どうもこんにちは。
先日組み立てが終わったドラゴンの「クーゲルブリッツ」をエアブラシを使って迷彩塗装してみました。
まずは塗料がしっかり乗るように「下地処理」からスタートし、車体の迷彩塗装、そして細部の塗り分けまで一連の作業を解説します。
なお、これまでのクーゲルブリッツの制作日記に関しては、下記のリンクを参照にしてください。
クーゲルブリッツを塗装します
さて、組み立てが完了したら次やることは「塗装」ですよね。
ということで、エアブラシを使ってクーゲルブリッツに迷彩塗装をしていきます。
迷彩塗装の前の下地処理
冒頭にも書いたように、いきなり塗料を塗るのではなく、塗料の食いつきを良くするための「下処理」からスタートします。
特に今回のキットにも付属する金属のパーツ(=エッチングパーツ)はプラスチックよりも塗料の乗りが悪いので、それらのパーツにも入念に下処理をしています。
エッチングパーツにメタルプライマーを塗る
プラパーツだけならこの準備は不要ですが、今回はエッチング(金属)パーツを使用しているので、塗料の食いつきを良くするために「メタルプライマー」を塗ります。
メタルプライマーはMr.ホビー(GSIクレオス)を使用。キャップにはハケが付いてないので、筆に取って塗ります。
ちなみに今回のキットではエッチングパーツは砲塔と予備履帯を固定するラックに使用しています。
サーフェイサーで下地塗装
さて、パーツの下地処理ができたので、ここからエアブラシを使った塗装に入ります。
まずは車体の色を統一し、塗料の食いつきを良くするために「サーフェイサー」を塗ります。
サーフェイサーは、前作の「4号対空自走砲 メーベルワーゲン」の時も使用した、サーフェイサーEVO オキサイドレッド(ガイアノーツ)を使用。
サーフェイサーに実物戦車の錆止めプライマー色が入ったもので、1回の塗装でキットの下地処理と錆止めプライマー色の再現ができるので、塗装・乾燥の時間を短縮できます。
ということでまずは車体をまんべんなく真っ赤にして差し上げました。
ドイツの戦車は大戦末期になると塗料を節約する関係で、錆止めプライマーの赤色を迷彩色として利用し、更に末期では迷彩塗装せず赤色のまま戦線投入したそうです。
そういった末期戦車を再現した迷彩塗装をしてみるのも面白そうですが、今回はいつもの「3色迷彩」にします。
同じように砲塔もまんべんなくサーフェイサーで塗っていきます。
特に砲塔は上下左右に稼働するので塗り残しがないように注意します。
もちろん履帯も同様に。
車体から外せるようにしているので裏側もしっかり塗装できます。これが「ロコ組み」のメリットです。
塗装が剥がれやすい場所に剥離剤を塗る
今回はちょっと一工夫入れてみようと思い、整形したパーツを型から剥がしやすくする「離型剤」をサーフェイサーの上に塗ってみます。
使用したのはGSIクレオスのMr.シリコーンバリアー。元は成型したパーツを型から剥離するために使うものですが、これを塗るとどんな効果があるかは後ほどご説明します。
キャップをした状態でよく振ったら筆にとり、サーフェイサーを塗った車体の塗装が剥がれそうなところに塗ってみます。
フェンダーの先端、ハッチの周辺、マフラーなどなど。
車体に塗装をしていきます
さて、下準備が終わったので、いよいよクーゲルブリッツに迷彩塗装をしていきます。
ハイライト部分にイエローを吹く
ドイツ戦車の車体色は「ダークイエロー」ですが、単にダークイエローで塗るだけでは車体の色が単調になってしまい、「明暗」が出ません。
なので、まずはダークイエローよりも明るい「イエロー」を使って、陽が当たって明るくなる部分に塗っていきます。
こんな感じに、「あ、ここは明るそうだな」と思ったところにイエローを塗ります。
イエローはハイライトだけでなく、ダークイエローの発色を良くするという目的もあるので、もう少し全体的に薄く塗ったほうが良かったかもしれません。
車体色「ダークイエロー」の塗装
さて、続きまして車体色である「ダークイエロー」を車体全体に塗っていきます。
ことAFVモデラーさん達はこの車体色(迷彩色もです)のために様々な塗料を混ぜて「究極の1色」を出すのに情熱を燃やしております。
……が、私はそこまでしなくても、Mr.カラーのダークイエローで十分いい色が出ると思っているので、あまりこだわらずにやっていきます。今のところは。
まずは大まかに全体にまんべんなく塗ってみました。
なお、プラモデルはもちろん、実際の塗装でも奥まった部分などに「塗り残し」が出来るので、あえてプライマーがちょびっと見える程度に塗るとリアリティがあります。
ハッチの中央にはイエローを塗ったので、若干ですがイエローの部分とそれ以外で明暗に差が出ています。
迷彩色1色目は「ロシアングリーン」を使ってみた
ドイツ戦車の迷彩色における緑色は一般的に「オリーブグリーン(オリーブグリュン)」と呼ばれる色を使います。
……が、今回はちょっと試しに今まで使ってた「ダークグリーン」よりも明るい「ロシアングリーン」を試験的に使ってみます。
うーん、なんかちょっと明るすぎるなぁ。
ロシアングリーンが思ったより明るかったので、やっぱりいつもの「ダークグリーン」で塗装しました。
ドイツの戦車に「ロシアン」なんて使ったらチョビ髭がまた部下呼びだしてブチ切れる。
…で、なんでロシアングリーンを選んだのかというと、参考にしてたプラモ動画で、プロモデラーの越智信善さんがティーガーIにロシアングリーン使っていたので、それをマネしてみたのです。
ティーガーや前作のメーベルワーゲンとかの迷彩パターンならロシアングリーンは良さそうですが、今回のような迷彩(特に考えてない)だったらダークグリーンとかのほうが無難。
…で、ひとまず何も考えずに太さ1cmくらいの曲線をクニャクニャと車体の下から砲塔天井まで持っていくようにスプレーしたらこのような感じになりました。
迷彩色2色目「レッドブラウン」
ダークグリーンの次はレッドブラウンを塗っていきます。
いつもながら作例とかを一切参考にせず「適当」に塗装していますが、ダークグリーンの横に寄り添うような感じでレッドブラウンを塗っていったらこんなふうになりました。
イエロー・ブラウン・グリーンの3色が偏りなくバランスよく塗れ、今までやった迷彩塗装のなかで一番うまく行ったと自画自賛。
見よう見まねで「アンブッシュ迷彩」を施す
3色の迷彩だけでもよかったのですが、クーゲルブリッツの箱絵や他のモデラーさんがやっていた「アンブッシュ迷彩」というのを施してみようと思います。
これは迷彩塗装の上に斑点をつけることで、木漏れ日のようなイメージの迷彩になり、潜伏(アンブッシュ)におけるカムフラージュ率を向上させる効果があるとか。
詳しいことはわかりませんが、見た感じ、迷彩塗装の上に、ポツポツと斑点を描いていくだけだったので、見よう見まねでやってみました。
具体的には
- 下がダークグリーン:ダークイエローorレッドブラウンの斑点
- 下がレッドブラウン:ダークイエローorダークグリーンの斑点
- 下がダークイエロー:レッドブラウンorダークグリーンの斑点
と言った感じに、下に塗った迷彩の色とは異なる色を筆でポツポツと描いていきます。
その他パーツの塗装・取り付け
さて、山場である車体の迷彩塗装が無事に終了したので、履帯とか転輪、砲身、OVM(車載工具)など、細かいところの塗装や取り付けをしていきます。
履帯・転輪の塗装・取り付け
まずは履帯を塗装します。
「つや消しブラック」を混ぜて色を暗くした「ジャーマングレー」を履帯全体にブワーっとかけていきます。
今回はロコ組みという、履帯と転輪がくっついた状態になっているので、履帯の隙間を塗るのが少々厄介でした。
あわせて走行転輪もつや消しブラックで一緒に塗装しました。
普段ならタミヤのフラットブラックで筆塗りするタイヤですが、面倒だからエアブラシで一緒にやっちゃいました。
で、塗装が終わったので履帯と転輪を車体に取り付けました。一体型の履帯ではなかなか再現できない「たるみ」が見事に再現されております。
車体前部つける予備履帯も一緒に取り付けます。
今まで作った4号戦車(4号対空戦車)シリーズでは、予備履帯は車体のブレーキ点検ハッチと車体下部前面装甲のラックに取り付けていました。
しかし、今回のクーゲルブリッツでは車体の左側面に2枚×3といった取り付け方をするようです。これは4号戦車 J型に見られる特徴のひとつですね。
予備転輪を車体左側面のラックに取り付けました。
今までの予備転輪を収納するラックには、転輪を収納した後に上に細い棒を取り付けていたのですが、今回はそれらしいパーツがありませんでした。
砲身・OVMの塗装
まずメイン武装である3cm Mk103(FlakZwilling103)はガンメタルで塗装しました。
私は基本的に対空戦車のメイン武装・副武装はこのガンメタルで塗装しています。他にどんな色を使えばいいかわからないので(笑)
同じく通信手席の機関銃もガンメタルで塗装。
あと、いつもながら写真を忘れてしまうのですが、OVM(車載工具)類も一緒に塗装しました。
こちらも基本的にはガンメタルにフラットブラックを混ぜて色を黒くしたものを金属部分に、斧やジャッキ台、スコップなど木の部分にはレッドブラウンを使用しています。
塗装の剥がれを再現
先ほど車体塗装する前に「Mr.シリコーンバリアー」を塗りましたが、その部分を爪楊枝などで擦ってやると上の写真のように塗料が剥がれます。
こういった塗装のハガレを再現する場合、スポンジなどに塗料をつけて上からトントンと叩くように塗る「チッピング」といった作業をしますが、こちらは本当に剥がれているので、非常にリアルです。
ただ、剥がれまくっても困るので、控え目に塗ったら剥がれも控え目に。次はもうちょい多めに塗っておこう。
まとめ
ひとまず無事にクーゲルブリッツの迷彩塗装が終わりました。
特に写真や資料も参考にせず、あくまで自分のカンだけを頼りに塗装するという「アチャー」なやり方でしたが、いざ塗装を終えてみると今までにない良い感じの迷彩塗装が出来上がりました。
この後はウェザリングとかをしますが、正直迷彩塗装がうまく行き過ぎたので、汚すのが何だか勿体無く感じてしまいます。