそ難しくないであろう組み立てだけなので、今度こそノンビリマッタリ気を張ることなく組み立てを楽しめるかと思います。
もちろんこの転輪や履帯の組み立ても十分楽しいですけどね(笑)