製作中のE-100 対空戦車(アミュージングホビー)は先日、車体基本塗装が終わり、いよいよ迷彩塗装へ入るという段階です。
その迷彩塗装ですが、今回はタイトル通り「ストライプパターン」の迷彩に(無謀にも)挑戦してみようと思っています。
ということでこの記事では
- ストライプパターンの迷彩についての解説
- E-100 対空戦車のストライプ迷彩について
- ストライプ迷彩をする上でやった手順についての紹介(レッドブラウン)
といった内容をまとめてお送りします。
今までのE-100 対空戦車の製作日記は上記リンクから読むことが出来ます。
「ストライプパターン」の迷彩とは
冒頭にて「ストライプパターンの迷彩」と書いたは良いのですが、これだけではイメージが湧きにくいので、まずはこの迷彩パターンについて簡単に解説してみます。
読んで字のごとくストライプ(縞)な迷彩
ストライプパターンですが、イメージとしてはキングタイガーのポルシェ砲塔、あるいはパンター系列(ヤークトパンター)で見られるシマシマな迷彩のことを指します。
ストライプ迷彩の特徴としては、上の写真のようにオリーブグリーンとレッドブラウンの間に細長いダークイエローが入った規則正しい縞模様な迷彩という点。
先述の通り、縞模様であることから「ストライプパターン」、あるいは迷彩のラインが”斜め”になっていることから「ダイアゴナル・ストライプパターン」と呼ばれているようです。
上の写真ではフリーハンドで描いたようなラインになっていますが、中には定規を使用したみたいに綺麗な直線だったり、三角形を組み合わせた幾何学的な迷彩パターンもあります。
こちらはパンターのストライプ迷彩。
先程のヤークトパンターと比べるとより真っ直ぐなラインが描かれていることがわかります。
ストライプ迷彩の特徴
調べてみるとストライプ迷彩はパンターの場合だと1945年の西部戦線に投入されたパンターG型に施されていたみたいです。
プラモデルにおいては箱絵でこのストライプ迷彩の戦車が描かれているものもあり、それを再現した作例も散見します。
それらの特徴としては、
- 基本色はオリーブグリーン、あるいはオキサイドレッド(錆止めプライマー)である
- オリーブグリーンとレッドブラウンの間に細長いイエローのラインが入った規則的なパターン
- ラインは車体に対し垂直ではなく、斜めに描かれている
- ラインは車体、砲塔、サイドスカートで一直線となるような描かれ方をしている
- 車体や砲塔の上面には迷彩が描かれていない場合もある
といったものが挙げられます。
そんな大戦末期のストライプ迷彩をE-100 対空戦車に施そうと考えたのです。
E-100 対空戦車のストライプ迷彩
ではE-100 対空戦車はどんなストライプ迷彩なのかと申しますと、上の写真のようになっています。
キットに付属する冊子にて4種類の塗装例がありましたが、その中も特に異色のオーラを放っていたのがこのストライプ迷彩の塗装例。
で、このストライプ迷彩を描いたらリア充になれるとか、しょーもないことを考えつつ挑戦しようと至ったわけです。身の程知らずここに極まれり。
特徴としては…
- 車体ベース色はオリーブグリーン
- グリーンとブラウンの境に細長いダークイエローが描かれている
- ラインがくっきりとした直線である
といった点では参考として挙げたパンターのストライプ迷彩と似たような特徴を持っています。
ところが、E-100 対空戦車の塗装例では迷彩のラインがあちこちジグザグに描かれてる点で従来のストライプ迷彩とは大きく異なります。
ストライプ迷彩を更に発展させたパターンではありますが、大戦末期にこんな手の込んだ迷彩塗装をする余裕があるとは思えないので、架空戦車ならではの架空パターンと思われます。
いずれにせよ確実に言えることは、再現が難しいという点。…見りゃわかりますよね。
いかにしてこのカクカク線を戦車のデコボコな車体にキレイに描くかがポイントです。
アミュージングホビーもエグい塗装例を用意してくれる。
E-100 対空戦車にストライプ迷彩を描いていこう
昔の偉い人も言ってました。「男は度胸! 何でもためしてみるものさ」と。
なのでアレコレ考えずにE-100 対空戦車にストライプ迷彩を描いていきませう。
でも怖いから試し塗りはしっかりやる
…と、威勢よく「やるぞ!」と言っても、従来の迷彩塗装はともかく、ストライプ迷彩なんぞ初めてですから未知との遭遇状態です。
ブッツケ本番で塗装したら(私の散々な人生経験から)失敗するのは目に見えているので、はじめは紙などで練習をします。
そんなわけで、まずは塗料などを混ぜたりするときに使ってる牛乳パックをカットしたものにマスキングテープをペタッと貼り付けます。
で、ここに瓶ナマ塗料(希釈一切なしの塗料)を筆にとり、で横一文字にぶった切るように塗っていきます。
で、マスキングテープを剥がす。
…ちびっとモレが出てますね。きっと何かがいけなかったんだと思います。
よぉぉぉし、練習終わり!本番行くぞ!!
車体にマスキングテープを貼っていく
ということで、E-100 対空戦車の車体にマスキングテープを貼っていきます。
普段使ってるマスキングテープは18ミリですが、この日のためにと更に細い6ミリのマスキングテープを買ってきました。
…ただ、結論を申しますと、6ミリですら太いと思うことが何度もありました。
なのでその場合はテープを縦にカットして使ってました。
段差があるので隙間もできる
…で、やっぱり車体はデコボコですから上の写真のように「隙間」ができてしまいます。
なのでテープは一度に全体にペタッと貼るのではなく、チビチビと隙間を埋めていきながら貼りました。
そして上の写真のようなデコボコに差し掛かったら、マイナスドライバーのような先端が平ぺったいものでツンツンしてより密着させます。
とにかく隙間ゼロを目指すことが重要です。
出っ張りだけでなく窪みもあるので、出っ張りのときと同じように先端が平らなモノ(タミヤの調色スティックや金属の定規などを使いました)でグイグイ押して隙間を埋めます。
ちなみにマスキングですが、最初から全体に貼っていくと塗る場所とそうでない場所が分かりづらいので、とりあえず「塗る場所」だけ貼って、そこを塗り終えたら次の場所を塗るというサーチ・アンド・デストロイ形式でやりました。
まずはアクリル塗料を希釈せずに塗ってみた
では、いよいよ塗装していきます。
冊子にあるように、太いレッドブラウンの両隣を細いダークイエローで縁取りするような迷彩を再現するので、まずはレッドブラウンから。
なーに、両隣にダークイエローを塗るんだ。多少ハミ出したって平気さの精神で。
ちなみに迷彩塗料はタミヤのアクリル塗料を使った筆塗りでやりました。
- エアブラシだと休日にしか出来ず、ムチャクチャ時間がかかる
- 筆塗りなら平日の仕事帰りでも一応出来る
- むしろエアブラシのが難しい気がする
- ラッカー塗料はニオイがヤバから部屋では使いたくない
- 大戦末期にみられる粗悪な塗料を使った感じを出したい
…と言った理由で。
何も考えずにアクリル塗料を筆塗り
ということでまずは何も考えずにタミヤアクリルのレッドブラウンを希釈せずにベタ塗り。
普通なら塗料は希釈して使いますが、薄めると流動性が増してマスキングテープの隙間から染み込むのでは?という懸念から、まずはドロッとした状態のものを使ってみました。
ただ、結論を申しますと、希釈をしないと厚塗りになってしまい、いわゆる「筆ムラ」が出てしまいます。
マスキングテープを剥がすと…
塗料が乾いたらペリペリっとマスキングテープを剥がします。こんなに緊張したのは鼻パックを剥がすとき以来です。
で、剥がすと上の写真のようになりました。
きれいな直線ラインを描けているのは良いのですが、よく見るとラインの両サイドにハミ出しが出ています。
塗り残しが出ないようにとマスキングテープを跨ぐように塗ったのがいけなかったのかもしれません。
また、塗装の両側にはスジも見えます。こちらも希釈しない塗料を使ったことで、マスキングテープの部分で塗料が膨らんでしまったのでしょう。
貼って塗って剥がしての繰り返し
冊子の塗装サンプルを参考にしながら砲塔も塗装します。
従来の迷彩塗装と同じように、車体と砲塔で迷彩がつながっているので、それを考慮したマスキングおよび塗装をします。
…ただ、冊子の塗装サンプルをよく見ると、上面の迷彩ラインと側面の迷彩ラインが一致しない場所がいくつかありました。
なので塗装サンプルは参考程度にして、一致しなかった場所はオリジナルのラインにしました。
塗料の薄め具合や塗り方を色々模索した結果
何度かレッドブラウンを塗っていて分かったのは
- 塗料はある程度薄めたほうがいい(下地の色が透けて見える程度でも問題ない)
- 塗るときは何度も絞って水気を減らす
- 厚塗りではなく、薄い塗料を何回か重ね塗りする
- マスキングテープの上をまたぐような塗り方はしない
これをすることで、筆ムラを抑えられ、なおかつマスキングテープの隙間からはみ出ないストライプ迷彩が描けるようになりました。
…もちろんエアブラシには敵いませんが、それでも丁寧にやれば筆でもいい感じのストライプ迷彩が描けるということが分かりました。ちょっとだけ成長しました。
それを意識しながらマスキングテープを貼り、
アクリル塗料を筆で塗り、
そして剥がすという作業を繰り返します。
だんだん塗装例の迷彩っぽくなってきました。
もしも失敗したら…
初めてストライプ迷彩にチャレンジしてみたのですが、ここまでは不気味なくらいに順風満帆です。
正直もっとグッダグダになるものだと思ってました。なにせ初めてですからね。
そう思っていたら………
うわぁやっちまった!!
…作業に集中していたあまり、筆先がチョンと余計なところに触れてしまいました。
でも焦らず慌てず。
アクリル溶剤を含ませた綿棒で軽くゴシゴシしてみます。
そしたら何とか気にならないレベルにまで消すことができました。一安心。
塗装作業に限った話ではありませんが、一つの作業に集中すると他のところの注意が疎かになります。
気を張りすぎてもダメですが、今までの苦労が水の泡になるようなミスを起こさないためにも筆先の行方だけは常に注意しておきましょう。
特に塗装作業は1つのミスが致命的だったりするので…。
マスキングと塗り方さえ良ければデコボコも怖くない?!
こちらは砲塔後部を塗ったあとの写真です。
見てわかるようにハッチやリブなどのデコボコをぶった切るように塗っています。
隙間なくピッチリとマスキングして、適切な濃度の塗料を適切な方法で塗ったことが功を奏したようで、キレイな一直線のラインになりました。
こういうのが常に出来れば良いんですけどね。
そんな具合に車体のあちこちにレッドブラウンのカクカク線を描いていきます。
なお、冊子の塗装サンプルでは「転輪」にも迷彩が描かれていましたが、史実では工場で迷彩塗装が行われるようになった頃から「転輪の迷彩は逆に目立つ」という理由で転輪に迷彩塗装はされてません。
なので私も史実に倣って転輪は迷彩塗装をしていません。あと「こんなところ塗れるわきゃねーだろ!」という技術的な事情もあって。
迷彩ラインの中には車体や砲塔を大きく跨ぐようなものもあります。
ただ幸いにしてE-100 対空戦車はエンジンデッキやリアパネル以外はそれほど凹凸が無いので、比較的ストライプ迷彩はやりやすいのではと思います。
これがパンターとかになれば車体側面にOVMが色々取り付けられていてもっとやり辛いでしょう(でもいつかやってみたい)。
まとめ なんとか1色目の塗装が完了
ひとまず迷彩色の1色目であるレッドブラウンの塗装が終わりました。
まだ一部イビツなところとかもありますが、そういったところは後ほどタッチアップしていこうと思ってます。
レッドブラウンの塗装については多少はみ出てもその後に塗るダークイエローでカバー出来るので、そこまで苦労はしませんでした。
ぶっちゃけ、ストライプ迷彩のラインをキレイに描くにはどうすればいいか…と、練習もかねて塗っていたところもあります。
一方でここから先のダークイエロー塗装はそうはいきません。
何しろレッドブラウンと違って、ハミ出しNGで、しかもレッドブラウンよりも細い線を描かなければなりません。
作業はレッドブラウンの時と大体同じですが、レッドブラウン以上に集中して塗装をします。
今回はひとまずここで一旦製作日記を中断して、裏でこっそり塗装作業を進めておきます(この日記を投稿した時点ではまだダークイエロー塗装は完了していない)。
↑ということで、2色目のダークイエローも塗っていきます。