どうもこんにちは。
先日購入しましたドラゴンの1/35スケールプラモデル「4号対空戦車 クーゲルブリッツ」の製作に取りかかっております。
今回は車体下部の組み立てを一気にやっていきます。
クーゲルブリッツ製作開始!! まずは車体下部の組み立て
さて、前置きはこのへんにしておいてクーゲルブリッツ作っていきますよ。
組み立ては基本的に説明書の記載に従って行い、車体下部、車体上部、そして砲塔といった手順となっています。
ですので、今回も従来のように車体下部からの組み立てから開始します。
OVMを取り付けるための穴をあける
おい説明書! 車体下部ちゃうんかい!!
「今回も従来のように車体下部からの組み立てから開始します」をたった1行で撤回しちゃいましたが、説明書にそう書いてあるのでその通りにします。悪いのは説明書です。僕は悪くありません。
で、どうやら車体上部やフェンダーにそれぞれ穴を開けろとあります。おそらく車載工具(OVM)を取り付けるための穴ですね。
さて、こちらがクーゲルブリッツの車体上部シャーシです。
フェンダーや機関室などが一体構成されており、現行のドラゴンのキットと比べるとシャーシに取り付けるパーツはかなり少ないです。
現行のドラゴンのキットだと左右のフェンダー、エンジンデッキのハッチ、ブレーキ点検ハッチなど、あらゆるパーツが独立してますが、この車体上部パーツはそれらが全部一体になってますからね。
車体上部パーツを裏返すと穴ボコがいくつも開いています。これを説明書の記載に従って穴を開けます。
……が、穴の数多いし、なんか説明書と実際の穴の位置が違いすぎてパッと見じゃわかりにくい。
説明書の不親切さに定評のあるドラゴンの洗礼をさっそく受けました。
説明書と実際の穴の位置が違いすぎるものの、「ここしかないよね」って場所をひとまずリューターでブチ抜いてやりました。
長方形の穴は開けたあとにリューターで横に広げ、細くて小さい棒に両面テープで貼り付けたヤスリで削ります。
反対側も同じように穴開けをします。
なお、穴を開けなかった場所はそのまま放置でもいいのですが、なんとなく気になったのでパテで埋めてやりました。
リアフェンダーも穴を開けます。
今までの経験だとこのフェンダー部分には、バールのようなものや遊動輪の位置を調整する工具が乗ってました。
転輪の組み立て
ようやく従来通り車体下部の組み立てに入ります。
履帯の内側でクルクル回ってる転輪たちを組み立てていきます。
4号戦車の転輪は左右それぞれ8つあり、予備の転輪2つを入れて合計18個つくります。
4号戦車系のプラモデルは今作が4つ目となりますが、たくさんある転輪はしんどい工程の1つだと思います。…4号に限った話じゃないけど。
もちろん1つ1つゲートやパーティングラインを削るのも忘れずに行います。
中には上の写真のようにガッツリバリが残ってるパーツもあるので、カッターナイフでしっかり切除。
こりゃまた凄いバリだ…。
古いキットなので現行のキットに比べるとザックリと粗い作りになっています。
ひとまず走行転輪18個が完成しました。
つづいて起動輪。
こちらはパーツ2点を貼り合わせたものを2つ作るだけなので転輪に比べると圧倒的に楽。
ただし、ゲートが起動輪の歯の部分についているので、ゲートと一緒に歯まで削らないように注意。
続いて遊動輪。
4号戦車(他の戦車)も車体のバリエーションから各パーツまで前期型とか後期型とかあり、この誘導輪にもそれが反映されています。
クーゲルブリッツの誘導輪は後期の鋳造タイプでした。
鋳造タイプの遊動輪は従来のパイプタイプよりも製造工程の短縮が可能で、1943年10月頃から使われ始めます。クーゲルブリッツも車体はJ型ですから時期的にもマッチしています。
この遊動輪も起動輪と同じように2つのパーツを張り合わせるだけなので簡単。
………んが、よく見ると誘導輪の内側が欠けているではありませんか! いくら鋳造製の遊動輪が製造短縮できるからといってそこまで短縮しなくてもいいだろうにッ!!
…何度も言いますが、古いキットなので今より精度の低い金型を使ってたなどの理由で、バリがあったり欠けてたりする事もあります。
そんな時は慌てず焦らず、ラッカーパテを欠けた部分に塗って乾燥したらヤスリで成形すればOK
パーツとパテの部分で色は違いますが、最終的に塗装するので全く問題ありません。
こういったパーツのトラブルに直面した時に、知恵を絞って解決するというのもプラモデルの面白さです。
次に上部支持輪を左右それぞれ4つの合計8個組み立てます。
…ん? 8個? たしかこの時期のJ型って上部転輪が3つになった頃じゃ…???
なお、上記写真を見ての通り、上部支持輪とその基部となるパーツはまだ接着していません。
今回は履帯がベルト式ではなく履板を1コマ1コマ接着する「連結式」なので、従来とは異なる方法で組みます。
従来の方法で組み立てると奥まった部分への塗装が困難になるという理由でこのように分けました。
車体下部へのパーツ取り付け
転輪一式を組み立て終わりました。次は車体に前後のパネルや転輪の基部パーツなどを取り付けていきます。
フロントパネルの取り付け
まずこちらはフロントパネル。
今まで作ってきた対空戦車では、フロントパネルを始めとする車体部分に磁石による吸着地雷の吸着を無効化する「ツィメリット・コーティング」を施していました。
しかし今回作るクーゲルブリッツは大戦末期の車輌なので、コーティングが廃止された後の戦車です。なのでコーティングナシで作ります。コーティング楽しいから本当はやりたかったけど…。
なお、本来ならこのフロントパネルには牽引用のフックが装着されます。勿論クーゲルブリッツにもありますが、説明書を見るとだいぶ先の工程だったので後ほど装着します。
ダンパー・最終減速機カバーの取り付け
次に走行転輪から伝わる振動を抑える「ダンパー」を取り付けます。
このパーツは車体下部シャーシにある「ここに接着するんやで」と言わんばかりに用意されてる四角い枠に合わせて接着するだけです。
こちらは起動輪の基部となるパーツです。
こちらも説明書を見ながら左右間違えないように接着します。…形が形なので間違えようがないですけど念の為。
リアパネルの取り付け
車体のケツにつけるリアパネルです。
これもシャーシとパーツの接着面を合わせてすき間が出来ないように接着するだけの簡単なお仕事です。
車体をひっくり返して底面から見たリアパネル。パーツの継ぎ目には流し込みタイプの接着剤を流し込んで貼り合わせます。
細かい話になりますが、車体底面後方からリアパネルの間にかけて付いてる装甲は傾斜地で地面に接触しないように角度がついてましたが、H型の後期では水平なものに仕様変更されました。
J型車体をつかうクーゲルブリッツでもそれが反映されています。
リアパネル側面には誘導輪の基部パーツを取り付けます。
車体にリアパネルを接着する前にこのパーツを取り付けますが、リアパネルを接着したあとからでも取り付けられました。
排気管の組み立て
続いてリアパネルに取り付けるマフラー(排気管)を組み立てます。
左右に分割されたパーツの中に小さいパーツを入れてから張り合わせます。
実物のマフラーは金属の1ピース構造ですが、今回のクーゲルブリッツでは左右のパーツを貼り合わせて作るので、接合部にスジが出来てしまいます。
なので「溶きパテ」を作って貼りあわせた部分に塗っていきます。
こんな感じに。
溶きパテを作る際に入れるラッカー溶剤の量は塗る場所などによってお好み加減ですが、私は溶剤は少なめにして粘度を保ったままの溶きパテを使います。
そうすることで表面がザラザラした感じになり、配管の経年劣化を再現出来ます(勿論ウェザリングでもできます)。
その他のパーツ取り付け
さて、マフラーの次は遊動輪の軸の内側のパーツを取り付けます。
ただ、説明書はこのパーツをJ7と記載していますが、正しくはJ4でした。
取り付けは軸が一直線になるように位置を決めて接着するだけ。
このパーツの根本から察するに、リアフェンダーに搭載した工具(レンチ)をこのナットに合わせて回して遊動輪の軸を緩めたり固定したりするんじゃないかと予想。
履帯は使っているうちに履帯同士を接続するピンの周辺が摩耗して緩くなっていきます。そんな緩くなった履帯の貼り具合を調整するのが遊動輪です。
車体側面へのパーツの取り付け
その次は車体側面にサスペンションや給油口などのパーツを取り付けます。まずは左側面に給油口を2つ取り付けました。
こちらも車体に用意されたモールドに合わせて接着するだけなので簡単です。
そんでもって上部支持輪の基部パーツも左右にそれぞれ4つ接着します。
こちらもモールドに合わせて接着するのですが、よく見ると上部転輪が4つに対してモールドが5つあり、1つだけダミーが混じっていますので、そいつに接着しないようにだけ注意します。
このダミーが何を意味するかを考えたのですが、4号戦車の最終形態である「J型」は、生産を簡易化するために1944年の12月から上部支持輪を4つから3つに変更したと言われています。
次に左右の側面の後端にあるリブに合わせてフックのような形をしたパーツを取り付けます。このパーツがなんの役割を果たすのかはわかりません。
牽引するときにつかうのかな??
続いて走行転輪の振動を抑えるサスペンションを取り付けます。
サスペンションはまず車体下部に取り付けてから、その上に丸いフタのようなパーツを接着するという手順。
なお、説明書(4番)ではこの時点で転輪を接着するよう指示がありますが、履帯の取り付けの関係でまだ接着はしません。
溶きパテで泥跳ねの下地をつくる
一通りパーツを取り付けたらその上に溶きパテ(粘度高め)を筆でペタペタと軽く叩くように塗っていきます。
そうすることで跳ねた泥が固まって出来たデコボコした質感が生まれます。これが泥汚れの下地となります。
溶きパテを車体側面に塗る目的は、デコボコした質感を再現するだけでなく、ダミーのリブを隠すためでもあります。
写真だとまだ若干リブが見えますが、これくらいやっておけばほとんど目立たないかと思います。リブがあることを知らない人ならまず気づかないレベル。
連結式履帯を「ロコ組み」方式でを組み立てる
お次は履帯を組み立てます。
履帯(履板)はランナーに1枚ずつくっついた状態なので、1つ1つ切り離してバリやゲートを綺麗にして接着するという修行のような工程です。
1つのランナーに履帯が80枚あり、そのランナーが3つなので合計240枚あります。履帯片側で100枚使うとして、予備履帯も用意しても20枚くらい余ります。
さすがにこのタイプの連結式の履帯は初めてなので、他のモデラーさん達がどのように組み立てているのか調べてみました。
その結果、「ロコ組み」という転輪ごと履帯を取り外せる方法を採用してる方が多かったです。
そうすることで、車体の奥まった部分や履帯、転輪の塗装がしやすくなるので「なるほどな」と。私も見よう見まねでロコ組みにチャレンジしてみることにします。
履帯を組み立てるための「治具」をつくる
で、どうやら連結式履帯を組み立てる人は履帯用の治具(ある程度長い板)を用意しているようです。
なので倉庫を探してみたところ、良さそうな木の板を見つけたのでそいつを作業台にします。
で、その板に両面テープを貼ってフィルムを剥がします。
長さは適当ですが、マスキングテープなどを車体下部に履帯の代わりに巻きつけて、大まかな長さを把握したほうが効率的です。これで板の出来上がり。
履板を1枚ずつ並べる
両面テープのフィルムを剥がし、粘着面に布などを何度か乗せて剥がしてを繰り返して粘着力を落とします(粘着力が強いと履帯を剥がす時に切れることがあります)。
で、その上に履板を1枚1枚乗せていきます。写真では並べる向きを間違えてますが、次の履板をはめ込む「くぼみ」が内側に来るよう乗せます。
なお、並べた枚数が分かるように5~10枚ごとに数字を振っておきました。これで次のキットの履帯が連結式でも怖くない。
あとはひたすら並べていきます。
5枚単位で履帯が曲がっていないか、しっかり前の履帯に合わさっているかをチェックします。
20枚並べました。
1枚1枚ランナーから切り離してゲートとかの処理をするので、予めバラバラになってる「マジックトラック」よりもしんどい。
…が、マジックトラックは履板にピン跡があるので、どのみち整形は必要です。
たまーに形状不良な履帯が出てきます。写真の上が不良品、下が正常な履帯。
80枚目。
ひたすら無言で履帯を並べる姿は客観的に見ると棘々しいオーラを放っているに違いありません。
黙々と作業することおよそ1時間。ひとまず95枚並べました。
疲れた。今なら念動力だけでチャーチルやアイゼンハワーの頭の毛を一本残らず消せそうな気がします。気がするだけです。
最初は100枚にしようと考えていましたが、接着してから「長すぎた…」だとマズイので、試しに95枚で仮組みして、足りないようであれば継ぎ足していきます。
接合部に接着剤をつける
並べた履帯の継ぎ目の部分に流し込み接着剤を塗っていきます。
一箇所にハケをチョンと置くと接着剤がスーッと継ぎ目の先端まで浸透していく光景は見てて楽しいです。
接着剤を塗って10分くらい経過したら履帯を剥がします。
この時、履帯の先端ではなく、両面テープに近い根元の部分を持ちます。
剥がし方が悪かったり両面テープの粘着力が強いと写真のように途中で履帯が切れてしまいます。そうなったら再接着。
履帯を転輪に巻きつける
さて、次は履帯を取り付けていきます。取り付けるといっても車体下部に取り付けるのではなく、転輪に巻きつけるだけです。接着はしません。
…何を言っているのかよくわからないかもしれませんが、車体に仮組みした転輪に履帯を巻きつけて接着し、そのあと転輪と履帯を車体から外します。
この方法は「ロコ組み」と呼ばれていて、オーストラリアの模型メーカーの「ROCO」という会社の戦車模型の履帯が、転輪と一体形状になってるからそう呼ばれているそうです。
ロコ組みの目的は、接着した履帯と転輪を車体から取り外すことで、接着後では困難な奥まった部分の塗装も出来るようにするため。
ではロコ組みをやっていきます。
まずは車体下部に各転輪を乗せます。しつこいようですが、この時点ではまだ転輪は接着しません。
上部支持輪などはすぐ取れてしまうので、スティック糊で仮止めしておきます。
まずは試しに接着せずに巻いていきます。履帯の中央にあるセンターガイドを各転輪の溝に合わせるのを忘れずに。
巻いてみた結果、95枚だと写真のように足りないので、もう2枚足して97枚で組みました。
ちなみに実物4号戦車の履板は98枚~100枚とのことです。
履帯の長さ(枚数)が決まったら再び巻きつけます。手順としては、
- 仮組みのときと同じように巻きつける
- 起動輪の歯と履帯の穴ががしっかり噛み合っているかチェック
- 遊動輪の外周と履帯との間に隙間がないかチェック
- 問題がなければ履帯の両端を接着して輪にする
といった流れで組みました。
その後履帯と各転輪を接着しますが、流れとしては
- 履帯を少し引っ張って走行転輪(下の転輪)との間に接着剤を塗り固定
- 起動輪の歯と噛み合っている履帯の穴に流し込み接着剤を流す
- 誘導輪の外周と接してる履帯の隙間に流し込み接着剤を流す
- 走行転輪と同じ要領で上部支持輪と履帯の間にも接着剤を塗って固定
ただ、これだけでは引っ張る力(元の位置に戻ろうとする力)がはたらいて接着面が離れてしまうので、更に以下の作業をします。
- マスキングテープで車体上部と下部をキツめに仮止め
- 上部支持輪と車体上部の隙間に丸めたティッシュペーパーなどを噛ませる
- さらに履帯の「たわみ」を出したいところにも丸めたティッシュペーパーをかませる
- 後方の上部支持輪や誘導輪などは、テンションが弱めの洗濯バサミなどで挟んで固定
この状態で接着剤が乾くまで放置します。
車体から履帯と転輪を取り外す
1日くらい放置させたら、誘導輪からゆっくり転輪を外します。上手くいくと上の写真のように履帯と転輪が引っ付いたまま外せます。
ベルト式履帯ではなかなか再現できない履帯の「たるみ」も連結式履帯ならしっかり再現。
試しに取り外した転輪を再び車体下部に取り付けようと試みたところ、問題なく取り付けられました。
まとめ:車体下部が一段落つきました
- 転輪、サスペンションの組み立て
- リア / フロントパネル
- マフラー等のパーツの取り付け
- 連結式履帯のロコ組み
これらの作業を終えて車体下部の組み立てがだいたい一段落つきました。
まだパーツの取り付けが少し残ってますが、それも説明書を見ながらおいおいやっていきます。
連結式履帯の組み立て、それも「ロコ組み」は今回が初めてですが、無事に出来て一安心です。
時間のかかる作業ではありますが、その分完成した時の達成感もまた大きいです。
車体下部がある程度出来上がったので、つぎは車体上部を組み立てていきます。