どうもこんにちは。
先日ヤフオクで落札して製作を開始したドラゴンの4号対空戦車 クーゲルブリッツですが、車体下部がほぼ完成したので次は車体上部を組み立てていきます。
ちょこっとトラブルも発生しましたが、無い知恵絞ってなんとか解決(?)したので一安心。
なお、これまでのクーゲルブリッツ製作日記は以下から読むことができます。
車体上部の組み立て
今回は車体の上部を作っていきます。流れとしては
- 正面・側面装甲板を取り付ける
- 伸ばしランナーを使って溶接跡を再現する
- フェンダーを組み立てて取り付ける
- 予備履帯の固定具、OVM(車載工具)、装甲板など細かいパーツを取り付ける
といった感じです。
基本的には説明書に記載されている手順で解説しています。
正面・側面装甲板を取り付ける
それでは車体上部を組み立てていきます。説明書は5番からスタート。
比較的サイズの大きいパーツを中心に組み立てて、車体上部構造を形にします。
大まかな形ができあがったら、そこにハッチ、フェンダー、OVM、その他のパーツをペタペタと取り付けていく流れになります。
こちらが車体上部のシャーシ部分。
前に作ったオストヴィント(サイバーホビー)はもっとパーツ数が多かったですが、今回は色々デフォルメされています。
車体上部の上面・側面装甲板は1つの大きなパーツで再現されています。
同じ「4号対空戦車」といえど、クーゲルブリッツは他の対空戦車とは異なる部分があります。
その一つが「砲塔リング」で、大きな砲塔を搭載するために砲塔リングサイズを「ティーガーI」のものに拡大し、それに伴いハッチを斜めに取り付けたりと変更がなされています。
ヴィルベルヴィントやメーベルワーゲンは既存の4号戦車の車体を流用していますが、クーゲルブリッツは車体は4号戦車だけど車体上部は新規設計とのこと。
こちらは車体上部・前面装甲板。通信手席側には車載機銃のMG34を取り付け、右側には操縦手が覗くビジョンバイザーをとりつけます。
今回はMG34を先に取り付けましたが、諸々の作業をやっている間にポキッと行きそうで怖いので、この手の細くて出っ張ったパーツは一通り組み立てが完成した後から付けたほうがいいかもしれません。
組み立てた前面装甲板はそのまま車体に取り付けます。
装甲板の「溶接跡」の再現
実物の戦車は装甲板は溶接によって取り付けています。なので、接合部分には溶着した跡が残ります。
なのでプラモデルでも再現してみるべく「伸ばしランナー」を作って溶接跡を作ってみた。
どこでもいいので使わないランナーをカットして、ライターなどで炙ってやってドロっとなったらニョイーンと引っ張ってやるとこのように細長くなります。
それを溶接跡を作る部分に合わせて長さをカット。
まずは普通の接着剤で接合部分にくっつけ、そのあとに伸ばしランナーの上に流し込み接着剤を塗ってはカッターナイフなどでトントンと叩いて柔らかくしていきます。
接着剤はプラスチックを溶かす性質があり、それを利用して円柱形だった伸ばしランナーを徐々に平ぺったくし、表面にギザギザのモールドを入れていけば簡単に再現できます。これでキミも今日から溶接工。
伸ばしランナーは「ちょっと細いかな?」ってくらいが丁度サイズ。
写真の右側みたいに太すぎるとビチクソになってしまうので、そうなったらカッターやヤスリで修正してやります。
側面も同じように溶接跡をペタペタ。
炙りすぎてランナー焦がしたせいで色が汚いですが、上からサーフェイサーかければ目立たなくなるので問題なし。
フェンダーの組み立て
さて、次はリアフェンダーを組み立てていきます。
今まではエンジンに風を送り込む通風口みたいなのを先に取り付けて、それを土台にしてフェンダーなどを組んでいくのですが、今回のキットでは車体に既に通風口がついていました。
ちょっとデフォルメしすぎとちゃいます?
一方こちらはフロントフェンダー。なにやら怪しげなリブがあります。
このリブにはフェンダーを留める蝶番を接着。
OVM(車載工具)の取り付け
続きまして説明書の6番目。組み上がった車体に工具やハッチなどいろいろ取り付けていきます。
参考までにこの時点での車体はこのようになっています。
ちょっと前面装甲板の溶接痕が汚いので後でリタッチしますね。
まずはフェンダーに誘導輪の調整レンチを取り付け。
次に部下の頭をひっぱたくスコップも取り付けます。
説明書によると遊動輪の調整工具の上にある側面部分に取り付けろとありますが、スコップに取り付けのための突起があるのに車体には凹みがない……?
まぁそれも「ドラゴンクオリティ」だろうと割りきって、スコップについてた突起を切り落としてそのまま接着します。
次に左側面に予備転輪を収納するケースを取り付けます。
ケースに転輪を載せたあと細いロッドで固定しますが、このキットにはそのロッドについて記載されていませんでした。
パーツを見てみると「A5」にそれっぽいのがあったので、塗装したら装着します。
つづいてハッチを取り付けます。
先述の通り、クーゲルブリッツ(およびオストヴィント)は砲塔リングの大型化に伴い、新規設計された車体を使っていて、ハッチの位置も従来の4号戦車のものと異なります。
従来の4号戦車は真っ直ぐにハッチが取り付けられていますが、砲塔リングを拡大して設計の変更を余儀なくされたクーゲルブリッツ車体だと写真のように斜めになってます。
この車体の見直しもクーゲルブリッツが少数生産となった原因の一つです。
なお、ハッチに関してはこのように開いた状態にすることもできます。
同スケールのフィギュアなどを中に入れて顔を出している状態にすれば雰囲気が出ますよ。
……こんな感じに。クーゲルブリッツにサボリーマンを乗せてみる。
搭乗させるフィギュアが無いので今までどおりハッチは閉じておきました。これで雨が降っても大丈夫。
予備履帯ラックをエッチングで作成
つぎは車体のボンネット部分に設置する予備履帯のホルダーを作ります。
ホルダー部分は写真のような金属で出来たエッチングパーツを使用します。
薄っぺらくて小さいパーツをカッターナイフとかいろいろ使って折り曲げます。今思うとランナーから切り離す前に曲げたほうが楽だったかも。
なお金属なので接着はプラスチック用ではなく、瞬間接着剤を使用します。
こんな感じに車体に載せていくのですが、接着面が少ないし、くっつきにくい金属だし、パーツ小さいしでなかなか苦戦します。
個人的にこういうパーツはもちろん、細くて折れやすいパーツ(車載機銃とか)を丈夫な金属のパーツにしてほしいなと思うところ(オプションで金属の銃身はあります)。
そんなふうに文句を言いながらも予備履帯ホルダーを接着するとこうなります。
こちらはおなじみの「ボッシュライト」。
このパーツは毎回作業中にへし折ってるので、今回はへし折らないように丁寧に扱いたい。
フェンダーの内側にスプリングを取り付けます。
車体の左側にも消火器やらスパナやらジャッキ台だのいろいろ乗っけていきます。
おなじみの牽引用シャックル。戦車が故障した時に「すまんの…」って言いながら、こいつを引っ掛けて他の戦車に引っ張ってもらいます。
特にクーゲルブリッツは2~6輌しか生産されなかった大変貴重な対空戦車ですので、戦場で動かなくなっても放置せずちゃんと持ち帰りましょう。
牽引シャックルは2枚を重ねて上から留め具を装着します。
こちらは斧です。こちらもスコップ同様に仕事をサボった部下の頭をカーンと叩くためにあります。
……なのですが、よく見ると斧の先端にパーツを金型から押し出すときにできる押し出しピン痕があります。
なのでここでも溶きパテを使って穴を埋めてやります。
今回は全般的に溶きパテを使う機会が多いですね。
こういった隙間や穴を埋めたりするのに溶きパテが大いに役に立つので、ある程度プラモ製作に慣れてきたら用意しておくと捗ります。
側面装甲板周辺のパーツ取り付け
車体の工具類を一通り載乗せ終わったので、続いて車体の後部装甲などを組み立てます。
まずは装甲板をペタン。
撮影を忘れてますが、他にもリアフェンダーのスプリングや、通信用のアンテナ基部など、説明書に書いてあるパーツを取り付けました。
なお、装甲板の両端に取り付ける牽引ワイヤーを固定するフックも出っ張ってる上に細くて折れやすい(実際折ってます)ので、最後の方に取り付けたほうがいいのかも。
あるいは針金を曲げたものを変わりに取り付けるのもアリですね。
車体上下を合体させる
車体下部に続いて車体の上部も完成したので、これら上下車体を結合させます。
でもいきなり接着するのではなく、まずは仮組みをしてパーツ同士がうまく噛み合っているかを確認します。
うまく行きそうだったら、マスキングテープをややキツめに貼り付けて隙間ができないようにします。
そしたら隙間に流し込み接着剤を浸透させて上下の車体を接着、という流れになります。
…が、今回はパーツ同士の噛み合わせが悪かったのか、車体の上下に隙間が発生したので、やや強引な手段を使いました。
車体の上下に隙間が!?
まず仮組みをしてみたところ、上の写真のように車体の後部に隙間が出来ています。ナンテコッタイ…。
フロント側はしっかり収まっています。
車体を側面から見ると、フェンダーの付け根辺りから逆への字に反っていて、そのせいで片側に組み込もうとするともう片側が浮いてしまうのです。
確認のためあちこちイジってたせいでエッチングパーツとか細かいパーツがポロポロと剥がれ落ちてしまいました。車体の問題が解決したら再度接着せねば……。
さすがにこれだけ空いた隙間を放置するのは欠陥工事にも程がある。隙間から小銃弾が侵入しては装甲の意味が無い。
……ということで荒療治ではありますが対策をとります。
隙間を無すためにやったこと
車体の上に本を乗せて更にその上にダンベルのプレート(2.5kg×2)を置いて車体を強引に圧迫。
横から見ると一応隙間がなくなるので、流し込み接着剤を塗ってそのまま1日ほど放置。
念のためフロント側や前面装甲板の下部にも同様に流し込み接着剤を塗っておきます。
ひとまず丸1日ダンベルのプレートを乗せて放置したら隙間がここまでなくなりました。こりゃ上出来。
ただし、まだ両端にわずかながら隙間が残っているのでそこに溶きパテを盛って埋めてやります。
念のため車体の先端と前面装甲板もパテで隙間を埋めます。
これで今のところ特に問題はないので隙間に関してのトラブルは解決したということにします。
車体に重り乗せて無理やり隙間を埋めるという思いつきな方法だけに、車体割れるんじゃないかと心配はありましたが、無事に成功して一安心。
ということで、車体の下部につづいて上部も完成し、残すは砲塔のみとなりました。
まとめ 車体上部も完成!
前回の車体下部に続き、今回は車体上部の組み立てを行い、上下車体を結合させました。
さすがに車体の上下を仮組みしたときに大きな隙間が出来たのには焦りましたが、強引な方法ではあったものの、なんとか隙間を埋めることが出来て安心しました。
こういったトラブルに直面した時に、どうやって解決すべきかを考えるのも模型製作の面白さですね。
残すは砲塔のみとなりました。引き続き気を抜かずに組み立てていきます。