なんかいつものように製作滞ってますが、またトランペッターのグリレ17の製作日記を更新しますよ。
グリレ17はあの「キングタイガー」よりも車体サイズが大きい自走砲ですが、でっかいのにはワケがありまして、搭載している17cmカノン砲 K72(Sf)がとてつもなく大きいからです。
作る前は「車体サイズがコレだからカノン砲メッチャでけーだろうな」と思っていましたが、作っているうちに「やっぱでけぇわコイツ」となりました。要するにデカイのです。
というわけで、今日は17cmカノン砲K72(Sf)を組み立てていきます。
まずは大砲を支える砲架をつくろう
砲身だけでティーガーの全長を上回る17cm K72(Sf)なので、それを支える仕組みは当然ながらダイナミックなものとなります。ここが弱いと砲撃と同時にひっくり返っちゃいますからね。
てなわけで、まずは大砲の足元となる「砲座」から作っていきます。
17cm K72(Sf)は上の写真のようなパーツ2つで挟み込むようにして砲身や駐退機などを支えています。
ちなみに写真は内側に来る部分。こちらには成形時のモールドはありませんが…
外側にくる部分はご覧のようにあちこちに押し出しピン跡があるので、パテで埋めて整形してやる必要があります。これがまた面倒なのじゃ…。
整形した砲架にパーツをコテコテと付けていきます。こちらは砲尾から見て左側の砲架。
まずはこれで砲架の両サイドが出来ました。
続いては、砲架の内側に位置し、砲身の俯仰に関わってくる部分をつくります。
説明書に従って組み立てると写真のようなブロックが出来上がります。
中央にあるギアのような部分が駐退機側のギアと噛み合って保持されるというわけです。
…んが、あんなバカでかい砲をこんな小さい歯車で支えられるのかしら?
こちらも砲架の内側に来るパーツ。こういった説明に困るけど無くても困るようなパーツで砲架は構成されています。
そんなこんなでパーツを組み立てていったら砲架らしい形になってきました。
でっかい17cmカノン砲を支える砲架なので、71口径の8.8cm砲や12.8cm砲も支えられるのかな~とか考えながら作ってました。形状が違うから互換性ないと思うけど。
砲架の下には薄い長方形のパーツを取り付けます。
ガシャコンっと砲架をドッキングするとこんな感じになりました。
砲身の組み立て
砲架を作ったので今度はそこに乗せるための「砲身」を作っていきます。このセクションでの組み立ては大まかに分類して以下の3つとなります。
- 閉鎖機
- マズルブレーキ
- 砲身
まずは閉鎖機から作っていきましょう。
閉鎖機の組み立て
17cm K72(Sf)も他のドイツの大砲と同じ用に後部装填式ですから、閉鎖機がついています。
砲弾と火薬を詰め込んだあと、尾栓で密閉することで火薬の爆発エネルギーを砲弾にムラなく伝えて飛ばすという仕組みです。多分この記事を読んでるイケメンリア充モデラーのみんなは知ってるハズ。
まずこっちは「尾栓」。
3つのパーツをくっつけるだけですが、貼り合わせたときに出来るスジを消すために、接着剤を多めにつけてグッと圧着し、はみ出た接着剤をパテ代わりにして#1000のペーパーで整形しました。
こちらは閉鎖機。
先ほど作った「尾栓」をここに差し込んでやるわけです。写真では上から尾栓を突っ込むように見えますが、実際は左側から差し込みます。ガルパン最終章第3話ではここに桃ちゃんを突っ込みます(嘘)。
マズルブレーキに穴を開けろ
説明書の22番に入ります。
図柄からして「よーしパパ砲身組み立てちゃうぞー」って感じですが、ここでやるのは「マズルブレーキ」の組み立てです。慌てない慌てない。
説明書22番の右上にチョロンと載ってるマズルブレーキの図。
マズルブレーキ自体は本体と先端のキャップの2パーツで構成されていますが、Make holeとあるように、ドリルで貫通させてやります。
説明書にはΦ1.5の穴を開けろとあります。
しかし、私が持ってるピンバイス用のドリルは一番大きいので1.4mmと妖怪0.1足りないなので、泣く泣く1.4mmで開けることに。
穴を開ける部分は半穴になっているので位置を間違えることはありません。…が、いかんせん開ける穴の数が多いので根比べとなります。
フンメルみたいにマズルブレーキ無しか、あったとしてもヴェスペみたいなやつなら良かったのに…とブツクサ言いながらほじくってやりました。
マズルブレーキの先端には上の写真のようなキャップを取り付けます。
…が、キャップをつけるまえに、丸めたペーパーをマズルブレーキ内側に差し込んでくるくる回してカスをキレイにしておきます。あれはキャップ取り付けても覗き込めば見えちゃいますからね。
砲身の組み立て
お待たせいたしました。砲身の組み立てです。
グリレ17のキット紹介記事でも書きましたが、17cm K72(Sf)の砲身はドチャクソ長いので縦横4分割で再現されています。
ごく一般的な砲身より2点パーツが多いわけですが、やることは基本的に同じで、貼り合わせたあとに合わせ目を消すだけ。
まずは上の写真のようにゲートを少し残したままランナーから切り離します。
そして貼り合わせます。
このとき接着剤は多めにドバ塗りして接着面をギュッと押し付けてブニュッとはみでるようにします。このはみ出た接着剤がパテの代わりとなるので、あのくっせぇラッカーパテを使う手間が省けるのです。
あとは接着剤が乾くまで放置して、硬化したら#400のペーパーで合わせ目を削って合わせ目を消します。
指で触って段差を感じなくなるくらいになったらサーフェイサーを吹き付けます。
目視や指先の間隔で大丈夫と思ってもサフ吹いたあとに合わせ目がクッキリ出ることがあります。サフ乾燥後に合わせ目が出たら再度ペーパーで修正します。
これだけバカでかいカノン砲なので合わせ目消しは念入りに。
合体!
マズルブレーキ、砲身、閉鎖機を合体させてます。
後ろにある車体と比較して17cmカノン砲がいかに長砲身なのかがわかります。こんなものを自走化させろというのだからドイツには夢がある。
復座駐退機の組み立て
バカでかい砲身をこれまたバカでかい砲架で支えておりますが、それだけでは砲撃の反動でひっくり返ってしまいます(そうでないとしても大きく後ろにズレてしまいます)。
そのため、砲撃と同時に砲身を後退させて衝撃を吸収する駐退と、その後元の位置まで砲身を戻す復座という機能が大砲についています。ハイテクでんなー。
そんなわけですから復座駐退機をつくっていきます。
まずは写真のようなパーツをつくります。
そしてそいつを砲身にくっつけます。
これは「揺架」と呼ばれる砲身を前後にスライドさせるレールに噛み合わせ、砲身のスライドをなめらかにするパーツです。
電車で例えるなら揺架が線路でこのパーツは電車の車輪といったところでしょうか。
揺架の組み立て
そして話題の「揺架」をつくります。この上を砲身が前後に動くわけですからレール部分は摩耗してギラギラしていると思います。塗装のときはそこも意識します(まだ先ですけど)。
揺架自体はパーツを組み合わせるだけで、押し出しピン跡もきれいに隠れてくれるので追加の加工はしませんでした。
揺架には砲架に接続する「砲耳」や後ろにスライドした砲身を戻す「復座機」などが取り付けられます。
また、砲身は実際に前後にスライドするギミックが再現されていますし、後々の塗装を考慮して揺架から取り外せるようになっています。
迷彩塗装はもちろん、特に砲身を砲座とは異なる色(耐熱のグレーなど)で塗装したいという人のための親切設計です。
ちなみに復座機と閉鎖機には細長いロッドがついています。このロッドが見えるのは砲撃直後の砲身がスライドしている瞬間なので、今回は再現せず。
より細部にこだわりたい方は真鍮線などで再現してみると良いと思います。
砲架と合体させる
砲身・揺架を先ほど作った砲架と合体させます。
砲架内側の凹みに砲耳の突起をはめ込むだけで固定され、俯仰ギミックも再現できます。だんだん大砲らしくなってきましたね。
砲身を上げられるところまで上げてみるとこんな感じになります。
実際の17cm K72(Sf)もとい17cm K18の最大仰角は50度なので写真はあくまでフィクションですが、巨大な砲をこれだけ上に向けるとまるで高射砲です。
ドイツの高射砲は12.8cm Flak40が最大ですが、もしも戦争が長引いて開発が進んでいたら17cm Flakなんてのも登場し、主要都市の高射砲塔に設置されていたかもしれませんね。
俯仰用の油圧シリンダーの組み立て
こちらは砲の俯仰と連動して動く油圧シリンダーとピストンです。
ピストンとシリンダーは砲身のように2分割で再現されているので砲身と同じように合わせ目を消しておきます。
取り付けるとこんな感じ。
先述の通り、砲身の上下の動きに連動して油圧シリンダー・ピストンもニョイーンと伸び縮みするのでなかなかリアルなギミックです。
しかし、けっこうシビアな構成となっているので、無闇やたらに動かすと強度のないシリンダー基部がへし折れてしまいます。
また、ピストンとシリンダーもキツキツだったのでペーパーで削って滑らかにしましたが、今度は逆にガバガバになって所定の角度で保持できなくなりました。
後の塗装でのサフと塗料の塗膜が上手い具合にスペーサーとなってくれることを祈ります。というかスペーサーになってくれ。頼む。
17cm K72(Sf)の上部が完成!
砲身、砲架が出来上がり、野戦砲(カノン砲)っぽくなりました。隣に兵士フィギュアを置くと17cm K72(Sf)のデカさが際立ちます。
この17cm K72(Sf)は17cm K18を自走砲などに搭載できるようにしたもので、この下にはさらにグリレ17に搭載したり、おろして設置するために必要な機構が追加されます。
が、長くなるので一旦ここでストップし、17cmカノン砲の製作の続きは次回にします。