どうもこんにちは。ましゅーです。
製作中のパンターD型 V2(ドラゴン)の組み立てが終わりました。
もともと単純な構造で車体のパーツ量の少ないパンターですが、ことV2は試作車両だけあって、車体はもちろん、砲塔もあっさり組み上がりました。
いつもこれぐらいスムーズに製作が捗ると良いんですけどね。
砲塔・後部装甲板の組み立て
ということで、ラストの組み立ては「砲塔」となります。まずは砲塔の後部装甲板から取りかります。説明書は14番。
砲塔後部には脱出用ハッチが設けられており、ここから逃げたり砲弾を搬入したりします。
問題はこのハッチのアーム部分で、説明書にはなんの説明もないですが、接着部位に注意しないとハッチの開閉ギミックが犠牲になります。
上の写真のように、アームの軸となる部分は接着せず、赤く囲った部分を接着します。そうすることで炊飯器みたいにカパッとハッチを開けたり締めたり出来ます。
内側はこんな感じになっております。
押し出しピンの跡がボツボツ開いてますが、完全密閉するのでスルーします。
なお、ハッチとアームはこの段階では仮組みです。車体と同様に砲塔も「装甲板の荒れ」を再現するので、ハッチがあると作業の邪魔なのです。
で、開ける時はこんな感じにパカッと開けます。
今回は全てのハッチを閉じた状態で作りますが、せっかくこういったギミックがあるのだから、それらを再現しながら作った方が楽しいのです。
なおハッチの左側にある小さな穴にはピストルポートの栓がつきます。ピストルポートは後部と左右装甲にあります。
出来上がった砲塔後部装甲板を砲塔本体に取り付けます。上下車体を結合する時と同じように、流し込み接着剤で隙間を作らぬように合体。
これで砲塔後部装甲の組み立てはオシマイ。
砲塔をディテールアップしよう
お次は砲塔のディテールアップを行います。何をするのかと申しますと、
- 装甲板の断面を再現する
- 装甲板の表面の「荒れ」を再現
といった内容で、これらは車体に施したディテールアップと同じものです。
砲塔全体におよぶディテールアップですから、あれこれパーツを取り付ける前に先にやっておかないとパーツふっ飛ばすので、今のうちにやっておくわけです。
装甲板の断面を再現する
まずは装甲板の「断面」のモールドを再現します。
戦車の装甲板も所定の形になるようにカットするわけですが、カマボコ板と違って硬い鉄の塊ですので、ノコギリとかでギコギコ…ってわけにはいきません。
んじゃどうやって切るんだよってなりますが、「ガス溶断」と呼ばれる、ガスで予熱した金属に高温の酸素を吹き付け、酸化させつつ吹き飛ばして切断するようです。
本職じゃないので詳しいことはわかりませんが、900~1000mmという厚い鉄板も切断できるとのことです。ならマウスやヤークトティーガーの装甲も大丈夫だね。
…で、そんなガス溶断をすると当然断面はガタガタになるわけで、戦車の装甲板の断面もガタガタなわけです。
しかしパンターV2の装甲板を見てみると、装甲板断面がえらくキレイです。ここまでキレイに溶断できるなんてドイツの職人はてェしたもんだ!
………ではなく、パーツのモールドが省略されてるわけで、ここが真っ平らのままではプラモデルになります。勘違いしてる人が多いですが私は戦車を作ってるんです。
なので装甲板っぽくなるように切断痕をつけていきましょう。
やることは簡単で、まず最初にデザインナイフなどで、装甲板の断面に横線をいれるように引っ掻いていきます。
装甲板の断面はもちろん、溶接する部分(溝になってるところ)も同様にキズキズにしておきます。
ただ、それだけだとガサガサになるので、この上に流し込み接着剤を塗って表面を滑らかにします。
すると、こんな感じに派手すぎず控え目すぎずな断面が出来上がります。
側面装甲板の張り出しにも同様に切断痕を残しておきます。どや? 少しずつ装甲っぽくなってるやろ?
砲塔にも装甲板表面の「荒れ」を再現
車体でやったように、砲塔にも表面硬化装甲の「荒れ」を再現します。
詳細は車体の組み立てをしたときの記事を参考にしてほしいのですが、ざっくりいうと、
- 荒らす部分にリモネンセメントをまんべんなく塗る
- 半乾きになったら使い古しの筆で叩いて表面をギトギトにする
- そのあと金属ブラシで表面を叩く
- 完全に硬化したら400番のペーパーで表面を磨く
- やりすぎた場合は溶きパテで補修する
といった作業をすれば上の写真のように装甲板が荒れます。
余談ですが、上の写真を見るとわかるように、パンターD型 V2はキューポラ部分に張り出しがあるのが特徴です。
後部装甲板もやっておきました。
よしよし。これで砲塔のディテールアップが出来たぞ。
防盾の組み立て
お次は砲塔正面の半円筒の防盾を組み立てます。説明書は15番です。
ここは砲身の俯仰ギミックに影響する場所なので、接着ミスおよび砲身が重量で垂れ下がらないように注意してつくります。
まずこちらは防盾内側に来るパーツ。
細長いパーツを組み合わせて箱状のパーツにして、その両サイドにある突起に「砲耳」に相当するパーツが来ます。
ただ、上の写真にあるように、この砲耳は接着せず、ただ取り付けるだけ。
そしてこのパーツは砲塔正面装甲となる台形のパーツの内側にはめ込みます。
さきほど「接着しない」と書いた砲耳のパーツは正面装甲側に接着します。これで防盾内側が上下に動くようになるわけです。
今回のパンター V2は内側はあまり作り込まれておらず、砲尾などはありませんでした。
そして防盾を被せる形で取り付けます。
この防盾は鋳造製であることから、表面は「鋳肌」と呼ばれるザラザラとした質感になっていて、パーツでもしっかり鋳肌を再現されています。
なお、防盾左側の照準器用の穴の上にあるレインガード(雨よけ)は切除しろとのことなので、ナイフで削ぎ落として紙やすりで整えておきました。
ちなみに、パンターD型で照準器の上にレインガードが追加されたのは、1943年6月頃からとのことです。
ということで、砲塔防盾も組み上がったので、これを砲塔本体側に取り付けます。
防盾のついでに、砲塔の上面に吊り上げ用のループ金具、側面前方にスモークディスチャージャーをそれぞれ取り付けます。
取り付けるとこんな感じ。ここからプシューとスモークが出て、モクモク作戦が実行されるわけです。
そんでもって砲塔底面もここで取り付けます。
砲塔は乗せるだけのタイプと、タミヤなどのように車体側の切り欠きに合わせて突起を差し込んで回転させられるタイプとありますが、今回は後者でした。
砲身の組み立て
さて、砲塔が組み上がったわけですから、お次は砲身を組み立てます。
今回のパンターV2の砲身は昔ながらの2分割になっています。…実物パンターの砲身は1ピースなのにプラモだと2ピースなのです(分割する向き違うけど)。
また、箱絵などを見てもわかるように、パンターD型 V2のマズルブレーキは球形の単孔型のもので、4号戦車 F2型のような形(ただし4号のものとは違うようです)です。
つまり元からついてるマズルブレーキをぶった切って、球形のマズルブレーキを取り付けろというわけです。相変わらず過激やな。
なのでまずは元から付いてるマズルブレーキをぶった切っちゃいます。
砲身を貼り付けてからだとしんどいので先にニッパーでパチンとやりますが、ツライチでカットするとオーバー切るしてしまうので、気持ちマズルブレーキ根本を残すようにカットしました。
なお、砲身についたゲートは砲身を組み合わせてから処理します。以前、先にゲート切ったら砲身エグれてしまった苦い過去があるのです…。
では砲身を貼り合わせます。
まず通常の接着剤を両側にたっぷり塗り、砲身を合わせたらギュッと押しつけ、接着剤が外にはみ出るようにします。このハミ出た接着剤がパテの役割を果たすわけです。
上の写真は追加でリモネンセメントを隙間に流し込んでます(足らんかった…)。
接着剤が硬化したら400番、1000番の順で砲身を包むようにして合わせ目を削って処理します。
こちらはマズルブレーキのアップ。チョロンが付いてる方が上に来ます。
砲身ばかりに目が行きがちですが、マズルブレーキも合わせ目があるし、穴の周辺にバリが残っていたので、忘れずキレイに処理します。
指で触って「もう大丈夫やろな」ってぐらい磨いたら、サフを吹きます。
こやつをプシューとやることで細かいキズが埋まり、大きなキズは目立ちます。つまり処理が甘いとサフで合わせ目がクッキリ出ます。
幸い今回は1発で合わせ目が消えてくれたので追加処理する手間が省けました。やったね。
砲塔と車体の間に隙間が…
これで組み立てがほぼほぼ一段落ついたので、砲塔と車体を組み合わせてみたわけですが…
何かどえりゃーすき間空いとりゃーすがな(名古屋弁 ?)
反対(右側)はツライチなのに、こちら側(左側)はすき間が空いていて、これがすんごい気になるのです。
原因何だろなぁと思ったのですが、砲塔底部のアイツ以外に思い浮かばない。仮に原因が砲塔底部のアイツだとしても、一回接着しちゃったしどうすりゃええねん。
こうなったらクーゲルブリッツ作戦しかない!!
気になってしまうものは仕方がないので、やれる範囲内で直してみよう。
ひとまず砲塔底部のアイツの接着面に隅っこにリモネンセメントを流し込んで、
グランドパゥワァァァァァァァァァァァァ!!!!!!
という具合に、今まで買ってきた参考書を重しがわりに乗っけて放置。誰が見ても死亡フラグですし、私自身も成功しないだろうと思いながら試してみた次第です。
んが、どうしたものか、こんな科学的根拠のない力技で砲塔のすき間が無くなりました。
ちなみに、クーゲルブリッツ作戦とは、過去に作った「4号対空戦車 クーゲルブリッツ」で、上下車体でド派手に隙間が空いてたので、上の写真のようにオモリ乗せまくって強引に隙間うめるという作戦です。
こちらも荒療治にもかかわらずすき間が埋まってくれたので、頭に「?」を浮かべながらその後の製作を進めました。未だになんで上手くいったのか全くわからん。
パンターD型 V2 組み立て完了
そんな具合にモチャモチャやってたらなんか組み立てが終わってた。
パンター製作日記のなかでも何度かボヤいてますが、キングタイガーやパンターのような傾斜装甲のやつは、4号やティーガーIと違って、車体上部の組み立てが少ないです。
その中でもパンターV2はOVMの類が一切ないわけですから、車体底面の切除加工以外は楽に組み立てることが出来ました。
パンター製作の途中で同時進行(むしろあっちがメイン)だったキングタイガーの製作を再開したため、期間はあきましたが、組み立て時間を鑑みるとかなり早く出来上がった気がします。
スムーズにすすむのはあくまで組み立てだけで、塗装となると話は別です。
なにせ、キンタの時も組み立てがすんなり進んだからと調子こいて、ペニー●イズに「年内完成余裕だろwww」みたいなこと言わせたら、年内どころか翌年7月まで完成しなかったという前科があります…。
というわけで、今度の塗装はなるべく早目にやろうと思います。ただ暑いからなぁ…。
なお履帯を完全に忘れてたのでこちらも輪っかにしておきます。ここ最近物忘れが激しい気がするけど、もう年かな。