こんにちは。地球の目玉焼きが出来上がりそうなくらい暑い日が続きますが皆さまお元気でしょうか?私は4月に入った頃ぐらいから夏バテしてゲンナリしています。
こんな暑い日はクーラーの効いた部屋に閉じこもってプラモ作りに没頭するに限ります。
ということで、サイバーホビーのIV号戦車 J型(中期生産型)の組み立ての続きをやっていきます。
↑今までのIV号戦車 J型の製作日記はこちら
ちなみに前回は予備履帯やフェンダーといった車体下部の残りのパーツを取り付け、ようやく車体下部が組み上がりました。
信じられるかい? 車体下部だけで2ヶ月もかかってるんだぜ?
製作が進まない原因はアルケット社の工場が空爆で破壊され、そのあとフォマーク社までオマケ爆撃されたせいにしておきます。
…まぁ何にせよ、車体下部が完成したわけですから、今回からは車体上部の組み立てをやっていきます。
具体的には車体上部の基礎となる
- 前後左右の装甲板の組み立て
- 装甲板に取り付けるパーツ、装備品に関するディテールアップ
- 上下車体の合体
といった組み立てをまとめていきます。車体下部よりも車体上部のほうが早く出来上がりそうです。
車体上部 前面装甲板の組み立て
ではまずは操縦手や通信手を保護する車体上部の前面装甲板から作っていきます。
この前面装甲板は、IV号戦車の初期である「A型」の段階では10mmほどでしたが、1943年6月以降に生産された「H型」からは80mmまで強化されました。
前面装甲板1つ見ても数多くの変更・改良が施されており、いかにIV号戦車が長く使われ続けていたかが伺えます。
そんなIV号戦車J型の前面装甲板ですが、操縦手席側には防弾ガラスを模したクリアパーツを内側からはめ込み、外側には視察バイザーを取り付けます。
そして通信手席には車載機銃であるMG34を組み立てて装着するといった内容。
なお、上面装甲板の上の方にチョロンとした突起がありますが、これは通信手・操縦手用のハッチを保持するものなので間違って除去しないよう注意。
防弾ガラスにはマスキングを
まずこちらは操縦手席の視察窓にはめ込む防弾ガラスを模したパーツ。実物が防弾ガラスだけにクリアパーツで再現されています。
今まではこの防弾ガラスやペリスコープといったものには、エナメル塗料のクリアグリーンを塗ってプリズム感を再現してましたが、今回は何も塗装せずに使おうと思います。
車体塗装のときにクリアパーツに塗料がかかると操縦手が「前が見えねェ…」となるので、ちゃんとマスキングテープを貼って保護します。
そして内側から防弾ガラスをはめ込んで接着し、外側には視察バイザーを取り付ける。
余談ですが、この視察バイザーは閉じた状態で接着することも出来ます。…操縦席にペリスコープが無い4号なのでやる人はいないと思いますが(笑)
車載機銃の組み立て・取り付け
さて、お次は通信手席に設置する車載機銃を組み立てます。
キューポラについてる対空機銃は兵士フィギュアに持たせるようなMG34(MG42)と外観がほぼ同じなので迷いません。
一方で通信手席の機銃は車載用ということで、グリップや照準器、そして機銃を頭で支えるヤツがついてたりして複雑な形状になっています。
なのでググって位置関係を確認しつつ組み立てました。
組み上がった車載機銃はこんな感じ。
残念ながら車載機銃の大部分は隠れて見えなくなりますが、見えない場所もしっかり再現しているところがドラゴン(サイバーホビー)の面白いところですよね。
装甲板にボールマウントを取り付け、内側から車載機銃を差し込みます。
なおボールマウントは外側の半円状のパーツとその内側に入れる円形のパーツの2種類がありますが、内側の円形パーツは接着剤を使わず置くだけ。
そうすることで若干ながら機銃が可動するので、お好きな角度で機銃を設定できます。…グリグリ動かし過ぎるとボキッと行くのでほどほどに。
これで前面装甲板が完成です。車載機銃の銃身が出っ張った状態なので、へし折れないように厳重に保管しつつ、次の組み立てに入ります。
車体上部 側面の組み立て
車体上部の”前”が完成したので、今度は”横”を作っていきます。側面装甲板とかその後ろにつくエンジンの吸気口などですね。
タミヤのキットだと車体上部とサイドフェンダー、その他もろもろが1つのパーツで再現されていますが、ドラゴンだと細分化されているので工程数が増えます。じっくり作っていきましょう。
…もうなんか、見た瞬間「げっ!」ってなるようなゴチャゴチャ記載されているドラゴンの説明書の9番です。
ただ、1つ1つのセクションでやる事は少なく、せいぜいパーツを5点ほど取り付ける程度。じっくりやれば何とかなるレベル。
エンジン吸気口の組み立て
まずは車体側面の後ろの方に取り付けるエンジン吸気口の組み立てから。
こやつは片側のパーツは2点だけなのであっという間に出来上がります。
側面装甲板の組み立て
お次は車体側面の装甲板。
この段階では取り付けるパーツは少ないですが、OVM(車載工具)やシュルツェン架といったものが取り付けられるため、後々盛りだくさんになっていく部分です。
「シュルツェン」を装着する場合は穴あけが必要
今回のJ型には追加装甲こと「シュルツェン」を車体側面に装着します。
そのために側面装甲板にはシュルツェンを保持するための「ステー」を取り付ける必要があり、このステーを装着するために側面装甲板には片側4ヶ所穴を開けます。
側面装甲板の裏を見ると穴が空いているので、そこを手がかりにドリル(ピンバイス)で穴をあけていきます。
予備履帯ラックの選択
側面装甲板(右側)には予備履帯を固定するためのラックが取り付けられます。
このラックは2種類から選べというもので、履帯を乗せたラック or 履帯なしのラックのいずれかを選びます。
せっかくですから履帯を乗っけた方を選びました。
履帯にはラックのシャフトが通った状態で、これと2本のフレームを組み合わせることで履帯ラックが出来上がります。
一方で履帯が無いパターンは1つのパーツで履帯ラックが再現(上の写真ではゲートがついたまま)。
履帯ラックを側面装甲板に取り付けるとこのようになります。
履帯の有り / 無しは作りたい車輌や再現したいジオラマなどに合わせて選択しますが、今回は(も)戦車単体ですので履帯がある方が情報が増えるだろうと思って装着。
問題はどうやって履帯を塗装するか。履帯を塗装するときまでの宿題としておきます。
左側の側面装甲板
今度は左側の側面装甲板。
こちらもシュルツェン架用の穴を開けたり、釣り上げ用のフックを取り付けるという点は同じ。ジャッキ台や通気口を保護する装甲カバーが取り付けられる点が右側と異なる。
余談ですがジャッキ台の後ろにある通気口保護カバー、今までこれが何なのかわからずググっても答えが出てこないので手詰まり状態でした。
こやつが通気口保護カバーだと判明したのは「図解 第二次大戦 ドイツ戦車」という本を読んだ時でした。
全てイラストではあるものの、戦車の外部・内部構造や部品の名称など非常に細かく解説されており、”Eシリーズ”などの計画車両や敵国から鹵獲した車輌なども掲載されています。
ドイツ戦車のプラモデルをつくり、ブログで紹介する私にとって欠かせない一冊となりました。
後面装甲板の組み立て
前・横ときたら次は後ろです。後面装甲です。
後面装甲板そのものはパーツを5点取り付けるといった内容ですが、ロープを固定するフックは細長いため耐久性が低く、ロープを取り付ける際にポキッといきそうです。
そのため、牽引ロープのフックを針金で自作して代用してみます。
また、牽引用ロープ用に金属ワイヤーが付属しますが、金属ワイヤーは質感が良好な反面、扱いにくいので牽引ロープも「水糸」をつかって自作することにしました。
なんだか盛り沢山な後面装甲板になりましたよ。
こちらが後面装甲板のパーツ。上の方には既にパーツを3個つけちゃってます。
あとは両端に牽引ロープ用のフックを取り付けるだけ。
牽引ロープ用のフックを針金で作る
さて、先述の通り牽引ロープを保持するフックですが、これがなかなか細長いものでプラパーツだと強度的にかなり不安。
というのも、牽引ロープをフックに引っ掛ける際に引っ張るので、力を入れすぎるとポキッといくし、そうでなくても残りの組み立て工程をやる時に工具とかが触れてポキッといきそうで怖い。
そういったことから、針金を曲げてフックの形にしたものを代用品として取り付けることにしました。
針金は直径0.7mmのものをラジオペンチで直角に曲げ、長さを整えたものを使用。多少形状がいびつでもソレっぽくなるのでダイジョーブ。
フック基部は真円ではなく半円になっており、装甲板側もダボ穴が半円になのでピンバイスで真円にします。穴は貫通してもしなくてもどちらでもOK
あとは針金で作ったフックを穴にぶっ刺して、裏から瞬間接着剤をつけるだけで取り付け完了。
後面装甲板もまたIV号のバリエーションによって転輪だったり履帯が取り付けられたりコロコロ仕様が変わりますが、今回のような牽引ロープを取り付ける場合、針金への交換はやっておいた方が安心。
牽引ロープを水糸でつくる
牽引ロープ用のフックが出来上がったので、次はそこに引っ掛ける牽引ロープそのものを作ります。
牽引ロープは本来ならばキット付属の金属ワイヤーを使って作成します。
しかし、先に述べたように金属ワイヤーは扱いにくいため、手慣れたモデラーさんは付属の金属ワイヤーではなく、ホームセンターなどで売ってる建築用の水糸を使います。
なので私も今回は水糸でワイヤーロープを自作することに。水糸は直径0.5mmのものを使いました。
上の写真を見てわかるように、ロープとしてのモールドは金属ワイヤーとほぼ同じだし、何より安価で大量生産出来るという点がありがたい。
ただし水糸には水糸なりに短所があって、糸を切る際にしくじると上の写真のようにボロボロとほつれてしまいます。
水糸はタコ糸なみに切りにくいので、よく切れるハサミを使うのはもちろん、カットする際に引っ張りすぎないよう注意する必要があります。
また、切り離す前に水糸に瞬間接着剤を塗っておく事も忘れずに。こうすることでほつれを防ぎます。
あとは水糸の両端にアイ(牽引ロープの先端)を取り付ければ牽引ロープの完成。
試しに後面装甲板のフックにくくりつけてみると上の写真のようになりました。なんだかちょいとゴチャゴチャしていますね。
そのため、プラモデラーの仲田裕之氏は自著「戦車装備品[OVM]の仕組み」にて、片方のロープを車体前方の牽引装置に引っ掛ける方法を紹介してました。
牽引ロープに関する説明書の表記ミス
ちなみに、説明書では牽引ロープは付属の金属ワイヤー(300mm)を半分にカットして”150mmにしたものを2つ用意しろ”と指示があります。
そして上の写真のように、説明図には牽引ロープの取り付け方が2パターン記載されています。
…ところが、説明図(写真参照)のように牽引ロープの先端が2つとも片側に来るよう取り付けようと試みたのですが、どうあがいても長さが足りません。
また、説明図の牽引ロープは上段は青色とネズミ色の2色で表現されているのに対し、下段のものは単色。つまり1本である。
そうなると150mmだと長さが足りないので、300mm×1にしろということになりますが、あろうことか説明書は300mmではなく150mmと記載しているので注意。
一応、金属ワイヤーでも牽引ロープを作ってみた
牽引ロープに関しては冒頭から「金属ワイヤーは扱いづらい」的なことを書いてきましたが、実際のところ付属のワイヤーを使った牽引ロープの作成は今回が初めてです。
なので「使ってないクセに金属ワイヤー語ってんじゃねーよこのハゲ!」って叱られそうな気がしたので、念のため金属ワイヤーでも牽引ロープを作って試してみることにしました。
説明書に従い、長さ300mmの金属ワイヤーを半分の150mmにして牽引ロープを作りました(ロープ両端に取り付けるアイは余剰パーツより流用)。
ロープを作る時は特に不具合は発生しませんでしたが、問題はこれを車体後部のフックに取り付ける時。水糸と違って金属ワイヤーは硬いので曲げにくいのです。
で、曲げにくいと何が不都合かと言うと、フックに巻きつける時にしっかり曲がってくれず、長さが足りなくなってしまうという点。
実際150mmで作った牽引ロープをフックに固定しようとしたところ、引っ張りながら巻きつけようとしても思うように曲がってくれず、先端がフックにギリギリ届きません。
挙げ句の果てに引っ張りすぎたせいでフックが根本からもげて牽引ロープどころの騒ぎではなくなってしまいました。…ということで大苦戦しておりました。
ただ、これは水糸でやっても150mmではギリギリだったので、(可能ならば)もう少し長めにすることでフックをへし折る悲劇を避けつつ、良い感じに取り付けられるのではと思います。
それを鑑みて、もう一本(水糸)は両端のアイ含めて170mmほどで作ってみましたが、キツすぎずユルすぎず丁度良かったです。
…そんな具合に硬さとか長さとかで色々しんどかった金属ワイヤーでしたが、使ってみた感じ今回のようにぐるぐる巻きにする取り付け方でなければ使えると思いました。
たとえば車体前部の牽引ホールドから直線状に取り付ける場合などでは金属ワイヤーでも問題なく取り付けられそうです。
苦労して金属ワイヤーで作った牽引ロープは捨てずに取っておきます。
車体上部 エンジンデッキの組み立て
お次は車体上面の後部にあるエンジンデッキ用のパーツを組み立てていきます。
ここで組み立てるのは「ラジエーター点検ハッチ」および「冷却ファン点検ハッチ」といったエンジンデッキに取り付けられる2種類のハッチ。
このハッチもまたパーツが選択式となっており、IV号戦車 J型の中期型に見られる特徴が反映されているところなので、そのあたりを見ていきながら作っていきます。
各点検ハッチのルーバーはプラパーツを使う
ではまず、後ろから見て車体の右側に取り付けられる「ラジエーター点検ハッチ」から作っていきます。
ハッチ本体は1枚の板状のパーツで出来ていますが、ハッチの内側に取り付けられる「換気用ルーバー」はプラパーツかエッチングパーツかの選択式です。
ここに至るまでプラ or エッチングの選択は必ずエッチングを選択していましたが、今回に限りこちらはプラパーツを使用します。
プラパーツとエッチングパーツの比較。エッチングパーツの方がずっと薄いのが見てわかります。
しかし、最終的にハッチは閉じて内側が見えなくなるので、エッチングパーツの利点である「薄さ」による恩恵がほぼありません。
そのうえ、接着に瞬間接着剤を使ったり、金属パーツなのでメタルプライマーを塗ったりサフを吹いて金属色の隠蔽といった下処理が必要だったりと、プラパーツよりも手間が増えます。
エンジンなど内部構造まで再現できる「フルインテリアキット」ならハッチを開けた状態にする場合もありますし、そうすれば内側に取り付けられたルーバーも見えますからエッチングでも良いと思います。
しかし今回は「中に誰もいませんよ」状態でハッチは閉じちゃいます。そうなればエッチングでもプラでも同じなので、同じなら楽な方を選ぼうよという話なのです。
冷却水注入口カバーの形状の違い
また、ラジエーター点検ハッチに取り付けられる「冷却水注入口カバー」のパーツも選択式となっており、周囲に傾斜がある台形ものか、四角いものかを選びます。
このあたりどう違ったかなぁ…と思いつつ、過去に作った「IV号対空戦車」たちを眺めてみると
- ヴィルベルヴィント(H型):台形
- オストヴィント(G型):台形
- メーベルワーゲン(J型 Flak43搭載型):四角形
- メーベルワーゲン(H型、2cm Flakvierling38搭載型):台形
- クーゲルブリッツ(J型):四角形
といったようになってました。
調べてみると冷却水注入口カバーの形状の変更は1944年7月から行われたとのことで、同時期に生産されたH型およびJ型なら新型の四角いカバーを使った方がソレっぽくなるのかもしれません。
ひとまず私は四角い方を選びました。
冷却ファン点検ハッチのハンドルは2つにした
続いてこちらは「冷却ファン点検ハッチ」。
こちらも裏側に換気用ルーバーを貼り付けますが、ラジエーター点検ハッチと同じくプラパーツを使用しました。
なお、冷却ファン点検ハッチの方はハッチを開ける際に握るハンドルがあり、説明書では”ハンドルは1つか2つかを選べ”と指示があります。
J型の特徴の一つとして、1944年7月以降に生産されたものは車体上部の上面装甲が16mm(それまでは11mm)に強化されます。
そのため装甲強化に伴うハッチの重量増加対策として、ハンドルがもう1つ追加されたのだと思います。
今作ってるJ型は8~9月生産車ということで、まさに16mmに強化された車輌なのでハンドルは2つにしてやりました。整備する兵士には優しくしないとね。
ハンドルを2つにする場合はハッチの裏側にある2つのくぼみから穴を開けてやります。
車体の基礎ができあがった!
前面、横面、後面、そしてエンジンデッキの点検ハッチといった具合に車体上部の装甲板を組み立ててきました。
あとはこれらのパーツを合体させれば車体上部が完成し、更にその車体上部と車体下部を合体させれば「車体」の基礎が出来上がります。
そこそこ大きいパーツばかりなのでいきなり接着はせず、仮組みを繰り返してマスキングで隙間を埋めて流し込み接着剤で固定するといういつものやり方で接着します。
…ただ、今回車体の前後にわずかながら隙間ができてしまったので、上の写真のように完全に接着されるまでクランプで挟んで固定しています。
最終的に隙間はなくなりましたが、ドラゴンのキットは狭い箱にギュウギュウに詰めてあるので、長期間放置するとパーツが歪んでしまうおそれがあります。開封後は早めにお召し上がり下さい。
…というわけで今回は車体の”ガワ”が完成しましたので、以降は車載工具など細かいパーツを周辺に乗っけたり、マジックトラックを組み立てると言った作業をやっていきます。
少しずつ戦車の形が見えてきましたね。この先どんな作業(試練)が待ってるのか気になります。
次回はフェンダーなどにOVMを追加していきます。エッチング使ったりパーツに独自の加工施したりしてディテールアップが映える場所ですよ。