途中で挫折するかと思いきや、意外に作業が進んでいるM4A1製作日記。前回まではメタルフレームやメカボックスを組み上げておりました。
↑一つ前の記事。メタルフレームにチャージングハンドルとかトリガーガードといった小物アクセサリーパーツを取り付けていました。
今回はフレームから離れ、インナーバレル・アウターバレルそしてチャンバーを組み込んでみたので、各パーツの紹介から組み込み方法までを解説しようと思います。
アウターバレルはMadbull(マッドブル)製を使用
今回は実銃における「銃身」や「薬室」といった部分に該当するパーツを組み立てていきます。
これらは電動ガンにおいてもBB弾を保持し、通過する重要な箇所なので、しっかり調整しないと給弾不良、弾詰まり、命中精度の低下といったトラブルの原因となります。
また、電動ガンにおける銃身は外側の「アウターバレル」とBB弾が通過する「インナーバレル」の二重構造になっています。
まずはアウターバレルから紹介していきます。
アウターバレルはMadbull(マッドブル)製のアウターバレルを選びました。
言わずもがなアウターバレルも様々なメーカーから様々なサイズのものが販売されています。そんな中でマッドブル製を選んだ理由は以下の通り。
アウターバレルに求める条件
先述の通り、アウターバレルは様々なメーカーから色々な形状・長さのものがリリースされていますが、今回のM4A1を作る上で私のこだわりからアウターバレルには以下の条件を要求しました。
- 14.5インチであること。
- “くびれ”があること
- マズルは逆ネジであること
- バレル基部がしっかりしてるもの
- 安いこと
なんともワガママ過ぎる条件だといつ見ても思いますが、M4A1を作る上では外せないものが幾つかありますので、事情を説明します。
14.5インチであること
M4A1(M4カービン)のバレルサイズが14.5インチであるため、バレルサイズが14.5インチであることは絶対条件です。
これ以外の長さのバレルを使うとM4A1に限りなく近い何かが出来上がります。
私はM4A1を作りたいので、どうしてもこの14.5インチという長さは妥協できませんでした。
“くびれ”があること
これはM4A1にM203グレネードランチャーのアダプターを取り付けるため、バレルの一部が細く「くびれ」ているタイプが必要です。
ロアハンドガードを取り外して装着するタイプのM203は、先端部分をアウターバレルに吊り下げるようにして固定します。
その際の固定具(QDマウント)がちょうどアウターバレルが細くてくびれている位置に来るわけです。
マズルのネジが逆ネジであること
電動ガンをお使いの方はご存知と思いますが、マズル(バレルの先端、銃口)にはサプレッサーやフラッシュハイダーを装着するための「ネジ」が切られています。
このネジの向きが重要で、一般的にサイレンサーやフラッシュハイダーは「逆ネジ」に対応したものが多いです。もちろん正ネジに対応したものや、アダプターを装着することで正逆両方のネジに対応するものもあります。
ただ、今回取り付けるハイダーが逆ネジ対応であるため、やはりアウターバレル先端のマズル部分は逆ネジである必要があるのです。
そういったことから、マズルが正ネジであるG&P製アウターバレルは候補外となりました。
バレル基部がしっかりしてるもの
アウターバレルの基部にはフレームにしっかり接続し、バレルのグラつきや回転を防ぐための加工が施されております。
この基部の形状もアウターバレルの種類(メーカー)によって様々ですが、耐久性を考慮して基部の固定方法がしっかりしたものを選びたいところ。重たいM203を装着することを鑑みると尚更です。
特に安価なアウターバレルでは基部の回転止めがイモネジ1本で済ませてるモノもあり、それでは心許ない。
安いこと
ここまで贅沢すぎる条件を提示しておいて「安いこと」なんておこがましいにも程がありますが、やはり良いものを安く手に入れることは重要なのである。
エアソフトガンというのは、なかなかカネのかかる趣味であり、お金をかけようとすればキリがないまさに「沼」なのである。
そんな中、お金(コスト)を抑えるためには知恵と技術を使うことが必要である。
………なんだか本筋に大きく逸れそうな気がしたのでこの辺にしておきます。
そんな条件を満たしてくれたのがマッドブル
…という具合にワガママな条件(しかしこれらを妥協するとM4A1ではなくなる)を設けているがゆえに、理想のアウターバレルを探すのに苦労しました。
しかし、そんな中で見つけたのがこのマッドブルという台湾のメーカーのアウターバレルでした。
上記に挙げた条件をクリアしているのはもちろんの事、マッドブル製品は過去に「バトルレイル」を購入して組み込んだことがあります。
関連記事 M4に「バトルレイル」を組み込んだから詳しく解説するよ!
これがまた精度が高く、組み込みもスムーズに行えたというのは記憶に新しく、今回もそんな高品質なマッドブルのお世話になろうと思います。
サイズはもちろん14.5インチ
マッドブルのアウターバレルもまたサイズやタイプによって様々な種類がありますが、先述の通りM4A1サイズである14.5インチを選択。
なお、上の写真を見ると14.5インチはもう一つ「ライトウェイト」というのがありますが、何が違うのかというと、外見上だとM203を取り付けるための”くびれ”があるか無いかの違いでした。
M4A1には”くびれ”があるのでそちらを選択。
バレルの先端の「くびれ」もちゃんとある
上の写真の赤丸で囲った少し細くなっている部分が件の“くびれ”に該当する場所。
ここにM203グレネードランチャーを固定するパーツを装着します。M4A1の製作を開始する以前からM203付けたいとボヤいていただけにここは外せない。
バレルの刻印
バレルには使用する銃弾とライフリングについて刻印されています。こりゃまたリアル。
フレームには3点の突起で保持される
アウターバレルの基部。上面と左右にある突起部分をフレームの溝に差し込む固定方法。
先述の通り、この基部の固定方法はメーカーによってはイモネジ式だったり1点のみの固定だったりするものもあって、そういうバレルはちょっと不安。
一方でMadbullは基部と一体となった3つの突起でフレームに固定できるという点も今回選んだ理由の一つ。
アウターバレルの長さは微調整が可能
また、このバレルの基部には上下にイモネジがあり、これを緩めることでバレルと基部が前後にスライドし、バレル長を微調整できます。
これによってエアガン・実銃問わず様々なハンドガードの寸法に対応できるようになっています。
ここまでハイスペックなアウターバレルって他にあるんでしょうかね? ってくらいハイスペックなアウターバレルです。入手できて本当にラッキー。
インナーバレルはライラクスのBCブライトバレルを使用
アウターバレルの次はインナーバレルを紹介します。今回選んだのはLayLax(PROMETHEUS)のBCブライトバレル363mm。
一昔前ならばインナーバレルといえばKM企画の「TNパーフェクトバレル」や、ライラクス(プロメテウス)の「EGバレル」あたりが有名でしたが、最近またライラクスの方で新しいバレルが出たようですね。
…流行に追いつくのは大変である。
BCブライトバレルの特徴
先述の通り、LayLaxはかつて「EGバレル」という内径が6.03mmというタイト設計で強度の高いインナーバレルをリリースしていました。
しかし、いつのまにかEGバレルが消えて、今ではこの「BCブライトバレル」というのが出回っている模様。内径は6.05ミリ。
ブライトバレルの特徴としては、その名の通り「BCブライトコーティング」が施されていて、従来の真ちゅう製と比較して、素手で触った際に付着する油分による酸化・素材腐食(緑青)を軽減し、長期間の仕様が可能とのこと。
関連リンク BCブライトバレル【363mm】M4A1/SR-16/S-SYSTEM/R.I.S.用
LayLaxのブランド「PROMETHEUS RETORNE」とは
こちらは裏面。エアガンのパーツを製造しているメーカーである「LayLax」は製品のジャンルによって幾つかブランドがあります。
今回購入したアウターバレルは、そのうちの「PROMETHEUS(プロメテウス)」という電動ガンの内部カスタムパーツをメインに取り扱っているブランドから。
プロメテウスは他にもメカボックス内部のパーツ(スプリングや各種ギアなど)をリリースしているので、電動ガンの内部カスタムしたことがある人はお世話になっているかと思います。
そんなプロメテウスもなんだか「PROMETHEUS RETONE(プロメテウス・リターナ)」に生まれ変わったようで、従来の高品質さを保持しつつコストダウンを図った模様。
ユーザーとしてはありがたいお話。
バレル・チャンバーの組み込み
さて、ここまで使用するアイテム(アウターバレルおよびインナーバレル)についてご紹介しました。
ここから先はこれらバレルとチャンバーを組み込む作業について解説していきます。
用意するもの
ここでの作業で使用するパーツは
- インナーバレル
- アウターバレル
- チャンバーパーツ一式
となります。
チャンバーパーツ一式は、過去に購入したG&P製メタルフレームに付属したもの(余剰パーツ)を使用します。
これらチャンバーは現行のG&P製メタルフレームには付属していますが、前回の記事で紹介した「メタルフレーム・アッセンブリー・パーツ」には付属しないので注意。
それでは以下より組み込み手順について解説します。
チャンバーブロックにインナーバレルを組み込む
まずはチャンバーブロックとインナーバレルを合体させます。写真ではいくつか工程をすっとばしてますが、具体的には以下のとおり。
インナーバレルにチャンバーパッキンをかぶせる
チャンバーパッキン(ゴムみたいなフニャフニャした筒状のパーツ)をインナーバレルに装着します。
インナーバレルには溝が刻まれており、この溝にチャンバーパッキン内側にある突起を合わせて被せます。
チャンバーブロックにインナーバレルを挿入する
インナーバレルの開口部が上に来るようにしてチャンバーブロックに挿入します。
この開口部にホップアップアームが当たることで、インナーバレル上部に緩やかな突起ができ、その突起によって発射されるBB弾に上向きの回転が加わる、いわゆる「HOPUP」がかかるわけです。
インナーバレルを固定する
バレルの向き(位置)に問題がなければ、インナーバレルをチャンバーブロックに固定するパーツ(上の写真の赤いパーツ)をパチンとはめます。
このパーツも前後向きがあるので、チャンバーブロックの切り欠きに合わせて装着しましょう。これでバレルが固定されます。
チャンバーとバレルの隙間にスペーサーを挟む
チャンバーブロックにインナーバレルを固定したら、バレルとチャンバーの間に上の写真のようなスペーサー(振動止め)を取り付けます。
振動止めはバレルの先端から通して、チャンバーとの隙間に噛ませればOK。
ポップアップアーム&ホップアップダイヤルの組み立て
次にホップアームアームを組み立てます。
まず上の写真のように、アームにクッションラバー(黒い円柱状のパーツ)を取り付けます。そのままだと取れるのでグリスやノリなどで引っ付けます。
次に、上の写真では付いていませんが、アームの先端にスプリングを取り付けます。これでホップアップアームの準備が完了。
余談ですが、「ホップってなんぞ?」って人に簡単に説明すると、「ホップアップシステム」の略で、BB弾にバックスピンをかけることでより遠くまで玉が飛ぶメカニズムのことです。
現行の多くのエアガンに搭載されている機能で、その中でも「可変ホップ」と呼ばれている、ホップアップのかかり具合を調整できるタイプは、BB弾の重さや内部カスタム事情に応じて幅広い調整が可能。
今回作るM4A1ももちろん可変ホップ仕様。
話を戻して、ホップアーム(クッションラバー付き)をチャンバーブロックに組み込み、アーム後部に付属のピンを通して固定します。
その後、また色々と手順をすっ飛ばしていますが、だいたい以下の通り。
- (上の写真で言う)一番上の歯車をホップアームの穴に合わせて組み込み、反対側にストッパーを装着する
- 2つ目の歯車を組み込み、その上にストッパーを装着。
- 3つ目の歯車(通称:ホップ調整ダイヤル)を組み込み、ネジで固定。
- チャンバーブロックのチョロンと出っ張ってるところにスプリングを装着
…といった感じ。文章だけでは「ハァ?」となるかもしれませんが、実際にやってみると簡単です。難しい作業はありません。
反対側はこのようになっています。
フレームにチャンバーを取り付ける
インナーバレルをチャンバーに組み込んだので、今度はそれをフレームに組み込み、アウターバレルを装着します。
インナーバレルおよびチャンバーはそれ単体では固定されず、アウターバレルを組み込み、そのアウターバレルを固定してはじめてチャンバーやインナーバレルが固定されます。
装着と言っても大げさな作業は特に無く、単にインナーバレルにアウターバレルを被せるようにスルスルと通して、最後はフレームの窪みとアウター基部の突起を合わせて挿入するだけの簡単なお仕事です。
ただ、アウターバレルをフレームに固定するパーツ(=デルタリング)は後の作業であるレイルハンドガード(RIS)に付いているため、この時点ではバレル一式は固定されません。
アウターバレルとフレームに隙間が発生!
……と思っていたら、アウターバレルが最後まで入らず、写真の位置で止まってしまうというアクシデントが発生!!
参考までに上の写真が「正しく」挿入された場合のバレルの位置です。上の写真と見比べると隙間なくスッポリとハマっております。
この写真の時はインナーバレル&チャンバーを抜いた状態なので、隙間の原因はチャンバーにあると判断しました。
チャンバーブロックの干渉する部分を削る
試しにチャンバーをアウターバレルをダイレクトに組もうとすると、やっぱり最後まで挿入できません。よく見るとアウターバレルの一部がチャンバーブロックに引っかかってます(写真赤丸部分)。
ということなので、アウターバレルが干渉している部分をリューターでひたすらガリガリと削ってやりました。
リューターはエアガンのカスタムには欠かせない存在で、今回も全般を通じてお世話になりました。もちろんエアガン以外でも役に立ちます。背中の痒いところを掻きむしる時とか。
まとめ 何とか無事にバレルが組み込めました
チャンバーブロックの干渉する部分を削ったら、無事にアウターバレルがしっかりハマってくれるようになりました。めでたしめでたし。
今回はインナーバレルとチャンバーの組み立ておよび、アウターバレルの組み込みについて解説しましたが、この時点ではまだ仮組み段階で、バレルなどは固定されていません。引っ張れば簡単に抜ける状態。
この後アウターバレルを固定してハンドガードを装着するといった流れになりますが、長くなったので今回はここまで。次回をお楽しみに。
↑このままフロントパーツの組み込みかと思いきや、次回はストックを取り付けます。
今回使用した台湾Madbull製14.5インチアウターバレル。M4A1製作における私のワガママな条件をすべてクリアした理想のアウターバレル。
同じく今回使用したLayLax(PROMETHEUS)製 BCブライトバレル M4サイズなので363mmをつかいました。