趣味である戦車プラモデルの製作が再燃したので、またキットを購入してパチパチと製作をしています。今回はタミヤの「ドイツIV号対空戦車 ヴィルベルヴィント」というキットを購入しました。
実を言うと、この「ヴィルベルヴィント」は私が始めて手にした戦車プラモデルで、昔は1/48スケールのヴィルベルヴィントだったのに対し、今回は1/35スケールのヴィルベルヴィントです。
同じタミヤのヴィルベルヴィント”でも1/48と1/35とではサイズが違うし、パーツ数も違ってくると思います。そして何より、始めてプラモ作った当時と現在とでは知識や技術が違います。
果たしてどのような仕上がりになるのか楽しみです。
ということで、購入したタミヤの1/35スケールのヴィルベルヴィントのキットについて、1/48スケールとの違いや、実物の解説を交えながら紹介します!
昔作った 1/48スケールのヴィルベルヴィントについて
今回購入したのは1/35スケールのヴィルベルヴィントですが、まずは私のプラモライフの原点でもある1/48スケールのヴィルベルヴィントについて話します。
今から8年ほど前、旅行先の静岡でサイクリングしている最中にホビーショップを見つけ、そこで1/48スケールのヴィルベルヴィントを購入したのが私の模型戦車道の始まりでした。
数ある有名な戦車を差し置いてヴィルベルヴィントを選んだ理由は、当時よく見ていた「BF1942」のプレイ動画の影響で私もデモ版をプレイ。そのデモマップで登場した車輌の1つがヴィルベルヴィントでした。
独特な形状の砲塔、4つの砲身による独特な発射音から一番印象に残った戦車(対空戦車)で、静岡のホビーショップでヴィルベルヴィントを見つけて衝動買いといった感じです。
ショップではヴィルベルヴィントの他にニッパーと”瞬間”接着剤だけ買い、ホテルでノンビリ作ろうと思っていましたが、箱を開けてパーツ数を見て「こりゃ無理だ」と思い、帰宅してゆっくりアイテムを揃えてから作ることに。
戦車どころかプラモデル自体ほぼ作ったことがないド素人だけに、組み立てる前にいきなりパーツを塗装したり、現代アートのようなトチ狂ったような迷彩を描いたりと、それはそれは凄惨なヴィルベルヴィント製作でした。
それでもなんとか組み立て、迷彩塗装、ウェザリングをして無事に(?)ヴィルベルヴィントは完成してくれました。よく完成したな…。
そんな記念すべき初めての戦車プラモ(正確には”対空”戦車プラモ)であるヴィルベルヴィントは今も大事に保管してあります。懐かしい。
その後はタミヤ以外にも様々なメーカーのドイツ戦車をつくり、気づいたらプラモ沼にドップリはまっていました。
今回買った タミヤの1/35スケールプラモデル「ドイツIV号対空戦車 ヴィルベルヴィント」について
思い出話はここまでにして、ここから先は今回買った1/35スケールのヴィルベルヴィントについて書き綴ります。
購入したキットを開封してランナーや付属品類を見ていきます。
パーツランナー
まずこちらは上下車体パーツのランナー。
車体下部はバスタブ形状になっており、ここに各種転輪やフロント/リアパネル等を取り付けていきます。対する車体上部は側面装甲やフェンダーが1パーツで再現。
いずれもパーツ数が抑えられているので初心者でも作りやすい。
こちらは砲塔パーツ。
ヴィルベルヴィントの特徴でもある9角形の砲塔は上下2つのパーツで再現されています。
実際のヴィルベルヴィントの砲塔は18枚の装甲板を溶接して作られているので、パーツには溶接痕をつけてみようと思います。
その反対側には兵士フィギュアのパーツが引っ付いています。
兵士フィギュアは1/48のヴィルベルヴィントと同様に、双眼鏡を持った指揮官、装填手(2体)、砲手といった豪華な内容。
キットの構造上、先に砲塔を組み立てるとフィギュアを砲塔内に配置させることがほぼ不可能なので、兵士を砲塔に乗せる場合は砲塔上下パーツは兵士を乗せた後に接着します。
実際のヴィルベルヴィント砲塔内は非常に窮屈だったとのことで、プラモデルでもそれを忠実に再現しているようです…。
今回は兵士は搭載せずに作ろうと思います。
こちらはヴィルベルヴィントの武装である”魔の4連装”こと「2cm Flakvierling38」のパーツランナー。
2cm Flakviering38は砲身(砲架)が上下に動き、それに合わせて照準器も動くという凝ったギミックのため接着する箇所に注意。
また、この可動ギミックを再現するため、一部の関節にあたるパーツは突起部分を熱したドライバーなどを当てて溶かし、可動と固定を両立させる「焼き止め」という技法を使います。
2cm Flakviering38を拡大してみる。
砲身の先にあるフラッシュハイダーは先端が埋まった状態なので、ピンバイス等を使って軽く穴を開けておくとよりホンモノっぽくなります。
また、このラッパ状のハイダーは本来なら側面にも穴が無数に開いていますが、さすがにプラパーツでそこまで再現は難しいかもです…。
履帯
履帯は接着・塗装が出来るベルトタイプが付属します。
輪っかを作って転輪に通すだけなので、楽に作れて車体下部の塗装が楽である反面、履板の重量による”たるみ”を再現するのに一工夫いるという一長一短な履帯。
4号戦車はA型から最後のJ型まで数多くのアップートがされており、履帯もそのうちの1つです。
今回のヴィルベルヴィントのキットに付属する履帯は、F型以降に採用された40mm幅のもので、なおかつ接地面にハの字の滑り止めが付いてないタイプでした。
また、履帯内側のセンターガイドは肉抜きがされてないタイプでした、
このタイプの履帯は4号戦車のG型~J型で3号戦車のL~N型などで使用されていたとのことです。
ただ実際のところ、4号戦車の履帯は数あれど、“この年代(型)の4号戦車には必ずこのタイプの履帯!!”みたいな厳格な決まりは無く、混用もされていたみたいなので
- 40mm幅である
- 後期・最後期型でない
という条件を満たしているならヴィルベルヴィントの履帯選びにそこまで神経質になることは無いと思います(キット付属の履帯を使わない場合)。
牽引用ワイヤーロープ
こちらは車体後部に取り付けられる牽引用ロープを再現するためのヒモです。
1/48スケールだと細すぎるため1つのプラパーツで再現されていましたが、1/35だとロープ部分(このヒモ)と両端の「アイ」と呼ばれる輪っか部分の3パーツで再現します。
なお、この手のヒモは瞬間接着剤で表面を固めてほつれないようにして使います。
デカール
デカールは国籍マークである黒十字が3つと、「031」および「032」の砲塔番号のデカールが2つずつあります。これは1/48スケールのヴィルベルヴィントと同じでした。
なお「グランドパワー2020年11月 ドイツ装軌式対空車輌」には、フランス・コルマール付近で遺棄された砲塔番号「031」のヴィルベルヴィントの写真が掲載されています。
この砲塔番号031のヴィルベルヴィントは第654重戦車駆逐大隊の対空小隊所属で、初期の4号戦車 H型をベースにした車輌とのことで、写真では増加装甲を固定するボルトやツィメリットコーティングが確認できました。
組み立て説明書
親の顔より見た組み立て説明書。
単純にプラモデルの組み立て図だけでなく、そのモデルとなった車輌の情報や迷彩塗装やツィメリットコーティング、デカール(スライドマーク)の貼り方についても解説してくれていて親切。
中身はこんな感じ。
転輪の多い「4号戦車」をベースにしたヴィルベルヴィントなので足回りは情報量が多いですが、それ以外のセクションはスッキリした図になっており、初心者でも混乱することなく組み立てが出来ると思います。
…少なくともドラゴンの説明書よりは。
参考までにこれがドラゴンの説明書(4号戦車 J型 中期生産型)。ビッシリと容赦ない指示がモデラーを殴ります。
「ヴィルベルヴィント」のキット一覧
今回入手したのはタミヤのキットですが、その他のメーカーもヴィルベルヴィントのキットを出しているのでご紹介します。
↑こちらは王道のタミヤ 1/35スケールのヴィルベルヴィント。今回製作するやつです。
複雑な上部構造をもつ対空戦車ですが、組み立てやすさに定評のあるタミヤなので初心者でもわりと作りやすいと思います。キットの内容は先述の通り。
↑メジャーな戦車だけでなく、マニアックなバリエーションまでキット化している「サイバーホビー」の1/35スケールのヴィルベルヴィント。
組み立てやすさのタミヤに対し、パーツ数が多く、細かい部分もより忠実に再現されており、「タミヤで物足りない」という人にオススメ。
↑イタリアの大手老舗プラモメーカー「イタレリ」の1/72スケールのヴィルベルヴィント。
1/48よりも更に小さい1/72スケールのため、置き場所に困らないのはもちろん、ジオラマを製作する人にもオススメ。
↑「ユニモデル」というウクライナのメーカーのヴィルベルヴィント。
1/72スケールという1/48よりも更に小さいスケールのため、置き場所に困らないのはもちろん、ジオラマとかを製作する人にもオススメ。
スケールが小さいながらもドラゴンの1/35なみにパーツが細分化されているので作り甲斐があります。
まとめ
ということでタミヤのヴィルベルヴィントについてざっくりレビューしてみました。
タミヤのプラモデルはパーツ数が抑えられて初心者でも作りやすい一方で、細部もしっかり作り込まれていてリアル。それでいて海外キットよりお手頃価格といういい事尽くしです。
なのでこれから戦車プラモを始めるよ!って人から、塗装やディテールアップを極めたいという上級者にもオススメなメーカーです。
次回からはこのヴィルベルヴィントの製作に入ります。1/48スケールのヴィルベルヴィントからプラモデルの道に入り、何作か手掛けて1/35スケールのヴィルベルヴィントに戻ってくる。なんだか感慨深いです。