どうもこんにちは。平成最後の夏は雷雨でした。ましゅーです。
今日は久々に4号戦車 J型(サイバーホビー)の製作日記を書いていきます。
ようやく車体とか砲塔、そして履帯が終わったので、今回は後期の4号戦車の特徴でもある「シュルツェン」を装着します。
サイバーホビー(ドラゴン)の4号戦車の場合だとシュルツェンは薄い金属板で再現され、実物同様に分割が出来るというのが特徴です。
さて、それではシュルツェンの組み立てを始めていきましょう。
砲塔シュルツェンの組み立て
4号戦車におけるシュルツェンは車体の側面と正面以外の砲塔外周をガードするようについています。まずは砲塔のシュルツェンから取り付けていきます。
説明書は18番からスタート。
砲塔に支持架を取り付ける
砲塔のシュルツェンは砲塔にある支持架(ステー)に取り付けます。
なので最初はステーを砲塔側面に取り付けるところから始まります。当初ステーのフチを削ろうかと思いましたが、この段階で十分薄いので特に加工はしませんでした。
なお、砲塔・車体問わず、このステーは取り付ける角度を誤るとシュルツェンが傾いてしまうので、ちょびっとだけ神経質になってました。
砲塔後部にシュルツェンを取り付ける
こちらは砲塔後部のシュルツェン。U字に一体成型されたパーツで、プラスチックでありながら恐ろしいほど薄く出来ているので、これも削る必要はなさそうです。
このパーツには内側下部に金網を引っ掛けるためのL字のフックを4つ取り付けました。
砲塔後部シュルツェンは内側にあるリブをシュルツェン架に合わせて接着します。
上の写真を見ると分かるように、砲塔後部とシュルツェンの間にはスペースがあり、この底部に金網のトレイを設けることでちょっとした荷物置き場となります。
このデッドスペースを利用する時期は不明ですが、グランドパワー 2015年12月号によると、”1944年7月説あり”とのこと。
砲塔とシュルツェンの隙間に入れる金網トレイ
先述の砲塔・シュルツェン間を荷物置き場として利用するための金網トレイがこちら。
この金網はエッチングパーツで再現されており、上の写真を見ると分かるように表裏があるので、鋼線が折り重なった方(写真左側)が上を向くように取り付けます。
金網は砲塔とシュルツェンにある4ヶ所のフックに引っ掛けて取り付けますが、シュルツェンをくっつけた後だと取り付けに苦労します。
一応、シュルツェンを接着した後でも上の写真のように底から差し込むことで取り付けが出来ますが、金網はシュルツェンの接着と同時に行った方が楽。
砲塔上面から見るとこのようになります。
この荷物置き場には何を置いたのでしょうね。金網なので予備の履帯や転輪だと重すぎて沈みそうですし、すぐ真ん中にはゲペックカステンがあります。
となるとサッと取り出せてポイッと投げ入れられるヤッケとかザックやヘルメットといった装備品でしょうか。
砲塔側面のシュルツェンの取り付け
つぎは砲塔の側面にシュルツェンを取り付けます。
やることは後部とほぼほぼ同じで、シュルツェン内側にあるモールドをシュルツェン板に合わせて接着。
なお、砲塔側面ハッチが来る位置には観音開きのシュルツェンが取り付けますが、ここも可能なら開閉式にしたいので、この時点では接着していません(無理そうだったら大人しく接着します)。
これで砲塔のシュルツェンはおしまいっ!
…なのですが、キューポラの直接照準器を取り付けるのを忘れたので、ここで取り付けちゃいます。
こやつもプラパーツかエッチングパーツか選べるのでエッチングパーツを選択。
ちなみにキューポラは内側を塗装する予定なので、まだ接着していません。
車体にもステーや支持架を取り付ける
砲塔の次は車体側面のシュルツェンを組み立てて取り付けていきます。
こちらもシュルツェンを取り付けるための支持架や、その支持架を保持するステーといったものを車体に取り付けるところからスタート。
何度も言いますが、この「シュルツェン」こそ後期の4号戦車の特徴でもあり、車体側面を覆われた姿は他の戦車とは一線を画しています。
それだけに組み立てや取り付けにはこだわりたいし、シュルツェンに関する調べた情報などもあわせて記載していきます。
車体はシュルツェンの有りor無しを選択できる
というわけで説明書は19番に入ります。
ただ、この19番の組み立てですが、説明図の端に「WITHOUT/WITH SIDESKIRT」という表記があるように、シュルツェンの有り無しを選択して組み立てます。
上の写真ではシュルツェン無しの組み立て図となり、その場合はシュルツェン架を取り付けず、代わりにシュルツェンステーの基部(プラ/エッチング選択式)を取り付けるという内容。
シュルツェンの無い4号などルーのないカレーと同じと考える私なので、シュルツェンはあるべきでだと思いますが、連合軍(フランス)が鹵獲した4号戦車(H型かJ型)にはシュルツェン架が撤去されていたようです。
そういったマニアック(?)な車輌を再現する時はこちらを選ぶと良いかも。
一方でこちらがシュルツェンありの組み立て図。シュルツェン架およびステーを取り付けます。もちろんこっちを選択。
シュルツェン架は2種類あり、シュルツェン板を引っ掛けるハンガーが三角形状の突起になっているものか、前3つのハンガーを面取りしたものか、いずれかを選択。
この違いが何を意味するかはよくわかりませんが、先が尖ったものを平たくするわけですから、シュルツェン未装着時に通信手や操縦手がグサッ! とならないようにするための措置と予想。
また、最前部には台形を横向きにしたような形のシュルツェン板を固定する金具をフェンダーに取り付けますが、これもプラかエッチングか選択式(後述)。
車体にシュルツェンステーを取り付ける
ということでまずはシュルツェンステーを車体側面に左右4個ずつ取り付けていきます。
砲塔のステーと同じように、ステーの取り付け角度がおかしいと後に取り付けるシュルツェン板がガタガタになるため、4本のステーが水平になるように接着。
特に一番後ろのエンジンルーバーに取り付けるステーは他の3つと勝手が違うので注意。
ステーがジャッキと干渉する?!
車体左側のステーは問題なく付けられましたが、右側の前から2つめのステーはそのままではフェンダーにあるジャッキと干渉します。
4号戦車 J型の組み立で参考にしていた書籍「仲田師匠のプラモデル道場 戦車装備品[OVM]の仕組み」でも、ジャッキがステーに干渉すると著者である仲田裕之氏が絶叫しておりました。
本書では同じくサイバーホビーの4号戦車 J型(中期型)を題材にして製作してますが、あちらはジャッキを固定具をエッチングで再現したために干渉したようです。
私はキットのパーツを使っているので大丈夫だと思っていましたが、それでも干渉してしまったようです。むむむ…。
仲田裕之氏がとった対策
「OVMの仕組み」のネタバレになってしまいますが、著者の仲田裕之氏は以下のような方法でジャッキとの干渉を回避しました。仕方がないのでジャッキのリブを削り、シュルツェン架の下側部分もさらに薄くしました。まー、仕方ないか。ジャッキの固定金具ベースがフェンダーからハミ出さない範囲で妥協しました。シュルツェンをつければ見えないし、と自らを納得させます。
先述の通り、ジャッキの固定金具はキットのものではなく、パッションモデルズのエッチングパーツを使っている関係で、ジャッキはフェンダーにベタ付けではなく、少し浮いた状態とのこと。
それが原因でステーとジャッキが干渉するとのことで、上述の方法でシュルツェン架を取り付けて解決されました。
キット内のパーツ同士ですら不具合が発生する時があるわけですから、メーカーが異なるオプションパーツならなおのこと。
そういったトラブルは、「経験」や「知恵」をもって解決するのが模型戦車道なのです!
私がとった対策
シュルツェンステーの干渉する部分をグニャッと曲げ、車体側の穴にステーを無理やりねじり込み、そのあとピンセットでステーをグイグイ押して、曲がった部分を強引に真っ直ぐに戻しました。
いつも通りの無茶振りです。
でも、そのおかげで無事に干渉しなくなり、曲げた部分も全くわからないほど。完璧だ。精神論だってたまには役に立つのです。
…知恵や経験云々はどこへ消えてしまったのでしょうね?
先端のシュルツェン固定具はエッチングを選択
こちらは先ほどちょろっと記載した、「台形を横向きにしたような形のシュルツェン板」を取り付けるための金具です。
このパーツもエッチングかプラか選択できるので、私はエッチングを選びました。
パーツを曲げたらフェンダーのモールドに合わせてペタンコします。
上の写真を見ても分かるように、プラとエッチングでは厚みが全然違います。
車体の両側にシュルツェン架を取り付ける
車体側に柱となるシュルツェンステーを取り付けたので、次は橋となるシュルツェン架を取り付けます。
先述の通り、シュルツェン架は2種類あり、上の写真のようにハンガー部分が全て三角形になっているものと、前方の2つだけ面取りされているといった違いがあります。
ここは実物の写真などを参考に選びたいところ。
でね、シュルツェン架を装着するとこんな感じになるんだ。カッコ良いでしょ?
実物写真を見てみると、シュルツェン板がついておらず、シュルツェン架だけの車輌もちらほら見かけます。
ボルトで固定する砲塔シュルツェンと違い、車体のシュルツェンはただ引っ掛けてあるだけなので、走行中にポロッと外れたり、ガンガン音がして「うっせーよ!!」と外す車輌もあったとのこと。
さてさて、これでシュルツェン板を取り付ける準備ができたので、お次はシュルツェン板を作っていきましょう。
シュルツェン板の組み立て・取り付け
4号戦車 J型の一番最初の記事でキットの中身について触れましたが、今回の4号戦車 J型(中期型)はシュルツェンを金属の板で再現しています。
そのおかげで質感は申し分なしで、シュルツェンも1枚1枚独立しており、フル装備から部分的に装着といったバリエーションが楽しめます。
さて、組み立てです。説明書は20番目に入ります。
シュルツェン板は4号戦車 H型の途中から採用された第2世代のものを使っており、こやつはシュルツェン板の内側に「コ」の字のホルダーが3個ついており、それを車体やフェンダーの支持架に引っ掛けるというもの。
ここではそのホルダーを板に取り付ける作業がメインとなります。
ランナーからシュルツェン板を外す
こちらがシュルツェン板。何度も書きますが薄い金属板で出来ているので、質感は申し分なし。まずはこの板を枠から外すところからスタートします。
従来のエッチングパーツのように、ゲート部分をカッターでストンと切り離したくなるところですが、そうするとゲート部分が歪んでしまいます。
このシュルツェン板はランナー部分をラジオペンチで挟んで軽くグニグニするとパキッと外れるので、無理な力が加わらない程度にグニグニして一辺ずつ丁寧に外します。
シュルツェン板の表面をペーパーで軽く荒らす
切り離したシュルツェン板がこちら。
なお金属パーツには離型剤が残っている場合があり、なによりこれだけ大きな金属パーツです。そのため塗料の乗りを良くするために400番のペーパーで両面とも荒らしておきました。
また、どこへ装着するか分かるように板にはL1、R4とマスキングテープでナンバリングしておきました。ホルダーの向きや形状を見れば間違えることは無いと思うけど念の為。
実際の4号戦車でもシュルツェン板に白でナンバリングしたものを散見しますし、一部の4号戦車のプラモにはそれを再現するためのデカールが入ってたりします。
ガイドに従ってホルダーを接着する
シュルツェン板の内側には「ホルダーはここに接着するんやで」というガイドが3ヶ所あるので、そこに合わせて接着します。
ただ、ガイドの位置に合わせて接着したのですが、そのシュルツェンを車体に装着してみるとシュルツェンが不揃いになります。…どこかで接着しくじったかな?
その他シュルツェン板がグラつくといった点も気になりました。
実際の4号戦車のシュルツェンでもこういった段差はあるので、気にしなければ問題ないものですが、どうしても気になったので、再度ホルダーを接着しなおします。
…調整・接着・取り外しを何度か繰り返し、ようやく納得の行くシュルツェンのレイアウトが出来ました。
不器用な私だからここまで苦戦するわけで、じっくり落ち着いて1つ1つ装着すればこうはならないと思います。多分。
先端のシュルツェン板も選択できる
こちらは先ほど申しました「台形を横向きにしたような形のシュルツェン板」とやらです。…台形と書いたけど、よく見るとその後ろの第一シュルツェンも台形でしたね。
このパーツだけは他のシュルツェンと違いプラパーツとなっています。6枚目のシュルツェンについての詳細は以下の通り。
1943年10月に追加された6枚目のシュルツェン
この6枚目のシュルツェン板は1943年10月から採用の新型シュルツェンが導入された頃に追加されたものです。
当初は台形状でしたが、やがて履帯との干渉を防ぐために下部をカットしたものに形状が変更されたとのこと。
実物写真を見ると、H型で下部をカットしたものを装着した車輌を見かけますが、鉄板シュルツェンを装着したJ型(1944年9月以前に生産されたもの)だと、1944年2月に生産された極初期型(834号車)で確認できました。
…ただ、鉄板シュルツェンのJ型の写真自体が少なく、また撮影角度によってはJとHの区別がつかないものもあります。
あと、私が知る限りでは網シュルツェンこと「トーマシールド」が装着された9月以降に生産されたJ型では台形を横にしたタイプのものが装着されていました。
接着する場所によって角度が違う
また、この6枚目のシュルツェン板ですが、実車の写真やプラモの作例を見ると
- 正面から見て内側寄りに取り付けられている
- 他のシュルツェン板と同じくまっすぐになっている
という2パターンがありました。
私も最初はこのシュルツェン板は少し角度をつけて接着して「内向き」になるようにしたほうが良いのかなと思っていました。
ところが、この板が内向き or 真っ直ぐかは、シュルツェン板の取り付ける場所によって変わるのではないかと予想。
たとえば上の写真のフェンダーの金具に取り付けると、金具の角度の関係で内向きになりますし、第一シュルツェン側に取り付ける真っ直ぐになります。
ハンガーに引っ掛けられていた他のシュルツェンと違って、先端のシュルツェンだけはボルト固定でしたし、シュルツェン側にもボルトのモールドが入っています。
これで組み立てが終了!
なんとかシュルツェンも無事に組み上がったので、これで4号戦車 J型の組み立てが全て終わりました。
シュルツェンの位置の調整で手間取りましたが、最終的にきれいに揃ってくれたので一安心。終わり良ければ全て良しですね。まだ終わってませんけど。
これで組み立てが完了したので、次回は塗装をやっていきます。塗装前の下地処理から迷彩塗装までを解説。今回はどんな迷彩パターンにしようか迷ってます。